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【注意】カリウム摂取で高血圧対策をできるのは「腎臓が元気な人」に限ります!

 2019/03/18 生活習慣病
この記事は約 12 分で読めます。 998 Views

高血圧は動脈硬化や脳卒中の原因となるものですが、血圧を下げる方法としてカリウムがあります。

カリウムは人体に欠かせないミネラルのひとつで、血圧が上がる原因となるナトリウムの体外への排出を促進する機能があります。

高血圧の対策に効果的なカリウムですが、腎臓の機能が低下している場合に摂取しすぎると、高血圧とは異なるリスクも生じてくるという指摘もあります。

ここでは、カリウムの効能、腎機能が低下している場合に摂取しすぎるリスク、腎臓が悪い場合にカリウムのかわりになる方法などをご紹介します。

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人体におけるカリウムの役割

カリウムは金属元素のひとつであると同時に、人体に欠かせないミネラルのひとつです。

自然界においては金属単体ではなく化合物として存在します。

カリウムは人間の体重の約0.2%を占めており、成人の体内には100g〜200gほどのカリウムが含まれます。

食事などで体内に摂取されたカリウムは、小腸で吸収された後に全身の組織に運ばれていきます。

体内のカリウムの調節は腎臓によって行われ、血液中のカリウムの濃度は約3.6~5.0mEq/L程度に保たれます。

・カリウムは細胞の浸透圧を調整する

体内のカリウムはナトリウムと対になって働くのが特徴です。

ナトリウムは細胞外液で濃度が高いのに対し、カリウムは細胞内液で濃度が高くなっています。

人体におけるナトリウムとカリウムの比率は、ナトリウムが約2に対しカリウムが約1です。

余分なナトリウムとカリウムは腎臓などの働きによって汗や尿として体外に排出されます。

細胞外液のナトリウムと細胞内液のカリウムがバランスよく存在することで細胞内外の浸透圧が調和し、細胞が正常な機能を発揮できるようになります。

細胞内外のナトリウムとカリウムのバランスは、「ナトリウムポンプ」という調節機能によって行われます。

細胞内にナトリウムが過剰に入ってくると、ナトリウムポンプの機能によって余分なナトリウムが体内に排出されると同時に、細胞外からカリウムが取り込まれます。

・カリウムは血圧を一定に保つ機能がある

細胞外液内のナトリウムの濃度が上昇すると血管内の浸透圧が上がります。

水分は浸透圧の低い方から高い方へ移動する性質があるので、水を飲むことなどで体内に取り込まれた水分は浸透圧が上がった血管内に取り込まれるのです。

血管内の水分が増えるとそれによって血液の量も増え、血液が増えると血管内の圧力が上昇して血圧が高くなり高血圧の原因になります。

体内におけるカリウムの重要な働きのひとつは、高血圧の原因となるナトリウムを体外に排出する働きを助けて血圧を一定に保つことです。

体内でろ過されたナトリウムは腎臓で再吸収されますが、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制する働きがあります。

腎臓での再吸収の際にカリウムが取り込まれてかわりにナトリウムが排出されることで、高血圧を防止して血圧を下げるのに役立つという仕組みです。

カリウムの人体におけるその他の働きとしては、神経刺激の伝達、筋肉の収縮と弛緩の調節、酵素反応の調節などもあります。

・カリウムが欠乏した場合の症状

カリウムは食品から摂取することができますが、激しい下痢や嘔吐などが続いた場合はカリウムの排泄量が必要以上に増えて体内のカリウムが欠乏することがあります。

また、カリウム欠乏の主な症状は、高血圧、むくみ、筋力の低下、反射機能の低下、脱力感、食欲不振、骨格筋の麻痺などです。

 

肉と魚介類はカリウム豊富!

カリウムは主に食事によって摂取しますが、肉と魚介類には基本的にカリウムが豊富に含まれています。

以下にカリウムを含む食品をあげていきます。

・カリウムを多く含む肉

カリウムが多く含まれている肉としては、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉などがあります。

同じ動物の肉でも、部位によってカリウムが豊富に含まれる部位とそうでない部位があります。

また、同じ部位でも脂身のある部分とない部分では、脂身のない部分のほうがカリウムも豊富になります。

牛肉におけるカリウムが豊富な部位としては、ヒレ( 40g中約136mg )、脂身なしのもも( 40g中約132mg )、脂身ありのもも( 40g中約128mg )などです。

豚肉のうちカリウムが豊富な部位は、ヒレ( 40g中約172mg )、脂身なしのロース( 40g中約160mg )、脂身なしのもも( 40g中約144mg )などがあります。

羊肉でカリウムが豊富な部位としては、脂身なしのロース( 40g中約290mg )、脂身なしのもも( 40g中約148mg )、脂身ありのもも( 40g中約136mg )などです。

鶏肉のうちカリウムが豊富な部位としては、皮なしのむね( 40g中約148mg )、皮付きのむね( 40g中約136mg )、ささみ( 40g中約113mg )、などになります。

また、肉だけでなくレバーにもカリウムが豊富に含まれています。

例えば鶏のレバー( 40g中約132mg )、牛のレバー( 40g中約120mg )、豚のレバー( 40g中約116mg )などです。

一方、同じ動物の肉でも加工品はカリウムが少なめになっています。

ベーコン( 40g中約84g )、ウインナー( 40g中約72mg )、ロースハム( 40g中約52mg )といったところです。

・カリウムを多く含む魚介類

魚介類は魚の種類によってカリウムが豊富な魚とそうでない魚があります。

カリウムが豊富な魚としては、さわら( 40g中約196mg )、まだい( 40g中約176mg )、びんちょうまぐろ( 40g中約176mg )、ひらめ( 40g中約176mg )、春どりのかつお( 40g中約172mg )などです。

魚以外にも、毛がに( 40g中約136mg )、ほたてがい( 40g中約124mg )、するめいか( 40g中約120mg )などもカリウムが豊富です。

一方、ししゃも( 40g中約80mg )、さんま( 40g中約76mg )、わかさぎ( 40g中約48mg )などはカリウムの含有量が比較的少なめになっています。

・カリウムは水に溶けやすいので注意

カリウムは水に溶け出す性質を有しています。

そのため、煮たり茹でたりすることで水に溶けだしてしまいます。

つまり、肉や魚を調理する際に煮たり茹でたりする調理方法だと、カリウムを摂取しにくくなることがあります。

煮たり茹でたりした場合は、肉や魚だけでなく残った湯や汁も一緒に飲むようにすると、カリウムを無駄なく摂取することができます。

また、魚は基本的に加熱せずに食べることができるので、魚からカリウムを摂取する場合は刺身にして食べるのがおすすめです。

 

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腎臓が悪いとカリウムを処理しきれない

・高カリウム血症とは

カリウムは本来人間の体内に必要なミネラルの一種ですが、血中濃度が上がりすぎると人体に悪影響を及ぼす場合があります。

そのため、余分なカリウムの排出は腎臓の調節機能によって行われます。

肉や魚介類などの食物の中に含まれるカリウムは、体内に必要な分が吸収された後、不要な分が尿に溶けて排泄されます。

腎臓が健康な場合は、食事によってカリウムを過剰に摂取しても腎臓の調節機能によって余分なカリウムが体内にきちんと排出されるため、血中のカリウム濃度が過剰に上昇する心配はありません。

ところが、腎臓の機能が低下して正常に働かなくなった場合は、腎臓の調節機能によるカリウム排出が十分機能しなくなるという指摘もあります。

排出されないカリウムは体内に蓄積し、血液中のカリウム濃度が上昇します。

余分なカリウムが排出されずに血中のカリウム濃度が過剰に上昇した状態を、高カリウム血症といいます。

・高カリウム血症の主な症状

高カリウム血症の主な症状は、四肢の痺れ、不整脈、頻脈、筋力の低下、脱力感、吐き気、悪心、嘔吐などです。

高カリウム血症をそのまま放置しておくと重篤な症状として不整脈を起こし、場合によっては心停止によって突然死に至ることもあるので注意する必要があります。

心臓などの外科手術の際に意図的に心停止状態にするために塩化カリウムが用いられる場合もあることから、高カリウム血症による心停止の危険性は命に関わるリスクのある大きなデメリットといえます。

・高カリウム血症を防止するには

15歳以上の日本人が食事からカリウムを摂取する1日の目安量としては、男性が3000mg程度、女性が2600mg程度ですが、あくまで健康な場合の目安になります。

腎臓の調節機能が低下してカリウムが十分に排出できない場合は、血中濃度が上昇しないようにすることで高カリウム血症を防止する対策が必要になります。

そのための方法として、食事からカリウムを摂取する量を抑制することで血中のカリウム濃度の上昇を防止する場合があります。

・カリウムを抑制する場合の注意点

食事制限によってカリウムの摂取量を抑制する方法の注意点としては、カリウムのみを気にしすぎて食事を十分にとらないことでカリウム以外のタンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素も十分に摂取できなくなる場合があることです。

必要な栄養素をきちんと摂取しながらカリウムを抑制するコツは、水に溶けやすいカリウムの性質を利用することです。

カリウムを含む食物を調理する際に、一度水にさらしたり湯通ししたりすることで、食物に含まれたカリウムが水の中に溶け出していきます。

摂取を抑制する場合は、カリウムが溶け出した水や湯は飲まないようにしましょう。

カリウムを効率よく取り除くことで食物に含まれたタンパク質などの他の栄養素をきちんと摂取しつつ、カリウムの血中濃度を抑制することにつながります。

注意点としては、カリウムの摂取を抑制する必要があるのはあくまで腎機能が低下している場合に限られることです。

必要がない場合に摂取を抑制することは、カリウム不足による弊害を招く危険性があるので注意しましょう。

 

腎臓が弱っているときの血圧の下げ方

血圧が慢性的に高い状態である高血圧になると血管に大きな負担がかかります。

それによって血管が硬くなったり血管の内壁が傷ついたりすることで動脈硬化を起こしやすくなります。

高血圧を放っておくと動脈硬化になりやすいだけでなく、慢性腎臓病、脳卒中、心疾患などの重大な症状につながる場合もあります。

カリウムを摂取することは、通常はナトリウムの排出を促して血圧を下げる効果が望めます。

ところが腎臓の働きが低下している場合にカリウムを摂取しすぎると、血中のカリウムの濃度が上昇して高カリウム血症になるおそれがあります。

腎臓が弱っている状態で無理にカリウムを摂取すると、血中濃度が上昇して高カリウム血症になる可能性があります。

かといって血圧を下げるための対策をせずに高血圧を放置すると、今度は動脈硬化などのリスクが高まります。

これらのジレンマを解決するために、カリウムの摂取に頼らずに血圧を下げる手段もあります。

腎臓が弱っている場合に血圧を下げるには、血管やホルモンに作用するACE阻害薬やARBなどの薬を服用する方法があります。

・ACE阻害薬とは

ACE阻害薬とは、血圧を上げる働きをするアンジオテンシンⅡという物質の生成を抑制する薬です。

体内には血圧を調節するためのさまざまな仕組みがありますが、そのひとつがアンジオテンシンⅡです。

アンジオテンシンⅡは血管を収縮させたりナトリウムの排出を抑えて血液の量を増やしたりする作用があります。

血管の収縮や血液量の増加は血圧が上がる原因になります。

アンジオテンシンⅡは、ACEと呼ばれるアンジオテンシン変換酵素の作用によってアンジオテンシンⅠという物質から生成されます。

ACE阻害薬は変換酵素であるACEの働きを阻害することで、血圧が上がる原因となるアンジオテンシンⅡの生成を防止します。

ACEの作用を阻害する結果として、血圧を下げる効果を得ることになります。

・ARBとは

ARBは血圧を下げるための薬で、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬とも呼ばれます。

アンジオテンシンⅡは血圧が上昇する原因となる物質ですが、その受容体に結合してはじめて血管を収縮させて血圧を上げるという特徴があります。

そのため、アンジオテンシンⅡが受容体に結合することを防止すれば血圧の上昇を防ぐことにつながります。

ARBはアンジオテンシンⅡが受容体に結合して作用することを妨害し、結果的に血圧を下げる効能を示します。

・薬で血圧を下げるメリット

腎機能が低下している場合にACE阻害薬やARBなどの薬を活用すれば、無理にカリウムを摂取して腎臓に負担をかけることなく血圧を下げる効果が望めます。

それによって高血圧による動脈硬化や慢性腎臓病のリスクを防ぎつつ、カリウムの過剰摂取によって高カリウム血症になるリスクの低下にもつながるのです。

 

まとめ

人体に欠かせないミネラルのひとつであるカリウムはナトリウムの排出を促進して血圧を一定に保つ効果があります。

カリウムが多く含まれている食物として肉や魚介類があります。

カリウムは水に溶けやすい性質があるので、効率よく摂取したい場合は茹ですぎたり煮すぎたりしないことが大切です。

魚を刺身で食べる方法もあります。

腎臓の機能が低下しているときにカリウムを摂取しすぎると余分なカリウムを排出できないことで血中濃度が上昇し、不整脈や心停止の原因になる高カリウム血症になる場合もあります。

腎臓が悪くても血圧を下げる必要がある場合は、カリウムの摂取に頼るのではなく血管やホルモンに作用して血圧を下げる効果を発揮するACE阻害薬やARBなどの薬を服用する方法があります。

食事を通して正しくカリウムを摂取し、高血圧を予防するよう心がけましょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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