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前立腺がん?前立腺肥大症?見極め方と対策方法

 2019/02/17 生活習慣病
この記事は約 10 分で読めます。 2,820 Views

膀胱の下側に尿道を取り囲むようにして存在している前立腺は前立腺液を生成する働きを担っており男性だけにある臓器でもあります。

この箇所に生じるがんのことを前立腺がんと呼び、転移などによって命にかかわる危険性はあるものの他の箇所のがんに比べて進行が遅いといった特徴があります。

また、この前立腺がんは同様に前立腺で発症する疾患である前立腺肥大症との区別がつきづらく、特に初期の前立腺がんと前立腺肥大症の症状は非常に似ています。

今回は、そんな2つの疾患の見極め方と対策について解説します。

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前立腺がんの原因

まずは前立腺がんの原因についてです。

前立腺がんの原因としては、主に以下が指摘されています。

・遺伝

一般的には、前立腺がんを引き起こす最も危険度の高い因子としてが遺伝が言われます。

例えば、第一度近親者(両親、兄弟、姉妹、子ども)に前立腺がん患者が1人いる場合、その人が前立腺がんに罹患するリスクは通常の2倍、同様に2人いる場合は通常の5倍以上となっています。

前立腺がんと遺伝の関係性は、他のがんと比較しても高い部類に入るといえるでしょう。

・男性ホルモンの存在

前立腺がんの発症には男性ホルモンの存在が大きく関係しているといわれています。

前立腺がんの発症人数は年齢が高くなるにつれて多くなる傾向がありますが、このことには加齢によって男性ホルモンの分泌量が変化するということも大きく関係していると考えられています。

・加齢

男性ホルモンの分泌量が変化するということに限らず、人の体質は加齢と共に大きく変化します。

前立腺がんの発症はこのような加齢そのものも大きく関係していることが指摘されています。

ちなみに、前立腺がんの発症率は60歳を過ぎたころから急激に上がることが分かっており、近親者で前立腺がんになった人がいる方は60歳をひとつの目安として注意したほうが良いでしょう。

・喫煙

喫煙というと肺がんや咽頭がんなどのリスクを高めるというイメージはあるものの、前立腺がんの罹患リスクを高めるというイメージはないという方が多いかもしれません。

しかし、米国がん学会(AACR)の学術誌「Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌」では、非喫煙者よりも喫煙者の前立腺がん罹患者数のほうが1.4倍多いことが報告されており、喫煙もまた前立腺がんの原因のひとつになるといえます。

・肥満

解明されていない部分もありますが、肥満も前立腺がんの原因のひとつとして考えられます。

肥満は前立腺がんの進行を早めることが確認されており、前立腺がんに罹患した人や罹患する可能性が高い人が肥満に気をつけなければならないことは間違いないでしょう。

・カルシウムの過剰摂取

前立腺がんの原因としてはカルシウムの過剰摂取も指摘されています。

ただし、あくまでも過剰摂取がよくないという意味であり、全く摂取しないと特に高齢者の場合は骨粗しょう症などの別の疾患を引き起こしてしまう危険性があるため、適切な量を摂取するよう心掛ける必要があります。

 

前立腺がんを予防するためにできること

遺伝による罹患リスクも高いことから、人によっては前立腺がんを予防するのが難しい場合もあります。

しかし、以下のことを実践すれば、罹患の確率を少なくすることは可能です。

・免疫力を高める

予防効果は未知数ですが、免疫力を高めることで前立腺がんの罹患リスクを低くすることは可能です。

ただし、がんはウィルス性の疾患のように外部から重大な危険因子が入ってくるわけではないため、その効果は限定的と考えるほうがよいでしょう。

また、近年ではがんにおける免疫療法への注目度が高くなっていますが、この免疫療法とはあくまでもがんが発症してから行う治療法のひとつであるため、予防を目的として免疫を高めることとは異なるという認識をしておく必要があります。

・全身の血流をよくする

全身の血流が滞ってしまうことはさまざまな疾患を引き起こす原因となります。

前立腺がんに関してもこのような血流の停滞は原因のひとつとなることが考えられるので、血流をよくすることはその予防になるといえます。

血流をよくし前立腺がんを予防する方法としてはマッサージや適度な運動がおすすめです。

特に適度な運動は肥満予防にもなることから、血流をよくするという点以外でも前立腺がんの予防効果が期待できます。

・食生活の改善

暴飲暴食は前立腺がんの原因のひとつとして指摘されており、そのような食生活を改善することでも前立腺がんの予防効果が期待できます。

・禁煙

上述のとおり喫煙者の前立腺がん罹患者数は非喫煙者の前立腺がん罹患者数の1.4倍となっており、禁煙をするだけでもその罹患リスクを低くすることができます。

また、禁煙をすることは内臓脂肪型肥満などの防止にもなることから、より多面的に前立腺がんを予防できるといえるでしょう。

・禁酒

禁酒も前立腺がんの予防法としては効果があるといわれています。

お酒に関しても喫煙と同様に肥満などを防止することによる前立腺がんの罹患リスクを低くすることが可能なため、より多面的な予防効果が期待できます。

ただし、適量であれば摂取しても問題はないという報告もあります。

 

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前立腺肥大症の原因

前立腺がんの主な初期症状としては排尿時の違和感や排尿後の残尿感、頻尿などが挙げられますが、これらは前立腺肥大症という前立腺がんとは異なる疾患の症状に非常によく似ています。

この前立腺肥大症の原因についてみてみましょう。

前立腺肥大症の原因に関してはいまだ解明されていない部分が多いですが、年齢を重ねるにつれて発症率が高くなることは分かっており、年代の節目ごとの発症率は50歳で30%、60歳で60%、70歳で80%、80歳で90%となっています。

そのため、加齢が前立腺肥大症の原因のひとつであるということはほぼ間違いないとされています。

また、年齢を重ねることによって前立腺肥大症の発症率が高くなる原因に関しては解明されていない部分が多いものの、加齢による性ホルモン環境の変化がこのことに関連している可能性は高いといわれています。

例えば男性は年齢を重ねるにつれて男性ホルモンの分泌量に変化が生じますが、このことによって前立腺が肥大化するという見方をする識者は多く、男性ホルモンの分泌量の変化は前立腺肥大症を引き起こす原因のひとつとして挙げられます。

また、前立腺肥大症の原因としては肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症といったメタボリック症候群諸症状との関連も指摘されています。

そのため、これらの疾患の予防を意識した生活を送ることは前立腺肥大症予防としても効果が期待できます。

例えば、人間が体内で生成することのできない物質であり、メタボリック症候群の諸症状の改善効果があるともいわれているイソフラボノイドには、前立腺肥大症の発症を抑制する効果も期待できるとされており、食事で摂取することが推奨されます。

また、喫煙やお酒、性交渉などがその原因になるのではと考えられる場合もあります。

しかし、これらのことと前立腺肥大症の関係性については明らかになっていない部分が多く、現時点ではその原因であると断定することはできません。

以上のことから、前立腺肥大症と前立腺がんは原因が似通っているという特徴があり、その違いを見極めることは容易ではありません。

 

前立腺肥大症と前立腺がんの見極め方

前立腺の病気である前立腺肥大症と、特に早期の段階の前立腺がんは、その原因だけでなく排尿時の違和感などの主な症状も似ているという特徴があります。

このことから、前立腺肥大症と早期の前立腺がんを患者自身が見極めることはほぼ不可能であるといわれています。

しかし、適切な時期に適切な方法で診察を受ければ、前立腺肥大症と前立腺がんのどちらであったとしても正しい治療へとつなげることができます。

そのため、これら2つの病気の治療を正しい方法で行うために患者ができることとしては、これらの疾患の初期症状に早く気付き、できるだけ早い段階で医師に診てもらうということが挙げられます。

また、特に前立腺肥大症はすべてのケースで治療が必要ということはなく、全体の約4分の3は治療を必要としません。

よって、自身が患っているのがどちらの疾患であるのかをはっきりとさせ、安心して生活できるようにするためにも下腹部に違和感があったらすぐに泌尿器科を受診する必要があるといえます。

近くに泌尿器科がない場合は、内科でも診察を受けることもできます。

前立腺肥大症、もしくは前立腺がんが疑われる症状としては以下のものがあるため、診察を受ける基準にするとよいでしょう。

・尿の勢いが弱い

排尿時に尿の勢いが弱くなるのは前立腺肥大症と前立腺がんの典型的な症状のひとつです。

具体的には、排尿時に途中で尿が途切れることが多くなったり、尿意を感じているにもかかわらず力まないと尿が出てこないということが多くなった場合は前立腺肥大症もしくは前立腺がんを疑い医療機関で診察を受けることをおすすめします。

・尿が分かれる

前立腺肥大症によって前立腺が大きくなると尿道が圧迫され、尿の出方にも変化が生じることがあります。

例えば尿が二手に分かれて出ることが多くなると、尿道の内部に原因があることが疑われるため、同様に医療機関へ行き診察を受けることをおすすめします。

・頻尿

前立腺肥大症、もしくは前立腺がんになると頻尿の症状が現れます。

特に前立腺肥大症の場合、1日に尿意を催す回数が朝起きてから就寝までに8回以上、就寝中に1回以上あることが罹患を疑う基準となるため、これらの回数を超えている場合は早急に診察を受けたほうがよいでしょう。

・残尿感

前立腺肥大症と前立腺がんでは排尿をしても尿が出切らず、残尿感が残ることが多くなります。

また、このような症状は頻尿と共に生じることも多く、上述した頻尿の回数を満たすと同時に残尿感も感じることが多いという場合は前立腺肥大症、もしくは前立腺がんの可能性が高いといえるでしょう。

・血尿

前立腺がんがある程度進行してしまうと血尿が出る場合があります。

血尿はその原因が前立腺がんでなかったとしても重大な疾患の症状である可能性が高いため、すぐに医療機関で診察を受ける必要があります。

一方で前立腺肥大症の症状として血尿が出る可能性は極めて低くなっています。

 

まとめ

前立腺肥大症は必ずしも治療が必要な疾患ということはなく、むしろ治療が必要な場合が少なくなっています。

しかし、前立腺がんは進行具合などによっては命にかかわるケースもあるため、早期発見・早期治療に努めることが必須となります。

前立腺肥大症と前立腺がんの見極めは難しいものの、前立腺がんであった場合のリスクを最小限に抑えるためにも、排尿時に違和感があったら早い段階で診察を受けることが望ましいといえます。

そして、そのためには上述した診察を受けるか否かの基準を覚えておくのがよいでしょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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