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百害あって一利なし!?タバコが高血圧の原因になるメカニズム

 2016/01/01 生活習慣病
この記事は約 5 分で読めます。 2,506 Views

高血圧でお悩みの方であれば、禁煙を勧められた経験をお持ちでしょう。

高血圧と喫煙は直接的な関係はないものの、健康に害を及ぼす原因には十分になり得ます。

今回はそんな、タバコと高血圧の関係について、さまざまな角度から見ていきましょう。

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血圧とタバコの関係

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タバコに含まれるニコチンやタール、一酸化窒素。その存在はあまりに有名ですが、果たして私たちの体にどのような害をもたらすのでしょうか?

広く知られているリスクとしては、循環器系の病気や依存症と言ったものが挙げられます。もちろん、こうした症状が非常に恐ろしいのは言うまでもありませんが、それと同時に気をつけなくてはいけないのが、血圧の上昇です。

まずはニコチンの特徴から見てみましょう。

ニコチンには、副腎を刺激し、交感神経を興奮させて血圧を高める、という特徴があります。つまり、喫煙をするだけで血圧が自然に上昇してしまう、ということです。

 

ニコチンと血圧の密接な関係

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血圧が高くなるということはその分心拍数も上がります。

一般的に、一本の喫煙によって収縮期血圧(最高血圧)は20mmHg上昇、拡張期血圧(最低血圧)も10mmHg上昇するそうです。さらには、心拍数も20回程度増えることが分かっています。これは標準的な血圧や心拍数に比べると、明らかに高い数値です。

さらに、1本の喫煙をした後、血圧上昇が収まるまでには、約15分の時間がかかるそうです。つまり、1日1箱のペースで喫煙をされている方の場合は単純計算でおよそ5時間以上、高血圧状態になっていると言えます。

このように、ニコチンと血圧には密接な関係があり、喫煙=血圧上昇の原因というのは間違いありません。

では、血圧が上昇するといったいどのような悪影響が体に及ぶのでしょうか?そこには、タバコに含まれている酸化物質が大きく関係しています。

 

タバコで血管年齢が上がる?

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喫煙によって体内へ取り込まれる有害物質には、ニコチンやタール、一酸化窒素といった代表的なものを含め200種類以上。普段何気なく吸っているだけなのに、それだけで多くのリスクを自ら体へ取り入れてしまっている、と言えます。

その中でも、体を酸化させる物質である過酸化水素は要注意です。過酸化水素が体内で鉄などの金属イオンと結合すると、ヒドロキシル・ラジカルと呼ばれる活性酸素に変身します。これは非常に酸化力の強い活性酸素で、血管年齢の上昇の原因になり得ます。

さらに、喫煙によって有害物質が体内へ取り込まれると、私たちの体は「悪い物質が侵入してきた」という判断をします。すると、白血球が肺へ集まり活性化酸素を出して攻撃を行います。

前述した通り、活性化酸素は非常に強い酸化力を持ちます。そのため、白血球によって出された活性化酸素が肺の細胞を破壊してしまいます。有害な物質を排泄しようとがんばった結果、血管年齢の上昇を早めてしまう、というわけです。

 

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ビタミンCも破壊するタバコ

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また、タバコの煙は体内で抗酸化物質であるビタミンCを破壊することが分かっています。

厚生労働省では、ビタミンCの一日の摂取推奨料を100mgと定めています。これは決して達成が難しい量ではありません。しかし、喫煙1本によって失われるビタミンCはなんと25~100mgとも言われています。つまり、せっかく100mgのビタミンCを摂取しても、たった2回の喫煙によって、簡単に破壊されてしまうのです。

このように、タバコは内皮細胞にさまざまな角度からダメージを与え、血管収縮や血液凝固、動脈硬化をもたらします。さらに、動脈硬化を促す酸化DLコレステロールを増やす働きもあり、より血管年齢の上昇に荷担する、というわけです。

 

喫煙者と病気の関係

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一般的には、喫煙と高血圧には直接的な原因はないと言われています。とは言え、前述したとおり血圧の上昇を促すのは明らかです。さらに、なんと言っても動脈硬化が進行してしまうというのが大問題です。

高血圧の方は、そもそもが動脈硬化が進みやすい状況にあると言えます。喫煙はそれを自ら後押ししてしまう行為であり、循環器を含むさまざまな体の病気のリスクを高めてしまうことにつながります。

アメリカのフラミンガム研究という疫学研究によると、喫煙者は非喫煙者に比べ、おおよそ2~3倍の確率で虚血性心疾患や心筋梗塞にかかりやすくなるそうです。

さらに、突然死の割合は5~10倍にもなるのだとか。そのほかにも、喫煙者は脳卒中全体や、閉塞性動脈硬化症、バージャー病、そしてがんや呼吸器に関する病気のリスクが高まることが分かっています。

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こうしたことを伝えると、「長年喫煙を続けてきたから、もう自分は手遅れだな」と思われる方も少なくありません。しかし、それは大きな間違いです。

たとえば喫煙を続けた場合と途中で禁煙した場合の死亡率の危険度を調べると、「循環器病による死亡(男性)」という項目においては前者が1.6ポイントであるのに対し、後者は1.0ポイントまでリスクが低下する、ということが分かっています。

その他にも、「がんによる死亡(男性)」は2.2から1.4に、「全死亡(男性)」は1.8から1.2に、リスクを抑えることができます。

 

まとめ

喫煙をしたからといって、それがそのまま高血圧の原因になる、ということはありません。しかし、血圧の上昇や血管年齢の進行、そしてさまざまな病気のリスクを考えると、やはり禁煙するのが賢明、と言えるでしょう。

今からやめれば、病気のリスクは大幅に減らすことができます。最近は禁煙外来などもありますので、ご自身の健康のためにぜひ足を運んでみましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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