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相続税法改正|相続税の基礎控除が縮小されたのをご存知ですか?

 2016/01/19 生活の悩み
この記事は約 6 分で読めます。 1,194 Views

平成27年1月1日から相続税が改正されました。それにより、基礎控除が縮小されています。他にも、相続に関する決まりが変わってきています。私たちの財産にどのような影響があるのでしょうか。

相続税法改正について

相続税とは、亡くなった人の資産を家族が相続するときに発生する税金のことです。

ただし、これは必ずしも課税されるわけではありません。基礎控除といって、一定の額以下であれば課税は免除されます。

これまでは申告する義務があるのは全体の4%程度であり、100人亡くなると4人が対象となっていました。ところが相続税法改正に伴って、平成27年1月1日から基礎控除が6割に縮小されました。

改正の前後を詳しく見てみましょう。

前:5000万円+1000万円×法定相続人の数
後:3000万円+600万円×法定相続人の数

このように、大幅に減額となっています。

例えば亡くなった方の妻と子供2人が相続をするとします。相続する資産が6000万円あるケースでみてみます。

前:5000万円+1000万円×3人=8000万円
後:3000万円+600万円×3人=4800万円

改正前には8000万円だった控除額が、4800万円に下がってしまっています。基礎控除額を超える1200万円が課税の対象となります。これまでは免除されていたのに、1200万円もの負担が増えるのですからかなりの大きな変化と言えます。

この相続税法が改められたことによって課税対象となる人は、6%程度に上昇する見込みです。大都市圏では影響が大きく、特に戸建て住宅を所有していると負担が増加すると思われます。

今まで基礎控除額を下回っていて安心していた人たちも、課税対象になっていないかを確認する必要があります。

 

税率引き上げの内訳

基礎控除が縮小されたのとは反対に、相続税の税率は引き上げとなっています。これも平成27年1月1日以後の相続から適応されています。

取得した金額が2億円以下であれば、税率は以前のままです。それぞれの税率と控除額は以下の通りです。

2億円以下の場合

1000万円以下:10%(0円)
1000万円超~3000万円以下:15%(50万円)
3000万円超~5000万円以下:20%(200万円)
5000万円超~1億円以下:30%(700万円)
1億円超~2億円以下:40%(1700万円)

次に相続金額が2億円を超える場合です。改正前後を並べて比較してみます。

2億円以上の場合

2億円超~3億円以下:40%→45%(1700万円→2700万円)
3億円超~6億円以下:50%→50%(4700万円→4200万円)
6億円超:50%→55%(4700万円→7200万円)

では、例にして実際にどの程度の差があるのか確認してみましょう。

例)法定相続人が子供2人で遺産が5億円の場合

前:5億円-基礎控除額7000万円=4億3000万円、4億3000万円×法定相続分1/2=2億1500万円

ここで税率を乗じます。

すると、(2億1500万円×40%-1700万円)×2人=1億3800万円となります。これが相続税の総額です。

後:5億円-基礎控除額4200万円=4億5800万円、4億5800万円×法定相続分1/2=2億2900万円

ここで税率を乗じます。

すると、(2億2900万円×45%-2700万円)×2人=1億5210万円となります。相続税の総額は1410万円もアップしています。

このように、財産が大きければ大きいほど納める相続税が増えることがわかります。

 

未成年控除と障がい者控除

これまでは基礎控除の縮小や相続税率の引き上げなど、負担が増すケースを見てきました。一方で、控除が拡大したものもあります。

未成年者控除・障がい者控除です。

これらは相続税の増税に対する緩和措置となっています。これも平成27年1月1日以後の相続から適応になりました。

未成年者控除について改正前と後を確認してみましょう。

未成年者控除

前:20歳になるまでの1年につき、6万円
後:20歳になるまでの1年につき、10万円

4万円アップしていることがわかります。

障がい者控除についてはどうでしょう。

障害者控除

前:85歳になるまでの1年につき、6万円
後:85歳になるまでの1年につき、10万円

こちらも同じく4万円アップしています。ただし、障がい者1級・2級の特別障がい者に関しては、12万円から20万円に引き上げられています。8万円と大幅に増額していることになります。

相続人が15歳の特別障がい者のケースで確認してみましょう。

例)15歳の特別障がい者の場合

未成年者控除
前:(20歳-15歳)×6万円=30万円
後:(20歳-15歳)×10万円=50万

障がい者控除
前:(85歳-15歳)×12万円=840万円
後:(85歳-15歳)×20万円=1400万円

このように具体的な数字でみると、かなりの差があることがわかりますね。

また、本人の相続税額から控除しきれないときには特例が適応されます。同じ相続で遺産を得た扶養義務者であれば、その相続税額から控除できるのです。

障がいがある家族がいる場合、大きな助けになることが見込まれます。

 

まとめ

このように、相続に関する決まりが改められたことにより、相続税がどのように変わったのかを確認してきました。

多くの人が自分たちの大切な資産をできるだけ家族に残してあげたいと望んでいます。そのために、もう一度資産について見直してみましょう。

そして、残された家族が負担にならないためにはどうしたらよいのか、今から考えてみてはいかがでしょうか。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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