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糖尿病治療最前線!お医者さんに聞いた3つの基本

 2015/12/15 生活習慣病
この記事は約 9 分で読めます。 3,229 Views

糖尿病は、糖尿病そのものよりもそこから派生する合併症の症状が命にかかわるものが多いという特徴があります。

糖尿病治療の目的は、高血糖が原因で引き起こされる血管合併症や神経障害などの予防です。

それに加えて、糖尿病治療で血糖値をコントロールすることで生活習慣病の改善にもつながります。

そのために食事療法、運動療法、インスリン療法の三つの組み合わせで血糖値の改善・正常化を目指します。

食事療法の基本

shokuji

食事療法、運動療法、インスリン療法の三療法はどれも重要ですが、特に治療の土台となるのがこの食事療法です。

その狙いは、必要なエネルギーをバランス良く摂り、血糖の急で大幅な上昇を避けることと肥満を解消・予防する、高血圧症をはじめとする糖尿病合併症を防ぐことです。

糖尿病とは、摂取した栄養が変化したブドウ糖が血液中に多くなってしまう病気です。

血液中のブドウ糖の濃度のことを「血糖値」といい、食事をすると血糖値が上昇します。

血糖値が上昇すると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されます。

このインスリンの働きによって、ブドウ糖をエネルギーに変えることで上昇した血糖値が下がります。

糖尿病は、このインスリンの働きが弱まり、血中のブドウ糖をうまく処理できなくなる生活習慣病なのです。

食事療法は、食事の量や栄養分の配分をコントロールすることによって、血糖値を調節することが出来るのです。

 

食事療法の注意点

食事療法の注意点として、糖質を摂り過ぎないように常に意識し厳守することです。

糖質が血糖値を上げる主原因ですので、とにかくまずは糖質制限から始めることが最も重要です。

つぎに私たちの体を構成している栄養素をしっかりと摂ることです。私たちの体は、主にタンパク質と脂質でできています。

タンパク質には必ず摂取しなければならない必須アミノ酸が、脂質にも必ず摂取しなければならない必須脂肪酸があります。

これらの必須栄養素に加えビタミンやミネラルをバランスよく摂ることによって、糖尿病だけではなくさまざまな病気の予防・改善に繋がり、結果的に健康を維持することが出来ます。

なかでも、適切な糖質コントロールとバランスの取れた食生活は、同じく生活習慣病のひとつである高血圧の予防にも効果を発揮します。

糖尿病の影響で高血圧になる理由は、血糖値の上昇により細胞の中と外の浸透圧バランスが崩れることにあります。

崩れたバランスを元に戻そうとすると、心臓に負担がかかり、高血圧を招きます。

さらに、インスリン抵抗性によって、血糖値を下げるために大量のインスリンが必要になり体内のインスリン濃度が上がります。

すると、交感神経を刺激する、塩分排泄機能が低下する、血管が狭くなるといった理由で血圧が高くなるのです。

また不規則な食生活は血糖値変動を増加させるので、すい臓に負担がかかってしまいます。

一日の食事はできる限り規則正しく摂り、ゆっくりよく噛んで楽しみながら食べましょう。

 

運動療法の基本

運動療法は、糖尿病の予防・改善のために食事療法と同じくらい重要です。

運動を効果的に取り入れることで、継続的な血糖値のコントロールに極めて有効なだけではなく、2型糖尿病の最大原因である肥満解消にも役立ち、動脈硬化などの生活習慣病を予防できます。

運動を継続して行うと、筋肉量が増えて低下しているインスリンの働きを促進する効果があります。

また、食後1時間以上経ってから体を動かすことで、ブドウ糖や脂肪が効率よく消費されて血糖値を下げることができます。

さらに関節・骨・筋肉が強化され、全身が若々しくなり老化の防止やストレス解消にもなるのです。

勘違いしてはいけないのは、運動をしたからと言って大量にエネルギーを消費できたわけではないという事です。

「運動したからその分たくさん食べてもいい。」と思っている人も多いですが、それではせっかく運動した意味が無くなってしまうのでやめましょう。

また、以下の項目にあてはまる人には運動療法は適していません。

 

・足にえそのある人
・血糖値が著しく高く、血糖コントロールが難しい人
・心筋梗塞、狭心症、心臓病を患っている人
・進行した合併症(腎不全など)がある人
・重い神経障害(強いしびれなど)がある人
・増殖性網膜症を患っている人(眼底出血の恐れがあります)
・感染症(発熱、だるさ)のある人

特に進行した高血圧などの合併症がある人は体を動かすことによって病状悪化に繋がる場合もあります。

どの程度体を動かすべきか、どんな運動療法が適しているのか主治医と十分に相談する必要があります。

 

運動療法のポイント

POINT

運動には、大きく分けて「無酸素運動」と「有酸素運動」があります。

無酸素運動は、瞬間的な筋力を使って行う運動で酸素を必要としません。

筋力トレーニングや短距離走は、無酸素運動に分類されます。

筋肉を鍛えるのには効果的ですが、脂肪の燃焼を目的とする糖尿病の運動療法には向いていません。

糖尿病を予防・改善するための運動療法のポイントとしては、有酸素運動でエネルギーを確実に消費することが基本となります。

有酸素運動は、必要な筋肉(赤筋)を使用し持続的に運動することを指し、脂肪を燃焼させる効果が極めて高いです。

運動強度としては、少し汗をかくくらいの運動を1回20分以上行います。

ポイントは息切れするほどの激しい運動ではなく、ちょっと汗ばむくらいの運動を継続することです。

いくら有酸素運動をしても、呼吸が浅くなると酸素を十分に得られず、効率よく脂肪を燃やすことができないのです。

これを週に3~5回を目安に、食後1~2時間後に行うと効果的です。

早足でのウォーキングや遅めのジョギング、水泳、サイクリング、体操などがオススメです。

運動開始後20分を過ぎた頃にブドウ糖エネルギー消費から内臓脂肪や皮下脂肪消費に変わりますので、20分程度で休憩を挟まずに続けましょう。

運動の量や時間は、無理がない適切な運動を選ぶことが継続させるコツです。

肥満は、糖尿病・高血圧・高脂血症など生活習慣病を悪化させる原因となります。

 

インスリン療法の費用

糖尿病になると血糖値が高くなりますが、これはすい臓から分泌されるインスリンというホルモンの効果が薄れたり、分泌に障害が起こるためです。

このような場合はインスリンそのものを外部から補ってあげる必要があります。

具体的な方法としては、注射器を用いてインスリンを注入し、血糖値を下げる「インスリン療法」があります。

糖尿病のインスリン注入は、患者本人が自分で注射器をもって注入するケースがほとんどです。

食事の直前に自分でインスリンを注入し、食後の血糖値上昇を抑えるのです。

最初は「注射は医者が行うもの。自分でやるのは怖い。」と思われる人も多いですが、慣れてしまえば大丈夫だという意見が大半です。

自分で注射する理由としては、糖尿病は食後の血糖値上昇を抑えることが大切なので、毎回食事直前に注射をする必要があるからです。

ひとりひとりの生活スタイルに合わせて、自分のペースで注射することができるという点から現在ではポピュラーな糖尿病治療法のひとつになっています。

1型糖尿病・2型糖尿病どちらの糖尿病にも効果的な治療法です。

インスリン療法は1型糖尿病患者さんには必須で、2型糖尿病患者さんでも症状が深刻であったり薬を服用出来ない場合や投薬効果が薄い場合、さらに妊娠中などに行われます。

2型糖尿病になり、インスリン療法を始めてから症状が改善したという意見も多いです。

用いられるインスリンは超速効型、速効型、中間型、持続型(特効型溶解)の4種類があり、その効果で血糖値が上昇するまでの時間により分けられています。

一番短い超速効型は約15分、持続型では3時間ほどで、大きく差があります。

注射は皮下組織(脂肪がある箇所)に打ちます。

インスリン療法にかかる費用ですが、

・注射器の種類
・針の種類
・インスリンの種類
・インスリンの量
・注射の頻度

などによって異なります。

個人差はあるものの、平均するとインスリン注射が必要な糖尿病患者の月々の医療費は1万円~2万円になります。

その他、検査にかかる費用や通院に係る交通費などを考慮するともっと費用がかかります。

注射をする部分は、吸収が早く打ちやすいという理由でお腹に打つのが一般的で、その他は上腕や臀部(お尻)、太股の順で吸収速度が速いです。

そして注射をした後にその箇所の筋肉を使うようにすれば、より吸収が早くなります。

 

インスリン療法の注意点

注意点として、血糖値を下げる療法ですので、その間は低血糖にならないように気をつけることがあげられます。

注射により急にインスリンが体内に入ると、その効果で血糖値は下がりますが、体は自然な反応として血糖値を下げようとします。

ひどいと手足の震えや吐き気、意識を失ったりすることもあります。

その場合は清涼飲料水や果汁入りジュースなどを飲むと徐々に改善します。

含まれているブドウ糖が血糖をあげてくれるのです。

しかし、低血糖予防のためと注射薬の量を減らしたりすると、治療の十分な効果が得られなくなります。

安易な自己判断は避け、必ず専門の医者に相談してください。

 

まとめ

糖尿病の血糖値コントロールは、患者さん自身の意識がとても大切です。

ポイントは血糖コントロールにより合併症をどれだけ予防できるかということです。

糖尿病についての正しい知識を身に付け適切な行動を持続させれば、普通の生活を送ることが出来るのです。

最初は戸惑うこともあったり不安に感じることもありますが、身近な人に話すことで糖尿病を受け入れられるようになる人も多いです。それが、自己管理へ繋がる最初の一歩となります。

糖尿病治療の基本は、食事療法・運動療法・インスリン療法の3つです。

食事療法で、必要なエネルギーと栄養を見極め、適度な有酸素運動を取り入れて、インスリン注射で血糖値をコントロールしていきます。

この3つの治療を適切に行うことができれば、糖尿病の改善・予防に効果が表れます。

上記の3療法で糖尿病をうまくコントロールして、人生の中でつき合っていきましょう。

 

▼糖尿病を徹底解説!血糖値・インスリン・糖尿病合併症・糖尿病専門医・食事療法の記事まとめ

▼今すぐに糖尿病を改善したい!3日で血糖値を下げる方法

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。


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