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食生活の選択が癌の原因になるメカニズム

 2017/01/12 生活習慣病
この記事は約 10 分で読めます。 2,631 Views

現在、日本の死因でもっとも多いのが「癌」です。

癌の原因は諸説ありますが、食生活や日々の習慣が影響している部分は少なくありません。

癌が発生するメカニズムを簡単に説明すると「細胞分裂のミス」と表現するとわかりやすいでしょう。

癌の原因や発生のメカニズム、そして食べ物について詳しくみていきましょう。

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癌の原因は「細胞分裂のミス」?

人間には60兆個の細胞があり、毎日細胞分裂を繰り返して、生命運動を継続しています。

たとえば、日焼けをした後に肌がめくれますよね。
めくれた部分は新しい肌ができ、数日後には元の状態と大して変わらないような状態になります。

それは古い細胞が角質や皮膚となって剥がれ落ち、新しい細胞が新しい肌を構築しているというわけです。

細胞の中には分裂が速いものもあれば、遅いものもあります。

末端の細胞は入れ替わりが激しく、1日もすればまったく新しい細胞になることも可能です。

お肌の細胞は比較的入れ代わりが速く、30日程度で真新しい肌になるといわれています。
半年も経てば、半年前の細胞はひとつも残っていないといわれているほどです。

その一方で脳細胞は分裂が遅いので、入れ替わりはほとんどありません。

このように古いものや老廃物を出し、新しいものを作っているのですが、老化や生活習慣によって細胞分裂の際にミスが生じてしまうのです。

 

癌の原因になるメカニズムとは?

細胞分裂をするときには遺伝子という設計図を元に細胞が作り出されます。

人間には40,000という遺伝子が存在し、それぞれの組み合わせによって、神経や筋肉などが作られるというわけです。

このコピー活動を繰り返していると、遺伝子が傷つき正しい細胞分裂ができないケースがあります。

この細胞ががん細胞です。

がん細胞も普通の細胞と同じように細胞分裂を行います。

本来であれば「ナチュラルキラー細胞」と呼ばれる身体の免疫機能が、がん細胞を破壊して分裂しないようにしてくれるのですが、免疫機能が慢性的に低下していると、がんの増殖を止めることができません。

結果的にがん細胞が腫瘍となって、全身に転移するというわけですね。

癌の原因のメカニズムはこのようになっています。

 

癌が発生する3つの原因とは?

遺伝子が正しい細胞分裂ができなくなる原因にとしてあげられる原因は、大きく分けて3つあります。

遺伝的な要因

 1つは、「遺伝」的なものです。

癌家系という言葉がありますが、実際に遺伝が癌の原因であることは立証されています。

しかしながら全ての患者さんが遺伝的なものではありません。

本人の健康状態は25%が遺伝的なもの。
75%は環境要因だといわれています。

そのため日々の「生活習慣」や「食べ物」などが癌の原因となっていることが多いのです。

とはいえ遺伝が癌の原因である可能性もあるので、ご両親や家系に癌を患う方が多い場合は、早期発見に努める必要があるでしょう。

発がん性物質などの外的要因

2つ目が、「発がん性物質」を体内に取り込んでしまった場合の外的要因です。

たとえばタバコの煙や車の排気ガス、アスベストなどは癌の原因となる物質といわれており、有害物質が体内に蓄積した結果、癌を患うということになります。

これらの物質のほかにもがんウイルスや細菌が癌の原因となっているケースも少なくありません。
細菌にはピロリ菌が代表例として挙げられるでしょう。

ちなみにピロリ菌自体が癌を引き起こすわけではなく、長期感染により癌になりやすい環境を作っていることが理由です。

外的要因は日々の健康管理や定期健診によってある程度防ぐことができます。

たばこや空気汚染によるものも、こちらから避けるようにすればある程度は防ぐことができるでしょう。

食べ物や添加物

3つ目は、「食べ物」や「添加物」が原因で癌になるという場合です。

補足

現代の日本に癌が増えた原因は食事面の影響が多いといわれています。

50年前に癌の発症者はほとんどいなかったことからも、ここ数年で癌がものすごいペースで増えているのは、日々の食生活の変化が原因である可能性があります。

また、日本は諸外国で禁止されている食品添加物も使用しているケースが多く、世界で添加物利用量が一番多い国です。

人工甘味料や保存料が身体に悪いという認識を持っている方はおられるかもしれませんが、実際のところはまだまだ少数派。

食べ物のバランスや発がん性のある添加物を避けるだけでも、癌になるリスクはある程度抑えることができるでしょう。

 

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発がん性のある添加物について

発がん性のある添加物を紹介します。

亜硝酸ナトリウム(発色剤)

1つ目が「亜硝酸ナトリウム」(発色剤)です。
ハムやベーコン、ウインナーなどに良く使われている添加物です。

見た目を良くする目的で使用されていますが、「ニトロソアミン」という発がん性物質に変化し、癌の原因となる危険性が問題視されています。

ハムとレタスという組み合わせはよく見かけますが、レタスなどの農薬に含まれている物質とハムに含まれている発色剤が反応することで発がん性物質へと変化するため、食べ合わせについても注意しておく必要があるでしょう。

アスパルテームなどの人工甘味料

「アスパルテーム」などの人工甘味料は、ジュースやガムなどに多く含まれており、砂糖の数百倍という甘さを実現しています。

0キロカロリーのジュースが甘いのは、この人工甘味料の影響といえるでしょう。

人工甘味料の中には、このように発がん性物質としての危険性があるため、諸外国では禁止されているものもあります。

一時期、アスパルテームがあまりにも問題視されたことから「スクラロース」や他の添加物によって代用するということがありました。

とはいえ「スクラロース」ができた背景には、農薬の研究・開発中に偶然発見された物質という諸説もあります。

そのような物質を口に運ぶというのがどれほど危険かを考えれば、イメージしやすいかもしれませんね。

乳化剤

乳化剤も注意しておきたい物質のひとつです。
たとえばアイスクリームやお菓子には多く含まれています。

乳化剤の怖いところはその表記面です。

乳化剤という定義で使用できるのは、「水と油を混ぜるために必要なもの」という大きなくくりで縛られています。

つまり、乳化剤の中には無数の添加物が含まれている可能性があるということ。

原材料名は1つでも、数百という添加物が入っているリスクがあるのです。

その他

これ以外にも「酸化防止剤」「防カビ剤」「保存料」「着色料」などが上げられます。

補足

現在の食生活では添加物を完全に防ぐことはできません。

スーパーに並んでいる野菜にも農薬がついていることもありますし、水にも身体によくない物質は含まれています。

気にしすぎると非常にストレスとなり、精神的なストレスが癌の原因となってしまうかもしれません。

そのため、意識すべきことは「添加物の多いものを避ける」ということです。

外食やファストフード、コンビニ弁当やお惣菜を食べる機会の多い方は、慢性的に添加物を摂取していることになります。

添加物には天然のものと、主に石油から作られる合成のものがありますが、
石油から作られている添加物は、身体に蓄積しやすく長年の蓄積が原因で癌の原因となるものばかりです。

癌だけではなく他の病状にもつながってしまうので、添加物の多い食事を控えることが大切になってきます。

新鮮な食材を選んで、旬の食品を選ぶだけでも身体に対する影響は変わってくるでしょう。

 

重要なのは「栄養的にバランスよく食べる」こと

日々の食生活について紹介します。

添加物と同様に毎日口にするものであるからこそ、癌の原因となるケースや生活習慣病につながってしまうリスクがあります。

食事においてもっとも重要なのは「栄養的にバランスよく食べる」ことです。
○○だけ食べてれば大丈夫ということは決してありません。

○○ブームというような形でコレさえ食べておけば大丈夫!と謳う方もおられますが、ひとつの食品ですべての栄養素をカバーすることが不可能です。

健康な身体を守るためには、様々な食品を食べることが求められています。

油脂にも注意した方がよいでしょう。

油脂には「植物油」と「動物脂」がありますが、植物油の摂り過ぎは注意が必要です。

身体の炎症がおきやすい状態だと活性酸素が発生し、身体を酸化させてしまいます。
酸化は「サビ」という言葉に置き換えることができるでしょう。

このような細胞が細胞分裂することで、がん細胞へと発展し、増殖してしまうという流れです。

活性酸素が変化すると細胞を攻撃してしまう物質になることがすでに立証されているので、油脂のバランスも意識したほうがよいでしょう。

前述しましたが、特定の食品が癌の原因となっているわけではありません。
小さな要因の積み重ねが、結果的に癌へと繋がっていくわけです。

日々の食品選びやバランスがもっとも大切なので、多くの食品を食べるように意識しましょう。

 

癌に効果のある食品とは?

癌に効果のある食品群としては、「オメガ3系脂肪酸」のほかにも「ビタミンC」、「コエンザイムQ10」、「αリポ酸」などが挙げられます。

癌の原因となる「酸化」を防いでくれる抗酸化の効果が見込めるため、疲れにくい身体や風邪、病気に強い身体作りを実現することができるでしょう。

ビタミンCを多く含む食品は、かんきつ類の果物やほうれん草、レバー(牛、豚、鳥)などが挙げられます。

コエンザイムQ10に関しては体内に摂取することが難しい栄養素ですが、牛肉やレバー、鰯や鮭などに含まれています。

コエンザイムQ10に関してはサプリメントや健康補助食品などで代用する方が多いです。

αリポ酸もコエンザイムと同様に抗酸化力が高い食品群で、ほうれん草などに多く含まれています。

抗酸化力を高めることは、身体の劣化、老化を防ぐことにも繋がるので、癌の原因となる様々な要因を防ぐことができるでしょう。

ちなみに「こげ」を食べると癌になるという話を聞いたことがあるかもしれません。

確かに「こげ」は癌の原因となる物質が含まれています。

しかし、発がん性があるとはいっても毎日1トン程度食べないとがん化しないといわれています。

そのため「こげ」だけが原因で癌になることはないでしょう。
口にする分には大きな問題ではないということです。

 

まとめ

ここで紹介したような食品だけを食べれば大丈夫!
あるいは、これは食べたら絶対にだめだ!というものではありません。

ファストフードや外食は例外ですが、これだけを食べたらOKという万能食品はないのです。

様々な食品から「栄養素をバランスよく、適度に食べること」が健康を守るためには大切です。

腹八分目を意識しながら、よく咀嚼して、しっかりと栄養を摂るように意識してくださいね。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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