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ガン治療とともに始めるべき緩和ケア|体も心も病気に負けないために

生活習慣病
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人はガンと宣告されたときからさまざまな心理的変化を経験します。

その中で、5~10%の人はうつ病になり、10~35%は適応障害を発症することが明らかになっています。

イギリスの心理療法家の研究によると、ガンに対し絶望的になり消極的考えのままだった人のほうが早く亡くなってしまったことが明らかとなっています。

そこで重要になってくるのが緩和ケアです。

緩和ケアとは、一般的にガン患者に対して行うケアを指し、患者の身体的問題だけでなく心理的問題への支援も行う重要なケアです。

緩和ケアはしばしばターミナルケアと混同されるケースがあります。

ここではそれぞれの概念やターミナルケアとの違い、早期に緩和ケアを始める有効性などについて詳しく解説します。

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ガン治療における「緩和ケア」とは

ガンは再発や転移のリスクが伴い外科的治療以外にも抗がん剤を使用する化学療法や放射線療法を受けることとなります。

抗がん剤などによる副作用やガンの再発や転移を繰り返すことによって心身ともにパワーが奪われてしまいます。

治療中は痛みや吐き気、呼吸困難感、倦怠感、食欲不振などの症状とも闘わなければなりません。

「こんなにつらい思いをするくらいなら生きていても意味がない」と心が沈み、前向きに治療に取り組むことができなくなることもあるのです。

ガン治療における緩和ケアとは、患者や家族が抱える痛みや身体的、心理的な問題などによる苦痛を和らげ、生活の質を改善するためのケアを指します。

緩和ケアでは身体的・心理的・社会的問題などさまざまな問題にアプローチするため、医師や看護師以外にもソーシャルワーカーや栄養士、理学療法士や作業療法士、心理職など他職種が連携して行うことが必要不可欠です。

それぞれのスタッフから専門的支援を受けられるのが特徴でありメリットであるといえるでしょう。

従来の緩和ケアは、ガンの末期だと宣告された後に行うケアという考え方が一般的でした。

ところが近年、ガンと告げられた早い段階から緩和ケアをスタートさせることが予後に良い影響を与えることが調査で明らかとなっています。

そのため、がんと診断されたときから緩和ケアを開始するよう厚生労働省でも推奨しているのです。

緩和ケアでは、身体的苦痛に対しては痛みを我慢せずにすみやかに対処するというのが一般的です。

痛みの程度は患者によってさまざまであり、診断時には30%の人がガンが進行していく段階で70%以上の人が経験するとわれています。

ケアには痛みの程度に応じて市販でも売られているようなアスピリンやイブプロフェンなどの鎮痛薬やオピオイドと呼ばれる法律的にも使用が認められている医療用麻薬が使用されます。

オピオイドは脳や脊髄といった部分に働きかけ鎮痛作用を発揮します。

モルヒネなどの薬が該当しますが、麻薬のイメージが強いがために中毒になるのではないか治る見込みがないのではなど誤った認識を持つ人も少なくありません。

モルヒネは医師ときちんと相談し必要な量を使用する分にはまったく問題はなく、むしろ効果的に疼痛コントロールを行うことができるためケアで使用されることの多い薬剤です。

治療中はガン以外の手術痕や抗がん剤使用による副作用などによっても痛みが生じます。

痛みによって生活動作が制限されることで普段のように過ごすことが難しくなり、気持ちまでつらくなってしまいます。

痛みは本人しか分からないことですので、我慢せずスタッフに伝えて対処してもらうことが大切です。

他にもガンと向き合う過程では、不安や気分の落ち込み、孤独感、悲しみ、絶望感などさまざまな感情を抱えることが多いです。

痛みは身体的要因だけでなく、これらの心理的要因も複雑に混ざり合うことでも発症します。

軽度な痛みでもネガティブな感情が加わることで痛みの度合いが増した経験がある人はお分かりかと思いますが、心理的要因にアプローチすることで痛みをやわらげていくというのが緩和ケアにおける考え方です。

そのため患者の状況に応じて抗うつ薬や抗不安薬などを少量ずつ投与する場合もあります。

また、薬による対処法だけでなくスタッフなどに悩みや気持ちを相談し、不安などを軽減することで症状が改善されるケースも存在します。

このように緩和ケアはガンの痛みに対しては、身体的・心理的アプローチを早い段階で行うのです。

 

緩和ケアのタイミング

従来は末期と宣告されて治療が困難とされた場合に行われるケアという認識でした。

ところが近年は病名を宣告されたときから治療とともにスタートするべきという考え方が一般的になっています。

受診のタイミングは人それぞれで、すでに疼痛などの身体的苦痛を感じている人もいるでしょう。

抗がん剤使用中、さまざまな副作用と長期に渡り闘うことにもなります。

その場合には鎮痛薬を使用したり、体の各部位を温めたりして疼痛緩和ケアを図ります。

医師から病名を告げられた場合、患者も家族も大きなショックを受けて大きな精神的苦痛を感じる上に抗がん剤治療による副作用により心身ともに耐え難いつらさを味わうこともあるでしょう。

絶望、悲しみ、落ち込みなど心理的な変化に対してもスタッフが連携して支援を行います。

精神症状を治療する医師や心理士によるカウンセリングをはじめチーム体制で早期から行うことで、患者や家族と段階的に話し合うことができ心を整理しやすくなるのです。

治療が始まると以前のような生活を維持することが難しくなります。

人は生活の質が低下すると、そのことによって心身へ大きなストレスが加わります。

患者にとっての生活の質とは何か、その人らしい生き方とは何かという視点は切り離せない内容です。

患者が生活において何を大切にしているのかを把握し、ケアに生かしていくことが生活の質の改善に必要です。

心身の治療とともに看護師による日常生活のアドバイスや栄養士による食事の指導などがおこなわれます。

以前に比べて患者を取り巻く医療的環境が変化していることも緩和ケア支援の在り方、考え方の変化に影響しています。

以前は病巣部やその周辺組織、リンパ節などを手術によって摘出することができないと判断されれば生存は極めて難しいという捉え方が一般的でした。

ところが、近年検査機器設備や検査の充実とともに早期に発見できるようになったことや、研究が進み医療技術や抗がん剤、放射線治療などが大幅に進歩したことによって、病気とともに以前よりも長く生きることができるようになっています。

そのため緩和ケア支援の考え方が見直されて捉え方も変化してきたのです。

ガンは医療的側面からのアプローチだけでは回復は難しく、患者自身が自分らしく毎日を送ることができるような支援が重要視されています。

進行度や部位によっては生活しながら通院でがん治療を行うケースも増えており、医療的な判断と患者の希望との折り合いがスムーズに行くような支援が大切なのです。

医療スタッフと患者、家族との密なコミュニケーションが鍵となります。

日ごろからスタッフと患者、家族同士でよい関係性を維持しておくことが求められます。

 

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緩和ケアとターミナルケアの違い

緩和ケアと似た言葉に「ターミナルケア」という言葉が存在します。

この両者はどう違うのか疑問に思っている、あるいは同じような意味に捉えているという人もいらっしゃることでしょう。

ここではそれぞれの定義を押さえ、違いについてみていきます。

結論からいうと、緩和ケアもターミナルケアも、ともに患者の苦痛をやわらげて生活の質を改善するという内容は共通しています。

ただ、前者の場合はガン患者に対し早期に介入すること、後者の場合はこれ以上の治療が困難である終末期にある人が対象であるという点に違いがあります。

ターミナルケアは緩和ケアの概念の一部としてとらえると分かりやすいでしょう。

このようにそれぞれのケアで対象者などに違いはあるものの、実際に緩和ケア病棟には治療困難であり終末期を迎えた患者が多くいるために言葉を混同されてしまうようです。

そのため、緩和ケア病棟への入院や緩和ケア外来への通院を勧められた際に、「自分は終末期なのではないか、助からないのではないか」と心配する人もいますが、必ずしも終末期だから勧められたとは限りません。

すでに述べているとおり、診断がついた段階から介入する内容であることを理解しておくことが大切です。

 

早期からの緩和ケアが有効である可能性

緩和ケアはガンの診断を受けた早期の段階から行うことが有効であるとの研究が海外でも報告されています。

それまでは終末期の患者へのケアという認識だったのが、さまざまな研究により日本においても早期の介入が行われるのが一般的になっています。

海外の研究においては当初の目的は別にあり、生活の質と精神状態の改善に関するものでした。

まず肺がんの診断を受けた患者を「標準的ケアのみ」と「標準的ケア&緩和ケア」の2つのチームに分類してそれぞれのケアを40か月行いました。

すると、緩和ケアを受けたチームのほうが生存率と生存期間が長いという結果になったのです。

早期の導入により患者の予後への理解が深まり治療に関して意思決定がなされ、無理のかかる治療を行わないことで患者が抑うつ状態になることを防げたことが背景要因として考えられています。

さらに、患者自身の対処能力の向上や家族などからの支援を受けることができたというのも生存期間延長の要因になったとの見方が示されています。

このように抗がん剤による治療や外科的手術などが始まる前段階などガンと診断されたときからケアを導入し、身体的問題だけでなく心理的問題に対して精神的支援も行うことが予後へも影響することが明らかとなりました。

この研究結果だけで早期の介入が生存期間を延長させるということは断言できませんが、少なくとも生存期間を縮める可能性は低くなるといえます。

今後、国内外のさらなる研究によって有効性が徐々に明らかになっていくことが期待されます。

 

まとめ

厚生労働省のホームページによると「がん対策推進基本計画」において、がんと診断された時からの緩和ケアをおこなうよう推進されており、重点的に取り組むべき課題として示されています。

国を挙げて患者への支援に力を入れており、全国の各医療機関でも病棟や外来などでガン患者を支援する仕組みが整ってきています。

これまでの「緩和ケアは治療困難である終末期から始める」というイメージを脱却し、ガンといわれた時から開始するべきという認識を医師も患者も持つことが重要です。

心身ともの苦痛は患者から体力を奪い、治療を受けようという意思にも影響を及ぼします。

また、患者が抑うつ状態などに陥り精神的疾患を併せ持つようになれば治療自体を続けることが難しくなるケースもあります。

病気を診断されたときから介入することによって患者が事実を受け入れられるよう心の整理をともに行い、これから待つ治療に向けてきちんと心構えができるように支援することが緩和ケアの目的です。

患者が治療を受けながらその人らしい生活を送ることができるようにするために、医師や看護師だけでなく多職種の専門家がチームとなって連携を図り、専門的治療を行います。

 

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木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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