卵巣がんに注意|悪性度が低くても油断は禁物
卵巣がんの患者数は年々増加しており、日本国内ではなんと年間10,000人超の人が新たに卵巣がんにかかっているそうです。
卵巣がんの疑いがあると言われた人や現在卵巣がんにかかっているという人、卵巣がんの手術を受けて成功したけれど再発の可能性を心配している人など、卵巣がんにおいてはその人によってさまざまな悩みや不安を持っていることでしょう。
こちらでは、卵巣がんの症状や原因はもちろん、卵巣がんについての知識を深めていきたい人に向けて、役立つ情報を発信していきます。
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Contents
卵巣がんは3つのタイプがある
上皮性卵巣がん
卵巣の表面を包むように覆っている組織に発生するがんのことを、上皮性卵巣がんといいます。
この上皮性卵巣がんによって、卵巣の機能に悪影響を及ぼしてしまうという可能性があります。
また、上皮性卵巣がんは3つのタイプがある卵巣がんのうち、もっとも疾患の多い種類です。
上皮性卵巣がんはある程度がんが進行してから発見されることが多く、子宮内膜細胞診で発見されるケースが全体の2割以上を占めるといわれています。
上皮性卵巣がんでは腹水や胸水を伴うことがありますが、悪性腫瘍ではより多く胸水が認められるほか、ねじれや破裂を起こすことがあるため、この場合はかなりの痛みが発生することになります。
抗がん剤治療(化学療法)は効果が出やすいといわれていますが、化学療法を行うだけで高い治療効果が期待できるというわけではなく、手術と並行して化学療法を行うことで高い治療効果を期待することができるようです。
また、初診時にどの程度、腫瘍が広がっているかによってその治療法も変わってきます。
胚細胞性卵巣がん
10代など比較的若い女性に多い卵巣がんだといわれているのが、胚細胞性卵巣がんです。
卵巣の片側のみにがん細胞が発生してしまうことが多いといわれていますが、胚細胞性卵巣がんの場合早期発見をすることは難しく、産婦人科の検診で見つかるケースもあります。
初期の場合は自覚症状がほとんどありませんが、閉経しているにも関わらず出血がある場合や、体重が増えているわけではないのに腹部が膨らんでいるように感じた場合には胚細胞性卵巣がんである可能性を疑い検査を行うべきでしょう。
胚細胞性卵巣がんの検査には、内申やCTスキャン、リンパ管造影などの方法が用いられるほか結成腫瘍マーカー検査を行うこともあります。
結成腫瘍マーカー検査は、血液を調べて胚細胞性卵巣がんに関係する物質(アルファフェトプロテインやヒト絨毛性ゴナドトロピン)の数値が高くなっているかを調べ高い場合にはがんの可能性があると判断します。
胚細胞性卵巣がんも、進行状態やがん細胞の形などによって治療方法が異なります。
性索間質性卵巣がん
性索間質性卵巣がんでは、ホルモン産生性の場合が多いので悪性だけでなく良性腫瘍の場合もあります。
良性腫瘍は莢膜細胞腫と呼ばれるものがあり、この場合はエストロゲン産生性で不正出血や無月経などの症状が起こります。
高齢の女性でも腹壁が年齢と比較して若い場合は、エストロゲン産生性の莢膜細胞腫が起こりやすいです。
性索間質性卵巣がんはほかのタイプの卵巣がんと比較すると発生率は低いとされ、悪性腫瘍も少ないといわれています。
また、これらの卵巣がんのうち、90パーセントは上皮性の卵巣がんが占めています。
卵巣がんにかかりやすい人は40代以降であり、50代から60代がもっとも多いといわれていますが、性索間質性卵巣がんは良性の場合若い人でも発生することがあります。
ほかのタイプと同じように早期発見が難しいタイプであるため、腹部に違和感を覚えたら速やかに検査を受けることが望ましいです。
卵巣がんは悪性度が低い
卵巣がんは比較的悪性であることが少ないといわれているがんのひとつです。
「境界悪性腫瘍」と呼ばれるタイプの卵巣がんもあり、これは良性と悪性の中間的な症状の卵巣がんのことを指しています。
例えば、腹部に違和感を覚えて卵巣がんの検査を受けて腫瘍が見つかった場合に手術で腫瘍を切除します。
その後、病理検査を行い、万が一境界悪性腫瘍だとわかった場合にはいわゆる悪性の卵巣がんではないという判断をすることができます。
境界悪性腫瘍はこのように組織診断で判断されることの多い卵巣がんです。
境界悪性腫瘍は卵巣以外の場所でまったく広がっていない状態で発見されることが多く、この状態は1C期と呼ばれます。
1C期とは一般的に手術前や手術中に破裂した状態、もしくは腹腔洗浄細胞診でがん細胞がある状態です。
そのほか卵巣の外に広がっている状態で発見されることもありますが、これは境界悪性腫瘍の2期、3期と呼ばれます。
1C期であれば手術で切除することで完治できるケースが多いですが、そのほかの場合は症状に合わせて異なる治療法を行います。
手術での治療を行った場合、手術後1年から2年の間は3ヶ月に1回のペースで腫瘍マーカー検査を行い、その後は半年ごとに治療を行うことが望ましいです。
ちなみに、境界悪性腫瘍は化学療法の効果が表れにくいといわれていますが、化学療法で境界悪性腫瘍の治療を行う場合もあります。
ただし、1期であれば化学療法行わない場合も多いため、経過観察で良好になるということが多いのも事実です。
また境界悪性腫瘍においては悪性の卵巣がんよりも進行が遅いことが多いため、再発のリスクも少ないといわれています。
逆に、ほかの部位にがんが転移している2期以上に進行しているという場合は化学療法が用いられることが多いです。
ただし、先に触れたように境界悪性腫瘍は化学療法の反応がよくないことが多いため、1期と比較すると再発の可能性が高くなります。
切除手術で境界悪性腫瘍をきれいに切除することができれば、その後は良好な予後を得ることができるでしょう。
境界悪性腫瘍は悪性のがんというわけではありませんが、悪性ではないから治療が不要ということではなく手術などの治療は必要です。
また、片方の卵巣に境界悪性腫瘍が認められた場合には、もう片方の卵巣にも境界悪性腫瘍ができていないかを細かく検査する必要があります。
境界悪性腫瘍の自覚症状としては、腹部の腫れや痛み、骨盤の痛み、消化器機能の違和感などが挙げられます。
これらの症状が気になりだした場合には境界悪性腫瘍を疑い検査を受けましょう。
検査方法には、聴診や内診、超音波検査などの方法が用いられることが多く、これらの検査方法でしこりや異常なところがないかを判断します。
超音波検査は、腹部にエコーを当てて検査する方法と、膣の中に器具を挿入して検査する方法があります。
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卵巣がんは「サイレントキラー」?
「サイレントキラー」とは、「静かな殺し屋」という意味です。
病気に気づかないまま症状が進行してしまい合併症が誘発されてしまう病気のことを指す場合が多いですが、卵巣がんもこうした病気のひとつとして挙げられます。
卵巣は卵子が作られるほか女性ホルモンの分泌を行うなど、女性にとって重要な役割を担う臓器ですがこの卵巣にできる腫瘍が卵巣がんと呼ばれています。
卵巣がんは腫瘍ができてすぐの初期状態の場合、ほかの臓器への圧迫症状などが出にくいため自覚症状がほとんどありません。
自覚症状を覚えて検査を受けたときにはすでにかなり進行しているケースも多く、最近増えている子宮頸がんと比較すると疾患数が少ないにも関わらず死亡者数が多いがんなのです。
そのような中で卵巣がんの自覚症状として感じやすいのが「お腹の張り」です。
特に太ったわけではないし妊娠をしているというわけではないのに腹部が膨らんでいるように感じる、また自分で腹部に触れたときにしこりを感じるということがあります。
そのほか、下腹部に痛みを感じるほか尿の回数が増える、胃腸の機能が低下するなどといった症状を覚えることもありますが、これらの症状を自覚するのは腫瘍がかなり大きくなっている場合です。
ただし、これらの症状は卵巣がん以外の病気でも起こり得る症状であることから、自覚症状を感じたときに卵巣がんの可能性を考える人は少なく、やはり発見が遅れてしまうことも。
発見が遅れて腫瘍がさらに大きくなってしまうと、お腹の中で腫瘍がねじれる「茎捻転」を起こすことや、腫瘍が破裂してしまうという場合もあり、腫瘍が破裂した際にはかなりの痛みを生じるので、こうした点からもできるだけ早く発見することが望ましいです。
このように卵巣がんが進行してしまうことを防ぐには、やはり定期的に検診を受けることが望ましいと考えられています。
しかし、卵巣がんの検診が死亡率を下げたというデータは現在のところ確認されておらず、必ずしも有効だとはいえないようです。
その理由としては、卵巣がんは検診で異常が見つからなかった場合でも、その後腫瘍が発生して早いスピードで進行してしまうことが多いという点が挙げられます。
これらを加味すると、卵巣がんはかなり怖い病気だと考えてしまいますが、近年はさまざまな治療法が開発されていることから、適切な治療を受けられるようになってきました。
先で触れているように卵巣がんは悪性でない場合も多く、きちんと腫瘍を切除することで完治できるケースもあります。
卵巣がんは化学療法が反応しにくいといわれていますが、まずはできるだけ早い段階で発見すること、そしてきちんと卵巣がんのタイプや進行度を検査しそれに伴い適切な治療を受けることで卵巣がんを完治、再発を防ぐことが可能となります。
卵巣がんの要因
卵巣がんは、さまざまな要因が複合的に関係していると考えられています。
がんは遺伝要素が強い病気だと考えられていますが、卵巣がんで遺伝要素が関係するのは5%から10%ほどと意外と低いです。
しかし、家族や親類など身内で卵巣がんにかかった人がいる場合といない場合を比較すると、やはりいる人のほうが発症率は高くなるといわれています。
また、排卵の回数が多いと卵巣がんになりやすいと考えられており、妊娠や出産をしていない人はその分排卵の回数が多くなるため、卵巣がんを発症しやすいようです。
これと比例して、初潮が早く閉経が遅い場合も排卵の回数が多くなるということですので、卵巣がんの発症率が高くなると考えられるほか排卵誘発剤を使用している人も排卵回数が増えることから卵巣がんのリスクは高まります。
ちなみに、なぜ排卵回数が多いことが卵巣がんのリスクを挙げるかというと、排卵によって卵巣内の細胞が傷つき、がん化すると考えられているからです。
妊娠、出産をすることで1年近く排卵されないので、その分卵巣がんのリスクも少なくなるということがいえます。
また、10年以上ホルモン治療を行っている人も、卵巣がんのリスクが高くなるようです。
そのほかに卵巣がんの発症率を高める要因として考えられているのが、肥満や喫煙などの生活習慣。
これは卵巣がん以外のがんにもいえることですが、肥満傾向になる、アルコールを大量に飲むなどといった生活習慣は、卵巣がんのリスクを高めます。
喫煙はもちろんがんのリスクを上げますが、受動喫煙もがんの要因のひとつとされていますので自分自身が喫煙をしない人も注意が必要です。
この逆を考えた場合、禁煙やバランスのよい食事は卵巣がんのリスクを下げると考えることができます。
また肥満を防ぐために適度な運動を心がけることや体型維持を意識することも同様です。
そのほか、卵巣を傷つけるということに関連しているかということまでは不明はありますが、クラミジアなどの性感染症が卵巣がんのリスクを高めるといわれていますので、こうした感染症の感染を防ぐことも、卵巣がんの予防につながります。
感染症に付随して、骨盤内炎症性疾患も卵巣がんの要因として上げられています。
骨盤内炎症性疾患は感染などによって起こり得る疾患で、子宮内膜炎や卵管卵巣膿瘍、骨盤腹膜炎などと診断されるものです。
骨盤内炎症性疾患は、性交渉時に避妊具などを利用することで、感染を防ぐことができるといわれています。
卵巣がんの要因を理解しておき、自分でできるだけその要因を排除することは卵巣がんの予防につながります。
これと並行して、日頃から自覚症状を敏感に感じ取るように意識すれば、発見が遅れがちだといわれている卵巣がんによる死亡率を下げることにつながるのではないでしょうか。
まとめ
卵巣がんのタイプや自覚症状、卵巣がんを発症しやすい要因などについて、今回の解説で理解を深めることができたのではないでしょうか。
卵巣がんは女性器系のがんの中で死亡率が高いといわれていますが、手術によって腫瘍をきれいに切除し、その後の経過観察や治療をしっかり行うことで再発せずに日常生活を営んでいる人が多いのも事実です。
正しい情報を得て治療に役立てるとともに、ぜひこちらの情報を参考に卵巣がんの予防も意識してみましょう。
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