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糖尿病の検査項目5つを解説!血糖値の基準値と検査の流れ

糖尿病は事前の検査で発見することが重要です。

血液の中にある糖の濃度が高くなってしまう状態が糖尿病ですが、1型2型とあり、一般的に生活習慣が原因で発生するのは2型です。

糖尿病はブドウ糖を筋肉や肝臓へ取り込む働きをするインスリンという物質が働かなくなり、分泌されない状態が原因です。

このインスリンは膵臓という臓器でつくられますが、全くインスリンがつくられなくなってしまうのが1型糖尿病、インスリンの生成が減ったり、動きが悪くなったりしてしまうのが2型糖尿病という分類となります。

日本では糖尿病の9割は生活習慣が原因の2型糖尿病となっています。

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血糖値の基準値

糖尿病は2型のなかでもさらに3つのタイプに分けることができ、確認するための検査方法もいくつかあります。

病院で調べてもらう他にも自分で目安として確認をすることが可能です。

2型糖尿病の場合は血液の中の糖は急に上昇するものではありません。

血液の糖の濃度を血糖値といいますが、一般的には数年かけて徐々に血糖値が高くなっていき、正常型から境界型、そして糖尿病型と進行していきます。

そのため糖尿病型と診断されてから治療を行うのではなく、境界型となった状態を早めに発見することが大切です。

糖尿病の症状というのは喉が乾いたり、尿の回数が増えたりするという症状なのですが、これらの症状が少しずつ進行していっても自分で気がつきにくいということも、糖尿病が徐々に年数をかけて進行していく原因となっています。

血液中の糖の濃度はmg/dLという単位で表現され、検査の方法によっても目安となる量が異なり、おもに3種類に分けられます。

検査方法を知る前にこの3つの分類を認識しておくべき必要があり、うち正常型以外には注意が必要です。

①正常型

糖尿病の可能性は低いとされる状態です。

ただし、検査方法によっては見つけることのできなかった隠れ糖尿病のケースもあるので必ず糖尿病の心配がないわけではありません。

②境界型

糖尿病という診断はできないが、一般的な血糖値よりも高くなってしまっている状態です。

糖尿病の診断はされませんが、生活習慣の改善を行わないと将来的に糖尿病になり、糖尿病の合併症である重要な血管にダメージを受けている状態である「動脈硬化」という症状が発生する可能性も考えられます。

そのため「糖尿病予備軍」とも呼び、これは既に体の中で何らかの異変が起き始めている場合もある状態ですので、今後の生活に注意をしなければいけない状態です。

まだ診断されていないので大丈夫と考えるのではなく、発症しないように生活を見直さなければいけないのです。

③糖尿病型

現在は症状が出ていなくても血糖値から糖尿病と診断されている状態です。

場合によっては既に気がつかないうちに症状がでているケースもあります。

糖尿病であるという診断は検査で2回以上糖尿病型と分類された場合になりますが、既に境界型よりも高い状態ですので早めに病院などで受診をして治療を行っていくことが必要です。

日本では生活習慣により境界型になっていることに気がついていない方が多くいます。

この3段階のなかでは正常型以外であれば、糖尿になっているか将来的に糖尿病になると考えておき予防する必要があることを知っておきましょう。

 

糖尿病の診断をするための検査項目5つ

主に糖尿病であるかどうかの診断するための検査の方法は5種類ありますが、それぞれの信頼性も異なってきます。

また血液や糖など検査するのに参考にするものは複数あり、方法によっては自己チェックが可能な検査もあります。

①血糖値検査

直接血液を採取して糖の量を調べる検査で、さらに3種類にわかれます。

いくつか検査方法がある理由として、食事により吸収された糖が血液のなかに入るため食後に血糖値が変動してしまうということがあります。

そのため検査と食事の時間によって測定した血糖値が異なってしまうためです。

・空腹時血糖値

食後には血糖値が高くなることから、朝食を食べずに測定する血糖値の方法です。

健康診断などで朝食を食べてこないようにと言われることがあるのはこの検査があるためです。

この検査では下記のように分類されます。

正常型:100mg/dL以上110mg/dL未満
境界型:110mg/dL以上126mg/dL未満
糖尿病型:126mg/dL以上

この場合の境界型は糖尿病の疑いを否定することができない状態となるため、あくまで目安の検査となるので、他の信頼性が高い検査をすることが推奨されます。

また正常型であっても高血圧や脂質異常が出た時や、肥満体型である場合には将来的に糖尿病を発症する可能性が高いとされます。

・随時血糖検査

食事の時間を考えずに採血し測定します。空腹時に検査をするのではなく、食後何時間経っているのかを確認し、血糖値を確認します。

最後の食事の時間がどのくらいかによっても異なりますが一般的には200mg/dL以上を糖尿病型とします。

・75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)

空腹の状態で75gのブドウ糖を摂取し、30分、1時間、2時間とそれぞれの状態で血糖値を測定します。他の血糖値検査よりも一番信頼性は高いとされます。

空腹時血糖値検査では正常な値が出ているけれども食後の血糖が高くなっている状態を隠れ糖尿病といいますが、この隠れ糖尿病も発見することが可能です。

時間経過と共にどのように血糖値が変化しているのかあわせて確認できる検査方法で、病院で治療を受けているときにも行われる検査です。

主に2時間後の血糖値で下記のように分類されます。

正常型:140mg/dL未満
境界型:140mg/dL以上、200mg/dL未満
糖尿病型:200mg/dL以上

②尿検査

一般的には血糖値が160〜180mg/dL以上になった状態だと尿の中に糖が含まれて一緒に排出されます。

この作用を利用して尿の糖の量を調べるという方法ですが、あまり正確な診断ではありません。

しかし自宅で行うことも可能で尿検査のキットは薬局で購入することも可能であるので、気になっている方が目安として検査をする方法でもあります。

また妊婦健診など、簡易検査である程度糖尿病の可能性のある人を絞る必要があるときなどの検査に主に採用される検査方法です。

③HbA1c(グリコヘモグロビン)

こちらも血液を検査する方法ではあるのですが、血液の中の塔の量を調べるというものではなく、ヘモグロビンという成分について検査します。

ヘモグロビンは体内で作られてから壊れるまでの間に糖にくっつく成分であり、糖がついたヘモグロビンの量が多いと血糖値が高いという判断をすることができるのです。

ヘモグロビンは約120日の間で活動をするとされており、検査時には過去1-2ヶ月の間の血糖値を確認することが可能です。

この検査と合わせて血糖値検査と療法を行いどちらとも基準値より高いとされると糖尿病という診断になります。

HbA1cの検査単体での指標は下記のようになっています。

正常型:5.6%以上6.0%未満
境界型:6.0%以上6.5%未満
糖尿病型:6.5%以上

④GA(グリコアルブミン)

アルブミンという血液の中を流れているタンパク質もヘモグロビンと同様に糖と一緒になる成分で、アルブミンと糖が一緒になったものをグリコアルブミンと呼びます。

HbA1cの検査と同じように糖と一緒になったグリコアルブミンの量を測定しますが、アルブミンは体内でつくられてから壊れるまでの期間が20日となっており、HbA1cよりも短い期間の測定となっており、約2週間の血糖値を確認する検査です。

献血の際にもこのグリコアルブミンの計測が可能で、検査をするつもりはなかったのに献血がきっかけとなって糖尿病の疑いがあることが判明するケースもあります。

⑤1.5AG(1.5アンヒドログルシトール)

一般的に血液から血糖値を調べるとなった場合にはブドウ糖の量を検査しますが、それ以外の糖を調べる方法です。

ブドウ糖の次に多い糖アルコールという成分の1.5アンヒドログルシトールの量を検査し、検査から過去数日間の血糖値を確認することができます。

1.5アンヒドログルシトールが増えると尿として排出されるので検査方法としては尿検査となっており、ブドウ糖とは異なり量が少ないと糖尿病の可能性があると考えられ、男性と女性で異なり、主に基準値は下記のようになっています。

男性の場合
正常型:15ug/ml以上45ug/ml以下
糖尿病型:15ug/ml以下

女性の場合
正常型:12ug/ml以上29ug/ml以下
糖尿病型:12ug/ml以下

 

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自分でできる糖尿病検査

糖尿病の傾向があるかどうかは、病院の検査だけではなく自分でもチェックすることが可能です。

病院で検査を受けるのは面倒と感じ時間がないという方でも、自分の空いた時間に行うことができます。

しかしセルフチェックでできるのはあくまで目安となりますので正確な確認をするには病院で診察を受ける必要があることに注意しなければいけません。

①体重測定

肥満傾向にあると、糖尿病になる可能性が高くなります。

単純に体重がどのくらいかというのではなく、身長と体重を合わせて計算するBMIという数値を参考にします。

計算方法は体重÷身長÷身長で、体重はkg、身長はm単位での計算です。

この計算で出たBMIにより、以下の3つにわけられます。

痩せ型:18.5未満
標準:18.5以上25未満
肥満:25

例えば身長170cmの人が80kgであれば、80÷1.7÷1.7=27.6…となり、肥満体型となります。

BMIが27以上だと糖尿病、高脂血症という症状や病気が発症する確率がそれ以下よりも倍になるという結果があります。

あくまでBMIによる肥満気味かどうかなので、糖尿病の傾向があるかどうかが判断できるものではありませんが、BMIが25以上の方は生活習慣病に注意するべきといえます。

②血糖自己測定(SMBG)

簡易的な血糖測定値を使用する測定方法です。

実際に自分の血を抜くので体重の計測だけよりも高血糖である傾向はつかみやすくなります。

専用の機会を使用するので、種類により細かい方法は異なりますが大まかには以下の流れです。

1.手をしっかり洗う
2.測定と針を準備する
3.針を刺す指先を消毒し、乾燥させる
4.消毒した部分に針を刺し、必要な血液を採取する
5.機会に結果が表示される
6.使用後の針を専用の針入れにいれる

注意点として、使用後の針は専用の針入れにいれておき、自分では捨てずに病院や薬局などに持ち込みましょう。

また血液から感染することのないようにしっかりと手を洗う必要があります。

自分で好きなときにある程度の血糖値が測定できるので、食前食後など、どんな状況で血糖値がどのように変動するのかを調べることも可能で、日々チェックをしておくノートを用意しておくとよいです。

このSMBGはいくつかの会社から測定器が販売されています。

③尿糖検査

上記でも記載しているように薬局で購入することもできる自己検査キットです。

血糖値が高くなった際には尿中に糖が合わせて排出されるので、その糖があるかどうかを判断する測定方法となっています。

④血中ケトン体測定

1型糖尿病の方に向いている検査とはなりますが、ケトン体とはブドウ糖をエネルギーに変換できないときに発生する物質で尿に含まれます。

尿糖検査と同じようにケトン測定器を薬局などで購入します。

このケトンが発生するブドウ糖を変換できない状態というのは体内のインスリンという物質が不足することで起こります。

⑤献血での検査

こちらも上記で記載しているものですが、献血にてグリコアルブミンを検査してもらう方法です。

献血は無料で行うことができますので、病院に行き検査キットを買うほどではないという方でもチェックすることができる方法です。

献血ではこのほかにもいくつかの検査サービスがあるので、献血する機会があれば他のも合わせてチェックしてもらうのがよいでしょう。

⑥妊娠検査

自分でいつでもできる検査ではありませんが、女性の場合には妊娠時におこなわれる検査のひとつとして糖尿病ではないかどうかの検査が行われます。

すべての人に完全な糖尿病検査が行われるのではなく、まずは簡易的な検査で可能性がある人かどうかにふりわけられ、可能性があると診断された人にはより信頼性の高い検査をおこなう手順となっています。

 

まとめ

糖尿病は早めに健康診断などで見つけることが重要ですが、自分で興味がないとなかなかチェックをしようと思うことはないでしょう。

会社や地域の健康診断をおこなっている場合であれば早期発見につながりますが、健康診断をおこなっていない方だと発見が遅くなってしまいがちです。

少しでも糖尿病の傾向があるかどうかが気になっているという方は、検査キットの購入や体重測定、献血などで手軽にチェックすることもできますので、数値がどの程度であるか調べてみましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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