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糖尿病の合併症で「歯周病」になるメカニズム

生活習慣病
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糖尿病の人で合併症を発症し治療を受けている人は7割にも及ぶと言われています。

糖尿病の合併症といえば「網膜症・腎症・神経障害症」といった三大合併症が知られていますが、実は「歯周病」も合併症のひとつです。

糖尿病と歯周病がどのように関係しているのか、また、どうすれば歯周病を予防できるのか詳しくみていきましょう。

糖尿病には合併症がつきもの

糖尿病を患っている人は合併症を引き起こしてしまう可能性があります。

合併症にはさまざまなものがあり、糖尿病を患ってから体のどこかで不調が起こることも少なくありません。

糖尿病に罹患してしまった人は合併症にならないように日々気をつけて生活をすることが必要になってきます。

合併症には脳梗塞や網膜症、腎症、足壊疽、神経障害症などがあげられます。

必ず合併症にかかるわけではないものの糖尿病になることで引き起こされてしまうとされているのです。

特に、網膜症・腎症・神経障害症は糖尿病の合併症の中でも代表的なもので「三大合併症」と呼ばれています。

糖尿病で血糖値が上昇すると体に巡っている細い血管が耐えられず、このような合併症が引き起こされるのです。

三大合併症のうち神経障害を患うと痛みを感じづらくなり傷に気がつかなくなってしまうこともあります。

その結果、壊疽となり足を切断しなくてはならない状況もありうるのです。

また、糖尿病になると通常の2倍以上の確率で脳梗塞になってしまう可能性があると言われています。

また、高血圧の人はリスクが高くなっているので、生活習慣を改めて自身の健康を守らなければならないでしょう。

糖尿病の治療を行うのは高血糖を下げるためですが、これらの合併症を併発しないためという意味合いもあります。

合併症は糖尿病よりも重篤で、命に関わる危険性も少なくありません。

血糖値を下げ糖尿病を軽くすることで糖尿病合併症に罹患しないのであればそれに越したことはないでしょう。

合併症を併発してしまうとさらに治療も大変になります。

すぐに治らない場合のものも多くあるので予防は必須です。

予防するためにはそのメカニズムや予防方法を熟知し、ときには病院で定期的に検査を受け状況を判断することが大切です。

糖尿病と診断された人で、合併症を発症し治療を受けている人は7割にも及ぶと言われています。

糖尿病を患ってしまった場合、その多くが合併症を発症していると言えるのです。

 

糖尿病だと歯周病になりやすく、歯周病だと糖尿病になりやすい

糖尿病の合併症はさまざまで、その症状や罹患する病気は個人差があります。

三大合併症に罹患する人もいればそれ以外の合併症を発症する人、複数の合併症を患ってしまうケースもあります。

そのなかの合併症のひとつとして「歯周病」があげられます。

歯周病は口腔内の病気とされていますが、実は糖尿病と深い関わりがあるのです。

血糖値が高くなることで歯周組織周辺の血管が弱まってしまうのです。

そのため歯周病になりやすいと言われています。

さらに、血糖値が高まり体内の防御反応が低下することで感染症にかかりやすくなってしまいます。

その結果、細菌などが原因とされる歯周病にかかってしまいやすくなるのです。

この状態で歯茎に傷をつけてしまうと治りにくいばかりか悪化してしまったり、さらに炎症を起こしたりする可能性も出てきます。

また、歯周病だと糖尿病になりやすいとも言われていますが、その理由としては歯周病にかかってしまうと口腔内で炎症を起こしてしまいます。

この炎症性物質は、血糖をコントロールするホルモンであるインスリンの働きを妨害してしまうのです。

インスリンの働きが鈍くなってしまうと血糖値が上昇し、糖尿病の原因となったり糖尿病を悪化させてしまったりすることになります。

糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があります。

1型糖尿病は、膵臓の中の細胞のひとつが壊れてしまいインスリンを自ら分泌することができなくなります。

そのため、インスリンを自己注射しなくてはなりません。

2型糖尿病は、生活習慣や遺伝などといった理由によりインスリンの分泌が減少してしまったり、インスリンそのものが作用しなくなってしまったりするものです。

この2型糖尿病であれば歯周病にならないように気をつけ、さらに治療をすることによってインスリンそのものの働きが改善される可能性があることがわかってきています。

そのため、現在においては2型糖尿病や糖尿病疑いがある人は糖尿病と深い関わりがある歯周病に対して対策を講じなくてはならないということができるのです。

 

糖尿病が歯周病を促進してしまう理由

糖尿病になってしまうと歯周病を悪化させてしまう可能性があります。

それは、糖尿病によって細菌に対する免疫力が下がってしまうからです。

そもそも人体は常に外部からのウイルスや細菌と戦って生きています。

しかし、糖尿病にかかるとこのような働きの機能が低下してしまいます。

糖尿病によって血糖値が高くなると、次のような機能が低下します。

・好中球の貪食機能
・免疫反応

好中球の機能は、外部から押し寄せるウイルスや細菌を壊滅してくれるところにあります。

しかしながら血糖値の上昇によってその機能は低下してしまうのです。

免疫反応というのは一度かかった病気に対する抗体を作る働きのことを言いますが、この機能も低下します。

このような機能が低下することで人体は細菌やウイルスに対する耐性がない、あるいはウイルスに影響されやすい状態におちいってしまうのです。

糖尿病の合併症としてあげられる歯周病は細菌感染が原因となるものです。

そのため、細菌やウイルスをうまく除去できない状態にしてしまう糖尿病に罹患していることで歯周病を促進させてしまうのです。

また、血糖値が高い状態を維持したままになってしまうと細胞や組織などを修復する機能が低下してしまうと言われています。

本来、人の体は新陳代謝を行なっており、細胞が壊れたり死滅したりしても新たな細胞ができる仕組みになっています。

しかし、糖尿病を患い高血糖の状態でいることによって修復する機能がうまく作用しないと修復できなくなるのです。

したがって、糖尿病により歯周病が促進され、さらに悪化するという悪循環になることもあるのです。

 

歯周病が糖尿病を促進してしまう理由

血糖値をコントロールしたり下げたりする働きを持つホルモン・インスリンが作用されなくなるとどうなるのでしょうか。

血糖値は高いまま下がらなかったり、うまくコントロールされなかったりします。

これらの原因が、歯周病にある場合があります。

歯周病にかかってしまうと、「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯茎の境目にある溝から歯周病の炎症に紐づいた化学物質が放出されます。

この化学物質が血管の中を通り体内に出ていくとインスリンの作用が下がります。

その結果、歯周病が糖尿病を促進させてしまったり、高血糖状態が続いてしまったりするのです。

また、歯周病になってしまうと毒素が体内に入り込む可能性があります。

細菌から放出される毒素が歯茎の毛細血管から体の中に侵入してしまうのです。

毒素に対して抵抗するためにサイトカインという物質が生成されますが、この物質が出ることによって生成が妨げられることがあります。

インスリンは血糖コントロールに必要なホルモンですが、不足すると血糖値が下がらなくなってしまいます。

インスリンが作りにくい状態が続いてしまうと体はインスリンを作り出そうとします。

そのため、これまで以上に細胞が働かなくてはならなくなり分泌機能が低下し糖尿病の悪化につながってしまうのです。

糖尿病が歯周病を促進させるだけではなく、歯周病によって糖尿病も促進あるいは悪化させてしまうという悪循環には、体の中で細胞や機能が必要以上に働こうとするメカニズムが関係していたのです。

 

歯周病は毎日の歯磨きで防ぐ!

糖尿病と深い関わりがある歯周病ですが、未然に防いだり進行しないようにしたりできるのであればそれに越したことはありません。

歯周病を防ぐには毎日の歯磨きを徹底して予防・進行を防ぐに限ります。

そもそも歯周病は歯の磨き残しである「プラーク」が付着したままになっていることが原因とされています。

つまり、磨き残しがないように丁寧に歯磨きを行う必要があるというわけです。

本来であれば、このプラークは歯が生えはじめてから日常的に気をつけなくてはいけませんが、なかなか幼い頃から意識をするのは難しいでしょう。

歯周病は一般的に40歳あたりから発症すると言われているので、それまでの早い段階でケアを行うことが望ましいとされています。

予防のために歯医者でプラーク除去をしたり、歯磨き方法の指導を受けたりすることができます。

予防歯科となると費用がかかるようにも思えますが、実際に歯周病を患ってしまったり虫歯や炎症を起こしてしまったりしたときの治療費の方が高額になることが多いです。

そのため歯周病だけでなく、定期的な歯の検診も兼ねて歯医者へ行くことは糖尿病でも歯周病でも虫歯でも自分自身の健康維持につながると言えるでしょう。

また日々の歯磨きでは、電動ブラシを使用するよりも手動で磨いた方がより細部まで丁寧に磨くことができるといえます。

電動ブラシが悪いというわけではありません。

ですが裏側や隙間部分など十分に磨けない部分が出てくる可能性があるので、電動ブラシを使用するなら電動ブラシで表面を綺麗にしてから細かい部分を手動で磨いていくのがベストかもしれません。

歯ブラシの使用だけで歯と歯の間に詰まった食べかすが除去しきれない場合もあるでしょう。

そのときは歯間ブラシやデンタルフロスを使って食べかすなどを取るようにしましょう。

歯磨きはできれば食後に行った方がよいのですが、タイミングがないこともあるかもしれません。

その場合はさっと口をすすぐだけでもかまいません。

その後、夜寝る前に細部まで丁寧に歯磨きを行うとよいでしょう。

歯磨きの基本は一箇所につき20回以上ブラッシングすることです。

綺麗に磨きたいからといって力を入れすぎないようにしてください。

力を入れすぎてしまったため、歯茎に傷がつき細菌が入り込んでしまう恐れもあるからです。

およその目安とし、歯ブラシのブラシ部分が広がらない程度の力を加えます。

一本一本丁寧に表面、裏側などをブラッシングしていきます。

歯磨きを行うときに気をつけたいのが上述したプラークです。

このプラークが残っていると歯周病の原因となってしまうので、プラークを綺麗に除去できるように歯磨きをします。

ですがプラークが残っているかどうかはなかなか判断がつきません。

簡単にわかる方法は舌先でなぞることです。

歯磨きを終えた後に、舌で歯をなぞってみてください。

ザラザラしているかツルツルしているか、どちらかになるはずです。

ザラザラしている場合はプラークが残っている証拠です。

このプラークが残りやすい場所を把握しておくことも大切です。

磨き方のくせや歯並びなどに影響され、特定の場所にプラークが残りがちになってしまうこともあります。

このような場所を重点的に磨くことによってプラークを除去できます。

プラークは歯と歯の間や歯周ポケット周辺、噛み合わせのでこぼこしたところなどに残りやすいです。

歯ブラシも小まめに新調するのがお勧めです。

ブラシ部分が開いてしまったものよりも、まっすぐ開いてないものの方がよいと言われています。

毛先が開いてしまうと、ブラッシングしたいところにしっかりとフィットせずに歯を磨けなくなってしまうからです。

毛先が開いてきたなと感じたら取り替える習慣をつけるとよいでしょう。

 

まとめ

糖尿病の合併症としてあげられる歯周病は、糖尿病が歯周病に、歯周病が糖尿病に影響しているといえます。

糖尿病、歯周病いずれかを気を付けるだけでは対策としては不十分だと言わざるを得ません。

どちらも日頃から意識をしておくことで、糖尿病による合併症も歯周病による糖尿病も防げるでしょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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