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こむら返りの原因7つ|病気のサインかも?生活習慣の改善ポイント

運動をしている最中や就寝中などに足がつり、歩けない程の痛みを感じたことがある方は多いかもしれません。

筋肉が収縮して起きるこのような足がつる現象のなかでも、ふくらはぎの筋肉が収縮する「こむら返り」は、癖になってしまうと少し運動をしただけでも症状が表れてしまうことがありますが、その原因を知っておけば改善することも可能です。

ここでは、こむら返りの原因として多い7つの事柄を順ご紹介しますので、こむら返りになることが多いという方はぜひ症状改善の参考にしてみてください。

こむら返りになる原因①ミネラル不足

こむら返りの根本的な原因を探ってみると、マグネシウムやカリウムなどのミネラルが大いに関係していることが分かります。

まず、人間の体を構成する筋肉は常に伸縮を繰り返しますが、その動きをスムーズに行うためにはカルシウムが必要となります。

このカルシウムは筋肉細胞や筋小胞体という器官に蓄えられており、細胞内のミトコンドリアで生成されるアデノシン三リン酸(ATP)から動力源を得ています。

しかし、筋肉の伸縮が激しくなるとこのATPが不足してしまい、その結果こむら返りのような足がつるという現象が発生してしまうのです。

また、このATPが生成される際に重要になるのがミネラルの一種であるマグネシウムであり、マグネシウムが不足してしまうとATPもまた不足してしまいます。

このようにこむら返りはその原因をたどっていくとミネラルの一種であるマグネシウムの不足に行きつくことから、マグネシウム不足こそがこむら返りを引き起こす大きな原因といえます。

また、マグネシウム以外にもカリウムやナトリウムなどの成分が不足することはこむら返りを引き起こす原因のひとつとして指摘されています。

これらのミネラルは汗と共に体外に流れ出てしまうことも多く、このことは特に多くの汗をかく運動中にこむら返りになるケースが多いことにも大きく関係しています。

マグネシウムやカリウムなどのミネラルは、一般的に野菜や果物、海藻に多く含まれていることが知られており、代表的なものとしてはバナナやひじき、わかめなどが挙げられます。

しかし、これらのミネラルは肉や魚にも多く含まれており、野菜や果物、海藻を意識的に多く食べなくても、肉や魚だけで十分な量を摂取することができます。

 

こむら返りになる原因②冷え・血行不良

特に冷え性の女性は、こむら返りになることが多いのではないでしょうか。

実際、冷えや血行不良はこむら返りの原因になることが指摘されています。

手足の末端に症状が表れやすい冷え症は、それぞれの末端の毛細血管へ血液が十分にいきわたらないことが原因となります。

そのため、このような状態では末端が冷えることだけでなく、血行障害が手足の広い範囲で生じていることが考えられます。

とりわけ足の血行不良では、「第二の心臓」と呼ばれることもあるふくらはぎにおいて血流が滞り疲労物質が溜まりやすい状態になっていることが多く、この状態が長時間続くと筋肉が硬直し、結果的にこむら返りを引き起こすこととなります。

そのため、冷えや血行不良からくるこむら返りを予防するためには、冷えを感じたらできるだけ血行がよくなる体勢をとるようにし、一定時間おきにマッサージをするのが有効です。

また、冷えや血行不良は体内の問題だけでなく、冷房の効きすぎなどの外的な原因が大きく関係することもあります。

そのため、寒いと感じたら上着を羽織るなどして体温調整を行うこともまた、こむら返りの予防方法として高い効果が期待できます。

一方、冷えや血行不良などの症状は女性に表れることが多いというイメージを持たれがちであるため、男性が冷えや血行不良について気に掛けることは少ないかもしれません。

しかし、男性の場合も慢性的なミネラル不足になっている際などには、わずかな冷えがこむら返りを引き起こす原因となることもあるため油断は禁物です。

 

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こむら返りになる原因③運動不足

激しい運動をした後に整理体操をすると翌日に疲労が残りにくくなるということを聞いたことがある方も多いかもしれません。

これは整理体操をすることにより、激しい運動によって筋肉内で生成された疲労物質を排出しやすくなるためであり、このことから筋肉の伸縮を正常に行える状態に戻す上でも運動が必要であることが分かります。

一方で筋肉に蓄積することでその伸縮に悪影響を及ぼす疲労物質は、激しい運動を行わなくても日々の生活で生成されます。

そのため、このことによって生成された疲労物質を体外に排出しやすくする上でも適度な運動は必要となります。

しかし、日ごろから適度な運動を行っていないと、このような日々の生活で生成される疲労物質は徐々に筋肉内に蓄積していき、それが結果的にこむら返りを引き起こすこともあります。

以上のことから運動不足もまた、こむら返りを引き起こす原因のひとつとして挙げることができます。

このような運動不足によるこむら返りを防ぐためには適度な運動を行うことが重要となりますが、ここで気をつけたいのが激しい運動をすると逆に疲労物質が多く生成され蓄積してしまうということです。

また、こむら返りを防止するための運動は血行をよくすることが主な目的となることから、下半身を中心としたストレッチなどを毎日行っていれば過度なランニングなどを行わなくてもこむら返り防止の高い効果が期待できます。

また、こむら返り防止を目的とした運動をする際には汗をかくため、ミネラルを取ることも忘れないようにしましょう。

 

こむら返りになる原因④下肢静脈瘤

ここまでこむら返りを引き起こす原因として「ミネラル不足」「冷え・血行不良」「運動不足」の3つをご紹介しましたが、一方で命にもかかわる危険性のある重大な疾患がこむら返りを引き起こす場合もあります。

そのひとつが「下肢静脈瘤」です。

静脈瘤とは血管内に瘤(こぶ)ができる疾患で、場合によっては皮膚全体に網目状になって血管が浮き出ることもあります。

下肢静脈瘤においてこのような症状が表れる原因としては足の静脈内にある静脈弁がなんらかのきっかけで壊れ、血液が静脈内を逆流し一カ所に溜まることが挙げられ、その患者さんは高齢者に多く特に女性の患者数は男性の2倍も多いという特徴もあります。

下肢静脈瘤によって引き起こされる症状は血行不良の場合と似ており慢性的な足の疲労感や冷えなどが挙げられます。

そのため、こむら返りを引き起こしやすくなるという点においても血行不良の症状と共通点があり、冷え性に悩んでいるという方はこの下肢静脈瘤とそれによって引き起こされるこむら返りにも注意が必要です。

血行不良の場合、上述したとおり適度な運動やマッサージ、ストレッチなどによってこむら返りを引き起こしづらくすることは可能ですが、下肢静脈瘤の場合は既に静脈弁が壊れてしまっていることが大きな原因となっているため治療を受けなければ改善することは困難です。

しかし、現在では切開をする必要のないレーザー治療で下肢静脈瘤を治すことが可能となっています。

この治療法は30分ほどで済むだけでなく健康保険も適用されるため金銭的にも時間的にも大きな負担を強いられることはなく、下肢静脈瘤によるこむら返りでお悩みの方には特におすすめの改善策です。

 

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こむら返りになる原因⑤糖尿病

糖尿病を患うとさまざまな症状が体全体に表れますが、そのひとつとして頻繁にこむら返りになることもあります。

これは血糖値が高い状態が続くことによって体内のミネラルバランスが崩れることが大きな原因となっており、重い糖尿病だとミネラルを多く摂取してもこむら返りがおき続けることもあります。

また、糖尿病の合併症として知られる神経障害は手足の末端から症状が表れ始めることが多く、それがさらに進行するとふくらはぎ周辺の神経にも影響がおよび、こむら返りを引き起こす原因となる場合があります。

以上のように、糖尿病による血糖値の変化や神経障害はこむら返りを引き起こす大きな原因となり、場合によってはこむら返りが頻発することが気になり検査を受けた結果糖尿病であることが発覚することもあります。

そのため、特に頻繁に発生するこむら返りに対しては一時的なミネラル不足や冷えではない疾患が原因であることを疑う必要があります。

糖尿病を原因とするこむら返りを改善するためには糖尿病そのものに対する治療を行わなければならないため、その対策は簡単ではなく医師のアドバイスを仰ぐ必要があります。

また、具体的な糖尿病の症状改善策としてはバランスの取れた食生活を心掛けるということが広く推奨されていますが、これは肉や脂質を避けるということではなく、体本来の糖質の生成機能を考慮した食生活を意識するということであるため、野菜や果物だけを食べればよいということではありません。

 

こむら返りになる原因⑥腎不全

腰のあたりに2つある腎臓は主に尿を作り、老廃物などを体外に排出する役割を担っています。

そのため、腎臓の働きに障害が生じる腎不全になってしまうと尿の生成が正常に行われなくなり、体内には老廃物が蓄積してしまいます。

このことによって疲労物質や過剰な塩分などが堆積するだけでなく、本来排出する必要のないミネラルまで過剰に排出してしまうなどといった異常が生じるようになります。

その結果、ふくらはぎの筋肉の伸縮機能にも影響が及ぶようになり、些細なことがきっかけでこむら返りを引き起こすようになります。

また、腎不全の症状を改善する手段としては透析が挙げられますが、この透析がこむら返りの原因となる場合もあります。

これは透析時に行う「除水」という施術によって、患者さんの体重があらかじめ設定した数値より多くなったり少なくなったりすることで生じることが多く、これを防止するためにはより高い施術技術が必要となります。

以上のように、腎不全によるこむら返りは疾患そのものの症状としてだけでなく治療による副作用のような形で生じることも多いという点で他の疾患などを原因とするこむら返りよりも厄介な存在といえます。

また、腎不全によるこむら返りの場合も、こむら返りが頻発することが気になり検査を受けた結果、腎不全であることが判明するというケースもあります。

 

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こむら返りになる原因⑦肝硬変

肝硬変の患者さんがこむら返りを頻繁におきることを訴えるケースは非常に多く、その割合は8割程度にまで及ぶともいわれています。

肝硬変とは肝臓が硬くなることでその機能が低下していく疾患であり、B型やC型の肝炎ウィルスが原因となるケースや過度なアルコールの摂取が原因となるケースが多いことでも知られています。

そもそも肝臓には、アミノ酸からタンパク質を生成し不要なアミノ酸を尿と共に排出する働きがありますが、肝硬変によってその働きが鈍ると体内のアミノ酸の量に異常が生じ始めます。

とりわけタウリンやカルニチンといった成分のもととなるメチオニンというアミノ酸は肝硬変が進むと適切に処理がされなくなり、タウリンやカルニチンの生成量も不足してしまいます。

このタウリンやカルニチンといった成分は筋肉が正常な状態にあることを維持する上で大きな役割を担っており、その生成量が不足すると筋肉では痙攣を起こしやすくなってしまします。

その結果、特に痙攣を起こしやすい部位のひとつであるふくらはぎではこむら返りが起こりやすくなってしまうのです。

肝硬変そのものに対する治療法は原因によって異なり、ウィルスが原因であれば抗ウィルス療法、過度なアルコールの摂取が原因であれば断酒などが有効となります。

また、肝硬変を原因とするこむら返りの対策としてはタウリンやカルニチンの摂取だけでなく、筋弛緩剤の投与や十分な水分補給、適度なストレッチなども有効となります。

 

まとめ

ここではこむら返りの原因として考えられるものを7つ挙げ、それぞれの詳細や改善策などをご紹介しました。

こむら返りは、ミネラル不足や冷えなどを原因とする一時的なものから糖尿病や肝硬変といった重大な疾患を原因とするものまでその種類はさまざまです。

場合によってはこむら返りが重大な疾患のサインとして生じていることもあるため、過度な運動をしていなかったり冷えを感じていないにもかかわらずこむら返りがおきたり毎日のようにこむら返りがおきたりする場合は、重大な疾患であることを疑いすぐに病院へ行き、専門医に診てもらうようにしましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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