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糖尿病が引き起こす合併症とは?恐ろしすぎる合併症を症状別に解説!

 2016/03/22 生活習慣病
この記事は約 9 分で読めます。 3,256 Views

糖尿病と言えば現代に増えてきている生活習慣病の一つとして有名ですが、実際どのような症状や影響が出るのかはあまり多くの人に知られていません。

自分の両親や親せきが糖尿病を抱えているという人も多いのではないでしょうか?

多くの人が発症する病気で、悪化するまでこれといった症状が出ないこともあります。

このため、血糖値などが高く糖尿病の可能性がある人も、特に症状が出ていなければそのまま放置してしまうケースもあります。

しかし、糖尿病自体は特に症状が無くても安心してはいけません。この病気が原因となって更に様々な病気を引き起こし、しかもその症状が命に関わることも珍しくないのです。

高血糖の状態が長く続くと、合併症が発症し、場合によっては合併症によって日常生活がままならなくなるような障害が出ることもあります。

糖尿病が重大な病気だと言われているのは、このように恐ろしい合併症を併発することが多いからなのです。

合併症を発症してから、糖尿病の治療を始めても合併症が治るまでにはかなりの時間がかかりますし、完治する可能性もあまり高くはありません。

このため、健康診断などで血糖値が高めだと言われたり糖尿病と診断された場合は、決して楽観視せずに大至急治療を始めなければなりません。

まずは合併症にどのような種類があるかを知り、その恐ろしさを自覚して正しい対処ができるようにしておきましょう。

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糖尿病と言えば三大合併症

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そもそも合併症とは、ある一つの病気が原因となって引き起こす別の種類の病気のことを言います。

糖尿病は合併症が怖い病気として知られていますが、多くの糖尿病患者が併発するものとして神経障害と網膜症、更に腎症という三大合併症が挙げられます。

これらの3種類のいずれかもしくはいくつかを発症する患者が非常に多く、しかも症状が悪化すると身体に重大な悪影響を及ぼします。

高血糖が続いているにもかかわらず、これといった対策や治療をしないと合併症の発症リスクはぐっと高くなります。

三大合併症以外にも心疾患や脳疾患など様々な種類の病気が起こりやすくなりますが、いずれも症状の重さや影響の大きさが問題視されています。

糖尿病にかかったのにそれを何年も放置していると、それだけ合併症の発症確率が高まっていきます。

多くのケースで神経障害が最初に起こり、次いで網膜症を発症、さらに症状が悪化すると腎症が起こるとされています。

それぞれの合併症で身体がどのような状態になるのか、詳しく確認して心構えを持っておきましょう。

 

手足の切断もあり得る糖尿病性神経障害

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糖尿病性神経障害は、まず足の裏のしびれが初期症状として現れます。しびれないまでも、素足なのに靴下を履いているような感覚などの違和感がしたら要注意です。その後しびれは徐々に上へと広がり、手も指先からしびれるようになってきます。

感覚が徐々に鈍感になっていくため、ケガをしていても気付かないことがよくあります。さらに病原菌などへの抵抗力も低下してしまうため、その部分から雑菌が繁殖して皮膚や組織が壊死してしまうこともあるのです。

よくある例としては、糖尿病で入院していた患者さんが落ちていた画びょうを踏んで、その痛みに気付かず放置し、気づいたときにはその部分を切断するしかない状態までになっていたというケースがあります。

こうなると、壊死した患部を切断しなければならないことになります。普通の人であればそのように壊死してしまう前に激痛で気付くのですが、神経障害を発症していると痛みすら感じないため手当が遅れてしまうのです。

切断は体への負担が大きいためできるだけ避けたい処置方法です。

このような事態を避けるため、高血糖の人にはしびれの症状が出ていないか定期的に診断が行われます。

このため、神経障害を患っている場合は常に自分の手足に気を配り、異変は無いかチェックする習慣を身に付ける必要があります。

 

失明の可能性もある糖尿病性網膜症

人の目には、カメラでいう所のフィルムの役割となる網膜が存在します。正常にものを見ることができるのは網膜のおかげなのですが、長期間血糖の高い状態にさらされていると糖尿病性網膜症を発症してしまいます。

もし発症すれば治療は非常に難しく、視力の低下や最悪の場合は失明することもあり得ます。

糖尿病網膜症は、糖尿病患者の約40%近くが発症します。

網膜症が発症する原因は、高血糖によって細い血管が詰まり、ダメージを受けたり出血することにあります。恐ろしいのは、失明するほどの深刻な状態の直前になるまで、ほとんど自覚症状が現れないことです。

もし急に視力が落ちてきたり、見え方に違和感を感じたりするようになれば、できるだけ早く眼科を受診しましょう。基本的に治療が難しい種類の症状なので、いかに発症させないよう血糖値を抑えるかが重要になります。

高血糖の状態を放置していると、ほとんど症状が無いまま突然視力を失う危険もあるので、血糖値は定期的にチェックしてください。

既に糖尿病と診断されている場合は、定期的に眼底検査などを受けるようにすると安心です。

 

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生活への負担が大きい糖尿病性腎症

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三大合併症最後の1種類は、糖尿病腎症です。これは、高血糖の状態が長い年月続いたことが原因で腎臓が障害を受け、正常に働かなくなるために尿が作れなくなって発症する病気です。

実は、高血糖の影響をいちばんに受けるのは腎臓です。

通常、人間の体の老廃物や余分な水分などは腎臓でろ過され、尿として体外へ排出されます。この機能がうまく働かなくなると体の中に毒素が巡ることになり、正常に活動することが出来なくなって命に関わることもあります。

こうなると、人間は人工透析を受けなければ生きていけない状態になります。人工的に腎臓と同じ働きをする機械に血液を通し、綺麗にろ過してもらうのです。

透析は一日おきに4時間程度かけて行われることが多く、日常生活に多大な負担を強いることになります。

当然一般的な仕事も思うようにできなくなるため、転職を強いられる人も多くいます。疲労や時間的制約も大きく、非常に影響が大きい症状であると言えます。

 

三大合併症以外の合併症

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合併症の多くは、血管が動脈硬化を起こすことから始まります。糖尿病はブドウ糖が血液中に多く存在してしまう病気で、高血糖の状態が長期間続きます。

そうなると血液はドロドロになりやすく、徐々に血管にひっついて壁を厚くしてしまうのです。このため、血管の通り道が狭くなることで動脈硬化を引き起こし、様々な種類の合併症が発症する原因となります。

三大合併症以外にも、身体のいたる所で同じように血管がダメージを受け、糖尿病性大血管障害と呼ばれる合併症を引き起こします。高脂血症や狭心症、心筋梗塞や脳梗塞など重大な症状もよく見られます。

血管そのものが詰まることで起きるものや、血管にへばりついていた物質が剥がれ落ちて流され、細い部分へ異動して血栓となって詰まるものなど様々な種類があります。

いずれも麻痺など後遺症を残したり、最悪命を落とすこともあるので注意が必要です。

糖尿病の進行を防ぎ、高血糖を改善しなければ合併症の発症を免れるのは難しいです。

 

合併症を予防するために

糖尿病の唯一良い所は、発見が比較的簡単にできるという点です。血液検査で血糖値を測り、基準値をオーバーしていればすぐに対処が可能なのです。

日本の健康診断では、30歳以上になるとたいていの場合血糖値検査をします。

糖尿病は、日本人が罹患する代表的な生活習慣病のひとつなので、初期段階で発見し早めに治療を開始することが重要視されています。

また、糖尿病になってもすぐに合併症が起きるわけではなく、10年など長い年月放置して何も治療をしない場合に発症します。つまり、検査で血糖値が高いことが判明したら、すぐに治療を開始すれば症状を抑えることができるのです。

血糖値を抑え、恐ろしい合併症を予防するためには食事と運動が何より大切です。

糖尿病患者は、糖質の高い炭水化物、甘いものなどを食べ過ぎている傾向にあります。

糖尿病患者の多くは、健康的な人の平均体重を超えるいわゆる肥満体型の人が多いのが特徴でもあります。肥満になると、糖を処理する能力がますます落ちてさらに糖尿病が悪化していくことになります。この食事を見直し、血糖値を下げる効果のある魚などを意識的に摂ることで、ある程度改善することができます。

肥満がきっかけで発症したごく初期の糖尿病であれば、食事療法と運動療法で血糖値を正常な状態まで戻すことも十分に可能です。

また、適度な運動も血液中の糖を分解し、血糖値を下げる効果があります。

こういった治療を毎日継続して行い、合併症を予防しましょう。

 

まとめ

このように、糖尿病はそれ自体よりも、併発する合併症の種類や症状が恐ろしい病気だと言えます。

特に三大合併症と呼ばれる神経障害や網膜症、腎症は身体に与える影響が大きく、末期になると失明したり手足を切断しなければならないこともあるので注意が必要です。

他にも心臓や脳など人間にとって重要な組織にダメージを与える種類の合併症もあるため、決して糖尿病を甘く見てはいけません。

特に、数ある糖尿病の合併症のうちのひとつである動脈硬化は、動脈の壁が硬くなって血液の流れがスムーズにいかなくなります。

すると、冠動脈に異常が起こり心筋梗塞が発生したり脳血管が詰まって脳梗塞が発症するなど命にかかわる病気になるリスクが増大します。

それに加えて、肥満や高血圧を抱えていると、動脈硬化はさらに悪化していくのです。

ただ、血液検査などを定期的に受けることで高血糖の状態を早期に見つけ、適切な治療を開始することで症状や合併症を抑えることもできます。

糖尿病は一度かかると二度と治らないなどと言われますが、努力次第で発症を遅らせ、これまで通りの生活を送ることも不可能ではないのです。

重要なのは、高血糖の状態を長期間放置するのを避けて、できるだけ早く血糖値コントロールを始めることです。

合併症を予防するために食事療法や運動療法などの治療を継続して行い、血糖値をうまくコントロールして糖尿病と付き合っていきましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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