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胆管がんは「見つかってから死亡するまで」が早い理由とは?見つかった場合の対策方法

生活習慣病
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死亡率が高く知名度も高い肺がんや胃がん、大腸がんなどに比べると「胆管がん」はあまり知られていないかもしれません。

しかし、この胆管がんには検査で見つかってから死亡するまでが早いという特徴があり、他のがんとは若干異なるタイプのものであるという認識が必要です。

今回は、そんな胆管がんに関して、見つかってから死亡するまでが早い理由や、主な症状、実際に行われている治療法、生じる可能性のある副作用について解説します。

胆管がんが死因になる理由

まずは胆管がんの基本的な情報とそれが死因になってしまう理由について見ていきましょう。

そもそも胆管は肝臓と十二指腸の間にあり、その内部には肝臓で生成された消化液である胆汁が通っています。

このことから、胆管とは「胆汁のとおり道」であるという認識をしておくと胆管がんについても理解がしやすくなるでしょう。

この胆管という器官は、それ自体が非常に小さく、その大部分が肝臓と十二指腸の内部にあるという特徴もあります。

そのため、この器官に生じる異常は非常に見つけにくく、異常が生じていることが分かったころには重症化してしまっているというケースも少なくありません。

このことから胆管に生じるがんも見つけにくいため、後述する黄疸や便の色の異常などの胆管がんの症状が現れるころには既にがんそのものが進行してしまっているというケースも少なくありません。

また、胆管がんに関しては検査による発見が難しく、例えば採血による腫瘍マーカーや超音波検査を行っても、初期の段階ではその発見が非常に難しくなっています。

そのため、胆管がんは症状が現れて内視鏡検査を行って初めて発見されるケースが多く、そのころには既に初期の段階を過ぎており、いくつかの治療法は施せない状態になっているというケースも珍しくありません。

以上のことは、胆管がんが発見から死に至るまでのスピードが速く、死因になりやすい原因のひとつといえます。

日本では胆管がんの患者は決して珍しくはないものの、海外ではその患者数にばらつきがあります。

特に欧米では日本より胆管がんの患者数が少なく、日本ほど知られていないがんの1つとなっています。

一方、アジアでは日本と同様に胆管がんの患者数は決して少なくはなく、日本と同じように死に至る可能性の高いがんの一種として広く認知されています。

国あるいは地域ごとの胆管がん患者数の違いから、その治療法に関する研究への力の入れられ方に差が生じており、日本をはじめとしたアジアでの胆管がんの治療に関する研究に比べて、欧米での胆管がんの治療に関する研究は規模が小さくなっています。

このことから胆管がんが死に至りやすい理由としては、治療法に関する研究が世界的な規模で十分に行われているとはいえないという点も挙げられるでしょう。

また、日本をはじめとしたアジアにおける胆管がんの研究も大きく進んでいるといえる状況にはないことから、現時点でもはっきりとした治療法が確立されていないという点も胆管がんの治療が難しく、死に至りやすい理由となっています。

ちなみに日本での胆管がんによる死亡者数はすべてのがんにおいて、肺、大腸、胃、膵臓、肝臓に続く6番目に多い人数となっており、研究が進むことだけでなく、今以上に広く認識される必要のあるがんの1つとして挙げられます。

 

胆管がんの症状

検査で見つけにくい胆管がんは、その症状にいち早く気付くことが治療においては非常に重要です。

そのためにも以下の基本的な症状は覚えておくようにしましょう。

・黄疸

胆管がんの症状の中でも比較的初期の段階から現れるもののひとつが黄疸です。

この症状は、がんが発生したことによって胆管内が狭くなってしまい、胆汁の流れが悪くなることによって生じます。

具体的には血液中のビリルビン濃度が高くなることで現れる皮膚や目の白い部分の黄ばみが黄疸の症状であり、これらが目立つようになったら胆管がんであることを疑い、検査を受けるようにしましょう。

また、黄疸が出るようになるとそれと同時に強いかゆみを感じるようになることもあります。

・便の色の異常な変化

胆管がんになることで胆汁が腸に流れてこなくなると便は白っぽいクリーム色になります。

この症状も胆管がんの比較的早い段階で現れることが多く、また、黄疸に比べるとその症状にも気づきやすいことから、胆管がんを疑うきっかけのひとつになりえます。

・尿の変色

胆管がんにかかると、血液中でビリルビンという物質の濃度が高くなり、ビリルビンは尿といっしょに体外へ排出されます。

これにより尿は茶色く変色することから、この症状もまた胆管がんを見極める基準のひとつとなります。

・腹痛

胆管を通る胆汁は消化液の一種であることから、胆管がんになり胆汁が腸に流れてこなくなると食べたものをうまく消化できない状態になってしまいます。

これにより腹痛を感じることは多く、このこともまた胆管がんの症状のひとつとして覚えておくとよいでしょう。

ちなみに胆管がんによる腹痛はみぞおちや右脇腹に生じやすいという傾向があります。

・発熱

体内で炎症が生じると発熱という症状となり、体外からも確認できるようになります。

胆管がんのような消化機能にかかわる疾患では、このような発熱の原因となる炎症を引き起こすことが多いことから、発熱もまた胆管がんの典型的な症状のひとつといえます。

・倦怠感

胆汁が腸に行き届かなくなることによって生じる消化不良は、体のさまざまな器官の働きに影響を及ぼし、免疫力の低下などを引き起こすこともあります。

これにより体力が衰退すると著しい倦怠感を感じるようになるので、このような倦怠感もまた胆管がんの症状のひとつといえるでしょう。

・食欲不振

食べたものの消化がうまく行えない状態が続くと、体は新たな食べ物を受け付けないようになり、食欲不振という症状として現れます。

胆管がんが消化機能に影響を及ぼすことから起こる症状です。

・体重の減少

食べたものの消化がうまく行えないと十分な栄養を摂取できなくなってしまいます。

胆管がんになるとこの状態が長期間にわたって続いてしまうことから、体重は著しく減少してしまいます。

また、胆管がんになると食欲不振になってしまうことも多いため、そもそも体が食べ物を受け付けないことによっても体重は減少してしまいます。

・激しい痛み

末期の胆管がんでは他の器官の働きにも大きな影響が及ぶようになります。

このことから、腹部だけでなく体のいたるところで激しい痛みを感じるようになることも胆管がんの症状のひとつといえます。

 

胆管がんが見つかったあとの治療

胆管がんが見つかってしまったとしても適切な治療を受ければ完治させることは可能です。

具体的な治療法としては以下のものが挙げられ、医師と相談の上、症状やステージに合ったものを選ぶようにしましょう。

・切除

特に初期の胆管がんでは切除による根治が可能です。

ただし、胆管は大部分が肝臓の内部にあることから、胆管だけを切除することは難しく、肝臓の一部と共に胆管を切除することとなります。

よって、切除する肝臓の量によっては術後に肝不全を起こしてしまうこともあるため、切除手術を行う前に残す側の肝臓を大きくする「術前門脈塞栓術」という手術を行う場合があります。

・化学療法

患者に手術に耐えるだけの体力がない場合や、手術によりすべてのがんを取り除くことが難しい場合は、切除による胆管がんの治療が不可能と判断されることもあります。

この場合、化学療法による根治を目指すこととなります。

化学療法とは抗がんを使用する治療法で、胆管がんに関してはゲムシタビンとシスプラチンという2種類の薬物を使用した併用療法を行うのが標準療法とされています。

この化学療法では、週1回、3時間程度の点滴を第1週と第2週に行い、第3週を休薬とする3週間にわたる治療を1セットと考え、症状の改善具合などを見ながらセット数の調整を行います。

また、この治療は症状の重さにもよるものの入院をせずに行うこともでき、人によっては働きながらこの治療を受けるというケースもあります。

・放射線治療

胆管がんでは手術が不可能と判断されると放射線治療を推奨されることもあります。

この治療には、体の外側から少ない量の放射線を数回にわたって照射する外部照射法と、胆管内に細いチューブを通し、その内部からラジウムやイリジウムの針を使用した放射線の照射を行う腔内照射法があり、医師の判断で適切な方法がとられます。

しかし放射線治療はまだ有効性について十分な確認がとられておらず、標準治療には指定されていません。

このことから、根治の見込みがある段階では有効性が確認されている化学療法が優先されることが多く、放射線治療は痛みを緩和するといった目的のもと行われることが多いという傾向もあります。

・免疫療法には注意が必要

がんの治療法としては体本来の免疫力を高めることによって根治を目指す「免疫療法」への注目も高まっています。

そのため、胆管がんの治療として免疫療法を選択肢のひとつとして考えている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現時点で免疫療法による改善効果が見込めるがんは限られており、残念ながら胆管がんはその中に含まれていません。

また、免疫療法は効果に関する有効な確証がないだけでなく、それを行うことで副作用が生じると化学療法ができなくなってしまうこともあるため、少なくとも胆管がんの治療においては有効ではないと認識しておく必要があります。

 

胆管がん治療の副作用

胆管がん治療の合併症も含めた副作用には以下のものがあります。

治療を行った後はこれらの副作用が生じる可能性があるということを知っておくと、治療後に適切な処置を受けることができて精神的な負担も軽減することができます。

・激しい痛み

胆管がんの切除手術では肝臓の3分の1程度を取り除くこともあり、術後しばらくの間は激しい痛みが生じます。

また、このような痛みは体の内部だけでなく、皮膚の切除した部分で生じることもあります。

・腹膜炎

胆管の切除手術を行うと、切除した部分から胆汁が漏れ出すことがあります。

これによって引き起こされる腹膜炎もまた、胆管がん治療の副作用のひとつとして挙げられます。

・出血や感染症

胆管の切除手術を行った後は胆汁だけでなく膵液が漏れ出してしまうこともあります。

これにより周辺の器官では出血や感染症を引き起こしてしまうことがあり、これらもまた胆管がんの治療で気をつけなければならない副作用として挙げられます。

・吐き気、腹痛

「膵頭十二指腸切除術」という手術を行った場合は、手術で縫い合わせた部分が狭くなることがあり、食べ物のとおりが悪くなってしまうケースが見られます。

これによって消化器官の働きに異常が生じると、吐き気や腹痛が副作用として生じることがあります。

また、吐き気や腹痛といった副作用は、ゲムシタビンとシスプラチンを併用する化学療法や放射線治療でも生じることがあります。

・骨髄抑制

化学療法を行うと「骨髄抑制」という副作用が生じることもあります。

この副作用は骨髄の働きが低下することで引き起こされ、白血球・赤血球・血小板の減少や貧血などの症状が現れやすくなります。

・消化管での潰瘍・出血

放射線治療を行うと、放射線の影響により胆管の近くにある消化管で潰瘍や出血といった副作用が生じます。

これらの症状は治療後すぐに現れるのではなく、ある程度時間が経過してから現れるため、経過観察は入念に行う必要があります。

・胆管での閉塞

胆管がんにおける放射線治療では、副作用として胆管内での閉塞という症状が現れることもあります。

閉塞とは何らかの原因によってその器官の内部がつまってしまう状態のことを呼び、胆管では胆汁が流れなくなるといった不具合が生じます。

・血管での閉塞・出血

放射線治療による閉塞や出血は血管内でも生じることがあり、これらもまた胆管がん治療による副作用として挙げられます。

 

まとめ

胆管がんは早期での発見がしづらく、内視鏡検査などによって発見された場合は既にある程度進行してしまっていることを覚悟したほうがよいでしょう。

しかし、適切な治療を行えば根治させることは十分に可能であり、必ずしも悲観的になる必要はありません。

また、長期間にわたって胆管がんの治療を受ける上では、体力だけでなくしっかりとした心構えも必要であり、そのためには治療法やそれによって生じる可能性のある副作用などに関する知識を事前に得ておくことも重要です。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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