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コレステロールは脳に大事な栄養素!コレステロールと脳の知られざる関係とは

 2016/08/29 生活習慣病 食事・運動
この記事は約 6 分で読めます。 3,001 Views

私たちの脳には1,000億の神経細胞があり、それは相互に密に複雑に連絡しあっています。ものを感じたり、考えたり、計画したりするのに関与している大脳皮質の神経細胞だけでも200億ほどあります。

神経細胞が他の神経に情報を送る仕組みは電気信号に似ていて、ここでは神経伝達物質が働きます。これにはコレステロールが深く関わりあっています。

脳内神経伝達物質の不足がうつ病を招く

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さまざまな研究により、ある脳内神経伝達物質がうつ病を引き起こしたり、元気にしたりすることがわかってきました。

具体的に言うと、心の不安をなくし、希望をもたせるには、脳内の「セロトニン」が、喜びを感じるには脳内の「ドーパミン」が重要な役割を果たしています。

セロトニンが少なくなってくると、不安や心配を強く感じるようになり、やがてうつ病になることがわかってきました。また、うつ病による自殺者の脳内のセロトニンを調べると、減少していることがわかっています。

脳内神経伝達物質の原料は動物性たんぱく質

セロトニンを作るトリプトファンというアミノ酸、ドーパミンを作るフェニルアラニン、 チロシンというアミノ酸    これらは体内で作ることはできません。

つまり脳の安定をもたらすセロトニンや喜びをもたらすドーパミンの原料は、これらのア ミノ酸が最も大量に含まれている動物性たんぱく質から供給するのが、効果的なのです。

コレステロール値が低いとキレやすい?!

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セロトニンとうつ病の関係と同様に、コレステロールの低い人、あるいはコレステロール摂取が少ない人は精神的に不安定で暴力行為を起こしやすく、うつ状態にもなりやすいということが知られています。

これはコレステロールとセロトニンとに、一定の関係があるからです。次のような実験結果があります。

フィンランドのビルクネンという学者は、長らく犯罪者の血中コレステロールと彼らの生活について研究しており、犯罪者でコレステロールの低い人は、殺人、暴行、器具破壊などの行為で検挙され、コレステロールの高い犯罪者は、知能犯が多く、詐欺、偽造などの頭を使う犯罪が多いという結果があります。

また、キレる青少年の犯罪や反社会的な行動が日本でも増えていますが、血清コレステロール値の低い子供は、反社会行動の率が高いとの調査結果もあります。

善玉?悪玉?コレステロールの名前の由来

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コレステロールには悪い栄養素の代名詞のようなイメージがつきまとっています。また、悪玉コレステロール、善玉コレステロールという言葉もおかしなものです。コレステロールには善も悪もなく、どちらも体のためには必要なものです。

では、なぜこのような区別がついてしまったのでしょうか。

簡単に説明すると、まずコレステロールは水に溶けない脂肪であり、まわりにたんぱく質の袋を持っています。この袋の中にどのくらいコレステロールや中性脂肪が入っているかによってその比重が異なります。

脂肪が多く、たんぱく質の成分の少ないものは、低比重リポ蛋白 (LDL) と言い、脂肪が少なくたんぱく質の多いものは高比重リポ蛋白 (HDL) と言います。

コレステロールは肝臓から体の臓器や血管壁の細胞へ送られるときはLDLとなりますが、組織の細胞から肝臓へ送り戻される時は HDL となって輸送されます。

したがって、LDL が多いとコレステロールが貯まりやすく、結果として動脈硬化や肥満になりやすいということになります。これが「悪玉」と言われるようになったゆえんです 。

一方、 HDL は血管壁からコレステロールを取り去る役割を果たしているので、善玉コレステロールと呼ばれています。

生命に欠かせないコレステロール

細胞膜を作り、性ホルモンや副腎皮質ホルモンを作るコレステロールは生命に欠かせない物質であり、だから LDL として体中の必要な箇所へと運ばれているのであり、その意味では「悪」と呼ぶのはいかにも不適当だと思われます。

私たちの体は動脈硬化さえ防ぐことができればいい、というものではなくそれ以外の生命活動を無視していいはずのものではありません。

動脈硬化という点のみで善玉、悪玉などと分類し、名前をつけることはナンセンスですし、 誤解を生じる元ではないかと思います。

ストレスを感じにくくする脳をつくるための栄養素

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「世界叫隻しても伸び盛りの子供に、食べ物の制限をするのは、日本ぐらいじゃないでしょうか、この25年間でトータルの食物摂取量は7%減少しています」と言われています。

今、20歳以下の女性のほとんどがBMI指数が20以下という状況で、そのうちの40%が異常なやせ型となっており、さまざまな疾患の予備軍となっています。

ストレスに対抗するためには、環境や心の持ち方を変えてみることも大事でしょうが、ストレスを感じにくくする脳をつくるための栄養・食事を摂ることも同じくらい重要だと考えます。

そのために必要な栄養は、動物性たんぱく質や脂肪、コレステロールなど、これまで摂りすぎてはいけない、と言われてきた食品・栄養素などです。

まとめ

コレステロールについては、食物に含まれるコレステロールがそのまま体内にコレステロールとして蓄積されることはない、と言われ続けられているにもかかわらず、コレステロールの豊富な食物に対しての嫌悪感は依然として根強いものがあります。

卵、そしてそれを原料とするマヨネーズはたびたびそのやり玉に上げられてきました。

しかしここで再度、考えなければならないのは、コレステロールは、細胞膜・胆汁酸・ホルモンなどの基礎になる、体にとって不可欠な栄養素であり、特にストレスをはね飛ばす脳を作るためには、大事な食品であることです。

さまざまな食品や栄養に関する情報が飛び交う現代社会ですが、上限だけを決めている現在の指標を頼りに、自己流で制限してしまったり、下限を設定するのは面倒だから、いっそのこと摂取をできる限りゼロにしてしまおう、という発想は栄養のバランスをくずす不健康の元だけでなく、病気を引き起こす要因にもなります。

 

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ライター紹介 ライター一覧

荒木 裕

荒木 裕

崇高クリニック院長。

1962年 京都大学医学部卒

1967年 京都大学医学部大学院卒

1968年 大阪北野病院勤務

1971年 アメリカハーバード大学付属 小児病院脳神経外科研修医

1973年 アメリカハーバード大学医学部 臨床栄養学部助教授

1976年 アメリカ国立公衆衛生研究所(NIH)客員研究員

1977年 アメリカサウスカロライナ大学 医学部勤務

1983年 崇高クリニック開設


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