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誤解の多い「糖質制限」とは

 2017/03/16 生活習慣病
この記事は約 9 分で読めます。 3,224 Views

ダイエットがブームになることは多く、時代とともにいろいろなダイエット方法が流行してきました。

その中でも、ここ数年の間にかなり人気が出てきたダイエット方法として「糖質制限」というダイエット方法があります。

「糖質制限」は、ダイエットの方法として注目されていますが、糖尿病、高血圧、うつ病、ガンなどの生活習慣病を対策する食事法でもあります。

そんな糖質制限について詳しくみていきましょう。

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糖質制限とは

これは「糖質」の摂取を制限するもので、血中の血糖値を安定させ、また脂肪を効率良く燃やすというものになります。

脂肪を体の中で使いやすいエネルギーの状態に変換することで減らすのです。

このために、糖質をカットします。

ダイエット目的で糖質制限をする人の中には、ある程度の制限で自由度も高く、調整しながら行う人もいます。

糖尿病など病気の治療として糖質制限を行う場合は、かなり徹底して糖質制限を行うことが求められます。

実践に不安がある場合は、糖質制限を始める前に医師に相談しましょう。

「糖質制限」と口では言いながら、実際はご飯やピザやラーメン、果物を食べていては目的を達成できないでしょう。

正しく実践すれば、より健康に導いてくれます。

 

糖質制限VSカロリー制限

糖質制限の前に、よく比較されるのがカロリー制限です。

これはダイエットをしたい人にとっては有名なダイエット方法です。

1日に摂るカロリー量を減らし、体に入る食品のカロリー量を減らすことでダイエットにつなげるという方法ですね。

有名な方法で取り組んでいる人も多く、口コミでも効果を知られている方法です。

一方、糖質制限の場合は食べて良いもの・悪いものは分かれていますが、いちいちカロリー計算をしたり、カロリーを管理したりする必要がありません。

そしてこちらは最近注目を集め始めた方法なので、これから徐々に王道の方法の一つとされるのではないでしょうか。

お腹いっぱい食べられるのも大きなポイントですね。

お腹いっぱい食べられるので、空腹感を感じることはありません。

人にもよりますが、自分には糖質制限が合っているのかカロリー制限が合っているのか、ということは、生活環境や人の好みによっても変わります。

肉や魚を食べても良い糖質制限が良いのか、それともカロリー制限で食べられる全体的な量や内容を減らしたほうがいいのか、ということは考えたいところでしょう。

 

1日あたりの必要摂取量

実は「糖質制限」は1つの方法ではありません。

考え方によって「緩い糖質制限」から「徹底した糖質制限」まで様々にあります。

例えば、1日あたりの必要摂取量を40g以下を目安とする糖質制限があります。

このくらいになると、パンや麺、ご飯などの主食は食べません。

また、砂糖や糖質が多い根菜などにも気をつけ、できるだけ食べないというのが基本です。

糖質制限で糖尿病の治療をしたいという人の場合も、だいたい1日に40g以下というのが目安になるでしょう。

医師の指導や病院の方針、病状によっては、それ以下やこれより条件が緩い糖質制限もあります。

また、緩めの糖質制限というのもあります。

これは1日に摂りたい糖質を60g以下、100g以下、130g以下などという制限の量に違いがあります。

130g以下にするように注意する糖質制限を行う場合は「ゆる糖質制限」という言葉もあります。

基本的には糖質制限の場合は主食を食べないことにより、糖質を制限する傾向があります。

たしかに糖質の塊である主食類を食べなければ糖質制限でカットできる糖質の量は増えます。

もしこれが辛いのなら、はじめのうちはゆる糖質制限を行い、慣れてきたら、カットする糖質量を徐々に増やしていくと続けやすいでしょう。

 

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糖質制限食

糖質制限食についてもう少し詳しく紹介しましょう。

糖質制限食とは、その名の通り糖質制限の際にぜひ摂るべき食事、食べるべき食事のことです。

糖質制限食にも様々な方法がありますが、全体的な傾向としては、肉や魚、卵などをメインディッシュとされています。

一方で、いわゆる「主食」はありません。

ご飯やパンは糖質の塊なので、まず糖質を含む主食は存在しないのです。

次に根菜類も比較的糖質が多い食材なので、糖質制限食の中には含まれません。

デザートや甘いもの、フルーツなどもほとんど入っていないことが多いでしょう。

このため、ガッツリ食べてもダイエットをしたいという人や、ダイエット中の空腹感に耐えられないという人にはお勧めです。

また、糖質制限に対応した食品を食べるという方法もあります。

これは一見すると普通のパンやお米、麺類のように見えるのですが、含まれる糖質はかなり少ないという食品です。

糖質制限でも主食を食べたいという人向けの食品で、こんにゃくを加工したものや、食物繊維が入っていることで食感を維持している食品です。

コンビニやスーパーでも販売されていますので、ちょっと味見感覚でも簡単に食べられるでしょう。

インターネット上には専門店もあり、まとめて買いたい場合や日常的に取り入れたい場合はまとめ買いをするのも方法ですね。

 

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糖質制限に危険性はある?

糖質制限には必ずしも良い意見ばかりではありません。

例えば、「脂質」は体に非常に大切で不可欠な栄養であり糖質制限ではしっかり摂るのですが、「脂質」を「あまり健康には良くないもの」と考える人には、この食事法は好まれません。

また、低血糖や腎臓に持病がある人が糖質制限を行うことに疑問を持つ人もいます。

さらには、頭ごなしに糖質制限そのものが危険だという意見もあります。

また、糖尿病の治療をしたい人や、糖質の摂取を控えなければいけない人など、糖質制限が求められる人であっても、できれば病院に入院して行ったほうが良いという意見もあります。

ちなみに、「一般的な糖質制限」の場合は運動についてのルールはありませんので、糖質制限を推奨する人の中には、運動を全くしなくても良いと考える人もいます。

しかし運動は、代謝を上げたり、全身に酸素を運ぶなど健康のためには非常に重要です。

運動をした方が健康リスクは避けられ、またより良いダイエット効果をもたらしてくれるでしょう。

 

糖質制限と上手に付き合う

糖質制限と上手に付き合っていくにはどうしたらいいのでしょうか。

多くの人は、これまでの常識や習慣として、炭水化物中心の食事で、ご飯やパン、麺類などのいわゆる「主食」を食べています。

良いも悪いもなく、生まれながらにそのような食事なのです。

良いも悪いもありません。ただただ「常識」であり「習慣」です。

そこから、いきなり「徹底した糖質制限」からスタートする場合は、「食習慣の違い」に戸惑ったり「体の慣れ」が必要になることもあります。

このように、いきなり「徹底した糖質制限」からスタートすると続かない場合もあります。

そのような場合は、「できることから始めてみる」とか「できるだけ緩めの糖質制限から始める」と良いでしょう。

そして、「新たな食事への慣れ」とともに、糖質制限の効果を実感しながら、徐々にカットする糖質量を増やしていくと良いでしょう。

例えば、「1日に数回主食を抜く」程度からスタートするのも方法の1つです。

あまり無理や無茶をせず、「続ける」ことに重点を置くようにすれば、いろんな工夫やアイデアも浮かびますし、気持ちの面でも楽になるでしょう。

また、「1ヶ月に1回」などの特別なときに限り、糖質制限を解禁している人もいます。

ただ、糖には「習慣性や中毒性」があります。

一度食べ始めると止まらなくことも多々あることは認識しておくべきです。

次に運動の習慣です。

糖質制限の場合、運動をしなくても良いと考える人もいますが、やはり運動をして血行を良くしたり、代謝を高めることがそのままダイエットに繋がります。

カロリー制限やその他の様々な食事制限を行っていたとしても、歩いたり体を動かす習慣があると、健康リスクを減らすことにつながります。

また、体の筋肉量が増えるので、痩せやすい体につながるでしょう。

 

まとめ

「糖質制限」は、非常に効果のあるダイエット方法として今やブームのように注目され広がりを見せています。

また糖質制限は、糖尿病、高血圧、うつ病、ガンなどの生活習慣病を予防・改善できる食事法であるとの理解も広がっています。

一方で、注目されれば注目されるほどに誤った情報も流れ、「今までの常識とは違う」ことへの反動や誤った考えも生じています。

中には「糖質制限」を推奨しているにも関わらず、実際の食事内容には糖質がたっぷり含まれていたり、「糖質制限」と謳っているにも関わらず、たっぷり糖質が含まれる食品もあります。

そして、「糖質制限」という名前の印象から「何を食べないのか?」ということが注目されがちですが、糖質を避けるだけでなく「何を食べるのか?」がとても重要です。

きっかけは何でも良いでしょう。

ただし、「流行だから」というだけで実践するよりも、その仕組みや意味を理解することで正しく実践できますし、様々な健康上の効果を得ることができます。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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