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血糖値が高い人は「水を飲むこと」を習慣にしてみましょう

生活習慣病
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糖尿病は進行することでさまざまな合併症を引き起こす病気であるため、放っておくと失明や手足の切断、さらには生命にも危険が及ぶほどの症状が生じてしまう危険性を伴います。

糖尿病の重症化を防ぐためには日ごろから血糖コントロールを徹底することが必要です。

これにより、既に糖尿病を発症してしまっている人でも日常生活への影響を最小限にとどめることができます。

この記事では、血糖コントロールにおいて重要となる「水分補給」について解説していきます。

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水分不足は血糖値上昇を招く

糖尿病を患ってしまった人が常に気を配らなければならない「血糖値」とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す数値のことを意味します。

食べたものや飲んだものの影響を受けて上昇・下降するようになっており、健康な人であっても食事後は一時的に血糖値が上がるのです。

糖尿病を患ってしまった人の体内では一度上昇した血糖値がなかなか下がらず血糖値の高い状態が続いてしまいます。

これにより人の体内ではさまざまな不具合が生じ、その影響が症状として現れることで日常生活にも影響が及ぶようになるのです。

・血糖値の上昇を防ぐ

上昇した血糖値は水分補給を行うことで下げることができます。

そもそも人の体は60%から70%を水分が占めており、この割合が低下すると血液の濃度が濃くなり自然と血糖値も上昇してしまう仕組みになっているのです。

水分補給をしっかりと行いこの割合を保つことで血液の濃度が高くなるのを防ぐことができ、それと同時に血糖値の上昇を防ぐことができるようになります。

・必要な水分の量は?

血糖値の上昇を防ぐためには、1日当たり1.5リットルを目安として水分補給を行うことが有効といわれます。

複数回に分けたこまめな水分補給を心がけることをおすすめします。

しかし糖尿病を患っている人の1日の水分補給量の目安には、1.2リットルや2リットル、さらには体重の4%などさまざまな説があり、どの説を信じればよいかが分かりにくいという問題もあるでしょう。

これは体形や気候によって必要とする水分の量が変化するためであり、どのような体形、気候を基準にするかで必要な水分の量は変化します。

以上のことから、1日1.5リットルという水分補給量の目安はあくまでも参考となります。

体の大きな人、とくに暑い時期などは1.5リットル以上の水分を補給する必要があることを覚えておく必要があります。

・水分補給を行うタイミング

水分補給を行うタイミングとしては水分を消費しやすい活動をする前後があげられるでしょう。

運動をする場合、その前後にはしっかりと水分補給を行うことが大切です。

さらに、人の体は就寝中に多くの水分を失うことが分かっているため、寝る前と朝起きた後には200ミリリットル程度の水を飲むことが推奨されます。

また、食事中には料理に含まれる塩分の影響で水分が失われるだけでなく、料理の影響によって血糖値も上昇することから、こまめに水を飲むことを忘れないようにしましょう。

これらの対策を継続して行い、習慣にすることが大切です。

 

糖尿病の症状のひとつ「水の飲みすぎ」

血糖値が高い状態が続く糖尿病にはさまざまな症状があり、そのひとつとしては「のどが渇くため水を飲みすぎる」ということがあげられるでしょう。

糖尿病と診断されたことはないが、激しい運動をしたり暑いと感じたりしたわけでもないのに、のどがすぐに乾くようになったという方は注意が必要です。

そもそも健康的な人の体内ではインスリンという物質が常に分泌されており、その働きによって血糖値はコントロールされています。

しかし糖尿病を患っている人の体内ではこのインスリンがしっかりと分泌されず、不足状態が慢性化することで血糖値が高くなりやすい体質となってしまうのです。

このようなプロセスを経て血糖値が上昇してしまうと、人の体内ではさまざまな症状が生じるようになり、それらは糖尿病の合併症として知られています。

・血糖値の上昇による脱水状態

たとえば、血糖値が上昇してしまった人の体内では過多状態になった血中のブドウ糖を体外に排出しようとする働きが活性化し、通常より多くの尿がブドウ糖と共に排出されるのです。

これにより、人の体内では水分が通常よりも速いペースで消費されるため脱水状態になりやすくなってしまいます。

人の体は血糖値の上昇を原因とするこのような脱水状態を正常に戻そうとするため、より多くの水分を欲するようになり、のどの渇きなどの症状として現れるのです。

糖尿病を患ってしまった人が通常よりも「飲みすぎ」の状態になりやすくなるのはこのためであり、血糖値が高めの方は日ごろから自身ののどの渇きなどの症状に対して注意しておきましょう。

・薬の副作用による「のどの渇き」

一方、既に糖尿病と診断されており、なんらかの治療を受けている方の場合、薬の副作用によってのどの渇きなどの症状が生じるケースがあります。

たとえば糖尿病治療で用いられることもある経口血糖下降薬という薬には、尿と共に糖を体外へ排出する働きを促す効果があるのです。

そのため、この薬を服用すると利尿剤を飲んだときのように尿意を頻繁に催すようになります。

これにより体内では多くの水分が失われてしまうことから、糖尿病そのものの症状のようにのどが激しく乾くことがあるのです。

飲みすぎが怖いからと水分を摂らないと脱水症状になってしまいます。

糖尿病を患っている人が脱水状態を放置していると、意識がもうろうとするといった症状が現れることがあります。

そのため脱水状態が糖尿病そのものによる場合でも、薬の副作用によって生じている場合でも、積極的な水分補給は行わなければならないという点で変わりはありません。

また血糖値が高い状態での脱水は、感染症や脳卒中など他の異常が関係していることがあります。

突然のどの渇きが激しくなるといった異常を感じたら、それが高い血糖値によるものであると自己判断してしまうのではなく、すぐに医師に診てもらうことが重要です。

 

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清涼飲料水での水分補給は要注意

のどの渇きを潤すということに観点を置けば、飲みものの種類はどのようなものでもよいこととなります。

しかし糖尿病を患っている人が水分補給をする場合、のどの渇きを潤すことだけでなく血糖値を上げないことも重視しなければなりません。

糖尿病を患っている人が水分補給をする際には、何も入っていない水やお茶を選ぶことが推奨されます。

・糖分が多い飲み物は血糖値を上昇させる

もしも糖尿病を患っている人が水やお茶以外のもので水分補給をすると、そこに含まれる成分が糖尿病を悪化させることもあるため注意が必要です。

とくに清涼飲料水の場合そこには多くの糖分が含まれているため、水分補給ができても血糖値を上昇させてしまうという点でデメリットがあります。

清涼飲料水には100ミリリットルあたり5グラム程度、コーラをはじめとした炭酸飲料には100ミリリットルあたり11グラム程度の糖分が含まれているため、糖尿病を患っている人が飲むものとしては不適切です。

清涼飲料水に限らず、含有糖分量が100ミリリットルあたり0.5グラム以上である飲みものは、飲むだけで血糖値を上昇させる可能性があります。

そのため、糖尿病を患っている人が飲むことは避けたほうがよいでしょう。

また、加糖のコーヒーや野菜ジュースなどの多くは100ミリリットル当たり0.5グラム以上の糖分が含まれているため避けましょう。

以上のことから、基本的に甘みのある飲みものの多くにはこの基準を上回る糖分が含まれているといえるでしょう。

特に糖尿病を患っている人の水分補給には水かお茶が最適です。

・糖分だけでなく利尿作用の有無に注意

一方、糖尿病を患っている方の水分補給において気をつけるべき点としては「利尿作用の有無」をあげることができます。

たとえばコーヒーに多く含まれるカフェインには利尿作用があるため、体内の水分を排出することで血糖値を上昇させてしまう働きがあるのです。

したがって、コーヒーは加糖のものだけでなく無糖のものも糖尿病を患っている人の水分補給に向いていないといえます。

お茶に関してはカフェインが含まれていないものが少なく、飲みすぎると尿意を催すことがあるかもしれません。

お茶に含まれるカフェインの量はコーヒーなどと比べれば少ないですが、人によっては脱水状態を進行させてしまうこともあります。

そのため、水ではなくお茶を飲みたいという方はノンカフェインのお茶を選択することがおすすめです。

 

水を飲むことで得られる「血糖値を下げる」以外のメリット

とくに水に関しては、糖尿病を患っている人が飲むことで血糖値を下げられるというメリットがあります。

それに加えて、以下の点も水を飲むことで得られるメリットとしてあげることが可能です。

糖尿病を患っている人はさまざまな体の部位に異常が生じていることが多く、積極的に水を飲むことでそれらの進行を遅らせることができるでしょう。

・体本来の老廃物の排出機能を促進できる

人の体内では絶えず老廃物が生じており、それが蓄積してしまうと臓器などの働きが鈍ってしまうことがあります。

したがって老廃物を体外へ排出する働きは健康的な生活を送るうえでも非常に重要です。

老廃物の体外への排出は尿や汗の排出と共に行われ、その働きを促すためには多くの水分が必要となります。

したがって糖尿病を患っている人に限らず、水分補給をしっかりと行うことにはこのような老廃物の体外への排出機能を促進する大きなメリットがあります。

臓器などの働きを正常な状態に維持することができます。

・腸の内部をきれいにし、便秘などを解消できる

便秘や腹痛などの異常は腸内環境の悪化が影響していることも少なくありません。

腸内環境を正常にするうえでも、やはり多くの水が必要となります。

また、便秘をはじめとした腸の働きの異常によって生じる症状に対しては新陳代謝の悪化が関係しているケースがあるのです。

多くの水分を補給すると、新陳代謝を正常化することで腸の働きを正常な状態に戻すことができるため、便秘をはじめとした症状を改善することが可能となります。

・ストレスを解消し、不眠などの症状を緩和できる

糖尿病を患っている方のなかには厳しい食事制限などによってストレスがたまり、なかなか眠れないという方もいらっしゃるでしょう。

水には鎮静作用があるといわれており、心を落ち着けてストレスを解消する効果が期待できます。

また不眠症でお悩みの方は就寝前に白湯を飲むと水分補給と同時に心を落ち着けることができます。

・手や足などのむくみを解消できる

糖尿病の症状としては「手足のむくみ」があげられるでしょう。

むくみとは体のめぐりが悪かったり体内の水分不足が引き起こす症状であるため、脱水状態になりやすい糖尿病を患った人の体でも比較的生じやすい症状となっています。

糖尿病を患っている人にとっては慢性化しやすいむくみの症状を改善できる点でも水分補給には意味があるといえます。

・疲労が回復しやすくなる

血液の流れを促進すると体が必要とする栄養をしっかりと供給できるだけでなく、老廃物を効率的に体外へ排出することが可能です。

しかし血液濃度が濃くなった脱水状態の体内ではこのような血液の働きが鈍くなってしまい、徐々に疲労が蓄積していってしまうでしょう。

そこで、水分をしっかりと補給すると血液の流れが正常な状態に戻ります。

栄養の供給や老廃物の排出が正常に行われるようになり疲労回復効果を得ることが可能です。

したがって、糖尿病を患っている人にとって水分補給をすることには蓄積しやすくなっている疲労を解消できるという点でもメリットがあるといえるでしょう。

 

まとめ

血糖値の上昇は糖分を多く含む食べものを摂取することだけでなく血液自体の濃度が濃くなることでも進行します。

血液濃度の上昇には脱水が大きく関係することから、血糖コントロールにおいては適切な量の水分補給をすることが非常に重要となります。

運動などをすると清涼飲料水で水分を補給したくなりますが、入っている糖分で血糖値を上げることになってしまいますので糖分の入っていないお茶や水などでこまめな水分補給を心がけることが大切です。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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