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ご存知ですか?転移しやすい癌、再発しやすい癌

 2016/12/15 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 12,438 Views

今や日本でも死亡原因の第1位を占め、3人に1人が癌で死亡する時代だと言われています。

ひと昔前では癌と言えば不治の病として恐れられていましたが、現代では医療技術や医薬品の発達によって治癒できる種類やステージの癌も増えてきました。

癌になったからと言って最悪のケースばかりを悲観する必要は必ずしもありませんが、かと言って楽観視できるものもありません。

例え一度は治癒した癌でも、しばらくすると再発したり他の臓器に転移してしまうこともあります。

このような場合はその後の経過も悪くなることが多く、慎重に様子を見ながら検査や治療を続けていく必要があります。

主治医と相談しながら治療方針を決めていくためにも、癌の性質や誤解されやすい転移と再発の違いなどをきちんと知っておくことが大切です。

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癌の転移、再発、転移再発

一般的に、癌の転移と再発は同じような意味だと誤解されがちです。

しかし実際はメカニズムや定義など様々な面で相違点があり、同じものだと混同していると担当医との意思疎通や症状の進行具合などを見誤ってしまうこともあるので注意が必要です。

<癌の再発>

まず「癌の再発」についてですが、これは最初に癌が生じた場所にあった細胞が取り切れずに残ってしまい、同じ場所で再度増殖して症状を現してしまうことを指しています。

抗がん剤や放射線などの治療によって効果が出て、一時的に癌細胞が縮小したとしても、生き残った細胞がその後再び増殖を始めて成長するケースも決して珍しくありません。

<癌の転移>

一方の「癌の転移」というのは、最初に癌が生まれた場所とは違う場所まで癌細胞が移動し、そこで新たに増殖して病巣を作ってしまう状態を指します。

最初に出来た場所から移動するには血液やリンパの流れを利用するのが一般的ですが、最初に発生した場所から癌細胞が浸潤して周囲の臓器に腫瘍が癒着してしまい、そこで新たに癌細胞が増殖してしまうことも癌の転移と呼ばれることになります。

<癌の転移再発>

また、単純に再発と転移という違いだけでなく、それぞれの特徴を併せ持った「転移再発」と呼ばれるものもあります。

癌が一度治癒しても再発する可能性があるというのは前述の通りですが、再発は必ずしも前回と同じ場所で起こると決まっているわけではありません。

最初に出来た場所から遠く離れたところに再発してしまった場合には、特別に転移再発という表現が用いられることもあります。

このように、ひと口にまとめられがちな癌の転移と再発ですが、詳しく見てみると発生の過程に大きな違いがあることが分かります。

担当医などはこの違いを踏まえた上で病状の説明などを行うので、意思疎通をうまく交わすために患者側も正確な知識を身に付けておくことが大切です。

 

転移しやすい癌、再発しやすい癌

癌の転移や再発は、癌が出来た臓器などによってある程度転移しやすいタイプや再発しやすいタイプが決まっています。

<癌の転移が発生しやすいタイプ>

まず、「癌の転移が発生しやすいタイプ」としては膵臓癌や乳癌、皮膚に出来るメラノーマと呼ばれる悪性黒色腫などが挙げられます。

この他、卵巣癌や進行が速く恐ろしい癌として知られているスキルス胃癌などは周辺組織への浸潤が起こりやすいタイプとして知られています。

これとは逆に、転移が発生しにくいタイプは子宮頸癌や甲状腺癌などがあります。

「乳癌」は、主に女性の乳房の中に多く存在する乳腺という場所に発生する癌です。

患者の大部分は女性ですが、ごく稀に男性にも発生することがあるので油断はできません。

乳癌の特徴としては、悪性腫瘍そのものが小さかったとしても早期の段階から周辺組織に転移や浸潤しやすく、脇の下のリンパに近いために離れた臓器へも転移が起きやすいという点が挙げられます。

「膵臓癌」は、自覚症状がほとんど出ないまま重症化してしまうためサイレントキラーとして恐れられていますが、膵臓の周囲に肝臓や胃などの重要な臓器が集まっているため転移しやすく、注意が必要となります。

臓器の他に大きく太い血管や神経もあり、これらを通して離れた臓器まで遠隔転移しやすくなります。

「胃癌」は主に表層の粘膜にまず発生しますが、組織の内部まで浸潤すると血管やリンパ管が数多く通っているため、ここを介して転移するリスクが高まります。

特にリンパ行性転移と血行性転移の発生率が高く、それに次いで腹膜転移も起こりやすくなります。

<癌の再発が発生しやすいタイプ>

一方で、「再発しやすいタイプ」には転移や浸潤しやすいタイプが含まれていますが、前述したものの他に肝臓癌や食道癌、膀胱癌に大腸癌などが存在します。

この中でも肝臓癌は特に再発率が高く、手術を受けても3年以内に50%、5年以内になると80%ものケースで再発すると言われています。

肝臓癌の場合は肝炎ウィルスが大きな原因の一つとして知られていますが、このウィルスは手術を受けても臓器に存在し続けるため、これが新たな癌を発生させると見られています。

もちろんここで挙げた種類が必ず癌の転移や再発を起こすというわけではありませんが、リスクが高いので注意深く経過を見ていくことが必要となります。

 

どのようにして癌の転移は起きるのか?

癌の転移は最初の病巣を治癒させられないうちに新たな場所に癌が出来てしまうため、落ち込みや不安などの精神的な負担が非常に大きくなります。

実際に癌の転移が起きる患者は珍しくありませんが、そもそもなぜ転移が起きるのかを知っておきましょう。

人間の身体は、毎日膨大な数の新しい細胞が生まれて古くなった細胞と交換が行われています。

こうすることで身体の機能や形を正常に維持し続けているのですが、年齢を重ねていく中で新たな細胞を作り出す遺伝子にも傷がつき、突然変異などのエラーが多く発生するようになってしまいます。

こうして生まれた細胞こそが癌細胞と呼ばれるもので、実はこの癌細胞も毎日5000個という非常に多くの数が生み出されているのです。

こんなにも癌細胞が生まれているのに癌にならない健康な人というのは、体内にもともと持っている免疫機能が正常かつ効果的に働いていることになります。

免疫機能は発生した癌細胞に取りついて老廃物として体外へ排出してくれる作用があるため、癌細胞が病巣として増殖することがないのです。

免疫機能が正常に働いてさえいれば癌細胞の悪影響が出ることはないのですが、加齢による衰えや乱れた生活習慣、過剰なストレスなど様々な原因が複合的に重なることで免疫機能が落ちてしまうこともあります。

この僅かな隙をついて癌細胞が増殖し、悪性腫瘍となって成長することで癌に罹患してしまうのです。

悪性腫瘍は周辺の細胞に蓄えられた栄養分を奪い取ってどんどん成長し、周辺細胞を破壊しながら取り込んで大きくなっていきます。

表層部分にできていた悪性腫瘍も成長を進めるにつれて徐々に細胞の奥深くにまで浸潤し、やがて細胞壁などを突破して、外へと解き放たれてしまうことになります。

これによって周辺の他の臓器などに癌細胞が付着し、そこを起点として新たに増殖を繰り返すようになってしまいます。

癌細胞が浸潤した先に血管やリンパがあれば、そこから内部に侵入して血液やリンパ液に癌細胞が乗り込んでしまい、身体のあらゆる部分へ運ばれてしまいます。

知っての通り私たちの身体の血液は心臓を起点として全身にくまなく届けられているため、一度血管やリンパに癌細胞が入り込んでしまえば全身が癌の転移のリスクに晒されることになります。

癌の転移はこのようなメカニズムで発生し、場合によっては体中に新たな癌が次々とできてしまう可能性もあるので注意が必要とされています。

 

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どのようにして癌の再発は起きるのか?

様々な検査によって癌と診断された場合、悪性腫瘍が出来ている場所や大きさなどを確認した上で切除手術が行われることになります。

患部を開腹したり内視鏡や腹腔鏡などの先端技術を使って、目視で癌細胞を全て取り除いていく必要があります。

ただ、あくまでも人の目と手で行われる手術であるため切除には限界もあり、見えにくい部分にあったものや小さなものは見逃してしまうこともあります。

最初に手術を行った時に既に癌の転移が発生していた場合、それが微細なものであれば見つけることも難しいので全てを完璧に取り除くことはまず不可能です。

このため、手術を行って悪性腫瘍を切除したとしても完治したとは言いきれず、残っていた僅かな癌細胞が時間をかけて新たに増殖してしまうこともあります。

再発はこのようなメカニズムで起きるのですが、目に見えないような微細な癌細胞対策として、再発を予防する目的で手術と同時に抗癌剤などによる化学療法も同時に行われることが一般的です。

抗癌剤が的確に効けば、微細な癌細胞まで全て排除することができるのです。

ほとんどの癌治療において、このように手術と化学療法の両立が選択されていることから見ても、癌の再発がいかに多いかということが窺い知れます。

 

癌の転移や再発によくみられる兆候とは?

癌が見つかって切除手術を受けたとしても、その後5年間は癌の転移や再発が見つかることも多いので安心することはできません。

もちろん5年経過した後でも可能性はあるので、常に油断せず自分の体の状態に気を配っておくことが大切なのです。

癌の転移や再発がいつ発生するかは全く分からず、個人差も大きい病気なので統計として出ているものを自分にそのまま当てはめることも難しいです。

癌の転移や再発を完全に防ぐことは不可能と考え、身体に新しい痛みや違和感などがないかを十分に注意して生活することが大切です。

例え手術を受けて一旦治癒したように見えても、定期的に画像診断や血液検査などの各種検査を受けて身体の変化に早めに気付けるようにしておきましょう。

癌の転移や再発が起きた場合、よく見られる兆候や注意しておくと良いポイントがあるので知っておくと役立ちます。

<1つ目>

まず1つ目は、一番最初に出来た時の癌の場所や痛み、症状などの特徴を覚えておくということです。

癌はその種類によって痛みの強さや症状が異なってきます。

例えば、乳癌なら胸に硬いしこりが現れ、肺癌なら熱もないのに何ヶ月も酷い咳が続くといった特徴があります。

初期は自覚症状のない種類の癌も多いですが、自分が気付いた段階で発生場所や痛みなどの特徴を把握しておくと再発した場合の早期発見に役立ちます。

別の場所にも似たような痛みやしこりなどを感じれば、転移が疑われるのでこちらも早期発見できる可能性が高まります。

<2つ目>

二つ目は、最初に出来た癌の症状以外に現れた些細な身体の変化にも敏感になるということです。

例えば、胃癌と診断されて手術や治療を行った経験のある患者の場合、胃の痛みや吐き気などの胃癌症状経験もあるため敏感に反応しますが、便秘や血便といった他の臓器が原因になっているであろう症状には無頓着になりがちです。

しかし、実際にはこのような大腸症状は胃癌から転移した大腸癌によって引き起こされている可能性もあり、気にせず放置していると手遅れになってしまう可能性もあります。

何らかの癌に罹患した経験のある人の場合は、治療中や治癒しているに関わらず身体中へ転移している可能性を考え、様々な症状や痛みを軽視することなく検査を行うことが大切です。

<3つ目>

三つ目は、癌の発見に役立つ腫瘍マーカー検査などを定期的に行うことです。

癌は身体に何らかの症状が現れてから検査を受けて発覚することが多いのですが、それを待っていると手遅れになる危険性も高まります。

ごく小さな癌の転移や再発は自分では気付くことができないので、やはり定期的に病院を受診したり検査を受けることが重要になります。

検査には内視鏡やX線検査の他、CTやMRIなど様々なものが有効ですが、血液を用いた腫瘍マーカー検査も効果的です。

これは特定の癌に罹患した時に血液中に増える成分を計測することで癌の存在を早期発見することができます。

精度は100%ではなく疑陽性や偽陰性なども起こりうるので、あくまで目安という扱いですが客観的に数値を計測できるため非常に便利です。

癌患者の治療成果の確認や経過観察によく行われていましたが、近年ではインターネットで申し込みや検査結果の受け取りなどを行えるサービスも普及してきています。

個人的な健康診断の一環として行うこともできるので、心配な人は一度受けてみて下さい。

 

まとめ

癌という病気は、発症率は低くても女性だけでなく男性も起こり得る乳癌や、再発率の高い肝臓癌など決して油断できません。

一度は治癒したとしても、転移や再発が起こり得るのです。

ただ、転移や再発にみられる兆候や傾向を逃さず早期に見つけることができれば、予後は大幅に改善します。

自分の体のことは自分しか気付いてあげられません。
癌経験のある人は、油断することなく気を配っておくようにしましょう。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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