すべての女性に知ってほしい「子宮がん」について
あなたは、子宮がん検診を受けたことはありますか?
なんとなく検査が怖かったり、面倒だったりして、あるいは自分は大丈夫だろうと漠然と思ったりして、検診を受けない人も少なくないようです。
子宮がんの一つである子宮頸がんは、日本では1年間に1万人以上の女性が発症しており、毎年約3,000人が亡くなるという重大な病気ですが、定期的ながん検診によって早期発見が可能ながんのひとつです。
ここでは、子宮がん・子宮頸がんについて、その原因や検診の必要性について説明していきます。
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子宮がんはどこに出来る?
先進諸国での子宮頸がん検診の受診率を見ると、たとえばアメリカは85%、イギリス、フランス、カナダなどでは約70%となっていますが、日本ではおよそ40%の人しか受けていません。
つまり、日本人は子宮がん検診に関しては他国に比べて意識が低いのが現状です。
一方、日本では子宮頸がんの死亡率が緩やかに上昇しています。
とくに20代においては、子宮頸がんにかかる割合が急増していることが問題になっています。
若い女性において一番かかりやすいがんが、乳がんを抜いて子宮頸がんがトップであるにもかかわらず、検診率が低いというのは非常に残念ですが、しかし一人ひとりが意識を変えれば改善できることでもあります。
がん検診に限らず、病気の検査は楽しいものではありませんので、足が遠のく人が多いのもわかりますが、受診を先送りにしてしまったせいで深刻な病気を見逃してしまうことのリスクを考えると、受診すべきであることは明らかです。
子宮がんは、大きくわけて2種類あります。
ひとつは、子宮がんの8割を占める「子宮頸がん」、もうひとつは「子宮体がん」ですが、これらは、がんになる部位が異なります。
子宮頸がんは、その子宮の出口である頸部に発生するがんです。
進行度によって、頸部の粘膜表面にとどまる「上皮内がん」と、粘膜より深く広がる「浸潤がん」にわかれます。
進行すると、子宮周辺やリンパ節、他の臓器へと転移していきます。
ちなみに、もうひとつの子宮がんである「子宮体がん」は、子宮の奥のほうの内膜に発生しますが、生理の時に内膜は剥がれ落ちてしまいますので、閉経前の女性において発生は少なく、閉経後の40、50、60歳代に増えるのが特徴です。
同じ子宮にできるがんでも、発症する場所やかかりやすい年齢、原因は違いますので、きちんと区別して覚えるようにしましょう。
原因となるウイルス
では、子宮頸がんは、どんな原因で発症するのかご存知でしょうか。
医学の進歩によって、子宮がんについてさまざまな研究が進められており、現在では、子宮頸がんは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」の感染と強い関連があるということが確認されています。
HPVは、乳頭腫という、いわゆるイボのウイルスです。
現在までに100種類以上ものHPVが発見されていますが、そのなかで女性器の病気を引き起こす原因になるものは40種類ほど確認されています。
それらのなかには、性器やその周辺部にイボを発生させるだけでがんを発生させないものもありますが、そのうちの15種類ほどは「ハイリスクHPV」と呼ばれ、がんを発生させる要因となります。
HPVは性交渉によって感染するため、若い女性の子宮頸がん発症率の増加は、この年代の性行為の機会の増加や、性行為の開始年齢の低下に呼応していると考えられています。
手をつないだり、一緒に入浴したりする程度ではHPVはうつりませんが、小さな傷がつくような接触やオーラルセックスなどでもHPVに感染することがあります。
性行為の際のコンドーム使用は、ある程度HPV感染を減らすことが期待できますが、完全ではありません。
ちなみにこのHPVは、子宮頸がん以外にも膣がん、外陰がん、肛門がん、陰茎がんなどの原因にもなっているウイルスです。
また、子宮頸がんの原因として、HPV以外に「喫煙」があげられます。
喫煙は他のがん同様、子宮頸がんに関しても発がんに関係があることがわかっています。
喫煙年数が長いほど、そして喫煙本数が多いほど、子宮頸がんにかかる割合が増えることが判明していますので、たばこはできるだけ控えて、がんにかかるリスクを減らしましょう。
女性の80%がこのウイルスに感染したことがある
さて、子宮頸がんの主な原因であるこのウイルスには、なんと成人女性の多くが感染したことがあるのです。
一説には、女性の約80%は知らない間にHPVに感染していると言われています。
しかし、感染しても多くの場合は症状がないうちに排除されているので、ほとんどの人は子宮頸がんにはかかりません。
また、性交経験のある女性の約10%においては高危険度の種類のHPVが検出されていますが、これも2年以内に約90%の人は自分の免疫力でこのウイルスを排除しています。
しかし残りの10%の人は、感染が長期間において継続し、がんの前段階である「異型細胞」というものを増殖することになります。
この異型細胞の増殖が続いていくと、自然には治らない子宮頸がんへと進行するわけです。
なお、子宮頸がん予防には、HPVウイルス感染を予防する効果がある「子宮頸がんワクチン」というものがあり、世界保健機関(WHO)が推奨しているもので、多くの先進国では実際に接種されています。
HPVに感染する前、つまり性交渉開始前のうちに接種することが望ましいため、小学6年生から高校1年生の女子への3回の接種が推奨されているワクチンです。
しかし日本では、副作用の可能性が問題視されたこともあり、現在のところ、厚生労働省は積極的に子宮頸がんワクチンを推奨していません。
国の調査によると、2014年11月までに接種した338万人のうち、副作用が疑われた人数は2584人(0.08%)です。
そのうちのほとんどは、軽い副作用であることが多く、発生して7日以内に7割以上の人は回復しています。
しかし副作用が回復しない人数が186人おり、割合は多くはありませんが重症の人や亡くなった人もいます。
このワクチンだけでなく、どの予防接種のワクチンも程度の差はあれ副反応が出る可能性はありますので、子宮頸がんワクチンの接種を希望する場合は、必ず事前にそのメリットとデメリットをよく理解したうえで、接種するかどうかを判断してください。
ちなみに子宮頸がんワクチンを接種した人も、ワクチンが子宮頸がんの発症を100%予防できるとは限りませんので、20歳以上になったら2年おきに子宮がん検診を受ける必要があります。
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初期症状で早期発見!
子宮頸がんは、初期症状は全くないので、自分で気づくことができません。
そのため、症状がなくとも20歳を超えたら2年に一度は子宮がんの検診を受診するよう奨励されているわけです。
さらに、生理中でないのに性行為の際に出血する、月経血の量が増えた、普段とおりものが違っている、月経期間が長引いている、または不正出血など、気になる症状があったら、がんが進行している可能性があります。
なお、性行為時の出血、月経血の増加、おりものの異変は、体に異常がないときにも起こることがありますが、子宮がん以外の婦人科系の病気の際にもみられる症状ですので、主な症状のある人や心配なことがある人は、まずは早めに受診しましょう。
つぎに、子宮頸がんの進行の速度についてですが、HPVが子宮内から排除されず残っていた場合、3年から10年かけて子宮がんになると言われており、がんの中では進行は遅いほうです。
しかし、いったん子宮頸がんになってしまうと、1年でステージ末期に至るケースもあり、その場合の5年生存率は約23%と、命にかかわる事態になり得ます。
こういった深刻な事態を想像すると恐ろしくなりますが、逆に言えば子宮がんは原因がはっきりしているがんであり、またHPVに感染してから子宮頸がんになるまでの期間は長いので、きちんと定期検診を受けていれば早めに対処ができる病気なのです。
では、子宮頸がん検診とは、具体的にどういうものなのでしょう。
ここでは、子宮頸がん検診と、がんの治療について、概要を説明します。
まず、受診の際には月経周期、妊娠歴、出産歴、生理痛の有無、閉経年齢など、問診によって確認されます。
そして、「膣鏡(クスコ)」という器具で子宮の出口である頸部の炎症の有無やおりものの状態をチェックし、また子宮頸部を綿棒などでこすり、細胞を集めます。
それを顕微鏡で細胞診検査を行い、がん細胞を発見します。
この最初の検査でがんが発見されることは約1%程度とわずかですが、この細胞診検査によって異形成(将来がんになるかもしれない病変。前がん状態)があるなど、がんの疑いが強い場合は、専門の施設で再診し精密検査を受けます。
そこでは、より多くの細胞を採取(生検)し、顕微鏡で組織検査を行います。
これによって、異形成や上皮内がん、または進行している浸潤がんであるかの診断が行われます。
ここで、もし子宮頸がんと診断されたら、他の臓器やリンパ節などへの転移など、病気の広がりについて正確に把握するために、内診や画像検査(MRI、CTなど)、内視鏡検査などを行います。
精密検査によって子宮頸がんが発見されるのは約10%と非常に高い割合ですが、さらにそのなかの60%以上は、粘膜の表面の一部だけにとどまる早期のがんですので、子宮を温存した治療を受けられます。
一方、がんが進行し、子宮の周囲へ広がり始めている場合は、子宮に加えて膣の一部、周辺組織やじん帯、リンパ節などを広範囲にわたって摘出しなければならないことになります。
卵巣も摘出することがありますが、将来の妊娠を希望する場合は、子宮体部を温存しつつ、子宮頸部周囲を広範囲に切除する手術(「トラケレクトミー」)を行うこともあります。
トラケレクトミーの手術は、以前は海外に比べて遅れをとっていましたが、今では国内の多くの病院でこの手術が可能になっています。
とはいえ、トラケレクトミーの手術によっては早産しやすくなったり、また大掛かりな手術によって妊娠できなくなったりすることもあり、手術後の障害がおこる可能性はありますので、手術前には手術の詳細や体への影響について、事前に医師に聞いて理解しておくことが大事です。
さらに、がんが骨盤内に広がってしまっている場合や、他の臓器にまで及んでしまっている場合は、放射能治療、もしくは抗がん剤治療、またはその両方を組み合わせた治療を行います。
抗がん剤は副作用があることも多く、薬によっても反応は異なるので医師とよく確認しながら、様子をみることが大事です。
治療方法は、患者それぞれの状況によって異なりますので、まずは自分のがんの状況と、選択できる治療について、担当の医師によく相談して、納得したうえで治療を受けてください。
場合によっては「セカンドオピニオン」を求めることもよいでしょう。
近年では若い女性の患者が増えているため、また晩婚化にともなう高齢出産も増えているため、妊娠中の検査の過程で子宮頸がんを発見することも多くなっているようです。
妊娠中でも、早期発見であれば、がんの治療と妊娠の継続を進めることもできますが、進行がんの場合は、母体の命を最優先にする治療を選ばざるを得ないことにもなりかねません。
妊娠中の人は、パートナーとよく相談して、双方が理解と納得をして治療に向かうことが一番です。
子宮頸がんは自覚症状がないため、かなり重症になるまで気づかないこともありますので、ぜひとも早期発見のために、定期的な検診を受けていきたいです。
女性はかならず定期検診を受けましょう!
このように、子宮がんは定期検診をしていれば、多くの人が助かる病気だといえます。
厚生労働省でも、科学的根拠のあるがん検診として、検診の推進をしているもののひとつがこの子宮頸がん検診です。
子宮がん検診は、20歳以上の人が2年に一度受診するよう推奨されています。
定期検診での子宮頸がん検査は短い時間で済みますし、子宮がん以外の婦人科系の病気のチェックにもなります。
若い女性における子宮頸がん発症率の増加は見逃せませんし、検査を定期的に受ければ深刻な事態を防げるのですから、必ず受診しましょう。
費用は、1回3,000円から10,000円程度のことが多く、市町村によっては、費用を公費で負担してくれることもありますので、まずはお住まいの地方自治体(都道府県、市町村、保健所など)が出している情報を調べてみることから始めると良いでしょう。
まとめ
子宮がん・子宮頸がんの低年齢化が進んでいる一方で、検診率は他の先進諸国と比べても低いのが現状です。
子宮がんは自覚症状がないためかなり重症になるまで気づかないこともあります。
ただ、子宮がんの原因ははっきりしているので、きちんと定期検診を受けていれば早めに対処ができます。
ぜひ早期発見のために、定期的な検診を受けることをお勧めします。
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