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血糖値の正常値を知るとわかる事

あなたは「血糖値」と聞くと、何を思い浮かべますか?

もしかしたら、健康診断で高血糖と診断されて悩んでいる人、または話題の糖質制限ダイエットで血糖値のコントロールに励んでいる人もいるのではないでしょうか。

では、血糖値が高いとどうしていけないのでしょう。

ここでは、血糖値と病気や肥満との関係や、血糖値のコントロールの方法などを見ていきたいと思います。

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血糖値とは

そもそも血糖値とはなんでしょうか。

毎日の食事で摂取するご飯、パン、果物やアルコールなどの中には「糖質」が含まれていますが、それが体内に入り、消化・吸収されると「ブドウ糖」になって血液内に入っていきます。

この、「血液中のブドウ糖」の濃度を数値で表したものが「血糖値」です。

血糖(血液中のブドウ糖)は、インスリンというホルモンによって、体を動かすエネルギーとなったり、一部はグリコーゲンとして肝臓に蓄えられたりするため、体に必要なものではあるのですが、血液中の糖が増加して血糖値が高い状態が続いてしまうと、インスリンがうまく働かなくなり、「糖尿病」になってしまいます

なお、糖尿病は、インスリンが先天的に欠乏している「I型糖尿病」と、インスリンがうまく働かない「II型糖尿病」があり、I型は先天的なものが多く、遺伝的要因が関係すると考えられていますが、日本人には比較的少ない病気です。

一方「II型糖尿病」は、いま日本で生活習慣病として大変問題になっている病気であり、遺伝的な要因よりも生活習慣に関連していることがほとんどですので、ここではII型糖尿病について説明します。

さて、どうすれば血糖値と上手につきあい、うまくコントロールして、糖尿病を予防、改善できるでしょうか。

それには血糖値についてよく知ることが大切です。

 

血糖値が高い状態が続くことで…

血糖値が高い状態が続くことが、どうしていけないことなのでしょうか。

本来なら体内で利用されるはずのブドウ糖が、インスリンの働きが弱くなってしまい、血液内にブドウ糖が増加すると血糖値が高い状態(高血糖)になりますが、その状態が続くことで、徐々に「血管を痛める」ことにつながります。

その結果、血管がもろくなり、「心疾患」や「脳血管障害」など、さまざまな疾患をひきおこす原因となるのです。

さらに、インスリンがブドウ糖をエネルギーに変えてくれないので、エネルギーがまわってこない細胞はストレスホルモンを出し、心臓の拍動や呼吸数を増やして「血圧を上げたり」します。

この状態が長く続くことにより老化や「動脈硬化」が進んでしまいます。

このように、高血糖の状態が続くこと、つまり糖尿病は、全身に悪影響を及ぼす要因を引き起こす病気なのです。

そして、適切に対処しないと深刻な「合併症」を引き起こします。

では次に、糖尿病が引き起こす症状と合併症を見てみましょう。

糖尿病になると、まずは高血糖による「口の渇き」、「多尿」、「多飲」、「体重減少」、「疲労感」などが起こります。

そして、糖尿病によっておこる合併症は大きく分けて2つあり、1つは「細小血管症」( 糖尿病網膜症、 糖尿病性腎症、末端の手足がしびれる糖尿病性神経障害)、もうひとつは糖尿病にかかることでリスクが高くなる「大血管症」(狭心症心筋梗塞のもとになる冠動脈疾患、脳血管障害、足の動脈硬化など)があります。

このように、全身のさまざまな部位に異常をきたすことになりかねない糖尿病は、けっして軽く考えてはいけない病気なのです。

なお、合併症のひとつである動脈硬化性の疾患については、糖尿病以外にも、過多の内臓脂肪や高脂血症などがそのリスクをあげる要因になっており、糖尿病だけを防ぐというよりもメタボ全体の予防を見すえた健康管理をすることが大事です。

 

血糖値の正常値を知ることで

つぎに、血糖の正常値について知っておきましょう。

血糖値に関する正常値の指標はいくつかありますが、ここでは、正常値として一般的によく使われる「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」と空腹時血糖の値について見てみましょう。

現在、正常値は、HbA1cは6.5%未満、また、早朝空腹時血糖は126㎎/dl未満とされています。

この数値が正常値の範囲を超え、さらに糖尿病の諸症状(口の渇き、多飲、多尿、体重減少など)があると、糖尿病と判断されることになります。

また、空腹時に血糖が正常値の範囲内であっても、その数値が110から125のあいだの場合は「糖尿病予備軍」とされ、生活指導が必要とみなされます。

ちなみに、血糖値以外にも糖尿病や糖尿病合併症を進行させないために注目すべき数値が3つあります。

それは「血圧」、「総コレステロール」、「LDL-コレステロール」です。

それぞれの正常値は、血圧は130/80mmHg未満、総コレステロールは200㎎/dl未満、LDL-コレステロールは120㎎/dl未満に保つことがよいとされています。

 

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肥満は糖尿病の最大の原因

血糖値の上昇の要因として、「加齢」、「肥満」、「運動不足」が深く関係しているのですが、日本人の現代の生活は、高齢化社会、栄養バランスの乱れた食生活、車中心の生活、長時間のデスクワークなどに伴う運動不足など、以前より糖尿病にかかりやすい環境になっていると言っていいでしょう。

「加齢」は誰にも防ぐことができませんが、「肥満」と「運動不足」は生活習慣の見直しによって改善できることなので、血糖値を正常値の範囲でコントロールするには、この2点に注目することが欠かせません。

肥満であればあるほど、運動不足であることが多く、結果的に糖尿病にかかる割合は高くなるので、肥満であることこそが、糖尿病の最大の原因だと考えてよいでしょう。

では、どの程度太ると危険なのでしょうか。

その目安の数字としてよく使われているのが、「BMI」です。

BMIは、体重(㎏)を身長(m)の2乗で割って出た数値のことで、BMIが25以上の場合は改善が必要だと言われています。

たとえば身長170cm、体重70㎏の人の場合、BMIは70÷(1.7×1.7)=24.2となります。

なお、厚生労働省によると、2015年度から採用された基準では、目標とするBMIは、18~49歳で「18.5-24.9」、50-69歳で「20.0-24.9」、70歳以上で「21.5―24.9」と設定されています。

一般的には、BMIは「22」程度を保つべきとも言われていますので、この数字を覚えておくとよいでしょう。

BMIは簡単な計算式なので、ぜひ一度は自分の現在のBMI値と、目標とすべき体重を計算してみる必要があります。

具体的な数値を知っておくことは、糖尿病予防にとても有効です。

 

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血糖値をコントロールするには?

では、具体的に、どうすれば血糖値を正常値の範囲でコントロールし、糖尿病を予防し、または悪化させないようにできるでしょうか。

まずは、食事による血糖値のコントロールについて見てみましょう。

高血糖は、インスリンがうまく働かないことで、血中に利用されないブドウ糖が増えすぎている状況です。

ブドウ糖を作り出すのは「糖質」、つまり炭水化物です。

糖質の多い食事は血糖値を押し上げるので、まずはこれを見直すことで血糖値の改善につなげましょう。

糖質の摂取を減らす方法としてはいろいろ考えられますが、取り入れやすい方法がいくつかありますので、紹介します。

まず、糖質は制限しつつも必要な栄養素はしっかりとる必要があるので、朝・昼・晩の食事はきちんと取りましょう。

飲み物や調味料には砂糖の入らないものを選ぶ、あるいは使わないようにしましょう。

どうしても甘さがほしい場合は人工甘味料を使うことも検討してみてください。

ただし、糖質以外にも、体に入れる食事の量全体を、それぞれの生活活動に合った量に調整することが必要です。

次に、運動による血糖値コントロールの方法を見てみましょう。

血糖値や糖尿病において、運動はどうしてよい効果があるのか、具体的に説明しましょう。

まず、運動をすると、そのエネルギー源として血中のブドウ糖を使うので、運動をすると血糖が下がります。

その効果は運動が終わった後も続き、最長で3日後まで効果があることが知られています。

このように、運動はすぐに血糖を減らす即効性がありますが、さらに運動を定期的に続けると、体内の細胞がブドウ糖や脂肪をエネルギーに変える能力が高まり、その結果、インスリンを使う量が抑えられる効果もあります。

また、運動を定期的に続けると体重を減らすことができ、糖尿病の大敵である肥満予防にもつながります。

さらに、糖尿病の合併症である動脈硬化に対しても、運動をすると血中の悪玉コレステロールが減り、善玉コレステロールが増えるので、よい予防対策になるわけです。

では、運動の内容はどんなものがよいでしょう。

ヨガ、ウォーキング、軽いランニングや水泳などの「有酸素運動」、筋力トレーニングやダンベル運動など筋肉に抵抗をかける動作を繰り返し行う「レジスタンス運動」は、どちらも血糖値の改善に役立つことがわかっています。

もし可能であるならば両方行うとさらに効果的です。

有酸素運動の強度は、強すぎると心臓に負荷がかかりすぎるため、中程度、つまり「楽であるがすこしきつい」くらいの強度で続けられる運動を、継続して行いましょう。

心拍数でいうと、50歳以下は1分間に100から120拍ぐらい、50歳以上は100以下を目安にしてください。

この運動を、できたら毎日したほうがいいのですが、最低でも3日に1日は行ってください。

運動による血糖値への効果は、72時間持続するとみられるからです。

「毎日必ず運動しなければいけない」、と考えるとちょっと大変ですが、「せめて3日に1日は運動しよう」と思えば、運動を気軽に始められるのではないでしょうか。

食事療法も、運動療法も、とても効果がありますが、間違ったやり方や極端な取り入れ方では、効果が薄いどころか、健康に悪影響がでかねません。

不安な点がある方や、もっとハードに食事療法や運動療法をしたいという方は、必ず専門家や医師に相談の上、自分にあった効果的な方法を見つけてください。

血糖値を上手にコントロールすることは、健康な生活を維持するうえでとても大事です。

高血糖と診断されても恐れずに、こちらが主導権をにぎるつもりで、うまく血糖値とつきあっていきましょう。

 

まとめ

日本人の糖尿病患者のほとんどはII型糖尿病ですが、II型糖尿病は遺伝的な要因よりも生活習慣に関連している場合がほとんどです。

糖尿病には完治がないと言われますが、状態が改善すれば日常生活に支障なく生活することが可能です。

また、血糖値が安定すれば特別な治療を必要とぜず生活を送ることができます。

血糖値をコントロールするときに最も気をつけるべきは「糖質(炭水化物)を避ける」ということです。

もちろん健康に必要な栄養はしっかり摂ることが重要です。

これはダイエット(肥満の改善)にも通じる食事ですので、できることから実践していきましょう。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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