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うつ治療最前線!抗うつ剤に頼らない方法

 2015/12/22 生活習慣病
この記事は約 5 分で読めます。 2,170 Views

うつ病は誰もがかかる可能性のある病気です。過労やストレス、環境の変化などにより発症し、更年期や老年期にも起こりやすいと言われています。抗うつ剤とそれ以外の治療法である精神療法についてご紹介します。

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抗うつ剤の効果

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うつ病の原因は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの分泌が低下することです。治療には、一般的にセロトニンやノルアドレナリンの働きを高め抑うつ症状を緩和する抗うつ剤が用いられます。

併用されるものとして抗不安薬があります。これは、うつ病の症状の中で、不安感やイライラを鎮めるために用いられます。日本で用いられている代表的なものは「ベンゾジアゼピン系」です。ベンゾジアゼピン系の作用には、「GABA(ガンマアミノ酪酸)」という脳内の中枢神経を抑制する作用を持つ神経伝達物質がかかわっています。ベンゾジアゼピン系には、脳内の情動と深い関係のある大脳辺縁系と視床下部にあるGABAの受容体を増強させ脳の活動を抑制し、不安な状態を抑える作用があります。ベンゾジアゼピン系の作用効果は、服用後約1~2時間で現れ、抗うつ剤よりも早く効きます。このため、不眠に対しても用いられる場合があります。うつ病そのものの治療手段ではありません。

 

抗うつ剤の副作用

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副作用としては、一つには脳の活動を抑えるために起こる「眠気」や「ふらつき」、「脱力感」などがあげられます。二つ目には、依存度が高まることです。長期間服用を続けていると、現在の量では効き目が弱くなってしまい、だんだん量が増えていく傾向があります。また、ベンゾジアゼピン系の場合、長期間服用した後急に服用をやめると、痙攣や発作などの深刻な症状がでることがあります。薬の服用は、なるべく短期間にしたいものです。主治医と相談しながら適切に服用しましょう。

 

精神療法とは

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抗うつ剤を使用する治療法は、効果がある反面、副作用があるため、戸惑う患者さんも多いものです。副作用のほとんどない治療法として、精神療法が上げられます。これは、医師との対話やコミュニケーションを通して、抑うつ状態を変える考え方や感情のコントロール方法を身につける治療法です。精神療法には、否定的な考え方をしない思考方法を身につける認知行動療法や、周りの人たちとのコミュニケーションによって、症状を改善していく対人関係療法などがあります。

一般的には、まず薬物療法によってうつ病の症状を落ち着かせ、自分を客観的に見られるようになってから精神療法を開始します。

 

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2つの精神療法

その1 認知行動療法

うつ病は、抗うつ剤による薬物療法だけでは治すことが困難な場合があります。うつ病の抑うつ状態には、本人の物事に対する考え方が関係していると考えられています。例えば、テストの点が60点だった時に「60点しか取れなかった」と否定的に考えると、「私はダメだな」と気分は落ち込みますが、「60点も取れた」と肯定的に考えると気分は晴れやかになります。物事の考え方や受け止め方を自分でコントロールできるようにする方法を身につけることが認知行動療法です。

その2 対人関係療法

対人関係療法は、他人との関係において生じるストレスを減らすための療法です。今現在のコミュニケーション法を振り返ってもらい、医師が改善点をアドバイスしていきます。良い人間関係を作れるようになることで、ストレスの軽減を図るものです。

 

磁気刺激治療法とは

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うつ病の脳は、疲労や強いストレスなどをきっかけに、脳内の神経伝達物質のバランスが崩れた状態にあります。神経伝達物質のバランスが崩れるとは脳の機能低下を招きます。この時ダメージを受けているのが、脳の中の認知や意欲、判断力に関係している「DLPFC(背外側前頭前野)」と呼ばれる領域です。DLPFCは恐怖や不安、悲しみなどの情動をつかさどっている扁桃体の過剰活動を抑制する特徴も持っています。ダメージを受けると扁桃体の活動を抑えることができなくなり、抑うつ状態を引き起こしてしまうのです。「磁気刺激治療法(TMS)」とは、このDLPFCの機能を回復するために用いられる治療法です。

 

磁気刺激治療法の魅力

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頭に磁気刺激を与えるコイルを装着し、脳のDLPFCの部分に磁気刺激を与えます。そうすることでDLPFCの機能回復を促し、さらに、扁桃体の過剰活動を抑制します。磁気治療は1回の治療で約40分です。それを週に3~5回、6~10週かけて行います。

薬物治療は、完治するまでに長い時間がかかり、副作用を伴います。それと比較すると、磁気刺激治療法は治療期間が短く副作用がほとんどないことがメリットといえます。うつ病がなかなか治らず、数年から数十年悩まされている人は試してみる価値があるでしょう。アメリカでは、FDA(アメリカ食品医薬品局)に認可された医療機器として500か所以上(2014年現在)の医療機関で利用されています。日本のクリニックにも導入が始まっています。

 

まとめ

うつ病の治療は、抗うつ剤の投与が中心ですが、長期間服用した時には副作用の心配があります。精神療法を取り入れている病院もあります。新しい方法としては、磁気刺激治療法も行われ始めています。

誰でもかかる可能性がある病気ですが、様々な方法があります。もし、ゆううつだなと感じたり、不眠などの兆候が現れたら、早めに病院に行ってみましょう。自分に合った方法で早めに治すことが可能です。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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