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加齢で衰える筋肉…50代こそ筋肉を付けて血糖値を下げる!

 2018/06/04 生活習慣病
この記事は約 10 分で読めます。 2,972 Views

血糖値というのは高い状態が続く前にコントロールをするようにしていかないと、先々さまざまな疾病を引き起こす原因ともなりかねない厄介なものです。

血糖値を下げるには、食事に糖質制限を行ってタンパク質を効果的な形で摂取するのが大切です。

それと同時に、筋肉の多い身体つくりをしていくことも糖尿病になりにくい健康な身体作りには最適といえます。

50代になってくると筋肉はどうしても自然に衰えていきますので、定期的に筋トレなどを行って血糖値を低めにキープしていきたいところです。

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筋肉は血糖値の調整に一役買っている

若いころは健康診断で血液検査をしてもらっても全て正常値だったのに、50代になったら急に血糖値が上がったというのはよくある話です。

ある程度の年代を過ぎるとコレステロール値や血糖値に異常が出てくるのは珍しくないですが、初期のうちに治療や食事制限をしていけば悪化を防ぐことができます。

血糖値(blood glucose level)というのは血液内に存在するグルコース(ブドウ糖)の濃度で、これが正常値よりも高い状態が続くと糖尿病などといったさまざまな病気を引き起こします。

血糖値は多種のホルモンによって正常値(80-100mg/dL)に保たれていますが、血糖値を上げる「グルカゴン」や逆に下げる作用のある「インスリン」がうまく働いていないと正常値を保つことができません。

これらのホルモンと同時に血中の血糖濃度を正常な範囲に保っているのが筋肉です。

そのため、いかに身体の筋肉量を増やして血糖値が上がらないようにコントロールしていくかが10年後、20年後の健康のカギとなってきます。

糖尿病を防ぐためには糖質制限をした食事が何よりも大切です。

糖質制限をした健康的な食事というと野菜やフルーツを中心とした食事を思い浮かべる人もいるかもしれませんが、フルーツには糖分が多く含まれているため、糖質制限食としては不向きといえます。

糖質が少なく、しかもタンパク質の豊富な肉類を積極的に食べることによって血糖値をうまくコントロールしていけます。

おすすめの食品はタンパク質がふんだんに含まれている鶏肉です。

人間の体の多くはタンパク質で出来ていますが、筋肉もタンパク質で出来ています。

糖質制限をしていると、フルーツや甘いもの、ご飯などを多く食べられないのでどうしてもフラストレーションが溜まりがちですが、鶏肉ならたくさん食べても血糖値を上げませんから多く食べることができます。

和風からカレー、洋風の煮込みなど、さまざまなレシピに使える鶏肉は豚肉などとちがって食感に歯ごたえがありますから、食べるとかなりの満足感を得られるというメリットもあります。

牛肉や豚肉なども糖質は少ないので積極的に食べるのがおすすめです。

脂肪分も、食後血糖値がいきなり上昇するのを抑えてくれる働きがありますから、制限食だからといって悲観せずにステーキなども豪快に楽しむといいでしょう。

 

筋肉量が減ると、行き先がなくなった糖分が血中にやってくる

私たちの体内に存在する糖分は、そのほとんどが筋肉に保管されるという特性があります。

ですから、加齢などの理由で全身の筋肉量が減少してくると糖分を保管しておく場所がなくなってしまい、行き場を失った糖分が血中に溶け出してしまいます。

そのことも血糖値を上げてしまうことに繋がります。

ですから常に筋肉量を落とさないようにエクササイズなどを実践するのが大切ですが、加齢によってどうしても筋肉量が落ちていく事実は否めません。

血糖値を下げるのに役立つのがインスリンと呼ばれるホルモンであるのはよく知られていますが、このインスリンは膵臓から分泌されているのをご存知でしょうか。

私たちが食事をすると血液内の血糖値が上昇しますが、これを受けてインスリンが放出され血糖値を正常値にまで引き下げようとします。

ところが筋肉量が少ないと大量のインスリンが必要となってしまい、生産が間に合わなくなってしまうことがあります。

筋肉の元となるタンパク質を食事でしっかりと摂りつつ、体に筋肉をつけるためにもできる限り運動を行うことが大切です。

この後、日常生活の中で出来る簡単な運動方法もご紹介しますので、ぜひ参考にして出来ることから始めてみましょう。

 

加齢による筋肉の減少「サルコペニア」に抗おう!

年齢が上がってくると誰でも筋肉が減少し、やせて身体のボリュームが減ってくるものですが、筋肉量が低下、同時に筋力あるいは身体機能が低下した場合には「サルコペニア」という診断がくだされます。

「サルコ(sarcoまたはsarx)」というのはギリシャ語で肉とか筋肉という意味です。

「ペニア(penia)」というのは現象や消失という意味がありますから、文字通り筋肉が減少した状態がサルコペニアとなります。

筋肉が衰えるというのは脚の力が衰えて歩みが遅くなる、杖の助けを借りないと歩きにくいなどの状態になる他、握力や内臓の力など全身の筋肉がすべて衰えることを意味します。

このサルコペニアには発生のメカニズムによっていくつかの種類がありますが、加齢が原因の主体であるものは「一次性サルコペニア」、年齢とは関係なく不活発な生活スタイルや寝たきりが原因で起こる「二次性サルコペニア」の他に、消化不良や薬剤の副作用によってタンパク質の摂取不足が原因で起こるものなどがあります。

また、心臓や肺・肝臓・腎臓・脳などの重症臓器不全や悪性腫瘍・内分泌疾患といった要因がサルコペニアの原因となる場合もあります。

自分がサルコペニアかどうかは簡単にチェックができますので、体力低下や生活習慣病に悩まされている人は一応確認しておきましょう。

1.片足で靴下がはける、
2.椅子に座った状態から片足で立ち上がることができる、
3.片足立ちの状態を60秒キープできる、

の3つを試してみて、ひとつでもできないものがあった場合には下半身の筋力が衰えている可能性が高くなります。

筋肉量は毎日ちょっとした工夫をするだけでもキープできるものですから、「もう歳だから」とあきらめずに筋肉増量を図ることが大切です。

一番簡単なエクササイズは、爪先立ちで3秒間かけてゆっくりとかかとを上げたり下げたりするだけでも脚力をキープするには有効です。

朝歯磨きをするとき、通勤電車に乗っているとき、あるいはバスを待っているときなどにつま先立ちをするだけで歴然たる効果がありますので毎日ぜひ実践しましょう。

道を歩くときもできるだけ足を上げるように意識するだけで全身の筋肉が活性化されます。

座っているときも脚と腹筋に力を入れるなど細かい配慮で筋肉の衰えがだいぶ改善されます。

 
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日常で出来る筋トレ①階段の利用

筋トレといっても、特に大げさなことをする必要はありません。

トレーニングジムやフィットネスクラブに通うためには入会金や月々の会費などにけっこうお金がかかりますし、オフィスで働いていると通う時間自体がなかなか取れないものです。

オフィスや自宅でも簡単にできる筋肉トレーニング方法を探しているのであれば、階段を利用するのもいいアイディアです。

オフィスにいる人であれば、エレベーターを使わずに階段を利用して簡単に筋肉をアップすることができます。

例えばオフィスが3階にあるのであれば、エレベーターに乗らずに毎回階段を使えば足腰の筋肉が鍛えられます。

階段の昇り降りは一見地味な動作のように見えますが、実際にやってみるとなかなか骨が折れるものです。

例えば体重60kgの人が10分間、ゆっくりと階段の昇降運動をしたときの消費カロリーは、37kcalですからグラニュー糖10gほどに匹敵します。

このエクササイズで落ちる脂肪量は5.1g、このエクササイズを続けると減量できる体重は0.15kg程度です。

同じ時間階段を昇り降りした場合でも、ハードに行った場合には消費カロリーが37kcalから68kcalにまで増えますので、短時間で効率よく筋肉を付けたいのであればできるだけ速足で階段を昇り降りできるようにするといいでしょう。

階段の昇り降りは簡単な動作のように見えますが実は想像もつかないほどの力が脚にかかっており、ゆっくり昇降するだけでも相当な筋肉を使っているのです。

私たちが平地を歩いているとき、膝にかかる力は体重のだいたい2倍、階段を昇るときにかかる力は、2~3倍です。

ところが階段を降りる際には、なんと体重の6~8倍の力が膝にかかります。

年齢を経るにしたがって「昇るのは比較的楽だけれど、階段を降りるときが辛い」という人が増えますが、これは段を降りるほうが力を数倍も使うからです。

脚には身体の中でも大きな筋肉が集中していますから、これを鍛えることによって前かがみの姿勢が改善されて胃腸などの消化器官も鍛えられますので、消化吸収がよくなって血糖値もたやすく下げることができるようになります。

階段を何段も昇るのが辛いという人は、手すりにつかまりながら一段だけ昇り降りする踏み台昇降運動から、段階を踏んで始めるのをおすすめします。

 

日常で出来る筋トレ②ウォーキング

筋肉を付けるためには、ジョギングやピラティスなどのエクササイズもおすすめです。

特にドイツ軍の従軍看護師が開発したピラティス(Pilates)・メソッドは、普通の筋肉トレーニングのように身体の表面にある筋肉を鍛えるばかりではなく、身体の内部にあるインナーマッスルを鍛える効果があります。

無理をせずに自分の力に合わせて、筋肉を鍛えていくことができるこのピラティスには身体の歪みやアンバランスを整えていく効果もあり、血糖値をコントロールしていくにも最適です。

毎週定期的に通ってインストラクターの指導を仰がなければ効果がないため、フィットネスクラブに通う時間がない人はもっと身近にできるエクササイズを通して血糖値を下げていく必要があります。

簡単で毎日継続してできるエクササイズといえば、おすすめなのはウォーキングです。

このウォーキングは行う時間帯によっても効果にかなりの違いが出てきますので、できるだけガイドラインに沿って実践するのがおすすめの方法になります。

血糖値が高い人の中でも特に2型糖尿病患者の場合は、食後に10分間のウォーキングを実践することによって血糖値を下げるという研究結果もありますが、食事に炭水化物の占める割合が多ければ多いほどウォーキングによって効果的に血糖値を下げられるのです。

ウォーキングは朝食・昼食・夕食いずれの後に行ってもいいのですが、食後30分から1時間後に行うのが目安となっています。

有識者の中には毎日1万歩のウォーキングが血糖値を下げるためには有効だと推奨していますが、歩き慣れていない人だと1万歩はなかなか難しいようですから、最初は歩数を気にせずにできる範囲で歩くのがおすすめです。

歩数が少なくても速足で歩けば、3000歩程度でも血糖値ばかりではなくコレステロール値まで下がるという研究結果もあります。

速足の目安は「1分あたり100歩」です。

あまり歩くのが好きではない人は徐々にスピードを上げていって、このペースに到達できるようにするといいでしょう。

実際にやってみると分かることですが、1分あたり100歩というのはかなり活発なペースですからよほど歩き慣れていないと実現できません。

ウォーキングを毎日続けていると脚の筋肉も付いてきますから運動不足の人にもおすすめです。

 

まとめ

血糖値のコントロールというと食事制限にばかり気を使いがちですが、実は身体の筋肉量を増やすのが糖尿病の予防には有効です。

筋肉量を増やすためには、わざわざスポーツジムに行って筋トレをする必要はありません。

通勤の際には一駅手前で電車を降りて一区間歩く、あるいはエレベーターを使わずに階段を昇降するといったごくシンプルな工夫をするだけでもかなりの効果を得ることができます。

また、夜にテレビを見ながら水の入ったペットボトルで腕力をつけるだけでも有効ですので、ぜひお試しください。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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