糖尿病患者になったときの糖尿病専門医・医療機関の見つけ方
糖尿病患者は740万人といわれていますが、その半数近くが検査を受けておらず、まったく治療がなされていません。検査を受けた患者は2015年12月の時点で316万6000人(厚生労働省『平成26年患者調査の概況』)といわれています。
また糖尿病は日本人の死因の約1/4を占める心疾患、脳欠陥疾患(厚生労働省『平成22年人口動態統計』)の極めて重要な危険因子と呼ばれています。
糖尿病を防ぐために、血糖値をコントロールするだけでなく、合併症の出現や進展にどのように対応するかが糖尿病治療のポイントとなってきますが、「糖尿病かな」と気付いた際はどうすれば良いのでしょうか。
今回は糖尿病と疑われた場合により適切に対処をするために、専門医・医療機関を探すコツをご紹介いたします。
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Contents
糖尿病チェックリスト
糖尿病にかかっているかどうかを判断するにはもちろん病院や検査機関で診断を受けることが最善ですが、まずはセルフチェックをしてみるのもひとつの手です。疑わしきポイントが多ければ、糖尿病の可能性を考えてみてもいいかもしれません。
・ 血糖が高いといわれたことがある
・ 肥満気味である(BMI25以上)
・ 高血圧といわれて、薬をのんでいる(140/90mmHg以上)
・ 糖尿病の親、兄弟・姉妹がいる
・ 40歳以上である
・ 外食が多い
・ 野菜をあまり食べない
・ あまり運動をしない
・ 車に乗る機会が多い
・ 妊娠時に尿から糖がでたといわれた
糖尿病対策推進会議(日本医師会・日本糖尿病学会・日本糖尿病協会)の上記のチェックリストから、血糖が高いといわれた人、または複数項目に当てはまる人は糖尿病を疑ってみましょう。
糖尿病の症状
糖尿病の症状、初期症状の例には以下のものがあります。
・ のどの渇き
・ 尿の量、回数が多い
・ 体重が急激に減る
・ 全身がだるく、疲れやすい
・ 眼がかすむ
・ 尿に糖が出る
・ 尿の泡立ちがなかなか消えない
・ 立ちくらみ
・ 手足のしびれ
・ 手足の冷え
・ インポテンツ(性欲減退)
・ 月経異常
どれも糖尿病に関わるブドウ糖を上手く取り入れられない、正常に利用できない、などということが原因で症状が現れます。
またこれらの症状はホルモンの一種であるインスリン(インシュリン)が不足していることで発症します。インスリンは血糖値を下げるために必要不可欠です。
通常食事をすると血糖値は上がりますが、血糖値が上がったことを身体が感知し、膵臓がインスリンを分泌し始めると、インスリンは細胞膜にあるインスリン受容体と結合し、ブドウ糖は細胞まで到達します。
ブドウ糖を必要としている細胞にブドウ糖が運ばれず血液中に溢れてしまうと血糖値が上がり、身体のエネルギー作りが行われないため、さまざまな合併症を煩ってしまいます。
糖尿病の原因と予防策
糖尿病には1型糖尿病と2型糖尿病があり、男性では約6人に1人、女性では11人に1人(厚生労働省『平成25年 国民健康・栄養調査結果の概要』)が2型糖尿病にかかっている可能性があるといわれています。
1型糖尿病(インスリン依存型)は自己免疫疾患などが原因で発症し、2型糖尿病(インスリン非依存型)は、遺伝的要因や過食・運動不足などの生活習慣の乱れなどが要因となっています。
2型糖尿病は、日頃から自身のライフスタイルに気をつけることで予防することも可能なのです。予防・改善策として以下の項目が挙げられます。
糖質を制限した食事
血糖値を上昇させすぎないように、血糖値を上げる主因となる糖質の摂取を制限し、必須アミノ酸や必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどの必須栄養素をしっかり摂取する食事が大切。
適度な運動
ウォーキングや水泳など有酸素運動を取り入れることで運動不足を解消しましょう。
ストレス解消
ストレスにより肝臓に蓄えられているブドウ糖は血中に大量に放出され、血糖値が上がります。自分の好きなことに打ち込める時間を作るなど、ストレスを溜めないように心がけましょう。
十分な休息
睡眠不足はストレスの原因二なりますが、ストレスで血糖値が上がることで糖尿病の発症にも関わります。忙しいとはいえ、寝不足はNG。十分な睡眠が糖尿病を予防します。
定期検査
血縁者に糖尿病患者がいる場合や、過去に糖尿病の可能性を指摘されている人は定期的な検査を受けることが予防のキーポイントとなります。
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糖尿病の検査項目
糖尿病と診断された場合治療に入りますが、適切な治療をおこなうためには検査が必要です。代表的な検査項目の例を挙げてみました。
尿糖検査
血液中のブドウ糖が多すぎると尿に排泄されます。尿を検査することで血糖の状態を把握するのが尿糖検査です。
尿糖は通常の場合、血糖値が約170mg/dL以上にならないと検出されません。しかし空腹時には糖尿病患者でも170mg/dL未満になることがあり、高齢者では腎機能の低下により170mg/dLより高くても尿糖が出ない場合があります。
尿糖が出ないだけで血糖コントロールができているとは一概にいえないのです。
血糖検査
採血をすることで血糖値を測るものですが、血糖検査で分かるのは検査をした時点での血糖値。血糖値は食事や運動、ストレスなどによって変動するため定期的な検査が必要といえるでしょう。
簡易型の測定器を使えば自分でも測定できるので、病院に行かずとも検査は可能です。
HbA1c(ヘモグロビン・エー・ワン・シー)検査
ヘモグロビンは赤血球内のタンパク質の一種です。酸素と結合をすることで、全身の細胞に酸素を送る働きを担っています。血糖値が高い場合、血液中のブドウ糖がヘモグロビンと結合し、グリコヘモグロビンのHbA1cに変わります。
ヘモグロビンのうちブドウ糖が結合するのはA1cと呼ばれるもののみなので、HbA1c検査をすることによって、どのヘモグロビンがグリコヘモグロビンに変わっているか割合を調べる事ができます。
グリコアルブミン検査
血液中のタンパク質の主成分であるアルブミンが、どれくらいブドウ糖と結合しているかが調べるのがこの検査です。グリコアルブミンの基準値は11?16%といわれており、これより高い場合、血糖値が高い状態であるといえます。
1,5-AG検査
健康であればほぼ一定値を指し、尿糖の排泄によって減少するものです。値が高い方が良いとされています。
ケトン体検査
ケトン体とはブドウ糖をエネルギーに変えられない場合、身体が脂肪をエネルギーに変換した際に生まれる物質です。陽性ならブドウ糖の利用が少なく、脂肪がエネルギー源として利用されています。
膵臓の働きに関わる検査
採血での血中インスリン濃度検査、24時間分の尿からインスリン分泌量を測るC-ペプチド検査などがあります。
合併症の検査
糖尿病の合併症については次でくわしく説明しますが、眼底検査、尿中アルブミン(タンパク質)検査、腱反射テストなどがおこなわれます。
合併症は血管系統の障害によって引き起こされるものが多いので、血圧、コレステロール、中性脂肪、心電図などの検査も重要です。
糖尿病の三大合併症
糖尿病の恐ろしいところは、発症してしばらくの間は無症状であり、気付いたときには合併症がかなり進行している可能性が高い点です。
糖尿病の合併症は、高血糖により欠陥が痛めつけられることが原因ですが、合併症として、眼、肝臓、神経が侵されるといわれています。
糖尿病が進行するにつれ、糖尿病網膜症、糖尿病性腎病、糖尿病性神経障害を併発することがあり、これらは糖尿病の三大合併症と呼ばれています。三大合併症の症状をくわしく見てみましょう。
糖尿病網膜症
網膜には高血糖の影響を受けやすい細い血管が張り巡らされているので、糖尿病の進行により状態に変化が起きます。
初期段階では自覚症状がなく、ある日突然に目の前がぼやけたり、ものがかすんで見えたりする異変に気付くことでしょう。そのような訴えで眼科を訪ねるころには、病気はかなり進行しており、失明する可能性も高いので覚悟しなくてはなりません。
失明をせずとも糖尿病網膜症のために障害認定を受ける人は視覚障害者の約6分の1で、50~60では視覚障害の原因の第1位となっています。
網膜症によるハンディキャップを受け止めることができない人も多く、悲観してしまうなど、リハビリテーションが前向きに進まないこともあります。
その他、糖尿病の合併症で眼に関係があるものでは、白内障、遠視、角膜の病気やドライアイなどがあります。
糖尿病性腎病
腎臓は血中の老廃物や不要物などを尿の中に排泄し、必要なものを漏らすことなく血液の状態を適切に保つ役割を担っています。
しかし、腎臓の働きが弱まり、老廃物や不要物が上手く輩出されず尿毒症になってしまうと人工透析を受けずには生きることができなくなってしまいます。
人工透析とは、人工的に老廃物や不要物を血液中から取り出したり、身体の水分量やさまざまな成分量の調整、赤血球および血圧調整ホルモンの生成などを目的とした治療のことです。
日本透析医学会によると現在31万人近く(2012年)の患者が透析治療を行っており、その数は年々増加傾向にあります。
また、現在人工透析を導入される原因の第一が糖尿病といわれており、糖尿病を発症するとおよそ10年で糖尿病性腎病となってしまうパターンが多いのです。
糖尿病性腎病では身体に必要なたんぱく質まで尿に漏れてしまうことで、身体の機能維持に支障をきたすこともありますが、老廃物などを尿に排出する障害が顕著になる腎不全の時期になると通常の血液検査でも腎機能の異常が明らかになります。
糖尿病性腎病が進行し、末期まで到達すると尿毒症になり、人工透析に頼るしかなくなってしまうのです。
透析技術は昔よりも非常に進歩していますが、透析を受けながら活躍している人は考えられないほどの苦労や制約を受けながら生活をしていることでしょう。定期的な検査で糖尿病性腎病の早期発見に努めることが必要です。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害には大きく分けて2パターンあります。末梢神経の障害と、自律神経障害です。
末梢神経には痛みや温度を感じる感覚神経、手足を動かす運動神経がありますが、糖尿病のため高血糖が持続すると感覚神経から異常が出てきます。
糖尿病性神経障害の初期症状は、両足の裏がしびれるというものです。手や足の指先がじんじんとしびれたり、足の裏に皮が一枚余分に張っているような感覚があれば注意が必要です。
しびれはだんだんと身体の上部へと広がり、両手指も末端からしびれていきます。やがてほとんど痛みを感じなくなり、足や手の感覚が消えることで怪我をしても気付かない場合もあります。
神経障害で知覚が鈍った足に小さな傷ができることから、悪化すれば足が腐ってしまい、切断しなければならなくなる(糖尿病性壊疽)危険性もあります。
血行障害や免疫力が低下すると治癒力が弱り、最近感染も否めません。しかしそれもしびれで痛みを感じないため、診察が遅れることも多々あるのです。
糖尿病の疑いがある場合は、足に傷がないかどうかなど必ずチェックする習慣をつけるべきでしょう。
また自律神経に障害が発生するとさまざまな症状が現れます。自律神経は心臓、肺、胃、腸、膀胱や至急などすべての内蔵や、内分泌腺、汗腺、唾液腺などの腺、血管などを支配しているものです。
呼吸、循環、代謝や体温調節など無意識に行われている機能を調節しているため、障害が起きることで日常生活が困難になることがあります。胃のもたれや、便秘、下痢、立ちくらみや、排尿困難、インポテンツもその症例です。
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専門医に相談する意義
上記の合併症の悪化を未然に防ぐためにも、専門医や機関に治療を仰ぐごとが糖尿病患者にとって、もっとも大切なことでしょう。
日本には「一般社団法人 日本糖尿病学会」による、日本糖尿病学会専門医制度と呼ばれるものがあり、この制度は糖尿病臨床の発展や普及のために糖尿病臨床専門医の養成や、国民の健康増進の手助けすることを目的としています。
認定の対象は、専門医や、研修指導医、認定教育施設、教育関連施設や、連携教育施設(小児科)です。この制度に認定された医師や施設によって診察を受けることにより、糖尿病に関して専門的で的確な対応を受けることができます。
糖尿病専門医・医療機関を見つけるには
一般社団法人 日本糖尿病学会の公式ウェブサイトからは、だれでも無料で日本糖尿病学会専門医制度に認定された専門医と施設を検索することができます。
糖尿病の症状が疑われた場合は、まずお近くの専門医や認定施設をチェックし診察を受けることで、糖尿病の症状悪化を未然に防ぐことができるでしょう。
専門医を探す場合:http://www.jds.or.jp/modules/senmoni/
認定教育施設を探す場合:http://www.jds.or.jp/modules/shisetsu/
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