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人工透析が必要になる!「糖尿病性腎症」の恐ろしさと症状

 2016/03/31 生活習慣病
この記事は約 7 分で読めます。 2,578 Views

生活習慣病は何も中年以降の病気ではありません。

最近では食生活の変化やデスクワークなどによる運動不足、飲酒や喫煙などさまざまなことが原因で、比較的若い世代でも生活習慣病予備軍となっている人も少なくなく、生活を改善しないと将来命に危険を及ぼすこともあります。

特に気をつけなくてはならないのが腎臓の機能の低下です。腎臓はちょうど腰が痛いときに叩くあたりにある、拳大の大きさの臓器です。腎臓ではホルモンの分泌や、血液の中を流れる不要な老廃物をろ過をするなど、生命維持に重要な役割が複数あります。

腎機能が低下するとさまざまな合併症を引き起こすことも少なくなく、異変を感じたら早めに治療を開始しなくてはなりません。腎臓は一度壊れてしまうと機能の回復が難しいのです。

腎臓の機能が低下する要因はいくつかありますが、恐いのが糖尿病性腎症という病気です。糖尿病腎症とは一体どのような病気なのでしょうか。

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糖尿病性腎症の主な原因

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その名前から分かるように、糖尿病性腎症の根本的な原因は糖尿病にあります。私たちは生きていくために糖質が必要です。食事をすると通常血糖値があがっても、インスリンというホルモンによって血糖値が自動的に調整されます。

インスリンは腎臓のランゲルハンス島と呼ばれるβ細胞で作られ、全身に送られます。インスリンの量が正常であれば高くなった血糖値も自然と下がりますが、インスリンが足りないと血糖値が高いままの状態になります。

糖尿病になる原因には大きく2つのタイプが存在します。1つは遺伝的要因で全体の5%程度と言われています。残りが生活習慣によるもので、運動不足、暴飲暴食、ストレスなどが主な原因となっています。

予防するためには生活習慣を改める必要があります。糖尿病性腎症は糖尿病を放置した結果の合併症と言えるでしょう。糖尿病性腎症になるとどうなるのでしょうか。

 

どうなるの?糖尿病性腎症の主な症状とは

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糖尿病性腎症になると腎臓の中にある糸球体という組織が破壊されてしまいます。糸球体は血液の中の余分な老廃物をろ過し、必要なものだけを再び血液内に送り込む機能があります。

この機能が壊れてしまうと必要なものまで体外に出てしまうことになったり、尿の中に血液やたんぱく質が混ざることになります。

腎臓は尿の量を調整して体内の恒常性を保つ機能がありますので、有毒な物質が体内に大量に残ってしまうこともあります。最悪の結果腎炎となって死に至ることもあるとても恐ろしいものです。

また、体内に残った有毒物質が身体のいたるところで悪影響を及ぼし、別の病気を合併することもあるのです。

糖尿病腎症は早期に治療を開始しないと危険な病気です。慢性的な症状となってしまうと、腎臓の機能はほとんど回復しなくなってしまい、症状を抑えるためには人工透析が必要となります。

 

人工透析とはどのような仕組み

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人工透析とは、腎臓の機能の替わりに外部から血液中の老廃物の除去を行うもので、これを行わないと有毒物質が溜まりすぎてしまい、死んでしまうこともあるのです。

腎臓の機能が失われている場合、週に3回程度通院して人工透析を受けなくてはなりません。人工透析は数時間行われますので、仕事をしている場合は日常生活に支障をきたすこともあります。人工透析を受けている間は安静にしていなくてはなりません。

また同時に身体中の毒素の量を増やさないためにも、厳しい食事制限を続けていかないとなりません。塩分や糖分をしっかりとコントロールした食事になりますが、味気ない食事になります。

腎臓の機能は一度低下すると回復することが非常に難しいため、このようなつらい症状に陥る前にしっかりと予防をすることが大切です。人工透析を受けられる場所も限られていますので、通院はとても大変です。

 

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食事のコントロールで必要なもの

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糖尿病性腎症の症状は5段階に分類されます。

  1. 腎機能のわずかな低下のうちは、血糖コントロールで予防します。
  2. さらに尿にたんぱく質が混ざっている場合、降圧治療の開始をします。
  3. さらに糖尿病性腎症が進むと尿内のたんぱく質の量が増加しますので、たんぱく質の摂取制限をしなくてはなりません。
  4. さらに腎機能が低下した場合は人工透析が開始されます。
  5. そして最終段階まで進んでしまうと、人工透析をしながら腎臓移植を待たなくてはならなくなります。

腎機能が低下すると悪い物質がさらに腎臓や他の臓器を傷つけることになりますので、人工透析をしないと死んでしまうことになるのです。早期発見と治療・予防が必要になります。

人工透析はとても面倒ですしお金のかかるものです。糖尿病性腎症ではいかに低蛋白でエネルギーを確保するかが大切になります。塩分とカリウムの制限も開始されます。

 

糖尿病性腎症にならないために

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若いうちから食事に気をつけることが大切です。若いうちにした無理は蓄積されてしまいますし、それが習慣となっているとなかなか治す事が難しいでしょう。

特に肥満体質の方は要注意です。適度な運動とストレス発散が身体にとって良い影響を与えることも確認されていますので、ストレスの溜めすぎにも気をつけなくてはなりません。深夜寝る前の食事に気をつけるなど、食べるタイミングも非常に重要です。

糖尿病性腎症の場合1期2期など初期の段階ではほとんど自覚症状が見られません。自覚症状がないために進行してから気づくこともあります。定期的に健康診断を受けるなど、早期発見が重要です。

3期になるとようやく浮腫みや息苦しさなどの症状が出て、それ以降になると手足の痺れや発熱、顔色が悪くなるなど、周りから見ても症状が判断できるようになります。糖尿病では指先が壊死することもあります。

 

糖尿病の恐い合併症ワースト3

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糖尿病性腎症は糖尿病の合併症の一つですが、糖尿病性腎症以外にも恐ろしい症状を引き起こすことがあります。動脈硬化による脳血管障害、虚血性心疾患です。どれも血管に由来する病気です。

糖尿病という根本的な原因の予防と治療をすることによってある進行を遅らせることが可能です。糖尿病と言われて放置してしまっている人も多くいますが、進行すれば糖尿病性腎症によってさらにいろいろな合併症を併発してしまい、辛い状況になることもあります。

人工透析をすれば生きていくことは可能ですが、なるべく人工透析はしなくて済むように早い段階で病院に行き、医師の指導に従いましょう。

また糖尿病性腎症の疑いがあるのであれば、家族のサポートも必要になります。食事療法が主体ですので、栄養バランスを考えた献立にしなくてはなりません。いくら人工透析をしていても腎炎になれば命にかかわります。

 

まとめ

このように糖尿病性腎症は非常に厄介な病気で、人工透析が必要になれば長期で旅行することもできなくなってしまいます。

健康な身体があるこそ人生を楽しむことができるのです。長く健康でいられる身体を維持するためにも、糖尿病性腎症になる前に対策を練りましょう。

そのためには1年に1回は健康診断を受けると良いでしょう。普段から食生活やストレスに注意を払い、不規則な生活を改めることも大切です。

糖尿病性腎症はかかってしまうと恐ろしいものですが、しっかり対策をすれば恐れる病ではありません。糖尿病性腎症には初期は自覚症状がほとんどありませんので、気づいたときにはステージ3まで進行していることも少なくありません。

我慢が美徳とされたのは過去の時代ですので、違和感を感じたらすぐに病院へ。定期的な検診と規則的な生活スタイルによって長生きをしても健康な期間をできるだけ長くできるようにしましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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