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更年期うつを招く原因と対処法

 2016/02/24 生活習慣病
この記事は約 6 分で読めます。 2,344 Views

女性はホルモンの状態により、日々体調や気分が変化します。更年期にはこの変化はさらに大きくなり、体調不良や精神的に不安定になったり、時にはうつ病を発症することがあります。

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更年期うつの原因

butukaru

更年期とは、一般的には45歳から55歳くらいの閉経前後の時期を指します。この時期に女性ホルモンが急激に低下し、バランスが崩れることが原因で様々な体の不調や精神が不安定になるなどの変化が起こります。

なぜホルモンが低下するかというと、閉経により卵巣の働きが止まってしまいそれまで卵巣の働きにより出ていたホルモンの分泌が減るからです。

また、その減少を防ごうと脳が別のホルモンを大量に分泌しようとし、脳の働きが活発になります。それにより自律神経にも刺激があり、気分が落ち込んだり、やる気を失ったりしてしまいます。

これらの精神的な悪影響により、うつ病を招いてしまうのです。

原因は、ホルモンバランスだけではありません。

閉経の時期は、人間関係や生活環境の変化によるストレスが増加しやすい傾向もあります。親の介護をしたり、子どもの独立による寂しさがあったりなど、生活の中でも様々な変化が起こります。

また、老後の生活や健康への不安など、精神状態を悪化させる要因も少なくありません。

他にも、環境だけでなくその人の性格にも関係しています。几帳面でまじめな人や、自分の主張がなかなかできない人、人の目を気にしすぎる人などは特に注意が必要です。

このように、年齢による女性ホルモンや体の変化、人間関係や生活環境の変化、もともとの性格などの条件が重なりあうことでうつ病になりやすい状態になります。けれども、自分の精神状態の悪化に気づかずに生活している人も少なくありません。

ただの更年期による症状だと納得してしまい、受診が遅くなるケースもあります。早期発見することで、悪化を防ぎ改善へと導きやすくなります。

 

あなたは大丈夫?【更年期うつ】チェックポイント

自分でもうつ病の可能性を調べられる方法があります。

9つのチェックポイント

次の9つのチェックポイントをみて調べる方法もあります。項目は、

  1. 毎日ひどく憂うつかどうか
  2. 何事も楽しめずひどく無気力であるか
  3. ひどく疲れた感じがするか
  4. 食欲の低下があるか
  5. 自分を過剰に責めてしまうか
  6. 不眠気味であるか
  7. 集中力がなく決断できないか
  8. 死にたいと思うかどうか
  9. イライラするのか

という9つです。

この9つの条件のうち5つ以上にあてはまり、さらには2週間以上続いている場合はうつである可能性が高いことになります。自分がうつ病かもしれないと少しでも思ったら、これらの項目をチェックしてみることがおすすめです。

また、例え心配なことがない人でも、40代、50代になったら一度調べてみると安心です。本人も気づかないうちに悪化していることもあるからです。

そのため、周囲の人たちもこれらのチェックポイントを知っておき、家族や友人の体調、気分の変化に注意しておくことも大切です。うつになった人は外出を拒みだすこともあるため、定期的に会う人や一緒に暮らす人が気を配っておくことは、早期発見に効果があります。

チェックポイントを調べてうつ病の可能性がある人が見つかっても、更年期障害とうつ病の症状は似ているため素人では判断がつきにくいこともあります。最終的には、病院で受診をするのがおすすめです。心療内科からではなくまずは婦人科に行き、問診、内診や血液検査などで診断します。

うつ病の症状が見つかった場合は、かかりつけの婦人科の先生に心療内科の病院を紹介してもらえると、心身、体力ともに負担を減らすことができます。

 

更年期うつの対処法

更年期うつのとなったら病院で診察を受け、治療を受けます。この他にも、自分で行える様々な対処法があります。

その一つは、食事の改善です。

毎日3食決まった時間に摂取し、よく噛んで食べます。食事のバランスにも気をつけ、女性ホルモンのバランスを整える食生活にしていきます。

女性ホルモンバランスを整える食べ物の一つに大豆イソフラボンがあり、これはエストロゲンという女性ホルモンに似た働きをしてくれます。エストロゲンは女性の健康を支える多くの働きをするのですが、40代頃から徐々に減っていきそれが原因で体に不調があらわれはじめます。

けれども、大豆イソフラボンを摂取することでエストロゲンの代わりの働きをし、体の不調を防ぐことができます。他にも、大豆イソフラボンにはカルシウムも多く含まれており、骨密度の減少を防ぐだけでなく、筋肉や神経の働きを保つことにも繋がります。

さらに注目したいのがエクオールという物質です。これは大豆イソフラボンが腸内細菌によって変化したもので、スーパーイソフラボンとも呼ばれています。これを日々の食事に取り入れることにより、体の不調や気分の落ち込みなどの様々な症状を抑えることが期待されています。

しかしながら、エクオールを作れない人も少なくありません。詳しい原因は分かりませんが、食生活の変化が原因の一つではないかと考えられています。エクオールが作れるかどうかは病院や検査キットで調べることができます。

また、エクオールを作れない人には、サプリメントで直接補うこともできます。食事に大豆イソフラボンやサプリメントを取り入れることで、様々な効果が期待できます。

 

まとめ

更年期障害で悩んでいる方は少なくないと思います。症状がひどすぎる場合、それはうつ病にかかっているかもしれません。一人で悩まずに、はやめに医師に相談したり、生活を見直したりすることが大切です。

放っておくと時間がたつにつれ症状が悪くなり、治りにくくなります。早期発見をし、女性ホルモンバランスを整える食事、生活を心掛けることにより、より快適な生活を送ることに繋がります。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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