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糖尿病が気になる場合は病院で検査を

生活習慣病
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糖尿病は初期段階だと自覚症状がないと言われています。

気づかない間に進行してしまっていることも少なくないため、いかに早く自覚症状に気づき対処するかということが重要です。

ここでは、初期症状を中心に糖尿病について深く掘り下げて解説します。

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糖尿病が気になる人はヘモグロビンA1cをチェック

「糖尿病という名前はよく聞くけれど、具体的にどんな症状が起こるのかはよく知らない」という人も少なくありません。

糖尿病は生活習慣病のひとつで、日本ではかなりの数の患者が糖尿病もしくは糖尿病予備軍だと言われています。

日常生活で予防することが可能である反面、進行してしまうと命の危険もある怖い病気です。

糖尿病についての理解を深めることが予防と早期治療に役立ちますので、ここで糖尿病とはどんな病気なのかについて解説していきます。

<糖尿病初期の症状>

糖尿病は初期症状がわかりにくく自覚症状に気づきにくいと言われています。

しかし体調を気にしていると、これまで感じなかった不調が表れることがあるので、その体からのサインを見逃さないことが大切です。

糖尿病の初期症状として、「食欲の増進」「疲れやすい」「喉が渇く」「足の異常」などが挙げられます。

血糖値が高くなると、ブドウ糖を処理するためにインスリンの分泌量が増え食欲が増進します。

そして、糖尿病になるとブドウ糖をエネルギーとして吸収することができなくなってしまうのです。

代わりに筋肉や脂肪をエネルギーにすることから、疲れやすくなります。

さらに血糖値が高くなると、血液がいわゆるドロドロの状態になります。

これを脳は脱水状態だと認識して水を飲もうとするために異常に喉が渇くというわけです。

また、糖尿病になると毛細血管にダメージを起こすことがあり、体の末端に異常が出る場合があります。

代表的なのが足で、足がしびれる、冷える、熱を持つ、つりやすいなどの症状が発生します。

そのほか、乾燥しやすい、巻爪になるなどの症状も糖尿病の初期症状として挙げられます。

これまでに感じたことがなかった上記の症状を覚えたときは、すみやかに医師の診察を受けることが望ましいです。

<健康診断の結果を確認>

健康診断では必ずといってよいほど血糖値の検査が行われます。

定期的な検査で血糖値の向上が見られた場合も糖尿病の可能性が疑われます。

速やかにさらなる検査や医師の診断を受けることが重要です。

健康診断の結果を確認するにあたり「血糖値」の項目を確認しましょう。

血糖値の項目がない場合は「ヘモグロビンの数値」を確認してください。

ヘモグロビンはHbA1cと表記されています。

この数値が標準よりも高ければ血糖値が高い状態、低ければ血糖値が低い状態です。

ヘモグロビンA1cの数値は、当日や前日の血糖値ではなく過去1、2ヶ月の平均を示していますので、直近の食事の影響を受けない点も特徴と言えます。

<ヘモグロビンA1cとは>

ヘモグロビンとは赤血球の中に含まれるたんぱく質の一種で、体の中の細胞に酸素を送る役割があります。

血液中のブドウ糖がヘモグロビンと結合したものが「糖化ヘモグロビン」です。

ヘモグロビンと結合するブドウ糖の量が増えれば増えるほど、血糖値が上がっていきます。

血糖値の高い状態ではヘモグロビンA1cの数値も高くなり、低い状態だとヘモグロビンA1cの数値も低くなります。

ただし糖化ヘモグロビンは結合した赤血球が死滅するまで減少しないので、一度血糖値が高くなった状態がすぐに改善することはありません。

「血糖値の数値は直近の食事に影響しない」と先述したのは、糖化ヘモグロビンがすぐに減ることはないからです。

このヘモグロビンA1cの数値は糖尿病の診断に大きく関係します。

ヘモグロビンA1cの数値が高ければ糖尿病を疑い、さらなる検査に入ることになります。

そのほか、先に紹介した糖尿病の初期症状とヘモグロビンA1cの数値を比較しながら診断材料とすることもあります。

糖尿病の疑いが生じた場合は空腹の状態で血糖値の数値を調べたり、ブドウ糖を飲んだりなどの検査を行いながら糖尿病と診断されるかどうかを調べましょう。

<ヘモグロビンA1cの基準値>

では具体的にヘモグロビンA1cの数値はどの程度だと問題なく、どの程度だと糖尿病の疑いがあるのでしょうか。

血糖値の数値は医療機関によって判定の目安が変わってきます。

ある医療機関ではヘモグロビンA1cの数値が5.2%以下を正常範囲内としていますが、別の医療機関では5.8%未満を正常値としているところもあります。

5.2%以下を正常範囲内としている場合は「今後糖尿病に注意が必要」という段階を5.5%に定めています。

糖尿病予備群の可能性がある範囲は5.6〜6%、糖尿病と診断されるのは6.1%以上です。

これに対し5.8%未満を正常値としている医療機関では、6.5%以上を要注意から糖尿病予備群として判断しています。

糖尿病になる可能性があるとされる「境界型糖尿病」は5.5%からだとする医療機関もありますので、少なくとも5%を超えている人は、糖尿病を懸念して医療機関を受診することが望ましいでしょう。

 

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生活習慣病「糖尿病」のリスク

糖尿病はそのものに症状があるというよりも、糖尿病によって引き起こされる合併症がさまざまな症状を引き起こします。

糖尿病による合併症のリスクは非常に幅広いです。

初期の自覚症状はほとんどないといわれていますが重症化すると命の危険を伴うものもあります。

生活習慣を見直すことで糖尿病の予防や改善ができる反面、非常に恐ろしい病気であるともいえるでしょう。

ここでは糖尿病のリスクについて詳しく解説していきます。

<生活習慣病「糖尿病」>

糖尿病は「生活習慣病」のひとつです。

生活習慣病には脳卒中やがん、動脈硬化などさまざまな病気があります。

いずれも健康的でない生活習慣が原因となっているため「生活習慣病」と呼ばれるようになりました。

この生活習慣病の中に糖尿病も含まれます。

生活習慣は主に「食習慣」「運動習慣」「喫煙」「飲酒」に分けられ、糖尿病は食習慣と運動習慣が大きく関係する病気です。

令和元年 国民健康・栄養調査によると、日本の成人で糖尿病だと強く疑われると診断された人は、男性 19.7%、女性 10.8%です。

この数値は過去10年間でほとんど増減していません。

年齢別にみると、50歳以上の層で高い割合が見られます。

<糖尿病による合併症の症状>

先でも少し触れていますが、糖尿病は病気そのものが怖いというわけではありません。

糖尿病が引き起こす合併症に命の危険を伴うものがあるのです。

糖尿病の合併症として代表的なのが「認知症」「骨粗しょう症」「歯周病」などです。

ほかにも「動脈硬化」や「心筋梗塞」など、血管に伴う病気も糖尿病の合併症として広く知られています。

糖尿病になって血糖値が高い状態が続くことで、血管の状態が非常に悪くなってしまいます。

血管は全身に栄養を届けるために重要な役割を果たしていますが、その血管が血液を送ることができなくなると、さまざまな病気を引き起こすことは想像に難くありません。

糖尿病の怖いところは、血管をボロボロにしてしまうことなのです。

血糖値が高い状態が続くと、それを抑えるためにインスリンというホルモンの分泌が盛んになるのですが、これががんの発症率を高めると言われています。

また血管が傷つく、詰まるといった症状が起こった場合に、脳梗塞などを発症すると認知症のリスクが高くなります。

ほかにも血糖値が高い状態が続くことで骨の質が低下して骨粗しょう症になりやすくなりますし、免疫系に悪影響を及ぼし歯周病のリスクも高まるのです。

<気になる場合は、早めに病院で検査を>

糖尿病は自覚症状がわかりにくいため、少しでも体調に変化が見られた場合は速やかに医療機関で検査を受けることが大切です。

まずはかかりつけ医に相談してみましょう。

また、体調に大きな変化がない場合でも、年1回など定期的な健康診断は決して欠かすことなく受けてください。

健康診断で糖尿病の疑いがわかる人も多いです。

そして糖尿病もしくは境界型糖尿病と診断された場合は、段階に伴った適切な治療を受けることが重要になります。

糖尿病は完治させることは難しく、合併症が出ない状態を保てるように一生付き合っていかなければならないケースも少なくありません。

信頼できる医師のもとで、正しい治療を受けることが合併症を引き起こさないための大きなポイントです。

 

ヘモグロビンA1cの数値が上がる原因と下げる方法

ヘモグロビンA1cの数値を上げないようにする、または下げることで糖尿病の予防と改善に役立ちます。

ここではヘモグロビンA1cの数値を上げない方法をご紹介します。

<ヘモグロビンA1cの数値が上がる原因>

ヘモグロビンA1cの数値が上がってしまう原因のほとんどに食事が関係しています。

「お腹いっぱいになるまで食べないと気がすまない」「外食が多い」「ランチや朝ごはんを菓子パンで済ませる」という人は注意が必要です。

栄養バランスが偏り糖質の摂取が過剰になるため、ヘモグロビンA1cの数値が上がります。

また、水分補給というと清涼飲料水を飲んでしまう人、栄養ドリンク系が好きな人、お酒をよく飲む人などもヘモグロビンA1cの数値が高くなる可能性があります。

カフェが好きな人も、コーヒーと一緒にケーキを食べるなど糖質の摂取が多くなります。

家での食事は健康的だけれど、お付き合いでお茶をしたりよく外食をしたりする人は、気づかないうちにヘモグロビンA1cの数値が上がりやすい生活をしているかもしれません。

また、運動不足の人もヘモグロビンA1cの数値が上がりやすくなります。

このように、ヘモグロビンA1cの数値が高くなる原因は実にさまざまですが、大半が食生活によるものになります。

逆に考えれば、食生活を見直すことでヘモグロビンA1cの数値を低い状態に保てるということです。

<ヘモグロビンA1cの数値を下げる方法>

ヘモグロビンA1cの数値を低くするには食生活の見直しが第一です。

糖の摂取はダイレクトに血糖値の数値に影響しますので、すでにヘモグロビンA1cの数値が高い人は糖の摂取を抑える「糖質制限」を意識しましょう。

砂糖が大量に使われている清涼飲料水の摂取をやめる、ケーキなど甘いお菓子を控える、炭水化物を控えるといったことは糖質制限の代表的な方法です。

そのほか、スナック菓子や加工肉など、甘くない食品でも糖分が多く使われているものがあるので、これらの摂取も避けたほうがよいでしょう。

次に意識したいのが「運動」です。

運動というと、ジムに通って筋トレやランニングマシンをこなすという印象を持つ人も多いでしょう。

しかしいきなりジムに通い始めるのも大変ですよね。

毎日40分〜1時間程度ウォーキングをするなど、少しずつでも運動を続けていく方がヘモグロビンA1cの数値を安定させる効果が高くなるでしょう。

これまで車で行っていた買い物を徒歩で行くようにする、散歩を習慣化するなど、簡単なことから始めて継続させることが大切です。

また、心の健康はヘモグロビンA1cの数値を下げるだけでなく、体全体の健康に大きく影響します。

できるだけストレスを溜めないようにする、うつ傾向にある人は医師など専門家の指導の元正しい治療を行うといったことも大切です。

 

まとめ

糖尿病は糖尿病そのものよりも合併症が怖い病気であること、また生活習慣によって引き起こされる可能性が高い病気であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

糖尿病は生活習慣を見直すことにより、予防と改善が可能な病気なのです。

ヘモグロビンA1cの数値を安定させて糖尿病の予防と改善を行う方法は決して難しいものではありません。

すぐにでも取りかかれることばかりですので、さっそく今日から実践してみてはいかがでしょうか。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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