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知っておくべき糖尿病の薬物療法の注意点とは?

2010年の国民健康・栄養調査にて2002年と2010年の糖尿病患者の割合が算出されました。

その調査によると、男女ともに40代を越えたあたりから糖尿病が強く疑われている比率が上昇しています。

男性は40-49歳が4.4→8.0%、50-59歳が14.0→15.6%、60-69歳が17.9→22.1%、70歳以上が21.3→22.4%となっています。

女性も50代以上の数値が上昇しており、50-59歳が4.6→5.6%、60-69歳が11.5→13.5%、70歳以上が11.6→16.5%です。

60歳以上の男性は「5人に一人」が糖尿病を患っているという結果になりました。

生活習慣病として真っ先にあげられる糖尿病はいまや誰しもが患う可能性のある病気といっても過言ではありません。

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なぜ「糖」が血液中に残ってしまうのか?

糖尿病の原因はいくつか挙げられますが、ひとつは老化や活性酸素による細胞膜の劣化です。

食べ物を食べると糖に分解されて、血液を通して全身の細胞に供給されます。

正常な状態なら血管から細胞に供給されるのですが、老化や日々の食生活が原因で糖を通さないようになることがあるのです。

その結果、糖が分解されずに血液中に残ってしまうのです。

 

どこに発症してもおかしくない糖尿病合併症

糖尿病の怖いところは合併症です。

糖という物質は比較的大きいため、毛細血管内にたまりやすいのです。

その結果、動脈硬化や脳卒中、網膜症や糖尿病性腎症などの病気に繋がってしまいます。

血中の糖度が高いと全身に酸素や栄養を供給する血液自体が劣化してしまうことになるので、体中のどこにでも合併症が発症してもおかしくないのです。

 

糖尿病の種類について

糖尿病が発覚した後は薬による治療や正しい生活習慣、食事の見直しによって改善することがあります。

薬物療法について解説する前に糖尿病の種類について説明して行きます。

まず「1型糖尿病」はインスリン(血中のブドウ糖を筋肉糖に送り、血糖値を下げる働きを持つ唯一のホルモンのこと)を作っているすい臓の細胞が破壊され、インスリンが作れなくなったものです。

子どもや若い方に多く見られています。

「2型糖尿病」は中高年の方に多いもので、インスリンの分泌が少なくなる、もしくは働きが悪くなることによって引き起こされます。

日々の食事(特に糖質の多い食事)、運動不足、ストレスなどの生活習慣が原因となっており、日本の糖尿病患者の約9割がこの2型糖尿病です。

2型は生活習慣病といわれることもあり、最もなじみのある糖尿病といえるでしょう。

「妊娠糖尿病」は妊娠中に発症、発見される糖代謝異常のことをいいます。

妊娠中は血糖値が少し高いだけでも胎児に与える影響は大きく、一般的な糖尿病と比べて数値が低かったとしても「妊娠糖尿病」という扱いになるのです。

そして、肥満や高齢妊娠などの方は起こりやすいといわれています。

その他には、遺伝子異常によるものや他の病気の薬剤使用に伴って発生するものがあります。

このように、糖尿病には大きく分けて4つの種類がありますが、ほとんどの方が2型です。

 

糖尿病の自覚症状に気付くには?

あらゆる病気は早期発見、早期治療が完治までの道のりを大きく変えるので、自覚症状があったときには病院で診察してもらうのがお勧めです。

糖尿病の自覚症状としては「尿の量が増える」「のどが渇く」「体重が減る」「疲れやすくなる」などが挙げられます。

尿の量が増えるのは、糖を体外へ出そうとしている身体のメカニズムです。

糖は体内で代謝されるか尿として排泄されるかのどちらかなので、多尿になる傾向があります。
その結果、脱水状態となりのどが渇くというわけですね。

トイレに行く回数が増えて、のどが異常に渇くというのはもしかしたら糖尿のサインなのかもしれません。

体重が減るのは、糖を分解してエネルギーとするのではなく、たんぱく質や脂質を利用してエネルギーを作るからです。

食事をしっかりと摂っていても身体の中では糖が吸収されていないというわけですね。

エネルギーが慢性的に不足するため身体も疲れを感じやすい状況になってしまいます。

これらのサインは普段の生活をしているとあまり気付かないものです。

日ごろから生活リズムを整えておかないと気付かないまま放置してしまうことになりかねません。

適度な運動や同じリズムで生活することは生活習慣病を防ぐ目的だけでなく、「身体の変化にも気付きやすくなる」のです。

 

知っておくべき糖尿病の薬物療法の注意点

これらの自覚症状に気付かずに糖尿病が進行していくと、血糖値のコントロールができないようになり、薬による治療がスタートします。

薬物療法に関しては服用するタイミングが非常に重要です。
血糖値は下がりすぎても、高すぎてもだめなので決められたとおりに服用してください。

内服薬には「インスリンの分泌を増やすもの」「インスリンの働きをよくするもの」「食後のインスリン分泌を増やすもの」が挙げられます。

この他にも、血糖値が急に上がらないように糖の吸収を抑える薬や、腎臓の負担を軽減させるために尿から糖を排出しやすくするものもあります。

1種類で服用することもありますが、複数の種類を組み合わせて使うこともあるので、医師の指示をよく聞くことが大切です。

また、インスリン注射によって体内のインスリンをコントロールする治療法もあります。

病院で注射するのではなく、患者さん自身が自分で注射をするようになっており、病状に合わせて薬の効果が発揮される時間や持続時間を組み合わせて治療していきます。

 

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なぜ低血糖の注意が必要なのか?

ただ、これらの薬を服用しているときに怖いのが「低血糖」です。

低血糖は文字通り血液中の糖度が不足することでおきる状態です。

薬が多すぎる場合や食事が少ないとき、運動量が多いときに薬を飲んだ場合などに起きる可能性があります。

低血糖の症状は空腹感から始まり、冷や汗が出てきて、指先のふるえ、動悸などです。

さらに血糖値が下がってしまうと眠気やめまい、脱力感などにつながり、重症になれば、痙攣や意識の消失、こん睡状態に陥るなど生命を脅かすような危険性を伴っています。

低血糖の症状が出てきたらブドウ糖や糖分を含んでいるジュースを摂取するようにしましょう。

チョコレートや飴をなめるとよいとも言われていますが、消化にある程度時間がかかるため緊急時にはあまり適しません。

初期症状が出たタイミングなら飴などでも対処は可能です。

ちなみに「人工甘味料」の中には、糖質(炭水化物)には分類されますが、体にはほとんど吸収されず影響を与えないものがあります。

 

糖尿病のお勧めの運動療法と注意点

糖尿病の治療には薬による治療だけでなく、食事や運動があります。

運動療法とは食後に運動をして、高血糖の状態を抑え、インスリンの働きをよくすることが目的です。

2型の方が運動療法を実施することにより、脳卒中の発症率や死亡リスクが半減することが立証されています。

運動療法には運動することで血液中のブドウ糖や脂質が筋肉で利用され、血糖値が下がるという効果があります。

継続的な運動はストレスの発散にもなりますし、筋肉がつくことで消費カロリーも増え、身体への負担が少ない状態にすることができます。

インスリンの分泌量は同じでも働きがよくなることで、血糖値のコントロールがしやすくなるのが大きな効果といえるでしょう。

お勧めは散歩や水泳などの「有酸素運動」です。

ランニングや筋トレなどをしてもかまいませんが、いきなり負荷がかかることをやってしまうと低血糖になる恐れや身体がついていかないリスクがあるので、徐々に負荷を高めて行くようにしましょう。

適度に「無酸素運動」を取り込んでいけば、筋力が増え、消費される糖度が増えていきます。

日ごろから身体を動かす機会を増やして行くだけでも消費カロリーは大きく変わりますし、時間が長くなれば効果も大きくなります。

運動のポイントとしては負荷をかけすぎないことです。
そして習慣化していくことを目標にしましょう。

毎日5分のウォーキングを続けて、次は10分というようにステップアップして行けば達成感にもつながり、よい運動習慣を身に着けることができます。

糖尿病の原因として運動不足は大きな要因とも言われています。

自分でも軽すぎるかな?という負荷から少しずつ増やして行くようにして、運動に慣れる習慣をつけていくとよいでしょう。

ただし、運動を避けたほうがよい場合もあります。

例えば血糖コントロールが悪いときには、血糖値が不安定な状態にあるので運動すると低血糖を招いてしまうリスクがあります。

また合併症が進行しているときに運動をすると突然血流がよくなって、血管に負担がかかるリスクや内出血の危険性、神経障害に繋がってしまう可能性があるので、主治医と要相談です。

糖尿病と診断されて日が浅いときは自分の血糖バランスがわかっていないことも多く、身体の様子を見ながら対処法を考えるという順序になるでしょう。

運動を行うのは食後1-3時間後にして、空腹後には運動しないようにすれば低血糖を防ぐことができます。

インスリン注射や薬による治療をしている場合は運動中だけでなく、運動後にも低血糖が起こるリスクがあるので注意が必要です。

 

変わりつつある糖尿病の食事療法

食事療法に関しては、これまでは、日々のエネルギー量をコントロールすることで血糖値の上昇を抑えるという方法が主流でした。

しかし現在では、食事から糖質(炭水化物)をできる限り摂らない方法が広まっています。

食生活を改善して、血糖値をよい状態に整えることが目的となっています。

できることなら朝昼晩と規則正しく食べて、血糖値のバランスを整えることが大切です。

タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなど必要な栄養をしっかり摂っていれば、満腹感は得られます。

糖尿病患者の方には早食いの方が多く、血糖値の上下動が激しい傾向にあるので、ゆっくり食事することを意識したほうがよいかもしれません。

外食や既製品の食べ物には糖質(炭水化物)が多く含まれているので注意が必要です。

また天然塩の場合は、同じ塩でもミネラルを多く含むため積極的に取り入れたい食品です。

サプリメントや健康補助食品を使った栄養療法もありますが、これらはあくまで補助としての役割なので、日ごろの食事から変えていくよう意識することが大切です。

 

まとめ

糖尿病は生活習慣病として様々な合併症につながる怖い病気です。

治療薬による対処方法も多く、医学は日々進歩していますが、できることなら食事療法や運動療法で対応したいところです。

日々の食生活や運動習慣を身に着けて糖尿病になりにくい身体を作ることが大切です。

今日からスタートするだけでも糖尿病の進行は抑えることができます。

治療薬を飲んでいる方は身体の状態を確認しながら、適度な負担で対応していきましょう。

日々の生活習慣を改善して、健康な身体を手に入れてくださいね。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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