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高血圧に辛い運動は不要!高血圧対策に適切な運動とは

 2018/01/14 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 2,412 Views

高血圧の治療には、食生活を改善することと、薬物治療、そして運動療法があります。

しかし、高血圧の人にとって激しすぎる運動は逆に血圧を上げてしまい適切であるとはいえません。

適度な運動は高血圧を改善するために効果があるとともに、肥満や糖尿病などの生活習慣病を改善する上でも大切な習慣です。

では、どのくらいの運動が高血圧の治療に効果があるのでしょうか。

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運動中は血圧が上がるもの

人間は、運動しているときに血圧が上がることが分かっています。

特に「無酸素運動」と呼ばれる激しい運動は血圧の上昇が急激になるので、高血圧の人にとって危険です。

無酸素運動とは、瞬間的に息をとめ短い時間に力を振り絞ってするような運動のことをいいます。

「酸素を使わずに」エネルギーを作り出すことから、無酸素運動と呼ばれていて糖を使ってエネルギーを作り出し、すべての力を出し切るに近い筋力を短い時間で使います。

この運動は筋肉の量を増やすことにつながり、瞬発的な筋力を高める効果があるのです。

短い間で激しく動く、重量挙げや懸垂などの筋力トレーニングが無酸素運動に当たります。

一方で、高血圧の人に向いているのは「有酸素運動」と呼ばれる運動です。

軽度から中程度の運動を長い時間をかけて行うことで、「酸素を使って」筋肉を動かすためのエネルギー源である脂肪を燃やすことからそう呼ばれています。

高血圧の改善に効果があると共に、高血圧の人に合併して起こることの多い肥満や糖尿病など生活習慣病の改善にも効果があるとされています。

これらの生活習慣病は、体内にあるインスリンというホルモンの動きが悪くなって起こり、有酸素運動はインスリンの働きを改善する効果があるので、高血圧をはじめとした生活習慣病の改善にも効果があるのです。

有酸素運動にあてはまるのは、水泳やジョギング、ウォーキングやサイクリングなど、体脂肪を燃やして行うもので、長い時間無理なく続けることができるのが特徴です。

有酸素運動とはいえ、運動すると一時的に血圧は上がります。

しかし、無理のない程度に継続的に運動をしていると、筋肉に多くの酸素や栄養などを送るために血管が広がり、交感神経による血圧の上昇が緩やかになり、血圧を下げる効果を発揮します。

 

急に血圧が上がると血管が耐えられないかも

人は年齢が上がると血圧が上がりやすくなります。

厚生労働省の発表によると、高血圧性疾患の患者数は35歳から64歳で15万7千人であるのに対して、65歳以上になると51万7千人となり、実に3倍以上と飛躍的に増加しています。

年齢が上がると高血圧になりやすくなる原因の1つは、加齢に伴い血管の弾力性が失われることによるものです。

このため血流が悪くなり血圧が高くなりやすくなります。

また最近の研究では、血圧を調整するためのホルモンの一種である「アンジオテンシンII」に関連して、血管が肥厚することが発表されています。

このために血管が収縮し血圧が上がりやすくなるのです。

アンジオテンシンIIに関する研究はさらに進んでいて、これに働きかけて血圧を下げる薬も開発されています。

このように、高血圧の人は血管の何らかの異変により血圧が上がりやすくなっているので、急激な運動により血圧が急上昇すると血管が耐えられなくなる可能性があるのです。

特に高齢者の高血圧症の人は注意が必要で、血圧が高いのに脳の血流の量が足りなかったり、気温が急激に変化する影響を受けやすかったり、病院の診察室で測定すると普段より血圧が高くなったり、立ち上がった拍子に低血圧になりやすかったりなどがあり、非常に危険です。

また、糖尿病も同時に併発している人は脳梗塞や心臓病を起こしてしまう危険性がより高くなるので、普段から食事療法や運動療法、そして薬物治療などを行って、リスクを避けることが大切です。

 

自分のペースでできる運動がよい

高血圧症は、65歳以上の前期高齢者と呼ばれる年齢にさしかかると特に発症することが多くなります。

加齢により血管にもなんらかの異常が見られることが多いため、無酸素運動のような急激な運動によって血圧が上がり過ぎると危険です。

他にも、腎臓疾患やホルモン異常などの症状により、血圧が上がることは子どもの患者にもみられています。

血圧が高めの妊婦が太り過ぎになることから発症する高血圧、更年期を迎えた女性が、女性ホルモンの減少が原因で発症する高血圧などもあります。

しかし、それまで高血圧のことなど気にしたことがないまま、いつの間にか高血圧になっている人も多く、初期の自覚症状がほとんどないという問題も高血圧症にはあります。

自覚症状がないだけに、放置されやすくなり、さらにはそれが原因で脳卒中や心臓病を起こしてしまうことがあります。

高血圧の本当の恐ろしさは、高血圧そのものより高血圧が要因の1つとなって脳卒中や動脈硬化、心臓病などの病気が引き起こされてしまうことです。

特に問題なのが、動脈硬化です。

動脈硬化により血管は弾力を失い、血管の内腔は狭くなります。

このことで高血圧が進み、高血圧に血管が耐えるためにさらに血管壁が厚くなり、そして血流が滞りやすくなります。

そのため高血圧がさらに進行します。

つまり、動脈硬化により血管壁が厚くなり、さらに高血圧が進み、このことにより動脈硬化もまた進んでしまうという負のスパイラルが引き起こされるのです。

動脈硬化が進むと、心臓や脳の血液の循環が悪くなり、血管にも悪影響を及ぼします。

このため、脳の血流が悪くなると脳梗塞や脳卒中を引き起こしやすくなり、心臓の血流が悪くなると心筋梗塞や狭心症になり、他にも腎機能障害になるリスクも高くなります。

高血圧症は高血圧そのものより、それを放置し続けることで併発しやすくなる、命に係わる病気が多いという特徴があります。

高血圧を改善するためには、有酸素運動と呼ばれる軽めの運動が適しており、無理なく自分のペースで運動を行っていくことが大切です。

 

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徐々に身体を慣らせるウォーキングが人気

そもそも高血圧とは、血管への圧力が健康とされる通常の値よりも高く継続されている状態のことをいいます。

病院で測定する場合は、最大血圧が140mmHg以上か、最小血圧が90mmHg以上のときに高血圧と診断されます。

しかし、病院で測定する場合は、自宅で平静にしているときに比べて緊張してしまうことが多く、通常よりも大きい値が出てしまうこともあります。

このため、通常の血圧を知るには、自宅でリラックスしているときに測るのがいいでしょう。

高血圧は初期の自覚症状が感じられず、知らないうちに進行してしまっていることも多いので、これを防ぐためには自宅で血圧を測ることを習慣にするのがよいでしょう。

毎日の自分の血圧の変化が分かることは、自分の健康を自分で管理することにもつながるので、自分の健康に対する責任が芽生え自己管理につながります。

また、高血圧の原因はこれというはっきりしたものが特定できないことも多いので、その場合の高血圧を「一次性高血圧」、または本態性高血圧といいます。

日本人の九割以上が、この一次性高血圧によるものとされています。

その要因として考えられるのは、食生活の乱れや過度のアルコール摂取、ストレスの蓄積、運動不足、睡眠不足などの生活習慣に起因するものが多いです。

また、メタボリックシンドロームとの関連もあり、肥満も一次性高血圧の要因のひとつとして考えられます。

そしてもうひとつ、「二次性高血圧」と呼ばれる高血圧は、腎臓やホルモンの異常など、なんらかの身体疾患によって引き起こされるのです。

このような高血圧を予防したり改善したりするためには、適切な食生活や、適度な運動を行うことが基本です。

しかし、既に高血圧と診断された人や高齢者などは激しい運動だと負荷が大きすぎるので、軽めの有酸素運動が適しているでしょう。

ウォーキングや水泳、ジョギングなど、長い時間無理なく続けられる運動が有酸素運動ですが、特にウォーキングは手軽に取り組みやすく、少しずつ体を慣らしいていくように始められるので、高血圧の改善のための運動療法には向いているとされ人気も高くなっています。

 

適切な頻度・時間は?

高血圧に運動療法が効果的といっても、やみくもに運動をすればよいというわけではありません。

適切な頻度や時間を守って、徐々に体を慣らしていき、継続的に行うことが大切です。

日本人の平均的な一日の歩数は、7,000歩から8,000歩程度といわれていますが、厚生労働省が推進している、健康に暮らすための一日の歩数の目標は、10,000歩としています。

これを時間にすると、約一時間半となります。

これはあくまで健康な人に推奨される目標で、高血圧を改善するための運動では一日30分程度とされています。

同じく厚生労働省の見解では、次のような頻度と程度の運動が、高血圧の改善に効果があるとしています。

・基本的には休まずに毎日運動する
・1日30分以上行う
・心拍数が100~120程度となるような軽度から中程度の運動が好ましい

北海道薬剤師会の研究で、35歳から60歳の男性60,000人を対象に、通勤歩行時間と高血圧の関係を調査したものがあります。

これによると、通勤歩数が0分から10分の男性が30,796人いるうちの337人が高血圧であるという結果をリスク係数1.00としたとき、通勤歩数11分から20分の男性は23,266人中242人の高血圧者がいて、リスク係数が0.91、通勤歩数が21分以上の男性は5,722人中47人が高血圧者で、リスク係数が0.70となっています。

つまり、通勤歩数が21分以上の男性は、10分以下の男性と比較すると、高血圧となるリスクが30%も低くなるということが分かります。

このことからも、厚生労働省の見解による、1日30分以上のウォーキングが高血圧の改善に効果があるということが理解できます。

また、運動を習慣として継続して行うことも重要です。

一時的に運動をし血圧が下がったとしても、それに安心して運動をやめてしまうと、また血圧が上がっていくことも分かっています。

ずっと健康であり続けるためには、ウォーキングをはじめとした有酸素運動を、継続的に毎日、一生涯続けるつもりで取り組むことが大切なのです。

梅雨の時期な冬の寒い日など外出するのが困難な場合は、家の中で運動をする「足踏みウォーク」という方法があります。

「足踏みダイエット」として、外出してウォーキングする時間のない若い世代の女性の間で流行しているのが、足踏みウォークです。

膝が90度の角度に曲がることを意識しながら行う足踏みのことで、これは、ダイエット効果があるとともに、自宅でできる高血圧の改善に役立つ運動の1つでもあります。

足腰がしっかりしている人なら、踏み台を置くことで少し負荷をかけて行うこともできます。

この足踏みウォークも、外でウォーキングができない日などに単発的に行うのもいいですし、できれば継続な頻度で毎日行うことがおすすめです。

ふくらはぎを叩くことにより、血圧を下げる効果があることも分っています。

ふくらはぎは、第二の心臓とも呼ばれ、下半身にたまった血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。

睡眠時などのふくらはぎに動きがない時間帯に、足がつったりするのは、ポンプの役割が果たせずに血流が悪くなっていることに原因があります。

さらに、ふくらはぎの筋肉量が減少したり、凝り固まっていたりするとやはり血流が悪くなり、そのことで血圧が上昇しています。

これを防ぐためには、ふくらはぎを毎日5分ほど叩く運動が効果的で血圧を下げることにつながるのです。

高血圧は、年齢が上がるとともに起こりやすくなる疾患で、放置しておくと、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの命に係わる疾患が引き起こされる危険性も非常に高くなりますので、できる限りの対策を行うことが大切です。

 

まとめ

高血圧を予防し改善するためには、健康的な食生活や規則正しい生活、適切に運動するなどが効果的で、これを継続的に毎日行っていくことが大切です。

毎日30分以上のウォーキングなどの有酸素運動を継続的な頻度で行っていくことは、高血圧の改善のほかに肥満や糖尿病などの生活習慣病に対しても予防や改善の効果があります。

健康的な毎日を送り続けるために、日々の運動を継続させることを心がけてください。

ただ、高血圧の人で運動療法に不安のある場合は、かかりつけの医師に相談しながら運動療法を行うことをお勧めします。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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