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やさしい解説!糖尿病改善の3要素「食事療法・運動療法・薬物療法」について

糖尿病は自然に治癒しない病…そう聞かされると不安になってしまう人も多いのではないでしょうか。

糖尿病はどうすれば改善するのか、どんな治療を行うのが効果的なのか、そのことを知るだけでも気の持ち方は大きく変わるものです。

たとえ糖尿病と診断されても正しい治療を行えば健常者と全く同じ生活を営むことが可能です。

今回の記事では糖尿病から生じる合併症について、また糖尿病の有効な治療方法(食事療法・運動療法・薬物療法)について詳しく解説していきます。

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糖尿病は自然に治らない!早めの改善が合併症を防ぐ

糖尿病にはさまざまな合併症があります。

「高血糖だからってそんなに重大な病は併発しないだろう」と甘く見ていると、あとあと大変なことになります。

糖尿病の合併症で厄介な点は自覚症状がないまま病が進行するということです。

これといって自覚症状がないのに気がついたら重大な合併症が起こっていたということが起こります。

そのため糖尿病治療は予防も含めて早め早めに行うことが大切です。

■糖尿病を放置して合併症が起こると大変なことに…

糖尿病の主な合併症には「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」の3つが挙げられます。

この3つの病は、糖尿病における三大合併症と呼ばれています。

・糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因となって眼球の網膜がダメージを受け視力が低下してしまう病気です。

この病が進行すると視力がさらに低下して最悪失明ということになります。

「糖尿病で失明なんて・・・」と思う人もいるかもしれませんが、事実として糖尿病によって失明している人は年間約3,000人に上ります。

目が見えなくなるという恐ろしい現実が糖尿病によって起こりうる、しかも自覚症状がないまま気がついたら失明寸前になっているケースが多いのです。

このケースで重要な点は、事前にしっかりと糖尿病治療を行っていれば失明を防ぐことができるということです。

・糖尿病腎症

糖尿病腎症は、糖尿病の進行によって徐々に腎機能が低下していく病気です。

急に尿が出なくなるというわけではなく、病の進行によって徐々に病状が悪化していくのが特徴です。

早期腎症(第2期)では自覚症状はありません。

血糖・血圧のコントロール、タンパク質の制限などが必要になります。

顕性腎症(第3期)も自覚症状はありませんが、さらに厳格な血糖・血圧のコントロールとタンパク質の制限が必要とされ、また激しい運動も控えなければなりません。

顕性腎症は後期になると、人によってはむくみなどの症状が出てきます。

腎不全(第4期)になると、腎機能がさらに低下して十分に老廃物が排泄できない状態になります。

老廃物が排泄できないと体内に有害物が蓄積され続け命に関わる問題になります。

腎不全では進行具合によって透析療法も開始されます。

・糖尿病神経障害

糖尿病神経障害は、糖尿病によって体内の神経が障害を受けることで発症する病です。

人間の神経というものは全身に張り巡らされているので、患者さんによってさまざまな症状が出るのが特徴です。

具体的な症状としては、手足の痛み・しびれ、便秘・下痢、胃痛、消化不良、めまい、立ちくらみ、排尿障害、皮膚の麻痺症状、顔の筋肉硬直、などが起こります。

■糖尿病は早めに改善することが大切

糖尿病は「自然治癒しない病」です。

治療をしなければ自覚症状もないまま徐々に悪化し、同時に合併症を起こす危険性が高まります。

合併症が引き起こされると失明や神経障害によって歩行ができなくなれば車椅子の使用が考えられますし、腎機能が低下すれば透析治療を受けるために週3回4時間の通院が必要になることも考えられます。

よって、糖尿病は放置せずに早い段階で治療をすることが大切になります。

既に書いたように、糖尿病の合併症は自覚症状がないものが多く、気がついたら手遅れになっていたというケースもあります。

しかし、糖尿病を早期に発見し適切な治療を継続することで重大な合併症を防ぐことができます。

糖尿病の治療の最大の目的は「合併症を起こさないこと」といってもいいでしょう。

糖尿病の早期発見、早期治療、および生活習慣の改善が合併症を防ぐことにつながります。

 

食事療法で食事の乱れを改善する

食事療法は糖尿病治療の基本中の基本です。

食事療法による糖尿病改善のメカニズムや具体的な食事療法のやり方について見ていきましょう。

■食事療法で糖尿病が改善する理由

糖尿病とは血糖値が高くなることで生じる病気ですから、血糖値を適切にコントロールすることで糖尿病の改善および進行を防ぐことができ、合併症とは無縁の生活を送ることも可能となります。

特に、糖尿病初期、またはそれほど深刻化していない糖尿病患者の場合、食事療法のみで病状を改善することができます。

糖尿病では食習慣の改善は極めて重要です。

当然のことですが、食事で糖質を多く摂取すると食後の血糖値は高くなります。

しかしながら、糖質以外の栄養素(タンパク質や脂質)は多く摂取しても食後に血糖値はほとんど上昇しません。

よって、糖質を徹底して摂取しない食事療法を実践すれば、食後の血糖値上昇を抑えることができ、血糖値を正常にコントロールすることが可能となります。

結果的にそれが糖尿病の改善につながります。

■食事療法の具体的な治療内容

・糖質を徹底的に避ける食事療法

正しい糖質制限とは、「糖質(炭水化物)は徹底して避けること」「必要な栄養素はしっかり摂ること」です。

糖質は人間が生きていくうえで必要ですが、人間は体内で自然に糖質を作ることができます。

糖質を多く含まない食事メニューを徹底すれば、血糖値を正常にコントロールすることができます。

糖質を多く含む食べ物には、ご飯類・パン類・麺類などの主食系、粉もの、果物、野菜、お菓子、甘い飲み物、甘い調味料などがあります。

主食系はもちろんですが、野菜もイモを中心とした根菜類は糖質が多めなので注意が必要です。

果物も糖質が多いので控えましょう。

逆に糖質が非常に少なく、なおかつ栄養豊富な食べ物は、魚介類、肉類、卵などです。

塩分も適切に摂取すれば制限は必要ありません。

このように、糖質を多く含む食べ物を徹底的に避け、同時に必要な栄養素をしっかり摂り入れることが正しい糖質制限です。

・間食やデザート、飲み物にも注意

ご飯やパンなどの主食系を全カットすれば、それだけ糖質は抑えられます。

主食系をカットする分、糖質の少ないおかずをたくさん食べればいいわけです。

しかし、朝昼晩の食事で糖質をしっかりカットして適切なメニューを食べても、食後のデザートや間食のお菓子、また甘味料がたっぷりの飲み物を摂取してしまうと血糖値は一気に上昇してしまいます。

それではせっかく糖質の少ないメニューを用意した意味がありません。

食生活のすべてにおいて、糖質を徹底的に控えることが求められます。

 

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運動療法で運動不足を改善する

運動療法の効果と方法について見ていきます。

■運動療法で糖尿病が改善する理由

運動療法は食事療法と並んで糖尿病治療の基本となるものです。

運動をすることでエネルギー消費量が増え、同時に血中のブドウ糖が使われることで血糖値が下がることにつながります。

また、血糖値が上がりやすい食後に運動をすることで血糖値の上昇を抑制できます。

運動を習慣的に行うと体脂肪が減少し肥満体形を改善することもできます。

肥満体形が改善すればそれだけ体内の中性脂肪が減少します。

脂肪が減れば減るほど、体内のインスリン(ブドウ糖の消費を促進するホルモン)の働きが活性化し、さらに血糖値を下げることができます。

このように、運動によって高血糖を抑える好循環を生み出すことができるので食事療法と合わせて行うことでより糖尿病を改善し、合併症の起こりにくい体作りを目指すことができます。

■インスリン抵抗性の改善

運動療法の最大のメリットといえるのが、インスリンの効果が高まるという点です。

インスリンとは体内にあるホルモンの一種で、ブドウ糖の消費を促進する働きをします。

インスリンの働きが強ければ強いほど体内のブドウ糖の消費が増え、それだけ血糖値も下がります。

肥満体形の人や2型糖尿病患者の場合、このインスリンの働きが鈍化している可能性が高く体内のブドウ糖の消費が十分でないことが多いです。

しかし、運動を毎日続けることで鈍化していたインスリンの働きが徐々に改善され活性化してきます。

さらに、筋力トレーニングなどの運動を継続し筋力を増やすことでもインスリンの効果が高まります。

運動療法によってインスリンの働きを促進され、血糖値が下がることを「インスリン抵抗性の改善」と呼びます。

このインスリン抵抗性の改善こそ、糖尿病患者にとっては極めて重要な要素となります。

しかしながら、このインスリン抵抗性の改善は運動をやめることでその効果が徐々に失われていきます。

インスリンの働きを十分にするには運動を日々継続して行うことが必要になります。

■運動療法の具体的な治療内容

運動療法には、主に「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の2つがあります。

・有酸素運動

糖尿病患者の運動療法としては、体内に十分に酸素を取り入れ、かつ体全体を動かすことができる有酸素運動が推奨されます。

有酸素運動の主な例としては、

・ウォーキング
・ジョギング
・自転車
・水泳
・ラジオ体操
・踏み台昇降

などが挙げられます。

いずれも週に3回程度で、1回につき20~40分ほど継続して行うのが望ましいとされています。

体に大きな負担が加わらない程度に、自分に合った有酸素運動を選択してみましょう。

・筋力トレーニング

最新の研究では、有酸素運動と一緒に筋力トレーニングを取り入れることでより高い治療効果が生まれるという報告がなされています。

また、人によっては膝が痛くて有酸素運動ができない、高齢者でなかなか外に出て運動ができないという場合もあるので、そういう患者さんには筋力トレーニングがおすすめです。

筋力トレーニングは、足、腰、背中などの筋肉を中心にして、週2~3回行うことが推奨されています。

1セット20~30回の筋力トレーニングを1日に2~3回、体に無理のない範囲で行います。

体に問題がない人はダンベルやチューブなどを使って筋力トレーニングかできます。

筋肉や持病に不安のある方は、自宅で簡単にできる「自重トレーニング(自分の体の重みで筋肉に負荷をかけるトレーニング)」が推奨されます。

いずれにしても、担当の先生に相談してから開始するようにしてください。

 

食事療法と運動療法で血糖コントロールができない場合は薬物療法で改善する

薬物療法を行うタイミングと薬の効果や種類について解説していきます。

■薬物療法を始めたほうがいいタイミング

糖尿病治療として食事療法と運動療法を取り入れているのに血糖値が下がらない、血糖値が正常にコントロールできないという状態に陥ることがあります。

このようなときは糖尿病の進行や合併症の発症を防ぐために薬物療法を開始します。

「薬物療法を開始するなんて、よほど症状が深刻なのでは…」と不安になる人もいますが、血糖値が正常にコントロールさえできれば健常者と同じような生活が可能です。

糖尿病治療の最大の目的は「合併症を発症させないこと」なので、食事療法であれ、運動療法であれ、薬物療法であれ、血糖コントロールが正常で合併症発症の心配がなければ糖尿病ではない人と同じような生活を送ることができます。

逆に、薬を飲んでいても血糖値がコントロールできていなければ合併症発症の可能性は高まります。

なので、薬物療法を実施するからといって病が深刻になっていると考える必要はありません。

■薬物療法の効果と方法

薬物療法は、主に「経口血糖降下薬」と「インスリン注射」の2つに分かれます。

経口血糖降下薬は、血糖値を下げる効果のある飲み薬です。

インスリン注射は、体内でインスリン分泌が難しくなった患者に投与されます。

主に、前者は2型糖尿病患者、後者は1型糖尿病患者に用いられます。

経口糖尿病用薬は、膵臓に働いてインスリンの分泌を促進する薬であったり、血糖値そのものを下げる働きをする薬であったりと、効果が異なる複数の飲み薬があります。

それぞれ患者さんの容態に合わせて処方されます。

インスリン注射は、「体内でインスリンの分泌ができなくなった人」に適用され、注射によって直接インスリンを体内に投与しインスリン不足を補うことで血糖値をコントロールします。

■糖尿病の治療薬の種類とその効果

飲み薬の経口血糖降下薬の種類と効果について、いくつかご紹介します。

・スルホニル尿素薬(SU薬)

膵臓を刺激してインスリンの分泌を促し、血糖値を下げます。

・ビグアナイド薬(BG薬)

体内でブドウ糖が生成されるのを抑える効果があります。

また、腸内でのブドウ糖の吸収を抑制し、インスリン抵抗性を改善することで血糖値を下げます。

・チアゾリジン薬

肝臓や筋肉におけるインスリン抵抗性の改善を促進し、インスリンの作用を高めます。

 

まとめ

糖尿病の治療は食事療法であれ運動療法であれ日々継続して行うことが大切です。

別の言い方をすると、生活習慣を根本的に変えることが糖尿病治療の根幹となります。

「継続は力なり」といいますが、適切な食事を摂り継続的な運動を心がけ、それを習慣化することで血糖値を正常にコントロールすることができます。

逆に、糖尿病発症後に正しい生活習慣を作らなければ、深刻な合併症が自覚症状もないまま進行する可能性があるということを知っておきましょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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