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「カロリーを減らせば痩せられる」の嘘

 2018/12/17 生活習慣病
この記事は約 8 分で読めます。 1,508 Views

健康やダイエットを気にしている人であれば、カロリーのことを知らない人はいないでしょう。

医師からカロリーを制限した食事を指導された人も多いでしょうし、誰もが一度は「カロリーを減らせば痩せられる」といった言葉をテレビや雑誌で見聞きしたことでしょう。

ところで、そもそも「カロリー」とは何でしょうか?

また、そもそもどのような身体の仕組みで肥満になるのでしょうか?

一つ一つ順番に解説していきます。

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そもそも「カロリー」とは?

カロリーとは一体何を表す言葉でしょう。

一般の人は勿論の事、医療関係者でさえ理解できている人達は少なく、その為に混乱が起きています。

歴史的に見れば化学者達が、全ての物、例えば石炭やガス・石油・薪・炭など、または食べ物ではタンパク・脂肪・炭水化物・糖などを利用した際に得られる、又は発生するエネルギー(動力)や熱の事を“カロリー”と呼んでいます。

現在は国際基準では、カロリーという単位は使われず、ジュールという単位が使用されています(1カロリー=1ジュール)。

ジュールという言葉は、高校生の時に物理で学習しているはずですが、イギリスの物理学者が発見しその名前が使われているのです。

1840年、電動機を使用した時に発生する熱の量を測定し、電流(電力量)と発熱量に関する「ジュールの法則」を発見しました。

ジュールとは、仕事、エネルギー、熱量、電力量からなる単位量を言い表します。

我々の脳や筋肉その他身体が適正に働くためには、相応のエネルギーが必要になります(ジェニファー・マックダニエル、栄養学者)。

もし身体が正確に十分に機能する為には、十分な電力=エネルギーがなければなりません。

1863年に栄養学雑誌に“栄養物質中のカロリーについての歴史”と云う表題で掲載された論文によると、水1キログラムの温度を0℃から1℃に上昇させるために必要な「熱の量」を1キロカロリーと決めました。

1925年になり物理学者がある物質を1メートル動かすのに必要な力を、1ジュールと定義しました。

 

人間の身体は「電気」で動いている

「人間の身体は電気で動いている」というと「まさか!人間はロボットではない!」と思われる方もいるでしょう。

ですが、これは本当の話です。

「心電図(心臓電気図)」からもわかるように、我々の身体の活動(代謝活動)はすべて「電気」を使って行われているのです。

身体で使う電気は、どこからも購入する事が出来ないので「自家発電」するしかありません。

では、身体の中でどの様にして発電しているのでしょう?

私達の身体は60兆個という膨大な数の袋状の「細胞」と呼ばれる物質から出来あがっています。

一個一個の細胞は種々の仕事を分担して行っているのですが、仕事をする為には電力が必要なのです。

ですから一つの細胞には、少なくとも一個以上、数千個の発電設備が備わっています。

この発電設備を「ミトコンドリア」と呼んでいます。

たとえば心臓は、1分間に60~90回の収縮・拡張活動をし、全身に血液を配送する役目を担っています。

この仕事の為には、膨大な電力が必要となります。

また、筋肉は37℃に体温を保つ為に就寝中も電気を使い筋肉を動かし(基礎代謝)、昼間には生きてゆく為にたえず身体を動かさなければならない(運動代謝)ので大変な量の電力を消費します。

 

「昼間」と「睡眠時」、消費カロリーが大きいのはどっち?

消費する電力量が多ければ、発熱量も大きくなります。

電球で考えると、20ワットの電球と100ワットの電球では熱さが5倍違います。

この時の熱の事を今までは「カロリー」と呼んでいたのです。

言い換えれば、身体活動の量が増せば増すほど、発熱量は増えカロリー量が増えるのです。

たとえば、体温が37℃の人と36℃の人では電力消費量=カロリーは全然違います。

皆さん就寝中より昼間の方が消費電力、即ちカロリーが大きいと思われるかもしれませんが、そうではなく就寝中の方がはるかに大量の電力を消費しているのです。

総電力消費量(総カロリー消費量=安静時(睡眠時)カロリー消費量 70% + 運動時(昼間)カロリー消費量 30%の割合です。

何故かと云えば、夜間就眠中は身体を動かさないためどうしても体温が下がり、代謝活動が低下します。

我々の身体では色々な代謝活動を体温37℃で行っているので、この温度より低下すると糖代謝やその他の代謝が悪くなり、下手をすると死に至ります(凍死)。

これを防ぐ為、昼間よりはるかに多い電力を作り、その電力を使って身体を温めているのです。

 

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「炭水化物」と「脂肪」、身体に良い発電材料はどっち?

発電するにはその為の材料を必要としますが、それには食事に含まれるものを使わなければなりません。

それには2種類の物があり、1つは「炭」すなわち「炭水化物」と、もう1つは「脂肪(脂質)」です。

では、「炭水化物」と「脂肪」、身体に良い発電材料はどちらでしょう?

その答えを得るために、まずは例え話をしてみましょう。

例えば、石炭火力発電と重油による発電では、発電量が違います。

相当量の石炭を使わないと、重油と同じ量の発電は出来ません。

そのうえ、石炭=炭水化物を燃やすと、石炭残渣=灰が残りますが、重油=脂肪であれば炭酸ガスを発生するくらいで灰は残りません。

この例え話を踏まえ、話を人間の身体に戻しましょう。

私達の身体で云えば、炭水化物=炭を食べてそれを発電に使うと、灰すなわち「乳酸」が余ります。

すると結果として身体は酸性になり、「がん」の大きな原因ともなります(オットー・ハインリッヒ・ワールブルグ博士がこの考えを発表し1931年にノーベル賞を受賞)。

一方で、「脂肪(脂質)」は炭水化物に比べて非常に効率がよい発電材料です。

特に「動物脂肪」は、植物油よりも身体にとって無害で優れています。

 

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「炭水化物」と「カロリー」、肥満の原因はどっち?

では、食べ物のカロリーとは一体何を表すのでしょうか。

例えば“キャベツの葉”のカロリーで考えてみると、100グラムの葉を燃やした時に出る熱で1mlの水の温度をどれ位上げられるかで決まります。

もし、1mlの水の温度を1℃上げられれば、1カロリーの熱量が出たと云う事です。

カロリー(国際的にはジュール熱)が少ないと云う事は、それだけ身体を働かせるために必要な電気量が少ない事になります。

これは、身体はいわゆる「省エネモード」になっているので、体温は低くなり少し動くだけでも疲れたりします。

欧米化された現代生活では、ヒーターなどのエアコンを使用するので、体温を維持するために電気を消費する必要がなくなり、炭水化物=糖の様な燃料は余ってきます。

炭水化物=糖は本来我々にとっては栄養でない(※)ため、余分となった物を尿から体外に排泄する働き(遺伝子)を備えていません。

※必須炭水化物や必須糖はありません。

だから、余分な糖は体内に溜まり(いわゆる糖尿病)、害となるので「脂肪」に変えて保存しようとします。

これが私たちの身体の仕組みです。

では、「炭水化物」と「カロリー」、肥満の原因はどちらでしょう?

カロリーが原因で肥満になるのではありません。

炭水化物の摂りすぎが肥満の原因です。

カロリー(電力)を作る為の材料に炭(糖)を使用する事で「肥満」になるのです。

一口にカロリーと云っても、カロリー生産の材料によって結果は違うのです。

また、炭水化物からは脂肪に比べて半分の電力しか作れないので非常に効率が悪いです。

その為、脂肪に比べ大量の物を食べなければならず、必然的に余った炭水化物(糖)は“害”のない脂肪として蓄積されます。

そして肥満になるのです。

 

まとめ

このように、肥満はカロリーの摂りすぎではなく、炭水化物の摂りすぎによる結果なのです。

私達の身体は、発電効率が悪く本来人間が食べる必要のない炭水化物を処分する能力を備えて来なかったのです。

カロリーとは熱量の単位のことです。

よく言われる「カロリーを減らせば痩せられる」と云う様な考えは、全く身体の仕組みすら理解出来ていないことになります。

マスコミや医療関係者の云う「低カロリー」ダイエットは、いかに非科学的で欺瞞に満ちた宣伝であるかを理解し、炭水化物を極力減らす生活を心掛けましょう。

 

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ライター紹介 ライター一覧

荒木 裕

荒木 裕

崇高クリニック院長。
1962年 京都大学医学部卒
1967年 京都大学医学部大学院卒
1968年 大阪北野病院勤務
1971年 アメリカハーバード大学付属 小児病院脳神経外科研修医
1973年 アメリカハーバード大学医学部 臨床栄養学部助教授
1976年 アメリカ国立公衆衛生研究所(NIH)客員研究員
1977年 アメリカサウスカロライナ大学 医学部勤務
1983年 崇高クリニック開設

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