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うつ病の人が必ず経験する苦悩とそこからの這い上がり方

 2016/12/26 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 5,054 Views

うつ病になると、ほぼすべての人が葛藤を覚え、苦悩を経験します。

その葛藤や苦悩はうつ病になぜなってしまったのか、その要因から来るものがほとんどです。

逆に言えば、その葛藤や苦悩と向き合うことでうつ病の再発を防ぎ、予防に努めていくことができます。

うつ病から這い上がるには、今経験している葛藤、苦悩、苦しみ、辛さと正面から向き合い、改善していくことが何より重要です。

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うつ病治療の入門編 ~ストレスという名の「液体」~

うつ病は1つの原因だけで引き起こされる場合もあれば、遠因となるものが蓄積し、別の要因が引き金となってうつ病を発症するという場合もあります。

そのため、引き金となった要因を改善したとしても、結局遠因となるものをそのままにしてしまうことで、別の要因がまた引き金となる可能性があります。

いずれの場合も元を断つということが求められます。

うつ病になりやすい原因として最も大きいのはストレスです。
このストレスが厄介で、人によってその耐性が違います。

ちょっとしたことでショックを受ける人もいれば、身内の死でも気丈に振る舞うことができる人もいます。

こうした差が生じる背景にあるのが生育環境です。
いわゆる性格や考え方の問題がそれです。

元々自分が持っている気質、性格、培ってきた考え方がベースであり、処理能力、器につながります

そこに「ストレスとなる液体」が注ぎ込まれることになります。

これを処理できているうちは精神面での健康が保たれていますが、ギリギリで処理している状態だと、別の衝撃によってあふれ出ることも考えられます。

この「別の衝撃」こそが直接のうつ病の原因です。

しかし、元々器には多くの液体があり、それが少なければ、その衝撃を受けたとしてもうつ病を発症していたとは言えません。

一生懸命その原因を除去しても、処理能力や並々に注がれた「液体」をどうにかしなければ、いつまでたってもうつ病の改善にはつながらないのです。

症状の中には思考能力が止まる、決められない、興味関心がなくなる、自責の念に駆られるといったものが存在し、うつ病患者のほぼ全員がこうした症状を経験します。

動けば器から液体からあふれ出る、その処理をしなくてはいけない、でも液体はまだ流れ続けるという状態であるため、なるべく液体を止めるという姿勢がそれらの症状につながります。

決断することもいわばストレスであり、考える作業もストレスです。

治し方にもつながりますが、とにかく安静にしている、刺激を少なくすることが治療の際には大事になります。

よく、うつ病患者を気分転換に外に連れ出すのはよくないと言われますが、「液体」をあふれ出ないようにするのが精いっぱいである中、外に連れ出されるだけでかなりのストレスとなり、その処理で四苦八苦します。

そのため、なるべく刺激を与えないということがこの場合は重要です。

 

うつ病の段階的な症状とは?

うつ病の症状には段階が存在します。

最初の段階では、いわゆる怠惰な生活を過ごすようになります。

「ストレスという名の液体」が注がれないようにし、器の液体が処理されるのを待つという段階です。

この段階では体などの不調を訴える人が多く、また感情の起伏が激しくなるのも特徴です。

次の段階になると、さらに感情の起伏、体の不調が激しくなり、器の液体の処理がなかなか追いつかず、自転車操業の段階を迎え、何かしらの衝撃があれば発症するという段階を迎えます。

この段階で重大な決断、いわゆる退職や離婚、自殺未遂といったことをしてしまう人が出てきます。

次の段階では、抑うつ感に襲われ、絶望的な考えとなる人が増えます。

被害妄想など妄想が激しくなり、テレビを見るなどのこともできず、本当に何もできず、寝たままで1日を終える人も出てきます。

死にたくてもエネルギーがないという状態です。

器から「液体」があふれ出て、器の周りが汚れていてもそれすら無頓着というのがこの段階での特徴ですが、実はこの次の段階が医学的には最も重い状態と言われており、「回復期」と呼ばれるものに入ります。

 

なぜうつ病の「回復期」は最も危険なのか?

この「回復期」が一番危険であることは、うつ病患者を持つ家族などは知っておかなければなりません。

器の液体の処理も急ピッチで進み、様々なことで改善が進み、食欲などを取り戻し、体重も増え、病気が回復していることを周囲は実感しますが、本人からすれば、今までを取り返さなければならないという焦りがそうさせてしまい、多少の無理をします。

これもまたうつ病の人が必ず経験する苦悩であり、うつ病になってしまったことで今までできていたことができなくなってしまったと思いこみ、もう自分には生きる価値がないと考えるなど、場合によっては自殺等につながりやすくなります。

一見すれば器の中の液体は処理されているように見えても、その器自体が長らく続いた満杯の状況で疲弊しきっており、ちょっとしたストレスもかなりの刺激となってしまいます。

ここから症状は一進一退を繰り返し、苦しみながら快方に向けての歩みを進めていきます。

 

うつ病から「這い上がる」ために欠かせないこと

治し方(這い上がり方)としては、まずうつ病患者に「うつ病であることを自覚」させることが大事です。

当事者の多くは、自分はうつ病であるとは信じようとしません。
まして、家族の中には理解を示さない人もいます。

器の中の液体は明らかにいっぱいなのに、まだ入るから大丈夫だとか、気合いでなんとかなるということをしてしまうと、結果として器からあふれさせ、発症させることになるばかりか、長引かせてしまいます。

「うつ病は必ず治るし、むしろ治しやすい」ということを伝えていくことが大切です。

必ず経験する苦悩の中には、自分は本当に治るのだろうかと重く考えるということも含まれます。

薬を飲んですぐに治るのではなく、長い付き合いになるけれどじっくりと向き合えば必ず治るという説得の仕方をしてあげることが、「うつ病からの這い上がり」につながります。

 

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うつ病患者の家族の接し方の基本 ~とにかく●●しない~

家族の接し方の基本は「とにかく怒らない、励まさない」ということです。

それまでのうつ病患者は器の中の液体を必死に処理してきました。
一生懸命外に搔き出し、あふれさせないよう懸命に努力をしてきました。

まずはその事実を認めてあげることが大切です。

この事実を、お前がもっと努力すればよかっただけだとか、あなたならもっと掻き出すことができるというような言い方をしてしまうと、俺にもっと頑張れというのか、これだけ必死にやってきたのに努力不足だというのかと思われ、掻き出すことすらやめてしまい、ストレスにさらされ続け、長期化することになります。

その存在自体で十分、生きているだけでいいといった言葉を「かけ続ける」ことが大切で、すべてを受け止める温かい姿勢が必要です。

苦悩する人の中には、こうした家族との関係性で苦しんでいる人が本当に多く存在します。

家族にこうしたことが期待できないという場合には、医師などと相談し、1人暮らしを試みるなど物理的に距離を置くということも必要です。

うつ病患者は孤独感にも襲われやすく、誰も助けてくれないと苦悩する人も多く存在します。

そうなると周囲へ当たり散らすうつ病患者も現れ、周りの家族が疲れ切ってしまい、よからぬ行動に走らせたり、家族自身もうつ病患者となる場合があります。

夫がうつ病になり、それを支えてきた妻までもうつ病になるというケースで、こうなってしまうと共倒れになります。

そのため、こうした症状が患者に見られたら医師に相談し、精神病棟での入院も検討することが求められます。

ある一定のレベルを超えてしまった場合には、「物理的に距離を置く」ということが治し方の基本です。

うつ病患者にはマジメな人が多いというのが実情です。

すると、仕事や勉強は大丈夫なのかと考え込む人も出てきて、すぐに復職復学を果たそうと努力する人もいます。

しかし、こうした場合は薬を飲んで症状を抑えながら仕事や勉強に励むため、効率は上がりません。

そうなると、効率が上がらないことに不安を感じ、症状を悪化させるスパイラルに突入します。

うつ病を発症している場合、薬を飲んだとしても本来のパフォーマンスを取り戻すことはできません。

ならば、休養に努めてもらい、仕事や学校のことはすべて忘れることが何よりも大事な薬です。

その際には、職場の人や学校の先生などから、安心して静養に努めてほしいという言葉が良薬となります。

 

「心からのSOS」=自殺の衝動への対応方法とは?

家族にとっても、そして、うつ病患者にとっても注意しなくてはいけないのが自殺の衝動です。

もう今までの自分は取り戻せない、だったら死にたいと考えてしまうのがうつ病の恐ろしいところです。

いわば「心からのSOS」であり、こうした言葉が出てきた場合にはSOSなのだと感じ、正面から向き合うことが必要です。

ここで家族などがとってしまいがちなものとしては、二度と死ぬとか自殺するとか言うなとその発言自体を叱責する言動や、そういうのは気のせいだとなかったことにしようとする言動、さらに、何も聞かなかったことにする無視などです。

二度と言うなと叱責されれば確かにそうした言動は患者からなくなります。
しかし、心からのSOSが出ていることは事実で全くもってその解決はなされていません。

どんどん心からのSOSは出ている、なのに出せないという状況は自殺の可能性を高める以上に、家族の関係性を崩壊させ、破滅的な行動に走らせることにもつながります。

それ以外の言動も同様で、自分はないがしろにされた、価値のない人間なのだと思ってしまいます。

ここで重要なことは、相談相手として「心からのSOS」を受け止め続けることです。

もちろん、受け止め続ける側も大変ですが、ここでの変化などを医師などに相談することで適切な対応がさらにできるようになります。

そして、自殺を口にした患者に対しては、自分だけの命ではないからそれだけはやめてほしいと懇願し、生きてるだけで存在価値があることを強く主張すること、それを行動におこすことが大切です。

あとは、薬の管理など自殺の衝動に襲われてしまっても、その危険を除去する行動をとることも併せて行う必要があります。

治りかけの状態でも、うつ病患者の葛藤、苦悩は存在します。
自分が思っている状態と周囲が思っている状態にギャップを感じる場合です。

患者当人は気丈に振る舞っており、これなら大丈夫と周囲の人が油断をした結果、実は無理をしていただけで逆戻りということも多々あります。

大事なことは自分が思っている状態と周囲が思っている状態をすり合わせ、相手がどのように思っているかを知り、ギャップを埋めていくということが求められます。

ギャップさえ埋めてしまえば、無理をする行為すらしなくなり、そのままの姿で判断することが可能となります。
このように「客観的に見る」ということも大事です。

 

うつ病からの這い上がり方

うつ病からいかに這い上がるかという前に、這い上がるにもかなりの気力や体力を使うことを知っておかなければなりません。

そして、うつ病から復活し、再発を防ぐには器の大きさを大きくし、処理能力を上げることが必要になります。

うつ病で経験した苦悩などは器を大きくするには十分であり、ストレスに対する考え方を大きく変えます。

それは治療段階で経験した苦悩や葛藤に正面から向き合ったことによるもので、だからこそ、這い上がることもできます。

挫折した人が強いのはまさにその段階で器が大きくなり、処理能力が増えたためです。

考え方にクセが見られる場合には「認知行動療法」をしていくことで器の大きさ、処理能力を改善していくことが可能です。

薬による治し方はいわば液体が流れてこないようにするだけのもので、器自体の大きさも処理能力も薬だけでは改善しません。

認知行動療法は器をもっと大きく、また処理の仕方をアレンジし、よりよいものにしていくためのもので、どんなストレスが襲いかかってもそれを跳ね除ける術を与えます。

 

まとめ

うつ病だけでなく、自殺未遂や借金から立ち直った人の多くは自然と認知行動療法を行っており、考え方を変え、強く生きようとした結果、這い上がることができ、成功を収めました。

これらの人は親の教育、貧しさ、いじめなどそれまでの環境を憎み、それを悲観する過程があったものの、それを正面から受け止め、過去は過去として捉え、未来を前向きに生きることを選び、這い上がることができました。

うつ病になった人も、なぜうつ病になったのかを正面から受け止め、過去を清算し、今からリスタートを切る気持ちで臨み、それができるような環境作りを自分で作っていくことが大切です。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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