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糖尿病性腎症の病期別の症状と治療法|早期治療で透析を回避

糖尿病性腎症とは糖尿病の合併症で、早期発見をすることが大切です。

あまり糖尿病について詳しくない方であれば、なぜ腎臓に影響がでてくるのかといった疑問や、そもそも腎臓に症状がでると体のなかでどのような変化があるのかもわからないという方もいるでしょう。

腎臓は体のなかを巡る血液を綺麗にするのと排出する尿をつくりだしており、体のさまざまな部分に症状が発生します。

早期に発見するのが重要で、発見や治療が遅れると場合によっては腎臓の機能が元に戻らないということもあるのです。

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糖尿病性腎症の特徴

糖尿病性腎症とは糖尿病の3大合併症のひとつで腎臓に影響が発生する症状です。

腎臓とは腰より上の背中側にある臓器のひとつで、左右対称に合計ふたつあります。

腎臓がもつ体のなかでの役割としては、尿をつくることと、体の中の水分であったり血圧を調整する機能があります。

心臓から身体全体に送られる血液の約1/4が腎臓に流れその血液を綺麗にします。

腎臓の中に糸球体という部分があり、この糸球体が血液を綺麗にします。

体に必要な成分を含んだ綺麗な血液と不要な成分に分離させる、ろ過の作業をおこない水分や血圧なども調整し、不要な成分を尿の原液としてつくります。

糖尿病性に限りませんが、腎症になってしまうとこうした体の不要な成分を取り除いたり調整する働きができなくなり、いつまでも体のなかに残ってしまったり、必要なタンパク質などの成分も体の外に排出してしまうのです。

このような状態が体のなかで起きているのですが、自覚症状は進行するまで感じることがほとんどありません。

腎臓自体が働かなくなっても、そこに痛みが発生せず、すぐに他の臓器への影響がでずにゆっくりと影響を与えてしまうためです。

自覚症状がないので、病院に行ったときには実はかなり進行していた、という怖いケースが多いです。

 

糖尿病性腎症の主な症状と進行

糖尿病性腎症は腎臓の悪化状況により大きく分けて5つのステージに分類され、ステージによって治療方法が異なります。

検査として尿のなかにあるタンパク質やアルブミンという値を確認する方法があります。

これらは、尿のなかに普段は少ないけれど、腎臓になんらかの症状がおきていると尿のなかに多く流れてしまうため、その量を調べる検査です。

またそれぞれの症状のステージにより、腎臓が血液を綺麗にして、尿に不要な成分を含める能力として「推算糸球体濾過量」という数値にし、eGFRという値で表記し、数値が高いほど綺麗にする能力が高いということになり、30eGFR以下だとかなり腎臓の機能が弱まってしまっている状態で、ステージ第4期となります。

 

・第1期(腎症前期)

治療方法:ある程度の血液内の糖のコントロール
アルブミン:30mg/gCr未満
腎臓機能:30eGFR以上、腎臓の機能が半分ほど機能

・第2期(早期腎症期)

治療方法:厳重な血液内の糖のコントロール
アルブミン:30mg/gCr以上299mg/gCr未満
腎臓機能:30eGFR以上、腎臓の機能が半分ほど機能

・第3期(顕性腎症期)

治療方法:厳重な血液内の糖のコントロール、タンパク質の制限、血圧を下げる治療
アルブミン:300mg/gCr以上
タンパク尿:持続的に0.5g/gCr
腎臓機能:30eGFR以上、腎臓の機能が半分ほど機能

・第4期(腎不全期)

治療方法:食事は低タンパク質食、血圧を下げる治療、透析療法
アルブミンやタンパク尿:数値に関わらない
腎臓機能:30eGFR未満、腎臓の機能は1/4ほど機能

・第5期(透析療法期)

透析療法をおこなっている状態、治療方法として腎臓の移植などもおこなう

 

これらのどのステージまでいくとどんな症状が出る、というのではなく、進行の速度や他の臓器への影響によっても出てくる症状は異なります。

この腎症は徐々に進行していくので、基本的に自覚症状がありません。

だんだんと気がつかないうちに進行してしまい、腎症が進行することで「尿毒症」といって体の中に毒素が残る症状が出てきます。

だるさや吐き気、頭痛などが症状としてありますが、重症の場合には呼吸困難などが発症します。

また腎臓に影響があると血管のなかに不要な成分が残ってしまうので、それぞれの血管や心臓などの病気にもつながります。

腎臓が悪化するのを腎不全といい、急激に悪化する場合は急性腎不全、ゆっくりと進行する場合には慢性腎不全となりますが、糖尿病腎症は基本的に慢性腎不全となります。

この慢性腎不全は実は急性腎不全よりも将来的な危険度が高いのです。

急性腎不全は入院が必要になりますが腎臓の機能は回復し、また元通りとなるのが一般的ですが、慢性腎不全は治療をしても腎臓の機能が戻らないというケースがあります。

 

糖尿病性腎症は早期発見が重要!

糖尿病性腎症はほかの糖尿病の症状などと同様で、早めに発見、予防や治療をおこなっていくことがとても大切です。

ステージが進行してしまっている状態だと、治療をしても治るまでに期間がかかってしまったり、腎臓の機能が戻らなかったりし、場合によっては厳重な食事の制限などが将来的にもずっと必要となるケースがあります。

特に血液のなかの糖の量を調整する、血糖コントロールというのが初期の糖尿病性腎症の治療につながるので重要です。

1型と2型の糖尿病でそのコントロール方法も異なってきます。

1型糖尿病はインスリンという成分が体でつくられないため、注射などでインスリンを定期的にとる必要があります。

一般的に、生活習慣からくる2型の血糖コントロールは食事の制限や運動をおこない、状況によって薬を飲んだりします。

ステージが上になるほどこれらを厳格にコントールしなければいけません。

初期の段階であれば、食事の時間を規則正しくする、食べすぎない、よく噛むように気をつけたり、一日のカロリー摂取を制限したりするといったさほど難しいものではありません。

しかしステージが進行するにつれて、一般的には、食塩や水分にも制限がかかり、低タンパク食という食事をとらなければいけず毎日の献立にも悩んでしまうほどになります。

またステージ4以上で必要となる透析療法については、体の血液を透析器という外部の機械に送り、不要な成分をとりのぞいて再度体内に戻すという治療方法です。

つまり腎臓の働きが悪くなっているので、腎臓に代わって医療機器にてその働きをおこなうという治療になり、週に2、3回は行わければいけずその治療時間は5時間前後となっています。

週で10時間から15時間は治療の時間を確保しなければいけないのです。

このように進行状況により食事や治療方法が大きく変わってきますので、早めに発見して治療をおこなえるかどうかで、日々の生活や食事が大きく変わってくることになるのです。

このように体の中の血液を多く扱う臓器ですので、血管や血圧に影響のある糖尿病は腎臓に大きく負担をかけてしまい、子宮体が硬くなることで腎症へ発展してしまうのです。

 

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なぜ糖尿病が糖尿病性腎症を引き起こすのか

糖尿病が腎症を発症する理由としては、腎臓への負担が原因です。

ろ過をおこなう「糸球体」という部分は毛細血管が数多く集まっており、それぞれの毛細血管にダメージや負担があると固くなり本来の役割を果たさなくなってしまいます。

糖尿病とは血液のなかに糖が増えることで、血液の圧力や血液自体に影響がでてきます。

そのため糖尿病は血管に影響をあたえる病気なのですが、大きな血管よりも小さな血管へはダメージが大きくなってしまいます。

機能を果たさなくなってしまうことがあります。

糖尿病腎症以外の糖尿病の3大合併症として糖尿病網膜症や糖尿病性神経障害がありますが、これらはすべて毛細血管への影響が続くことが原因となっており、腎臓の糸球体の血管も毛細血管のため同様に異常発生につながるのです。

生活習慣により直接腎臓に影響があるのではなく、生活習慣で血管へのダメージが発生してしまい、その影響を受けやすい臓器のひとつとして腎臓があるというのが糖尿病で腎症が発生する理由となっています。

 

糖尿病性腎症の主な治療法

糖尿病の治療方法で重要なのは食事療法です。

病院では血液のなかの糖量を調整する薬をだされることになりますが、あくまで発生している症状の改善のための薬なので、もともとの原因を治療する薬ではありません。

糖尿病の原因から治療をおこなうには運動と食事制限をしなければいけません。

とくにさまざまな成分を摂取する食事はもっとも糖尿病の治療の基本とされています。

しっかりとした食事のコントロールをおこなって血液内の糖を調整すれば、糖尿病性腎症の症状は改善することが可能です。

食事療法は糖尿病でもっとも重要な治療方法なのですが、生活習慣病が発症する人というのは食事のコントロールの意識が薄かったケースも多く、慣れるまでが大変と感じることが多いです。

一般的には、ステージごとにより1日のなかで下記のような制限が設定されます。

あくまで標準体重の目安で、ほかの合併症などがでている場合や、普段の体を動かす量でも異なります。

医師の治療を受けている場合には、必ずそちらの指示を優先しましょう。

 

<一般的な食事制限の事例>

・第1期(腎症前期)

エネルギー:25-30kcal×体重(kg)
タンパク質:制限なしだが、過剰に摂取しない
食塩:制限なし、高血圧であれば6g
カリウム:制限なし

・第2期(早期腎症期)

エネルギー:25-30kcal×体重(kg)
タンパク質:1.0から1.2g×体重(kg)
食塩:制限なし、高血圧であれば6g
カリウム:制限なし

・第3期(顕性腎症期)

エネルギー:25-30kcal×体重(kg)
タンパク質:0.8から1.0g×体重(kg)
食塩:7から8g
カリウム:軽度に制限

・第4期(腎不全期)

エネルギー:30-35kcal×体重(kg)
タンパク質:0.6〜0.8g×体重(kg)
食塩:5〜7g
カリウム:1.5g

・第5期(透析療法期)

透析療法に応じる

 

まとめ

糖尿病性腎症とは体の血液を綺麗にして尿をつくる働きをする腎臓の機能が低下してしまう病気で、毛細血管に影響がある糖尿病の3大合併症のひとつです。

進行状況によって治療が異なります。

第1期から第5期までとわかれており、初期であれば生活の注意で改善することができるものの、進行していると日々の食事の制限を厳重におこなう必要があり、重症では週に何度も数時間かかる治療を行わなければいけません。

できるだけ早めに発見をして早期に治療をおこなうことが大切です。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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