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薬の副作用で高血圧になる!?気をつけたい薬&飲み方

体の不調を改善するために何らかの薬を服用するという機会は現代社会では必ずあります。

しかし、そのような際に薬による副作用が現れてしまうことに不安を感じている方もまた多いのではないでしょうか。

薬によって生じる副作用にはさまざまなものがありますが、高血圧はその中でも特に広く知られており気をつける必要があります。

今回はそんな薬の副作用によって生じる高血圧の詳細や高血圧を引き起こす恐れのある薬の種類、薬を服用することで高血圧の症状が生じてしまった場合の対処法について解説します。

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薬によって高血圧になってしまうことがある

体の不調を感じ病院で診察を受けると、ほとんどの場合何らかの薬を処方されます。

通常、この薬を服用することによって体の不調は徐々に改善されていくこととなりますが、このような薬の中には体の不調を治すだけでなく別の不調を副作用として引き起こす恐れのあるものもあります。

このような薬の副作用のひとつとして挙げられるのが高血圧です。

高血圧にはそれ自体に特有のはっきりとした症状があるわけではありませんが、頭痛や視力の低下、吐き気などの症状を併発することがあります。

また、高血圧の状態が長く続き重症化すると、脳卒中や心筋梗塞といった命にかかわる病気を引き起こすこともあります。

このような薬の副作用によって引き起こされる高血圧を「薬剤誘発性高血圧」と呼びます。

この薬剤誘発性高血圧の可能性が疑われるケースでは、どのような医療機関からどのような薬剤を処方・投与されたのかを確認する必要があるため、それらの記録はしっかりと残しておかなければなりません。

また、もともと血圧が高めの方が薬剤誘発性高血圧を引き起こしてしまうと、通常であれば目立った症状が現れないようなケースでも命にかかわるような重い症状が現れてしまうことがあります。

よって、血圧が高めの方はそのことを医師に説明し、高血圧を引き起こす恐れのない薬を処方してもらうといった工夫をしなければなりません。

以上のように、薬の副作用によって引き起こされる薬剤誘発性高血圧は時として命にかかわることもあるため、血圧が高めの方だけでなく健康診断などで血圧が高いといわれたことがない方でも注意する必要があります。

 

薬剤誘発性高血圧を引き起こすことがある薬

薬剤誘発性高血圧を未然に防ぐためには、何よりもその原因となりうる薬の種類を覚えておくことが重要です。

続いては、薬剤誘発性高血圧を引き起こすことがある薬と、各々における血圧が上がる理由を見てきましょう。

カンゾウ

漢方は自然由来の薬であることから副作用が生じる可能性は少ないのではと考えている方は多いかもしれません。

しかし、漢方の中にも副作用として高血圧を生じさせるものがあります。

「カンゾウ」と呼ばれる漢方薬には痛み止めや抗アレルギー、解毒、抗炎症などの効果が期待できるため、病院で処方されるものだけでなく、のど飴や健康補助食品にも配合されていることがあります。

しかし、このカンゾウの主成分である「グリチルリチン」には体内の余分な塩分を排出する腎臓内のホルモンの分泌を妨げる作用があるため、結果的に高血圧を引き起こしてしまう恐れがあります。

このようなカンゾウを服用することによる血圧の上昇はカンゾウを長期的に服用しない限り生じないとされていますが、漢方はそもそも長期的に服用することで徐々に体の不調を改善していくために処方されることが多く、もともと血圧が高めの方などはより注意が必要です。

非ステロイド性抗炎症薬(鎮痛剤)

何らかの炎症を抑えるための薬としてはステロイド系のものが処方されることもありますが、ステロイドにもまたさまざまな副作用を引き起こす恐れがあります。

そのため非ステロイド性抗炎症薬を処方するケースも少なくありません。

非ステロイド性抗炎症薬は主に抗炎症、鎮痛、解熱の3つの目的で処方がされますが、このうち鎮痛を目的として処方されるものには痛みを誘発する「シクロオキシゲナーゼ」という酵素の働きを抑える効果があります。

しかし、このシクロオキシゲナーゼには痛みを誘発するだけでなく人間の体の働きを安定させる役割もあるため、非ステロイド性抗炎症薬を服用することで体の働きが不安定になってしまうことがあるのです。

このような非ステロイド性抗炎症薬を服用することによって体の働きが不安定になってしまうケースで生じる具体的な症状のひとつが高血圧であり、特に普段から血圧が高めの方や高血圧の方が多い家系の方は注意が必要です。

MAO阻害薬

MAO阻害薬(モノアミン酸化酵素阻害薬)には、「モノアミン神経伝達物質」と呼ばれる成分の分解を阻害する働きがあり、現在ではパーキンソン病の治療などで用いられています。

この薬を服用すると体内のモノアミン量が増加し、副作用として血圧が高くなってしまうことがあります。

また、このモノアミンと呼ばれる物質の一種である「チラミン」はチーズなどの食品にも多く含まれており、日常的にチラミンを多く摂取している人がMAO阻害薬を服用した結果、血圧がより高くなってしまったという症例も報告されています。

これに加え、MAO阻害薬はうつ病治療などで用いられる三環形・四環系抗うつ薬と併用することで血圧が急激に高くなってしまうことも分かっています。

以上のように、MAO阻害薬には副作用として高血圧を引き起こすケースが多いのですが、そもそもMAO阻害薬はパーキンソン病をはじめとした決して多くはない病気の治療で用いられる薬です。

上述したカンゾウや非ステロイド性抗炎症薬などに比べると、副作用として高血圧を引き起こすケースは少なくなっています。

塩酸フェニルプロパノールアミンを含む鼻炎薬

「塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)」には鼻水や鼻づまりを改善する効果があり、かつては市販されている多くの鼻炎薬に配合されていました。

しかし、この成分にも高血圧をはじめとした副作用を引き起こす危険性があり、現在ではこの成分が配合された鼻炎薬は少なくなっています。

また、塩酸フェニルプロパノールアミンを含む鼻炎薬は他の成分と合わさることでより副作用が生じる危険性が高くなることが分かっており、とりわけチーズ、ワイン、バナナなどに含まれるチラミンとの摂取には気をつけなければなりません。

 

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薬剤誘発性高血圧が起こったときの対処法

上述した薬を服用することによる血圧の上昇が確認された場合、以下の方法で対処するのが有効です。

カンゾウ(漢方)

カンゾウは漢方の中でも特に多くの薬や健康食品に使用されており、気づかないうちに基準量を大きく上回る量を摂取してしまっていることがあります。

このことから、カンゾウの服用を原因とする高血圧の対処法としては一時的にカンゾウの服用を中止したり、医師の指導のもと摂取量を調整したりするのが効果的です。

一方、カンゾウを摂取することによって血圧が高くなってしまう方の中には、そもそも血圧が高めの肥満気味の方などが多いことも分かっています。

よって、運動や食事によって痩せ血圧が高くなりにくい体づくりをすることも、カンゾウの摂取を原因とする高血圧を改善する方法としてあげられます。

非ステロイド性抗炎症薬(鎮痛剤)

薬物誘発性高血圧の原因となる鎮痛剤として使用される非ステロイド性抗炎症薬は他の薬で代用することも可能です。

非ステロイド性抗炎症薬による薬物誘発性高血圧が引き起ってしまった場合は、医師と相談の上で服用をやめ、別の薬で代用できないか検討してみるのがよいでしょう。

また、非ステロイド性抗炎症薬による薬物誘発性高血圧はCa拮抗剤を服用することで、その症状を緩和することが可能です。

何らかの理由から非ステロイド性抗炎症薬の服用を中止できない場合は、医師と相談の上この対処法も試してみるとよいでしょう。

MAO阻害薬

そもそもMAO阻害薬は上述のとおりパーキンソン病のような特殊な病気の治療で使用されるため、実際に投与するまでには医師によって慎重に検討が行われます。

そのため、MAO阻害薬を服用し、すぐに命にかかわるほどの血圧の上昇が引き起こされてしまうケースは少ないと考えることができます。

しかし、慎重な検討が行われてもMAO阻害薬によって薬物誘発性高血圧が引き起ってしまうことはあります。

この場合、MAO阻害薬の投与量を減らすか中止するのが有効な対処法といえるでしょう。

また、α遮断薬を併用することによって血圧の上昇を押さえられることも分かっており、この対処法もMAO阻害薬を原因とする薬物誘発性高血圧に対しては有効となります。

塩酸フェニルプロパノールアミンを含む鼻炎薬

かつては市販されている鼻炎薬の中にも塩酸フェニルプロパノールアミンを含むものが多く存在しましたが、現在ではその副作用が問題視されるようになったことから塩酸フェニルプロパノールアミンを含む鼻炎薬は少なくなっています。

それに代わる形で、現在では塩酸フェニルプロパノールアミンを含まない鼻炎薬が多くなっているため、そのような種類のものを選ぶことはこの成分に由来する薬物誘発性高血圧への根本的な対処法として有効といえます。

一方、塩酸フェニルプロパノールアミンの服用を原因とする薬物誘発性高血圧は、上述のとおりチラミンを同時に摂取することで症状が重くなりやすいという特徴があります。

よって、食事からチラミンを摂取しないようにすることもまた、このタイプの薬物誘発性高血圧の対処法として有効です。

 

飲み方における注意点

薬物誘発性高血圧を引き起こす可能性のある薬を服用する際には、以下の基本的な決まりごとに沿うことが安全性を確保する上で不可欠となります。

勝手に他の薬と併用しない

薬物誘発性高血圧を引き起こす恐れのある薬の中には、他の薬と併用することでその危険性が増すものが多く存在します。

そのため、勝手に他の薬と併用しないことは薬物誘発性高血圧を予防する上で非常に重要となります。

また、他の薬と併用することで引き起こされる薬物誘発性高血圧を予防する上では、簡単に入手できる市販薬や健康食品を服用することで知らないうちに薬物誘発性高血圧を引き起こす危険性を高めてしまう物質を摂取してしまうことにも注意しなければなりません。

特にカンゾウのような漢方は上述したとおりさまざまな市販薬、健康補助食品に含まれているため、併用をする際には成分表示をしっかりと確認する必要があります。

指定の量を守って服用する

薬物誘発性高血圧は、原因となりうる物質の適量を守った上で摂取していれば引き起こす危険性がありません。

適量を守らなかったがために症状が重くなってしまうケースもあり、病院で処方された薬物誘発性高血圧の原因になりうる薬は必ず医師や薬剤師の説明を聞き、指定された量を守る必要があります。

また、市販薬に関しても同じことがいえるため、「薬は多めに飲んだほうが体の不調も早く改善されるのでは」といった安易な考えも改めなければなりません。

病歴を正確に把握し、医師に説明する

病院で処方される薬は患者の病歴をもとに決められることもあります。

例えば高血圧と診断されたことがある患者の場合、そのことを医師にしっかりと伝えれば薬物誘発性高血圧を招く恐れのない薬を処方してもらうことも可能となります。

このことから、病歴をしっかりと把握し、医師に説明することもまた薬物誘発性高血圧を予防する上で有効といえます。

他に服用している薬があれば、それも医師に説明する

患者に処方される薬は他の薬との相性も考慮した上で決定されます。

そのため、通常は薬物誘発性高血圧を引き起こす危険性を高める組み合わせで、2種類以上の薬が処方されることはありません。

しかし、別の診察機会で処方された薬や別の病院で処方された薬はお薬手帳などがないと医師も分からないため、それらを医師に説明し忘れてしまうと同じ時期に相性の悪い薬を併用してしまうことがあります。

よって、薬物誘発性高血圧を予防するためには、同時期に服用している薬を医師に説明することも忘れないようにしましょう。

 

まとめ

薬の副作用によって引き起こされる薬物誘発性高血圧には服用した薬の働きだけによるものもありますが、多くは同時期に服用した別の薬との相性や服用した人の健康状態が大きく関係しているといえます。

また、処方する薬に薬物誘発性高血圧を引き起こす恐れがある場合、処方をする医師もその危険性を最小限に止められるよう薬の種類などを検討してくれるため、健康被害を最小限に止めることが可能です。

しかし、患者側が病歴や服用している薬などの本来伝えるべき情報を医師に伝え損ねてしまうと、深刻な副作用として薬物誘発性高血圧を引き起してしまうこともあり、それを未然に防ぐためには患者側の心がけも重要になるといえるでしょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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