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絶対に知っておくべき癌の放射線治療の効果と副作用とは?

 2017/01/02 生活習慣病
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放射線治療は、手術、抗がん剤治療と並び癌の三大治療の1つです。

臓器を切除せず温存できることや、病状によっては仕事をしながら治療を受けられるなど大きなメリットがあり、その技術も日々進化しています。

一方で、放射線治療中だけでなく治療後も、様々な副作用や症状のリスクがあり、放射線そのものが癌を作り出す可能性があるともいわれています。

医師の説明をよく聞くことはもちろん、放射線治療の効果と副作用、放射線治療のメリットとデメリットを十分に理解し納得したうで治療を受けることが大切です。

癌の放射線治療とは

癌の放射線治療は、癌が分裂、増殖するときに必要な遺伝子に作用し、癌の細胞が自ら死んでいく(アポトーシス現象)や縮小を促す方法です。

手術と比べて、臓器を切除する必要がないので、術前と同じように臓器の機能を温存することができます。

正常細胞にも放射線は影響を与えますが、癌細胞に比べて正常に戻る時間が早いのでダメージが少ないのが特徴です。

癌の種類や発症部位によって、放射線が効果的な効き目を与えるかどうか大きく左右されます。

また、同様に副作用の起こり方も治療部位によって様々であり、個人差もあります。

癌治療の目的で放射線のみで治療をすることもあります。

患部だけに作用するために、他の治療法に比べて全身的な影響が少ないので高齢者でも行える治療法です。

単独で治ることが期待できる癌は、肺がんや子宮頸がん、悪性リンパ腫、食道がん、皮膚がん、また脳腫瘍などがあげられます。

また手術前に放射線照射を行うことがあります。

これは、癌を小さくして手術を行いやすくするためと、臓器を大きく切除せずに体の負担を小さくするためです。

また手術中に癌が散らばる可能性がある場合には、あらかじめ放射線照射により癌を殺しておきます。

また手術後は、手術で取り切れなかった癌細胞を放射線で治療することで、癌の再発を防ぐ目的があります。

たとえば膵臓がんなどでは手術中に放射線を当てることがあります(「術中照射」)。

この場合は直接目で見て確認して当てるために、確実に癌に放射線をあてることができます。

また、癌の組織の周辺の、放射線を当てたくない部位を避けて照射することもできます。

もしも放射線治療だけでは根治が期待できない場合、薬物療法(抗がん剤)と併用することもあります。

抗がん剤との併用で、放射線治療の効果が高まることが期待でき、抗がん剤との併用は「化学放射線療法」と呼ばれており、根治のために最近は増えつつあります。

抗がん剤と放射線治療の併用により相乗効果が期待できるほか、放射線が届かない部位に癌が転移することを予防するために、抗がん剤の治療で転移を予防することも可能になっています。

化学放射線療法は強力に癌に作用するために効果が高いのが特徴ですが、放射線治療による合併症が強く出ることがあります。

そのため、化学放射線療法は全身状態が良く、元気な人に対して行われるのが一般的です。

 

白血病や一部の皮膚がんに行われる「全身照射」とは?

放射線治療は、患部だけに当てるのが一般的ですが、例外もあります。

それは「白血病」の治療のために行うときです。

血液は主に骨髄の細胞で作られるために、白血病の患者さんの骨髄には癌細胞が存在しており、「全身照射」をして癌の細胞をたたきます

もう一つ、骨髄移植のためにも全身照射をすることがあります。

移植した細胞が拒絶反応を起こすとせっかく移植した意味がなくなってしまいます。

そこで、骨髄細胞の免疫力を放射線治療で弱めて、拒絶反応を少なくするのが目的です。

また、さらに特殊な症例として「皮膚がん」の一種の治療に使われる「全皮膚照射」という方法があります。

これは、他の照射とは違い、高エネルギー電子線を使うことで、皮膚のみに照射することができます。
全身に照射する必要がないので、患者の負担がぐっと少なくなります。

最近は、骨転移の痛みや脳の転移による麻痺などの神経症状を和らげる目的でも行われています。

癌の根治療法ではありませんが、患者の痛みを抑えることは患者の生活の質を落とさずに生活できる重要な目的になります。

 

癌の放射線治療の効果・メリットとは?

まず、放射線治療は痛みや苦痛を伴わないということがあります。

手術と違い切除しないので、痛みに苦しむことがありません。
臓器の機能もそのまま保つことができます。

1回の照射は5分から10分程度で、身体的負担が少ないのが特徴です。

外来でも十分治療が可能で、病状によっては仕事をしながら治療を受けることができます。

顔や体に傷が残らないので、変形することもないので、美容的にも影響が少ないのです。

一部の施設では、陽子線や重量子線による治療が行われていますが、これらは正常細胞にほとんどダメージを与えないという研究結果が出ています。

日本の外科手術は世界的に見てもトップクラスであり、癌の治療というと真っ先に手術を考える医師が多くなっています。

まずはじめに外科医に回されるために、手術中心の治療計画がなされることが多いのが実情です。

たとえば「乳がん」ですが、以前は乳がんというと全摘出術がほとんどでした。

しかし、現在は放射線治療と併用することで、癌の部位だけ取り除くことができるようになりました。

そのために乳房の温存手術が可能になり、多くの乳がん患者が恩恵を受けられるようになりました。

また「前立腺がん」も放射線治療が好成績を上げており、患部の摘出を最小限にすることで、男性機能の温存が可能になっています。

また、「喉頭がん」は手術をせずに放射線治療だけを行うことで、声帯を摘出せずに済むケースも増えてきました。

「肺がん」においても、放射線治療は手術と同じくらい好成績を上げています。

このように放射線治療は、患者の生活の質を落とさずに治療することができるのが大きな特徴です。

放射線治療の研究が進み、手術をしたり化学療法をしたりせずに、放射線の照射だけで根治する患者がもっと増えることが期待されています。

 

部位別の放射線治療の副作用、症状とは?

一方、放射線治療には副作用が伴います。
その症状は、個人差があり、部位にもよって異なります。

治療中または治療終了直後に現れる「急性期症状」と、半年から数年たって現れる「晩期症状」があります。

現れる症状の主な物としては、全身的な物として「疲れやすい」、「だるい」などがあります。

治療中は疲れを感じやすくなるので、無理をしない、疲れを感じたら休むことが大事です。

治療の副作用によるだるさや疲労感は、治療が終わって数週間たてば解消されます。

また、治療の影響で食欲がなくなることがあります。

精神的なストレスも影響することがありますが、腸に放射線が当たることで影響を受けるとも考えられます。

一度にたくさん食事ができなくなるので、少しずつ食べるようにします。
口当たりの良いものや、自分の好きな物などを食べるのも良い方法です。

また、皮膚がかゆかったり、赤くなることがあります。

皮膚はなるべくかいたりせずに、刺激を与えないようにします。

ぬるめのお風呂にさっとつかり、刺激の少ない石鹸で体を軽く洗うように心がけます。

あまりに皮膚の炎症がひどい場合、一時的に放射線治療を休止することがあります。

症状が落ち着いてから再び治療を開始することもありますが、多くは治療が終われば落ち着くのが普通です。

頭部や腹部へ照射したことが原因で、吐き気を感じることがあります。

このような症状が現れたときは、栄養価の高いものを少しずつ取るようにします。

あまり吐き気がひどい時は吐き気止めを処方してもらいます。

頭部に照射した場合、めまいや脱毛、頭痛などが起きることがあります。

頭皮が荒れることで、髪の毛が抜けてしまうことがありますが、治療が終われば元に戻ります。

治療中、医療用のかつらや帽子などを利用する人もいます。

また口腔や頸部などに照射した場合には、口内炎が出来たり味覚が変わったり、飲み込むときに痛みを感じることがあります。

こまめにうがいをしたり、柔らかい歯ブラシを使い口の中を清潔に保つことが大事です。

食べ物は刺激物を避けて、熱いものや辛いもの、かたいものは食べないようにします。

炎症がひどければ医師により塗り薬や痛み止めが処方されることがありますので、相談することをおすすめします。

肺や胸、乳房などに照射をした場合、頻度は低いですが発熱したり咳が出ることがあります。

特に肺は放射線に弱いので、治療が終わってから1カ月から2か月後ぐらいに肺炎になることがあります。

自然に治まることがほとんどですが、もともと肺に疾患がある場合や放射線を受けた面積が広い場合には、症状がひどくなることがあります。

発熱や咳がひどい場合には、必ず主治医に診察してもらう必要があります。

肺がんの治療で、食道に放射線を受けた場合には、食道が炎症を起こして飲みこむときに痛さを感じたり、飲み込みにくさを感じることがあります。

これらは一過性の症状であり、時がたてばおさまるのが普通です。

このような症状が現れたときには刺激物をさけて、やわらかいものを食べるようにします。

腹部や骨盤部に照射した場合は、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐などがあらわれることがあります。

泌尿器関係の臓器に照射した場合には、膀胱炎になったり頻尿や排尿困難になることがあります。

副作用が現れたら、担当の医師に相談することが大事です。

 

油断できない放射線治療の「晩期症状」とは?

放射線治療を受けた場合、治療直後の副作用とは別に、何年もたってから副作用が現れることがあります。

これを「晩期症状」といいます。

晩期症状は、照射を受けた部位によって大きく副作用の出方が異なります。

頭部に照射を受けた場合、脳障害、下垂体障害などが現れたり、目の場合には白内障や網膜症を起こして視力に障害が出ることがあります。

口腔や頸部に照射を受けた場合、口の中の潰瘍や唾液が出にくくなることがあります。
口が乾いたり味覚が異常に感じて食欲がなくなってしまうこともあります。

肺の近辺に照射を受けた場合、心臓や食道が影響を受けます。

心臓の周りに水が溜まって心外膜炎を起こしたり、溜まった水の量が多く心不全を起こすこともあります。

肺の機能が低下し、呼吸が苦しくなったり、食道が炎症を起こし細くなって食べ物が通りにくくなる症状があらわれます。

乳がんで乳房やわきの下に照射をした場合には、腕がむくんだりしびれたり、力が入らなくなったりすることもあります。
乳房も影響を受けて硬くなったり、肺の機能低下を起こしてしまうこともあります。

腹部に照射すると、女性は卵巣機能が、男性は睾丸が影響を受けて子供ができにくくなることがあります。

また、腸に潰瘍ができたり、膀胱に炎症を起こしてしまい血尿が出ることもあるほか、
リンパの流れが悪くなり、下肢がむくんでしまったり、肝臓や腎臓の機能低下を起こしてしまうこともあります。

脊髄は放射線の害を受けやすいので放射線の量を減らしたり、照射方法を工夫するなど、医師は調節をして行っています。

しかし稀に、治療後数年後に手足がしびれたり下半身のマヒが起こることがあるので、脊髄に照射を受けた場合には注意が必要です。

脊椎の周辺には小腸や大腸もあるために、放射線の線量が多くなると腸に穴が開いてしまったり、潰瘍ができたり、腸閉塞を起こしてしまう可能性があります。

 

放射線治療中、治療後に注意すべきこと

放射線治療は治療中や治療直後には副作用が出やすいので、その間の生活には注意が必要です。

食事は栄養のあるものや消化の良いものを中心に取るようにします。
特に、吐き気や嘔吐がひどい場合には、高カロリーのものや栄養価の高いものを少しずつとり、脱水にならないように気を付けます。

治療が終わっても、副作用や治療の効果を確かめたるために、放射線治療医の診察を受ける必要があります。

必要に応じてCTなどの精密検査を受けることもあります。

晩期に副作用が現れることもあるので、定期的な医師の診察がかかせません。

放射線そのものが癌を作り出す可能性があるといわれています。

照射を受けた部分は、癌が発生する確率が高くなるというデータがあります。

しかし、治療による効果の方が、はるかに高く、二次的な癌の心配を上回るといわれています。

 

まとめ

このように放射線治療にはメリットとデメリットがあります。

治療前には放射線治療医が治療の目的や方法、予想される副作用などについて説明します。

治療の前に、どんな治療方法を行うか、どんな効果が期待できるか、どんな副作用のリスクがあるのか、治療期間はどのくらいになるのかということを医師に聞いておくことが大切です。

最近は放射線の精度が高い装置も開発され、癌の部位だけに照射できるようなものも登場しています。

照射精度が高くなれば、ピンポイントで患部だけ狙って照射できるようになり、放射線の線量が少なくすみます。

そのような装置が増えれば副作用が減ることが予想されます。

精度の高い装置が普及すれば、副作用の問題も解決し治療を受ける人もさらに増えるはずです。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。


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