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あなたの高血圧は、質の悪い睡眠が引き起こした症状かも…!

サイレント・キラーとも呼ばれる高血圧は、心疾患や脳疾患など命の危険につながる怖い病気の引き金になる恐ろしい症状です。

血圧が上がるさまざまな原因は生活習慣の中に多く潜んでいますが、質の悪い睡眠や睡眠不足も、血圧上昇に大きな影響をあたえます。

なぜ睡眠が足りないと血圧が上がってしまうのか、また持続性高血圧よりも本当は怖い「夜間高血圧」とはなにか、対策方法はあるのかなど、高血圧と睡眠の関係について考えてみましょう。

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睡眠時間が少ないと高血圧になりやすい!

睡眠不足が健康に与える影響が大きいことはよく知られていますが、高血圧の症状も例外ではありません。

血圧はさまざまな要因に影響されて、上がったり下がったりしますが、1日でも睡眠不足すると血圧はすぐに上がってしまうというほど、強く影響を受けています。

そして恐ろしいことに、その状態が2~3週間も続くと高血圧の症状が慢性化してしまうというのです。

ここまでダイレクトに睡眠の影響を受ける血圧ですが、健康な人の血圧はおおむね同じようなパターンで、1日の中でも変動しています。

「日内変動」といわれるもので、朝は目覚める前から徐々に血圧が上がり始め、活動が活発になる日中にピークとなると、その後はまた夕方から夜にかけて少しずつ下がり、眠りにつくとさらに低くなります。

日中に比べると夜の血圧は10~20%程度低くなることで、眠りに入りやすく質のよい睡眠ができるようになっているのです。

これには自律神経の働きが関係していて、日中は交感神経が、夜は副交感神経が優位となるからなのですが、睡眠障害が続いて夜中に何度も目が覚めたり、そもそも眠っている時間が少なかったりすると、夜も交感神経が優位となって血圧も低くなることができません。

夜の間の血圧が下がらないと、朝起きてからの血圧も高い状態が続いてしまいます。

そしてこうした状態が続いていると、やがては高血圧の症状を引き起こしてしまうのです。

実際にアメリカのシカゴ大学保健学部の研究グループによる、調査研究の結果が発表されています。

それによると33歳から45歳の男女578人を追跡調査した結果、睡眠時間が短いほど高血圧になる割合が高く、6時間のグループと5時間のグループを比較すると、5時間のグループの方が37%も高血圧になる割合が高かったそうです。

この他にも約5,000人の人を8~10年間にわたって調査した研究によると、睡眠時間が5時間以下の人は明らかに高血圧になりやすく、また高血圧の人と睡眠時間の関係を調べた研究では、毎日7~8時間眠っている人に比べて、高血圧の人はそれよりも眠る時間が短い確率が高いこともわかっています。

このように睡眠不足によって慢性的な高血圧の症状が続くことは、健康面で大きなリスクを抱えることになります。

 

夜間高血圧は臓器に負担がかかる!

高血圧は脳卒中や心疾患、慢性腎臓病などの重大な病気につながる、サイレント・キラーとも呼ばれる怖い症状です。

特に脳卒中のリスクを高めることは、最近の研究からも明らかになっています。

しかし血圧が高くなっていることは比較的自覚しやすく、健康診断や医療機関にある血圧計などで簡単に測ることもできますので、早めに気づいて治療を開始すれば、それほど怖いものではありません。

本当に怖いのは、最近注目されている「仮面高血圧」です。

診察室や健康診断などで血圧を測ると正常範囲なのに、家庭で測ると血圧が高くなるという現象で、「早朝高血圧」「夜間高血圧」「ストレス高血圧」があります。

アメリカ・コロンビア大学のトーマス・ピッカリング教授が発表した研究報告によると、脳心血管疾患リスクが仮面高血圧の人では大きく跳ね上がるということがわかりました。

その率は正常血圧の人を1とすると、持続性高血圧の人は2.94倍になりますが、仮面高血圧の人では386倍にもなったというのです。

中でも夜間高血圧は、一日の中で最も血圧が低くなるはずの睡眠中に、血圧があまり下がらないどころか、日中よりも高くなってしまうこともあるという厄介な症状です。

夜になっても血圧が下がらないタイプを「夜間非降圧型」、日中より夜間のほうが高めの血圧になってしまうタイプを「夜間昇圧型」といいます。

眠っている間も血圧が高いため、脳や心臓、腎臓などの大切な臓器や血管に大きな負担をかけることになり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを増やし、脳の認知機能や身体機能の低下にもつながることがあります。

ところが寝ている間の血圧なので、自分で気づいて夜間の血圧を計測しない限りは、見つからないままになってしまう可能性が高いのです。

夜間高血圧には睡眠時無呼吸症候群や糖尿病、心不全、腎不全、脳の病気などが関わっていることがわかっていますので、思い当たる人は早めに専門医に相談して、睡眠中の血圧を測定してみましょう。

夜間の血圧は、病院で貸し出してもらえる24時間自由行動下血圧測定(ABPM)を使って計測するか、夜間の血圧を自動的に計測できるタイプの家庭血圧計を使って測ります。

夜間高血圧だと診断されたら、その危険性をしっかりと自覚し、医師のアドバイスを守って治療を開始して下さい。

 

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質の良い睡眠をとるために出来る工夫

質の良い眠りは血圧を安定させ、日中の血圧のコントロールにも役立ちます。

布団に入ってもうまく寝つけない、朝までぐっすり眠れないなどの悩みは、毎日のちょっとした心がけで改善できる可能性があります。

眠りの質を上げるには、眠りはじめ90分間のノンレム睡眠が大切です。

ここで深く眠ることができれば、その後の睡眠のリズムや自律神経の働きが良くなります。

寝入りばなにぐっすりと深く眠り、そのまま朝まで快適に眠れるよう、寝る前にできる快眠のコツをご紹介します。

■深部体温を下げる

人間には深部体温と皮膚体温の2つがありますが、日中は皮膚体温より深部体温の方が2度ほど高くなっています。

しかし寝る前には深部体温が少し下がり、皮膚体温との差が縮まり、そのことで眠りに入っていきやすくなります。

そのために有効なのが入浴です。

お風呂に入ると深部体温が一時的に上がりますが、その後は上がった分だけ一気に下がろうとする性質があり、皮膚体温との差も縮まるので、スムーズな入眠に効果的です。

深部体温が元に戻り、さらに下がっていく時間を考えると、入浴は寝る90分前にすませておくのがベストです。

もし帰宅が遅くなるなどシャワーしかできないときは、変わりに足湯をするとうまく深部体温を下げることができるので試してみて下さい。

■脳の興奮を鎮める

脳が興奮している状態では、体温も下がりにくく寝つきも悪くなります。

また眠りも浅くなり最初の90分間にぐっすり眠ることもできません。

質の良い眠りのためには、脳が興奮からさめる仕組みが必要です。

そのためには単調なことをして、脳を退屈させることです。

刺激のない退屈な本を読む、興味の持てない退屈なテレビ番組を流しておく、退屈な難しい講義を聞く、何でもかまいません。

眠りの前には脳のスイッチをオフにして、休息状態を作りだしましょう。

またいつも同じタイミングで入浴し、パジャマに着替え、歯磨きをするなど、単調な入眠儀式を作っておくのも効果的です。

■入眠パターンと起床パターンを作る

毎朝バラバラの時間に寝たり起きたりするのではなく、睡眠をパターン化しましょう。

まずは起床時刻を決めて、例え休日でもその時間になったら起きるようにします。

次に就寝時刻をセットします。

毎日決まった時間に寝ることは難しいかもしれませんが、できるだけ布団に入るようにします。

翌日早く起きる用事があったとしても、そのために早めに寝るということもやめます。

 

以上のように毎日の就寝パターンを繰り返すうちに、自分なりの眠りのリズムができてくると思います。

この他にも細かな工夫はたくさんありますので、自分なりの快眠方法を見つけていきましょう。

 

夜の睡眠時間を確保できないなら昼寝!

質の悪い眠りがもたらす高血圧への悪影響は十分にわかっているし、必要な睡眠時間の確保も、ぐっすり眠るための工夫もしているのに、だけどどうしても気持ち良く眠れない、という人もいらっしゃるでしょう。

そんなときは昼寝やゴロ寝をすることで補いましょう。

血圧は眠っている間が一番低くなりますが、15分横になるだけでも血圧を下げる効果がありますし、身体を横にするだけでも効果が期待できます。

横になると上半身に血液を送り出す力が必要なくなるので、血管の収縮がとれ、また腎臓へ流れる血液量が増えるので、血圧を上昇させるホルモンの分泌が減って、血圧が下がります。

横になってから15分くらいたった頃から、血圧は下がりはじめ、30分立つと15~20mmHg下がります。

昼寝には疲労回復や心臓病のリスク軽減などの効果も期待できますので、昼食後など眠気が襲ってくる時間帯を利用して寝るようにすると良いですね。

ただし長すぎる昼寝や午後3時をすぎてからの昼寝は、デメリットの方が大きくなるので避けるようにして下さい。

効果的なのは20分程度の昼寝と言われています。

短時間にちょうど脳の疲れがとれる程度の眠りができ、頭も身体もスッキリします。

30分以上寝てしまうと、それ以上深い眠りに入ってしまうので、起きたあとに頭がボンヤリしたり、身体がだるく感じたりするので要注意です。

また午後3時をすぎてから昼寝をすると、夜の眠りに影響してしまうので、これもNGです。

高血圧の人は、15分~20分程度の昼寝を1日に2回程度すると、血圧の低下にも役立つと言われています。

身体を横にできる場所を確保して、横向きに寝るようにすると良いでしょう。

横向きになることで睡眠時無呼吸症候群によるいびきも防止でき、高血圧の改善に繋がります。

眠れない場合でも、身体を横にすることだけでも効果はあるので、1日に数回はゴロ寝をする習慣をつけたいものですね。

また高血圧の人はイライラすることがあってカーっとしたときや、ストレスを感じたときなどにもゴロ寝をおすすめします。

交感神経が刺激されて急上昇した血圧も、ゴロっと横になっているだけで少しは下がって身体もラクになります。

働きざかりの人にとっては難しい習慣かもしれませんが、横になれる場所と時間を探してみて下さい。

 

まとめ

眠りの質や不足が健康、特に生活習慣病に悪い影響を及ぼすということは、今ではよく知られていますが、働き盛りの中高年にとっては十分な睡眠時間を確保するということ自体が、かなり難しいという現実はあると思います。

でも自分の健康を守るためには、一度立ち止まってしっかり考えてみる必要がありそうです。

高血圧は将来の自分の健康や命をおびやかす問題です。今は大丈夫でもいつ深刻な症状となって自分に返ってくるかわかりません。

そうなる前に、日常生活のなかでできる対策を実践していきましょう。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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