空腹時血糖値って何?正しい測定条件と正常値
糖尿病は、脳卒中・心筋梗塞・失明・手足の壊疽などの様々な合併症状を引き起こす大変恐ろしい病気です。糖尿病を早期に発見するには血糖値を正しい測り方で測定することが重要です。
健康診断において空腹時血糖値を検査するときには事前に医療機関から「前夜から絶食状態にしておいてください」といった測り方の注意書きを渡されますが、こういった測り方の注意点を忘れてうっかり朝食を食べてくる方がいます。
食事をとってしまうと炭水化物が吸収されブドウ糖となって血液中に出てくるので、血糖値は実際の値よりも高くなってしまい正確な空腹時血糖値を計測することができません。
正しい測り方で空腹時血糖値を測定することは、糖尿病の早期発見に役立ちます。空腹時血糖値によって示される数値の意味あいと正しい測り方をきちんと理解して、正確な空腹時血糖値を計測するように心がけることで、糖尿病の早期発見に努めましょう。
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Contents
空腹時血糖値の意味とその測り方の重要性
血糖値とは血液の中にあるブドウ糖の量をいいます。空腹時血糖値というのは約10時間以上何も食べない状態で測定した血糖値のことをいいます。空腹時血糖値を測定することにより主に糖尿病の早期発見に役立ちます。
人間の体内においてブドウ糖は活動のエネルギー源となっているため、通常は血糖濃度は正常値の範囲で一定に保たれています。ところが血糖値のコントロールを行っているインスリンが不足したりこの働きが弱くなると、血液中に過剰な量のブドウ糖が存在することで高血糖となり、逆にインスリン過剰になると低血糖になり正常値から外れます。
血糖の異常な増減は人体に深刻な悪影響をもたらします。正しい測り方で血糖値を計測することによって、糖尿病の有無の検査やその治療の方針を正しく知ることができるようになるため、診断と治療効果の判定の両方に利用することができます。
空腹時血糖値の正しい測り方
空腹時血糖値の測り方としては、採血をして血液中に含まれるブドウ糖の量を調べます。
健康な人でも一日の血糖値は70~130mg/dlの間で変動しており、また食事の前と後では大きな差があります。食事をとると炭水化物が吸収されブドウ糖となって血液中に出てくるので、食後の血糖値は食前よりも高くなってしまいます。
このため空腹時血糖値の正しい測り方としては、検査を午前中に受ける場合には検査日の前夜の夕食を夜9時頃までに済ませてそれ以降は絶食状態とします。糖分を含んだ飲み物も飲んではいけませんが水は飲んでも構いません。
基本的な測り方としては10時間以上の絶食時間を空ける必要があります。測り方の注意点は検査を受ける医療機関から指示が出されますので、正しい測り方で血糖値を計測するために必ず守りましょう。測り方を守らなければ実際よりも数値が出ることになります。
空腹時血糖値の正常値とは
日本糖尿病学会では、空腹時血糖値の正常値は100mg/dl未満、正常高値は110mg/dl未満と定めています。また空腹時血糖値が110~125mg/dlであれば糖尿病予備群として「境界型糖尿病」、また126mg/dlを超えると「糖尿病型」と診断されます。
正常値と判断される人の割合は年代によっても異なり、空腹時血糖値が正常値の範囲内にある人が多いのは男女とも30歳代までで、40代から50代では正常高値が多くなり、60代から70代では境界型糖尿病となる人が多くなります。
空腹時血糖値が100mg/dl以上であれば、40歳以上75歳未満のメタボリックシンドローム予防のための生活習慣改善の支援を行う「特定保健指導」の対象となります。特定健診では、空腹時血糖値は腹囲などの数値と合わせて保健指導の対象者を抽出するための基準のひとつとなっています。
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空腹時血糖値が正常値から外れた場合
空腹時血糖値が110~125mg/dLになると糖尿病予備群と判断され、空腹時血糖値が126mg/dl以上であれば、糖尿病の疑いが濃厚と診断されます。
もし空腹時血糖値が126mg/dlを超えて糖尿病型と診断された場合には「食後血糖値」や「HbA1c」などの他の血糖値も測定します。これらの血糖値は比例して高くなる傾向があるためです。
「HbA1c」とはヘモグロビンのうち糖と結合したものの割合をいい、この値を調べることで過去1~2ヶ月間の平均的な血糖値の目安を知ることができます。
正常値を超えた場合の再検査としては、ブドウ糖負荷試験(GTT)や血中インスリン活性検査を行ないます。ブドウ糖を75g摂取したあとの血糖値を計りその値が200mg/dL以上になれば糖尿病が確定します。さらに合併症の有無を調べるため、眼底検査や尿タンパク・神経の検査も受けます。
空腹時血糖値が高い場合の対応について
糖尿病と診断された場合には、医師の指導のもとに食事療法と運動療法が行われます。食事と運動で血糖値が正常値とならない場合は、インスリン注射によるインスリン療法が行なわれます。
糖尿病と診断されなかったものの糖尿病予備群として「境界型糖尿病」または「糖尿病型」と診断された場合にも注意が必要です。血糖値を正常値に維持するためには、偏った食事にならないように気をつけます。
また糖質が多い食べ物は血糖値を上げますので注意が必要です。調味料に関しても糖質の入っていない物を使うようにしましょう。肥満対策のためにも糖質の多い食品は控えましょう。
糖尿病と診断された場合の負担について
糖尿病は、脳卒中・心筋梗塞・失明・手足の壊疽などの様々な合併症状を引き起こします。また糖尿病は1度発病すると症状を抑えることはできても、完治させることは極めて難しいとされている病気です。
私たちの体は高血糖の状態を記憶しているため、高血糖状態が長く続くと「メタボリックメモリー」と呼ばれる現象が起こり、その後に高血糖を治療しても糖尿病合併症の進展を抑えられないことがあります。このため発病させないように早期に取り組みを行うことがとても重要です。
糖尿病になったら食事制限が有効です。糖尿病対応の食事に切り替えて、積極的に運動を行ったり、飲酒や喫煙を控えるなどの生活習慣の改善により血糖値を下げる努力が必要となります。
インスリンが絶対的に欠乏する1型糖尿病と診断された場合には、インスリン注射や人工透析の必要が生じ治療の負担は増すことになります。
まとめ
糖尿病は軽度の場合は自覚症状も少なく発見しにくい病気ですが、脳卒中・心筋梗塞・失明といった重大な合併症状を引き起こして、最悪の場合は命にも関わるたいへん恐ろしい病気です。
また一度発病してしまうと完治するのがとても困難であること、インスリン注射や人工透析による治療が必要となる場合には、発病された方にとっての肉体的・経済的負担が大きいことなど様々なマイナスの影響をもたらします。
遺伝性の糖尿病でない場合は主に生活習慣が引き起こす病気であるため、糖質を控える・運動を積極的に行う・肥満の防止に心がけるといった日々の生活習慣を改めることで予防することが可能になります。
また糖尿病を早期発見するためには日頃の健康診断において、正しい測り方で空腹時血糖値を計測することが重要になりますので、これらの点に十分に気をつける必要があります。
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