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癌腫に、肉腫に色々…癌は「4種類」ある!?

 2018/01/29 生活習慣病
この記事は約 11 分で読めます。 1,951 Views

癌といっても種類はいくつかあります。

悪性腫瘍や上皮細胞癌と言われるもの、新生物 などがあげられます。

これらの種類を明確に理解している方は多くないでしょう。

ここでは、癌の種類についてご紹介していきます。

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悪性と良性の違い

腫瘍には悪性腫瘍と良性腫瘍があり、このうち悪性腫瘍の方を総称として「癌」と呼びます。

そして、癌には主に3つの特徴があり、それらが体全体へさまざまな悪影響を及ぼすのです。

通常、人の細胞は細胞分裂を繰り返し、古くなった細胞が新しい細胞に入れ替わる「新陳代謝」が常に行われています。

この新陳代謝は体全体でバランスが保たれており、特定の位置の細胞だけが自律的に細胞分裂を行うことは通常ではありえません。

しかしながら、癌細胞ではその他の正常な細胞の新陳代謝を無視し、独立して細胞分裂を繰り返すため急速に肥大化していきます。

この働きのことを「自律性増殖」と呼び、癌の大きな特徴のひとつです。

また、癌はある程度進行すると周辺の組織に染み出るように広がる「浸潤」と呼ばれる働きをします。

この段階になると、癌細胞はリンパ液などの流れに乗り体中に「転移」するようになり、転移した箇所で新たな癌組織を形成します。

この段階まで癌が進行してしまうと癌細胞の切除を目的とした手術のみによる治療は困難です。

さらに体の各所へ転移し、新たな組織を形成した癌細胞は、他の正常な組織が摂取する栄養素などを奪ってしまうため、体中が衰弱してしまいます。

このことを「悪液質」と言い、この点もまた癌の大きな特徴のひとつです。

以上のように、癌細胞、即ち悪性腫瘍には、「自律性増殖」、「浸潤と転移」、「悪液質」と言う3つの大きな特徴があります。

このうち「自律性増殖」は、良性腫瘍でも行われますが、「浸潤と転移」、「悪液質」に関しては、良性腫瘍では行われません。

そのため、「浸潤と転移」、「悪液質」の有無こそが悪性腫瘍と良性腫瘍の大きな違いとなっています。

また、これら以外にも良性腫瘍の場合は自律性増殖のスピードが遅い点や、外科手術で完全に切除してしまえば、体調への大きな影響が生じることもなく完治が望める点も良性腫瘍の特徴です。

一方で良性腫瘍の例としては、子宮筋腫、卵巣嚢腫、皮様嚢腫、脳腫瘍などがあげられます。

これらは腫瘍ができる位置によっては外科手術が難しい場合や、腫瘍が肥大化していくだけでその他の組織の働きに悪影響を与えると言うケースもあります。

そのため、良性腫瘍であっても、必ずしも安心できるわけではないと言うことは覚えておくべきでしょう。

 

上皮細胞でできる癌

癌の種類は発症する細胞の種類によって区別することができ、また各々の種類によって治療方法が変わることもあります。

そのため、発症した癌がどの種類に該当するのかについて、把握しておかなければなりません。

「上皮細胞」とは、「表皮」、「上皮」、「腺房細胞」、「腺細胞」などを総称した細胞の名称です。

これらは体の外部の皮膚だけでなく、体内の各組織の表面部分も指すため、肺癌、乳癌、胃癌、大腸癌、子宮癌、卵巣癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌など、5大癌を含む多くの固形癌が上皮細胞癌に該当します。

オーソドックスな癌の総称ともいえる上皮細胞癌は、前項でも紹介した癌における3つの大きな特徴である「自律性増殖」、「浸潤と転移」、「悪液質」により徐々に進行していきます。

一方で同じ上皮細胞癌の中でも、癌細胞が発見された箇所によって治療法は大きく異なるため、適切な治療法は一概に言うことはできません。

しかし、基本的な治療法は、転移が確認できない初期の段階では癌細胞を外科手術で切除することによる完治を目指し、転移してしまった状態で発見された場合は、抗癌剤の投与や放射線治療などにより完治を目指す方法が一般的です。

また、場合によっては先進医療などを行うことで大きな改善が期待できることもあるため、医師と相談の上、治療法を決定するとよいでしょう。

また、癌は適切な方法を継続して行えばある程度予防することも可能です。

例えば、肺癌、食道癌、咽頭癌などは喫煙が大きな要因といわれます。

禁煙の徹底や副流煙の吸引機会を回避すれば、これらの癌を予防につながるでしょう。

そして何より食生活の改善を行うことで大きな予防効果が期待できます。

過度な飲酒を控えることも大切です。

このように上皮細胞癌は、ほとんどの種類の癌が該当します。

 

非上皮性細胞でできる癌

「非上皮性細胞」とは、非上皮性の器官である心臓、脾臓、血管、骨髄、骨、筋肉、脳などの各組織のことを指します。

これらは、その組織の構造が前項で紹介した上皮細胞とは大きく異なるため、そこにできる癌もまた区別して考えるのが一般的です。

非上皮性細胞にできる癌は総称として「肉腫」と呼ばれています。

部位によって骨肉腫、軟骨肉腫などの名称で呼ばれています。

上皮細胞にできる癌は中高年者に多い傾向がある一方で、肉腫は若い人に多いという特徴があります。

特に骨肉腫は日本国内で年間に200人から300人程度しか発症しないにもかかわらず、その3分の2近くが10代の発症であるデータもあります。

10代の発症が多い骨肉腫の初期症状は膝の痛みなどが多く、成長痛や部活などによる運動のし過ぎによる痛みと勘違いしてしまうケースも多いことから、重症化してしまうことも少なくありません。

特に骨肉腫には肺に転移しやすいと言う特徴もあることから、骨肉腫であることが分かった段階で既に肺にまで転移しており、外科手術だけを行うことによる完治が望めない状態になってしまっているとことも少なくありません。

また、骨肉腫では病巣部やその周辺の骨、筋肉を大きく切除することもあるため、完治しても人工関節を使用した生活を余儀なくなってしまいます。

また、転移を見越して早い段階から抗癌剤による化学療法を行うこともあるため、治療が半年以上にまで長期化するだけでなく、嘔吐や脱毛などの副作用が長期間続くこともあります。

しかしながら、これらの傾向はあくまでも肉腫の中でも特に多い骨肉腫に限ったものであるため、その他の肉腫の場合、その傾向が大きく異なることもあります。

例えば、骨肉腫と同様に横紋筋肉腫などは10代から20代の若者が発症するケースが多い一方で、一部の軟骨肉腫は、中高年が発症するケースのほうが多い傾向もあります。

上皮細胞癌でも同様のことですが、「肉腫」はその幅があまりにも広く、これに該当する癌は各々で発症年代をはじめとした特徴に大きな違いがあるのです。

そのため、肉腫に関しても、「肉腫」と言う大きな一括りとして考えるのではなく、癌の特徴や傾向を良く見極めることで、癌との向き合い方が見えてくるでしょう。

 

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区別がつけづらい上皮内新生物

「上皮内癌」、「上皮内腫瘍」と呼ばれることもあり、子宮頚部に現れるものが特に多く、その他に大腸、肺、食道、膵臓、肝臓、膀胱などの癌の初期の段階で現れることもあります。

上皮新生物の場合、その見た目は上皮細胞癌に近いものの、癌細胞が上皮内にとどまっているため、「基底膜」以降の組織への浸潤は始まっていません。

癌細胞が上皮内にとどまっている段階で適切な治療を行えば、他の組織への転移や再発の危険性は限りなくゼロに近いと言えます。

実際、適切な方法で治療を行った場合の3年以内の生存確率はほぼ100%、癌におけるステージ診断でも「0期」 と表現されることが多く、この段階では決して恐れる必要ないのです。

一方で上記のケースで「基底膜」以降の組織への浸潤が始まってしまっている場合、その状態は上皮内新生物ではなく「悪性新生物」と呼ばれ、他の組織への転移の可能性も急激に高まります。

この段階になると、転移の有無によっては抗癌剤を使用した化学療法や各種検査を行わなければならないため、場合によっては長期的な入院などを伴うこともあります。

しかしながら、上皮新生物と悪性新生物を見分ける際に重要なポイントとなる基底膜以降の組織への浸潤の有無に関しては、その区別がつけづらいと言う難点があります。

そのため、検査結果の誤りによって本来行わなければならない治療が後手に回ってしまうと、症状がより重篤になってしまうことも考えられます。

一方で、基底膜以降の組織への浸潤による転移を想定した治療の準備を予め行っておくことも可能であるため、医師と相談の上、治療法を決定するようにしましょう。

また、上皮内新生物が確認されることが多い子宮頚部の場合、上皮内の腫瘍と、上皮内新生物か悪性新生物かの区別がつかない段階の細胞が共存することが多く、これら双方の場合もまた区別がつけづらいと言う特徴があります。

子宮頚部に限定したこの様な症例は「子宮頸部上皮内腫瘍」と呼ばれ、経過観察などを綿密に行い、手遅れにならない様、適切な治療が必要です。

一方で、上皮内新生物か悪性新生物かの違いは保険適用の有無にも大きな影響を与えることがあります。

特に一般の医療保険や癌保険では、悪性新生物の規定を明確に定め、それに該当するケースに限って保険金が下りることが決められていることも少なくありません。

特に悪性新生物であると診断されてしまった場合や、さらにそこから転移が確認されてしまった場合には、入院費なども含めると膨大な治療費が必要となることも少なくないため、保険が適用される診断が下された時点ですぐに申請ができるよう、あらかじめ規約を確認したり、提出資料を揃えておいたりするとよいでしょう。

 

別の病名がついている「造血器でできる癌」

造血器にできる癌としては白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫と言ったものがあげられ、「造血器悪性腫瘍」などの病名で呼ばれています。

このタイプの癌では、骨髄、髄液、リンパ節など、血流やリンパ流と密接な関係があるものがその対象となり、比較的早段階から癌細胞が血流、リンパ流に乗って全身に転移することがあります。

そのため、上皮細胞にできる悪性腫瘍の様に、放射線を患部に照射することによる治療だけでは完治は望めません。

血流やリンパ流に乗せて前進へいきわたらせることができる抗癌剤などを利用した化学療法を行う必要があります。

しかし、これらの造血器悪性腫瘍には抗癌剤を使用した化学療法や放射線療法が比較的効きやすいと言う特徴もあるため、早い段階で転移が確認されたからと言って、必ずしも悲観的になる必要はありません。

初期の段階の造血器悪性腫瘍の大きな特徴のひとつが、診断のために行う検査における患者への負担が大きい点です。

特に骨髄穿刺針を腸骨などに刺し込み検査を行う「骨髄穿刺生検」や、ある程度の大きさのリンパ節をそのまま採取する「リンパ節生検」などで患者にかかる負担は通常の外科手術と相違なく、検査の段階で大きな負担がかかってしまうことが大きなストレスになることも少なくありません。

また、進行が速いこともある造血器悪性腫瘍では、抗癌剤を使用した化学療法や放射線療法では思ったような効果が表れないことも少なくないため、「造血幹細胞移植治療」を行うこともあります。

この治療法では化学療法、放射線療法と並行して行うことで正常な血液を作り出す働きを促すことができるため、大きな威力を発揮することも多いです。

造血幹細胞移植治療には同種移植と自家移植の2通りの方法があり、各々には適している病状や効果の大きさ、副作用の有無などの違いがあるため、医師の判断の元、適切な治療法が決定されます。

このように造血器でできる癌の総称である「造血器悪性腫瘍」には、早期の段階でも転移がしやすいと言う特徴があり、通常の癌治療でも行われることが多い抗癌剤を使用した化学療法や放射線療法の他に、造血幹細胞移植治療なども並行して行われることが多いようです。

これらの治療には脱毛、吐き気、倦怠感、皮膚炎などのさまざまな副作用が伴うため、患者の精神的ストレスも大きくなりがちです。

そのため、その点も考慮した上で医師と相談し、治療方針、治療計画を立てていくとよいでしょう。

 

まとめ

4種類ある癌にはその種類によって、症状や治療法などが大きく変わってきます。

事前にどのような種類のものがあるかを知っておくことで、心構えや家族へのサポートができるようになるのではないでしょうか。

また、癌を予防して健康的な生活を送るためにも、適切な食事や禁煙を心がけることなど普段の生活習慣を見直すことが大切です。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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