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生活習慣病「高血圧」の原因を理解して予防しよう

生活習慣病
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生活習慣病の中でも高血圧は日本人にとってなじみの深い病気のひとつです。

昔から高血圧によると思われる脳卒中や心筋梗塞などで倒れたり、突然死してしまったりするエピソードがドラマや映画の中でも度々描かれてきました。

そのため、高血圧が予防できる、高血圧になっても合併症を防ぐことができるというイメージが持ちにくいという傾向があります。

高血圧では服薬による治療が大切ですが、生活習慣も大きく影響することも。

高血圧の病態と現在の日本の状況、生活習慣での予防法についてご紹介します。

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生活習慣病「高血圧」とは

「上の血圧」「下の血圧」がどのような状態を示しているのか不思議に思ったこともあるでしょう。

また、血圧が高いとどのような障害が起きるのでしょうか。

高血圧で薬を飲んでいるという方やちょっと血圧が気になる方のために、高血圧と高血圧が引き起こす病気について解説します。

<高血圧とは>

血圧とは、心臓がポンプの役割をして血液を全身に循環させる際に血管にかかる圧のことです。

血管にかかる圧力には心臓のポンプの力の大きさだけでなく、1回の拍動で全身に送り出す血液量や血管の弾力性、血液の粘度などが影響します。

血圧には最高血圧と最低血圧があり、最高血圧は心臓が収縮して大動脈へ血液を送り出した際に血管にかかる圧を示しています。

一方、最低血圧は心臓が拡張して肺静脈から心臓に血液が流れ込んだ際に血管にかかっている圧を示しています。

血圧は常に変動しているため、測定の時間帯や季節、なかでも測定直前や測定中の行動に強く影響されることが多いです。

そのため、健康診断の会場や病院で測る「診察室血圧」と「家庭血圧」では基準値が異なっています。

高血圧診断基準では診察室での最大血圧が140mmHg以上、または最小血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断されるのが一般的です。

しかし、自宅で測る家庭血圧の場合は診察室よりも基準が5mmHg低くなっています。

正常血圧は120/80mmHg未満(家庭血圧では115/75mmHg未満)、正常高値血圧は120~129/80未満mmHg(家庭血圧115~124 /75未満mmHg)で、ここまでが基準域内です。

境界域に当たる高値血圧は130~139/80~89mmHg(家庭血圧125~134/75~84mmHg)で、高血圧とされる基準はI度140-159/90-99mmHg(家庭血圧135-144/85-89mmHg)、II度160-179 /100-109mmHg(家庭血圧145-159mmHg)、III度高血圧180/110mmHg以上(家庭血圧160/100mmHg以上)の3つに分けられています。

<高血圧が引き起こす病気>

高血圧にはほとんど自覚症状がありません。

しかし長い期間、血管に大きな圧をかけて負担をかけ続けることで血管は慢性的なダメージを受け動脈硬化を引き起こします。

硬く、もろく、厚くなった血管は血液の通る道が狭くなり、傷ついた血管壁にはかさぶたがどろどろになった膿「プラーク」が生じてしまいます。

このプラークが血流にのって流れ、心臓の血管で詰まると狭心症や心筋梗塞を引き起こすだけでなく、常に高い圧で血液を送り出していることで心臓が肥大して心不全に至るのです。

同様に脳の血管でプラークが詰まると、脳梗塞を引き起こします。

脳の血管にもともと薄い部位や動脈硬化でこぶ状になった部分があると、高血圧で圧がかかることにより脳出血を引き起こすこともあります。

くも膜下出血は、血圧が何らかの理由で急上昇した際に起こる致死率が高い脳出血です。

脳の血管への影響は、認知症の原因にもなってしまいます。

心臓と脳の他に、血圧との関連が強い器官としてあげられるのが腎臓です。

血圧が上がると腎臓への負担が大きくなりダメージを受けます。

腎臓がうまく尿をつくれなくなると水分が排出できず血液の量が増えてしまうため、血圧が上がる仕組みです。

そして、さらに腎臓への負担が大きくなるという悪循環に陥ってしまいます。

腎臓がうまく働かないことで塩分の排泄もうまくいかなくなる上に、腎臓が分泌している血圧を調整するホルモンも低下する可能性もあるのです。

さらに腎臓の末梢血管も動脈硬化を起こし血流が悪くなるのです。

こちらも末梢血管抵抗が大きくなることで、また血圧が上昇するという悪循環になります。

高血圧と糖尿病を併発することで腎不全のリスクはさらに高まってしまうのです。

心臓や脳、腎臓という大切な臓器を守るためには血圧のコントロールが欠かせません。

 

現代日本人と高血圧

両親や祖父母、親せきなど親族の誰かが血圧が高くて病気になったという方はどのくらいいるでしょうか。

長い間、高血圧は日本人にとってありふれた死因であり、後遺症の残るような病気の原因になる疾患でした。

そのため、世代をさかのぼるほど血圧で命を落とした人は多かったのです。

医療体制が整った現在、昔に比べて日本の高血圧患者はどのような状態であり、政府はどんな取り組みをしているのかを詳しく解説します。

<日本の高血圧患者の現状>

日本では過去数十年間に渡り、食生活の改善などが進んで高血圧自体が大幅に減少しました。

治療法も確立し高血圧による死亡も減少してきていはいるのですが、いまだに生活習慣病での死亡の要因として日本で多いのは高血圧と喫煙だとも言われています。

2019年度の「国民健康・栄養調査」によれば、最高血圧の平均値は男性 132.0mmHg、女性 126.5mmHg で、このうち140mmHg 以上の人の割合は男性 で29.9%、女性 は24.9%です。

この10 年間で最高血圧の平均値も、140mmHg以上の人の数も、確かに減少はしています。

しかし、まだ20歳以上の国民の2人に1人は高血圧なのです。

2019年時点で日本には4300万人の高血圧患者がいると推計されており、このうち実際に高血圧と診断されて治療を受けている人は57%、2450万人にとどまっていると言われています。

さらに治療を受けている人の約半数は、高血圧の基準値である140/90㎜Hg未満に血圧がコントロールされていません。

高血圧を完全に予防することができれば、年間10万人の人が死ななくて済むとの報告もあります。

このようななかで、日本では何度か高血圧の基準値を改定して厳しく管理し、かつて日本の食生活の課題であったタンパク質の不足を改善するなどの取り組みを行ってきたのです。

<政府の取り組み「スマート・ライフ・プロジェクト」>

厚生労働省とスポーツ庁は、健康寿命をのばすことを目標とした「スマート・ライフ・プロジェクト(SLP)」という運動を展開しています。

スマート・ライフ・プロジェクトでは、人々がいつまでも元気で健康な毎日をおくるために重要な運動、食生活、禁煙の3分野などで推奨されるアクションを推進しています。

運動においては「毎日プラス10分の身体活動」、禁煙では「禁煙でタバコの煙をマイナス」とし、加えて推進されているのが「健診・検診で定期的な健康チェック」と4つの柱です。

さらに、企業や市民団体、NPO、学校、自治体などから取り組みを募り、優れた啓発活動を「健康寿命を延ばそう!アワード」として表彰して取り組みの奨励と普及を図っています。

受賞者には「健康寿命を延ばそう!アワード受賞ロゴマーク」の使用ができることとして、アワード自体の周知にも取り組んでいるのです。

高血圧に関しても、怖い循環器病の合併症を招く生活習慣病としてその症状と共にホームページ上に掲載し、国立循環器研究センター病院のより詳しい高血圧に関する情報へリンクが貼られています。

 

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高血圧の原因と予防

「親も高血圧だから仕方がない」「歳を取ったから血圧が高くなった」と思っている人は多いのではないでしょうか。

いずれも間違ってはいませんが、他にも高血圧になった原因があるかもしれません。

高血圧を予防し、高血圧になってしまっても合併症を起こさないために、どんなことができるのでしょうか。

<高血圧の原因を理解して予防しよう>

高血圧には他の病気によらない「本態性高血圧」と、他の病気から誘発される「二次性高血圧」に分けられます。

日本人の大部分の高血圧は原因となる疾患が見当たらない本態性高血圧です。

本態性高血圧は遺伝的な素因に太りすぎや運動不足、過剰飲酒、喫煙、睡眠不足、ストレスなどの生活習慣が積み重なって、加齢と共に起こると考えられています。

太りすぎは本態性高血圧の最も大きな原因です。

内臓脂肪が多いと体の血流量が多くなるので、血圧を高くしなければ体の隅々まで血液を送れなくなります。

また、デスクワークや運転手など座ったままの人に本態性高血圧が多いことも、よく知られているでしょう。

睡眠不足やストレスが多い際には自律神経の調節がうまくいかず、高血圧になってしまいます。

本態性高血圧の人の中でも、いわゆる「メタボリックシンドローム」の状態にある人は特に注意が必要です。

それぞれの要因が相互に影響し合って心臓や脳、腎臓の血管を痛めて合併症の進行を加速してしまいます。

二次性高血圧の原因となる病気には甲状腺や副腎などの病気の他に、外科手術で治療できる腎動脈狭窄、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫なども含まれるのが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群も二次性高血圧に含まれるとされています。

しかし、睡眠時無呼吸症候群は肥満や飲酒を原因とする場合が多く、肥満や飲酒、さらに睡眠時無呼吸症候群の特徴である「熟睡できない」状態も本態性高血圧の原因となるため、どちらが先であったかははっきりわかりません。

高血圧の原因や身体に与えている影響を知ることで、効果的な高血圧の治療や合併症の予防に役立ちます。

<高血圧の予防方法「食生活の見直し」>

炭水化物を含む糖質を徹底的に控え、体内で生成することができない「必須アミノ酸」と「必須脂肪酸」など必要な栄養をしっかり摂りましょう。

腎臓に問題がない場合には、カリウムには血圧を下げる作用がありますので積極的に摂取したい栄養素です。

体内でカリウムはナトリウムと対になって作用します。

細胞の外側にはナトリウムが多く、細胞の内側にはカリウムが多くあり、このナトリウムとカリウムのバランスを維持しようとする調整機能が「ナトリウムポンプ」です。

カリウムが不足すると、高血圧、むくみ、筋力の低下、反射機能の低下、脱力感、食欲不振、骨格筋の麻痺などの症状が現れます。

カリウムを摂取するには、肉と魚介類がおすすめです。

特に脂身の少ない牛ヒレ肉やモモ肉、豚ヒレ肉やロース、モモ肉、鶏肉のムネ肉やささみなどにはカリウムが多く、レバーにもカリウムが豊富に含まれています。

50歳前後の女性に多い更年期高血圧では、体内のカルシウムが不足することで血管細胞内にカルシウムを取り込むようになり、カルシウムを取り込んだ血管壁が縮んで動脈硬化が促進されてしまいます。

カルシウムと血管壁にカルシウムが取り込まれることを防ぐマグネシウムが不足しないようにすることも大切です。

カルシウムは乳製品や小魚、マグネシウムは魚介類や海藻に豊富に含まれています。

<高血圧の予防方法「生活習慣の見直し」>

運動不足や過剰飲酒、喫煙など、食事以外の生活習慣も高血圧には大きく影響しています。

体を動かすと交感神経の働きが低下し副交感神経が優位になるため、リラックス状態になるでしょう。

この際に血管も拡張し、血圧が下がります。

激しい筋トレや瞬発力を必要とするような無酸素運動では、逆に血圧が上がってしまうことがあるため注意しましょう。

ウォーキングや水中歩行、サイクリングなどの有酸素運動やストレッチやヨガなど、リラックス効果のある運動を取り入れることをおすすめします。

運動する時間は1日30分程度ですが、細切れに10分を3回おこなうのでも効果は変わりません。

ストレッチやヨガなら毎日、ウォーキングやサイクリングなら週3~4回で効果が実感できるでしょう。

他にも運動することでインスリンの働きがよくなり、インスリンの血圧上昇の作用が弱まることや血液循環がよくなり、利尿作用が活発になることで心臓への負担が少なくなるといった作用もあるのです。

アルコールは一時的に血流をよくして血圧を下げてくれますが、飲みすぎると血圧は上がり心臓への負担がとても大きくなります。

飲酒の適量は男性で純アルコール20g(日本酒1合、ビール500ml、焼酎80ml)、女性は純アルコール10g(ビール250ml、ワイン96ml、酎ハイ175ml)です。

しかし、個人差がありますので眠くなったり、足元がふらついたり、ろれつが回らなくなったりしたら飲みすぎだと思った方がよいでしょう。

喫煙が高血圧の原因となるかどうかはまだはっきりしていませんが、タバコを吸うと血圧が一時的に上昇します。

さらに、喫煙だけで心筋梗塞や脳梗塞リスクを高めることは明確になっていますので「血圧が高め」だと言われた人は禁煙した方がよいでしょう。

他にも寒暖差、いわゆる「ヒートショック」や脱水も心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めますので注意が必要です。

 

まとめ

慢性的な高血圧は自覚症状があまりありませんが、長期間にわたり血管壁に大きな圧の負担をかけ続けることで動脈硬化を引き起こし、心臓や腎臓、脳に障害を引き起こすことのある怖い病気です。

高血圧には本態性高血圧と二次性高血圧があり、日本では本態性高血圧が多く見られます。

高血圧を予防するための生活習慣の見直しでは、必要な栄養素をしっかり摂りつつ肥満を改善することの他に、適度な運動を継続すること、禁煙・アルコールの飲みすぎに注意しましょう。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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