放射線治療の費用はどのくらいかかるものなのか?
放射線治療が必要になったとき、費用や保険が適用するかについては知っておきたいことではないでしょうか。
放射線治療の費用を決める鍵として範囲や回数があげられます。
これらのことについて詳しく見ていきましょう。
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Contents
放射線治療の費用を決める鍵:照射する範囲・回数
がんの治療費は総じて高額であり、大きな経済的負担がかかります。
どれくらいの費用が必要になるかは、がんの位置や治療法、保険適用するかなど様々な要因が関わるため一概には言えません。
しかし、治療法ごとにかかる大体の費用を知っておけば、ある程度必要な額も推測することが可能です。
ここでは、最初にがんの放射線治療の費用を決める鍵のひとつである「照射する範囲・回数」について解説します。
がんの放射線治療は、「外部照射(体外照射)」と「内部照射」に分けられます。
外部照射は、体の外側全体を照射範囲とし、皮膚を通してがんの病巣に放射線を照射する方法です。
内部照射は、体内を照射範囲とし、管、針、ワイヤーなどの形状をした容器を使用して、がんの病巣や周囲組織に直接放射線を照射します。
内部照射の場合、照射範囲は各々の形状をした容器が挿入できる箇所に限定されるため、照射範囲もまた限定されています。
一方で外部照射は、体全体を照射範囲とし、様々な部位のがんに照射が可能です。
そのため、放射線治療の多くはこの方法が採用されています。
これら2通りの治療方法のうち、外部照射は1回の照射料が5,000円~8,000円程度に設定されており、照射方法の複雑性にもよるものの、ある程度の治療費は算出できます。
一方で内部照射の場合は、使用する容器の形状や、がんの位置、治療の複雑性など、様々な条件から放射線治療の費用が決まるため、具体的な金額を紹介することはできません。
また、外部照射、内部照射にかかわらず、治療費は照射する回数によっても大きく変わります。
しかし、外部照射の場合、金額×照射回数が基本的な治療費となるため、ある程度の金額を算出することは可能です。
(ただし、治療計画料など、その他の料金も必要となります。)
一方で内部照射の場合も、照射回数が治療費に大きく関係していますが、この方法の場合は一度の照射量を多くする分、照射回数を減らすと言った患者の都合に合わせた調整も可能です。
そのため、治療費の決定に照射回数が大きな影響を与えるとは言い切れません。
放射線治療に必要な費用は、照射方法や照射範囲、照射回数などから決められるため、条件によって金額は大きく異なります。
放射線治療の費用を決める鍵:治療法の新しさ
放射線治療の費用は、治療法自体の新しさによっても左右されるのです。
例えば、前項でも紹介した外部照射は、放射線治療の中でも基本的な物として幅広く行われているため、治療に使用する機器も多くの病院が導入しています。
多くの病院が導入するとその単価も下がることから治療費も徐々に安くなる傾向があり、多くの人が利用できるようになります。
一方で、内部照射は治療法ごとに異なる形の容器が必要となるなど様々な要因が治療費に影響を及ぼします。
そのため、この治療法もまた決して新しくはないものの治療費は若干高くなります。
これら2種類の基本的な治療法よりも新しい物として挙げられるのが「粒子線治療」です。
放射線のうち、電子よりも重いものを意味する「粒子」を使用して行うこの治療法は、陽子線を使用する「陽子線治療」と炭素線イオンを使用する「重粒子線治療」に分けることができます。
粒子線療法の基本的施術法は外部照射と同じであり、体の外側から皮膚を通してがん細胞に粒子線を照射する方法です。
粒子線療法の場合は、がん細胞に粒子線が当たる段階でエネルギーを最大にするため皮膚へのダメージが少なく、傷跡が残らないと言うメリットがあります。
そのため、傷跡が消えにくい高齢者などがこの治療法を選択するケースも多いようです。
このような大きなメリットがある粒子線療法ですが、治療に使用する機器を導入している病院は限られていると言うデメリットもあります。
また、特に新しい治療法のひとつであることから「先進医療」にも指定されています。
その技術料として300万円程を自己負担しなければなりません。
また、粒子線療法を利用した場合、技術料以外にも自己負担が必要となります。
特に入院期間は4~8週間にも及ぶため、その期間の入院費だけでも大きな負担となります。
このように粒子線療法などの特に新しい治療法は先進医療に指定されており技術料もまた一様に高い傾向です。
治療法の新しさが治療費に大きな影響を及ぼす仕組みは、この技術料のような別途負担が必要となる費用がその核となっており、治療法を決める際には大いに考慮しなければなりません。
しかし、放射線治療は医師とよく相談したのち治療費などの条件も含めてその方法を決定するため、請求時に治療費が思っていたよりも高く、支払うことができないと言う事態に陥ってしまう心配は必要ありません。
保険適用外の治療も存在している
がん治療においては、治療費だけでなく入院費、薬代など様々な費用が必要となります。
それらは家計においても大きな負担となるため、保険が適用されるものは可能な限り把握しておかなければなりません。
このことは、放射線治療の費用に関しても同様です。
少し考えてみると、放射線治療は医療行為であるため例外なく保険が適用されるようにも思われますが、中には保険の適用外となっているものも存在します。
基本的なこととして覚えておかなければならないのが、日本国内では最新の治療法、薬、治療機器の使用は国民健康保険を含む公的医療保険の給付対象になっていないことです。
また、これらの保険適用外の治療法と共に保険適用内の治療法を行った場合、両方の治療法にかかる費用が自己負担になるため注意が必要です。
一方、前項で紹介した「先進医療」に指定された治療法は、厚生労働大臣が公認したものであるため保険適用外の治療法との併用が認められています。
この場合保険の適用部分に関しては公的医療保険の給付対象となるため、保険適用外と保険適用内の中間に位置づけられるのです。
これらの仕組みを放射線治療に当てはめた場合、基本的に放射線治療は保険の適用内となります。
しかし、最新療法の場合は先進医療に指定されたものの一部が保険の適用内となるだけであり、指定されていないものに関しては保険の適用外となります。
これらの点から、保険の適用外となる放射線治療は自己負担が重くデメリットのほうが多いと言う印象を持たれるかもしれません。
しかしながら、保険が適用されない自由診療の場合、最新の治療技術に基づいたより精度の高い治療を受けることができるだけでなく患者やその家族が治療方針などを決められると言う自由度の高さと言う点でも、大きなメリットを得ることができます。
そのため、「保険が適用されない=治療費が高額になる」という事実だけに目を向けてしまい、ネガティブなイメージを持ってしまうことは選択肢を狭めてしまうと言う意味でも避けた方がよいでしょう。
また、保険の適用外となる放射線治療は必ずしも治療費が飛び抜けて高額になるとは限りません。
特に一回当たりの照射量を多くする替わりに治療回数を減らすなどすれば、トータルでの治療費が変わることもあるため、医師とよく相談した上で、支払いが可能な範囲で治療費を調整してもらうのもよいでしょう。
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スタンダードな「体外照射」の費用
体外照射(外部照射)の治療法の詳細やそれにかかる大まかな治療費については最初の項でも紹介しました。
ここでは、最もスタンダードな体外照射の費用についてより詳しい内容を紹介したいと思います。
体外照射が必要になる状態は、既に手術によってがん細胞を摘出するだけで完治が望める段階は過ぎてしまっているため、複数回の体外照射を行う必要があります。
この回数はがんの進行具合によって変わるため「スタンダード」と言えるものはありません。
ここでは「週5日、5週間の照射を行うもの」と仮定します。
また、最初の項でも紹介した通り体外照射は1回の照射料が5,000円~8,000円程度に設定されています。
条件によってはこの金額をさらに上回る場合もありますが、ここでは1回当たり6,500円と仮定しましょう。
以上の条件から算出すると、体外照射時の照射料は、6,500円×25回(週5回×5週)=162,500円が平均的な価格となります。
多くの場合、これにプラスして管理費などの費用10,000~16,000円程度が初回のみかかるため、総額で約170,000円~180,000円程度が平均額と言えるでしょう。
この金額は保険適用後の金額であり、3割が自己負担となることを想定しています。
そのため、その他の条件によってはさらに多くの金額が必要になることもあります。
また、これ以外に特に気を付けたいのが追加照射が必要になった場合です。
特にある程度進行してしまったがんでは、上述した25回程度の照射後すぐにがんが再発あるいは転移が判明することも少なくありません。
そのため、さらなる費用が必要になるかもしれないと言うことは認識しておくことが必要です。
上述したようにほとんどの場合、体外照射は保険の適用内になるため自己負担は大きく減らすことができます。
実際、ここで紹介したスタンダードな体外照射の治療費は総額で470,000円~700,000円程度かかるといわれています。
保険が適用されればその内の170.000円~180,000円程度を自己負担すればよいだけですので、大きな負担の軽減ができるでしょう。
また、体外照射を行う際には他の治療を行うこともあります。
その場合にもジェネリック医薬品や高額療養費制度などを利用すれば平均的な費用を大きく下回ることもあるため、自身の条件に合った制度を探してみるとよいかもしれません。
これらの金額はあくまでも平均的なものであるため、放射線治療を受ける病院や検査費用などによっては自己負担額が大きく異なることもあります。
そのため、金額の詳細は実際に治療を受ける病院の会計窓口で確認してください。
高額療養費制度が適用されれば安く収まる
がん治療では、保険適用内の治療のみを行った場合であっても自己負担は重くなりがちです。
また、入院と共に休職をした場合、収入もなくなってしまうことからその負担の重さは計り知れません。
このように保険の適用による給付金を利用しただけでは治療費を賄いきれないと言う場合に大きな助けとなるのが「高額療養費制度」です。
この制度はがん治療に限らず、高額な治療費が発生しやすい病気の治療を対象としており、長期の入院や高度な治療を受けなければならない方の多くが利用しています。
高額療養費制度によって現金が支給されるのは、「医療機関や薬局窓口で支払う金額が1か月の上限を超えた場合」が対象となります。
この上限金額は、年齢や所得に応じて変化するため自身の条件を確認した上で詳細を調べてみるとよいでしょう。
また、近年では高齢化の影響から年齢ごとの上限の見直しが行われています。
そのため、上限額は年度ごとに変化することもあるため必ず最新の情報を参考にするようにしましょう。
高額療養費制度を利用する場合、入院診療、外来診療に限らず、認定証を窓口で提示することによりその場での支払額を上限額内にとどめることが可能です。
かつては、一度全額を払ったのち上限を超えた分が後日支給される方式がとられていましたが、現在ではより利用しやすい制度になりました。
一方で認定証の交付を受けるためには、加入している健康保険組合、協会けんぽ、または市区町村などに問い合わせる必要があります。
交付に数日を要することもあるため、時間に余裕をもって問い合わせるのがよいでしょう。
また、高額療養費制度の上限額は基本的に保険対象内となる治療費のみを対象とします。
そのため、保険対象外の治療費に関しては全額自己負担となるため注意が必要です。
中でも特に気を付けなければならないのが「自由診療費」と「先進医療費」です。
自由診療は、患者側の選択肢が増えるといったメリットがあることは先ほど紹介した通りです。
しかしながら、その治療費は高額になるだけでなく高額療養費制度の対象にもならない点は覚えておきましょう。
また、先進医療に関しては技術料が高額になることも上述した通りですが、この技術料もまた高額療養費制度の対象外であるため注意が必要です。
このように、高額療養費制度には大きな魅力があるものの利用をしても自己負担を減らせないケースは少なくありません。
そのため、これらの保険、高額療養費制度が共に対象外となる治療の費用には、それらを対象とする一般のがん保険などの給付金を充てるのがよいでしょう。
まとめ
放射線治療の費用は条件によって異なってきます。
また、保険適用と適用外でも自己負担額は変わってきます。
事前に詳しく知ることによって、負担額を減らすこともできるので、覚えておくとよいかもしれません。
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