食事に唐辛子を入れると高血圧対策になる!「カプサイシン」のパワーに迫る
あなたは「カプサイシン」をご存知でしょうか?
これは唐辛子の辛味となっている成分ですが、このカプサイシンには血圧を下げる効果や冷え性、便秘などにも有効であるとして注目されています。
カプサイシンのもつパワーについて詳しく解説します。
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唐辛子に含まれる栄養素「カプサイシン」とは
「カプサイシン」は唐辛子の辛みとなっている成分で、水素と酸素、窒素でできています。
気体になりにくいという性質があり唐辛子を砕いても過熱しても壊れにくいのが、料理によく使われている唐辛子の成分です。
また、カプサイシンは油やお酒、酢に唐辛子を浸けると溶け出しやすいですが、水には溶けだしにくいという性質もあります。
カプサイシンは唐辛子を生の状態で食べても吸収率が悪く、10%程度しか吸収されません。
茹でた場合も30%にしかならないですが、油と一緒に摂取すると吸収率を30~70%に上げることができます。
カプサイシンを効率よく摂取したいのであれば、ラー油や豆板醤、かんずりなどの調味料を利用するといいでしょう。
カプサイシンは唐辛子のどこで作られているかというと、種に近い部分にある胎座という部分で作られています。
よく種でカプサイシンが作られていると思われがちですが、唐辛子全体が辛いのは分散したカプサイシンが付着しているからに過ぎません。
唐辛子は実ができてからずっと辛いわけではなく、受粉してから14日経ったあたりから唐辛子の中で辛味成分が作られ始めます。
20日目ぐらいから急激に増え始めて辛みがピークになるのは30日目ぐらいであり、その後は少しずつ減っていきます。
果実が真っ赤に熟すのは40日目ぐらいなので、その前に辛みが最大になるということです。
そしてこれも誤解されやすいですが唐辛子の赤い色素成分はカプサイシンではありません。
「カプサンチン」という別の色素成分です。
カプサイシンはバニリルアミンと脂肪酸がアミド結合したカアルカロイド、「カプサイシノイド」の1種に分類されます。
カプサイシノイドは約20種類あり、そのうち主な成分は以下の5種類です。
・カプサイシン
・ジヒドロカプサイシン
・ノルジヒドロカプサイシン
・ホモカプサイシン
・ホモジヒドロカプサイシン
カプサイシノイドは唐辛子の種類によって含まれている率が変化し、1番よく含まれているカプサイシノイドとしてはカプサイシンで約60~70%、ジヒドロカプサイシンで約30~40%となりこの2つで約90%を占めることになります。
カプサイシンはシャープな辛みですが、ジヒドロカプサイシンが多い場合は後を引く辛さが口の中に広がるといった違いがあります。
カプサイシンの辛みは五味に含まれません。
これは五味の場合は舌の味蕾だけで感じるのに対して、辛みの受容体(センサー)は感覚神経の細胞になるからです。
カプサイシンの受容体の役割は本来43℃以上の熱に対して感覚神経を使い電気シグナルを発生させ脳に情報を伝えるというものですが、酸やカプサイシンといったほかの刺激にも反応するという特徴を持っています。
さらに感覚神経は全身にあるので、カプサイシンの辛みは胃や肛門といった口以外にも伝わっていくことになります。
詳しく説明すると、カプサイシンによりもたらされる灼けるような痛みというのは「TRPV1(トリップ・ブイワン)」とアノクタミン1の相互作用が引き金となってもたらされます。
TRPV1は先ほど述べた受容体のことで感覚神経を興奮させる役割をします。
アノクタミン1はイオンを通すことで神経細胞の興奮性を抑えますが、感覚神経においてはイオン濃度が高いためにイオンが流れ出てしまい電位が変化、逆に興奮をもたらします。
カプサイシンが血圧を下げる理由
マウスでの実験ではカプサイシンを添加したエサを与え続けたところ、5カ月経ったころに血圧が低下したという結果が出ており、高血圧の治療の手助けになるのではと注目されています。(※1)
また、カプサイシンにはアドレナリンを出す働きがあります。
カプサイシンを摂取すると脳の指令が肉体の刺激に反応し、副腎皮質にアドレナリンを出すように指示するためです。
アドレナリンは脂肪燃焼効果のあるリパーゼを出したりするのですが、血圧を下げるという効果も期待できます。
アドレナリンの一般的なイメージとしては血圧や心拍数が上がるようなイメージが強いかもしれませんが、これはアドレナリンが分泌過剰になった場合です。
唐辛子でカプサイシンを摂取するぐらいの量であれば逆に血圧を下げることにつながります。
カプサイシンには血管を拡張させる作用があります。
辛いと血圧が上がりそうに感じるかもしれませんが、血管が拡張することで心臓に流れる血液が強い圧力をかけなくてもスムーズに運ばれることになり、結果心臓に負担をかけずに済みます。
また、カプサイシンはコレステロール値を下げる作用もあるので、コレステロールが血管の壁に付着するのを防ぐ効果も期待できます。
コレステロールの付着が減少することで血液が通りやすくなり、高血圧の予防にもつながるということです。
カプサイシンが減らしてくれるコレステロールはLDL(悪玉)コレステロールだけで、HDL(善玉)コレステロールには影響しません。
また、カプサイシンは既に付着してしまったコレステロールも薄く小さくしてくれるのでは、という見解も示されています。
それだけではなく、カプサイシンには動脈収縮、および血流量を減少させる遺伝子作用を阻害するという働きもあります。(※2)
高血圧の原因が肥満にある場合、カプサイシンのアドレナリンにより代謝をよくする働きも高血圧の改善に役立ってくれます。
カプサイシンには体温を上げて発汗を促し、脂肪を燃焼させるという効果が期待できますが、これはすなわち代謝をよくすることにつながるということです。
代謝がよくなれば消費されるカロリーも増えることになり、血圧も減少していきます。
肥満の人が減量するとそれだけで血圧低下が期待できるからです。
(※1)参考/ Nancy R. Gough/生理学 高血圧を減らすためのスパイシーな食事/
http://www.cosmobio.co.jp/aaas_signal/archive/ec_20100810.asp
(※2)参考/宇山恵子/唐辛子の成分が心臓病予防に効果!/
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32286
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カプサイシンのその他の働き
・冷え性や便秘の改善のほか疲労回復効果も
カプサイシンは末梢血管まで血流を良くしてくれる働きがあるので、身体を温めることができ冷え性の改善が期待できます。
新陳代謝が活発になることで血行が促進され老廃物の排出を促すことにより、疲労回復効果も見込めます。
疲れているときは食欲が減退するかもしれませんが、カプサイシンの持つ辛みは唾液や胃液の分泌を盛んにするため食欲を回復させる効果ももたらします。
胃液が分泌されることにより胃が保護され、必要な栄養をしっかりと吸収することにもつながります。
さらにカプサイシンには整腸作用があり、便を排出するために必要なぜん動運動を促進することによって、便通改善にも役立ってくれます。
・鎮痛効果は湿布やクリームにも利用されている
カプサイシンには鎮痛作用があるので、痛みに対処するための湿布やクリームの成分に使われています。
なぜ発痛物質でもあるカプサイシンに鎮痛作用があるかというと、カプサイシンによる刺激が他の刺激への反応を低下させるためだとされています。
上述の辛みに対するセンサーとなる「TRPV1」のメカニズムにより、他の痛みへの感受を低下させることができます。
・胃粘膜保護により胃潰瘍を発症しにくくなる
感覚神経を介すことで胃酸の分泌が抑制されることにより、胃粘膜の保護作用が得られます。
この作用によりカプサイシンを少量摂取すると胃潰瘍になりにくくなることが動物試験で分かっています。
ただし、TRPV1が機能しなくなるほどカプサイシンを大量摂取すると保護作用がなくなるので注意が必要です。
・代謝や血行促進により育毛効果も
カプサイシンの代謝改善や血行促進は育毛効果ももたらしてくれます。
また、皮脂の過剰分泌を抑えることにより毛穴の詰まりが解消するという効果も期待できます。
毛を生やすために必要な毛母細胞が必要な栄養や酸素を十分取り込めるようになることで、健康な毛を生やせるようになります。
・さまざまな効果が高じて美肌を目指せる
カプサイシンはこれまで述べてきたように発汗作用があり老廃物の排出を促し、疲労回復効果や便秘解消効果が得られます。
アドレナリンの分泌を促すことでストレス解消にもつながるので、肌がきれいになっていくという女性にうれしい効果が望めます。
さらにカプサイシンが含まれている唐辛子にはビタミンCやビタミンEがたくさん含まれており、肌の細胞の老化防止にも役立ってくれます。
健康だけではなくアンチエイジングのためにも利用したい香辛料です。
・刺激成分は虫よけや動物除けに使われている
クマ撃退用や護身用の催涙スプレーにはカプサイシンの刺激作用が利用されています。
ゴミにたかるカラスよけのためのネットにも、このカプサイシンを含んだものが販売されています。
ネズミによる農作物への被害を防ぐために忌避剤としても利用されており、カプサイシンは食品だけではなくさまざまな製品に有効活用されている成分です。
また、唐辛子に含まれるカプサイシンは天然成分なので、農作物への虫よけとして使っても安心して食べられることができるなど、安全な虫よけ剤として幅広い用途があります。
カプサイシンの摂り過ぎには注意
唐辛子が大量に入った料理を食べた後、トイレに駆け込んだ経験がある人もいるのではないでしょうか。
カプサイシンは過剰摂取すると健康に被害をもたらすこともあるので、摂取量の限界量を超えないようにしましょう。
1回の食事量での摂取目安は体重1kgに対して1日5mgです。
体重が60kgある人の場合、300mgになります。
ただし、これは伝統的な食事における推定最大摂取量なので、食べ慣れていない人や辛みに対して敏感に反応してしまう人はもっと減らすようにしましょう。
カプサイシンの過剰摂取で起きる症状としては目であれば流涙症、鼻であれば鼻液漏です。
さらに排尿障害や胃食道逆流症も引き起こします。
この他にも粘膜の炎症に吐き気、嘔吐、高血圧が起きることもあり、これらの症状は子どもなどが特に発症しやすいので気をつける必要があります。
カプサイシンにより刺激されることで息切れや咳が生じ、直腸は灼熱感を感じることもあります。
なぜカプサイシンがこのような症状を引き起こすかというと、カプサイシンの辛みは舌への刺激だけではなく気管支や消化器官にも影響を及ぼすからです。
カプサイシンには上述のように胃酸分泌を抑制することで胃粘膜を保護してくれるという作用がありますが、大量摂取をすると感覚神経が機能しなくなりこの胃粘膜の保護作用がなくなることもわかっています。
カプサイシンには致死量も存在し、体重が50kgの人であれば3,000~3,750mgの摂取で命の危険が生じてきます。
唐辛子だと1gで約3mgしかカプサイシンは含まれておらす、サプリにしても1粒当たりに含まれているカプサイシンは数mgなので致死量を摂取することはまずありませんが、大量に摂取すると命に係わることもあるということを覚えておきましょう。
カプサイシンによる味覚障害も見逃せません。
あまりに辛い料理を食べ過ぎると、舌に刺激が伝わりすぎて「味蕾(みらい)」という舌の感覚器官が麻痺してしまいます。
カプサイシン自体に発ガン性はありませんが、過剰摂取することによりガン細胞と闘うための免疫細胞を弱めることになり、ガンを誘発する可能性は否めません。
また、カプサイシンの痛みや刺激成分は、脳にとってストレスとして認識されます。
脳はストレスを回避するためにアドレナリンを分泌させるのですが、アドレナリンが過剰に分泌されると脳の一部が損傷を受けることになります。
このような状態になるとうつを患ったりパニック障害や睡眠障害といった精神疾患を起こしやすくなったりします。
健康な精神を保つためにも毎日大量のカプサイシンを摂取するということはやめておきましょう。
唐辛子の中にはタイ産の辛くない唐辛子も存在し、その中にはカプサイシンと同じような作用を持つ「カプシエイト」が含まれています。
辛みがないことにより生理作用を引き起こすための摂取量を達成しやすいこのカプシエイトは、脂質の代謝回転、エネルギー代謝の増加をもたらし脂肪の蓄積を抑制してくれます。
しかし、皮下投与による実験では足底皮下では痛みが生じたという結果が出ています。(※1)
決して大量摂取による影響が全くないわけではないので、カプサイシンと同様に適度な量を心がけるようにしましょう。
(※1)参考/川端 二功,伏木 亨/「トウガラシの辛みと痛みとエネルギー代謝」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kagakutoseibutsu1962/43/3/43_3_160/_pdf
まとめ
唐辛子は食欲を増進させ疲労回復の効果を期待できることで知られていますが、唐辛子に含まれるカプサイシンは高血圧対策としても注目されています。
とはいえ万能薬ではありませんし、摂り過ぎると弊害もあります。
規則正しい生活、栄養バランスのとれた食事を第一にしたうえで、カプサイシンのもつパワーを効果的に活かしましょう。
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