タオルで簡単に高血圧対策!「ハンドグリップ法」とは
年齢が上がるにつれて血圧は上がりやすくなります。
たとえ現在は血圧が正常で今は大丈夫だと思っていても将来的にはその限りではありません。
高血圧になる可能性は誰にでもあるといえるので、日頃から血圧の推移に気をつけて、正常な血圧を保ち、健康管理に注意することが大切です。
そして、高血圧の対策には規則正しい食生活や有酸素運動などが有効だといわれていますが、カナダの医師が考案し、アメリカの学会でも認められた「ハンドグリップ法」という自分でできる運動も、効果があることが分かってきました。
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高血圧対策に「ハンドグリップ法」
カナダ・マクマスター大学の血圧治療の専門家であるフィリップ・ミラー博士が考案した、高血圧対策のための自宅で自分でもできる方法が、「ハンドグリップ法」です。
これは、世界中の高血圧のための代替治療の効果を調査していたアメリカの心臓学会の研究チームも認めた方法です。
研究チームがまとめた論文によるハンドグリップ法の方法は、次のようなものです。
・デジタル握力計を使い、握力を測りながら行う。
・まず自分の最大握力を測り、「その30%の力で、2分握って1分休む」を右手でも左手でも行うことを1セットとし、これを2セット行う。
たったのこれだけで、所要時間は10分程度です。
これで高血圧の対策になるのなら、忙しい人でも毎日実行することは決して不可能ではありませんね。
ちなみに、このアメリカの学会が効果があると認めた高血圧対策の方法には、ほかにも有酸素運動があります。
有酸素運動とは、軽度から中程度くらいの軽めの運動で、長い時間かけて持続できる運動のことで、体内の酸素を使って脂肪を燃やすことでエネルギーを作る運動で、高血圧対策のほかに肥満対策にも効果があります。
ウォーキングや水泳、ジョギングなどがこれにあてはまります。
有酸素運動に対して無酸素運動と呼ばれるものは、瞬間的に強い力を使って、酸素を必要とせずに糖質をエネルギーとして使い、筋肉を鍛え、基礎代謝量を増やす運動です。
腕立て伏せや重量挙げなどの筋力トレーニングや短距離走などがこれにあてはまります。
2分握る&離すだけでいい
ハンドグリップ法は、先に述べたように、2分握って1分離すという、簡単な動作だけで高血圧対策に効果があることが実証された方法です。
たったこれだけでいいので、ウォーキングや水泳など、外出して行わなければならないことの多い有酸素運動では忙しくて実行できない人や、足の不自由な人、梅雨の時期や寒すぎる日など外出を控えたいときなどでも簡単に実行できるでしょう。
他にも、高血圧対策のために日頃から気をつけたいことには次のようなものがあります。
・肥満解消に努める
肥満は、高血圧になりやすくなる要因のひとつです。
体重を1kg減らすことで、血圧は2mmHg下がるといわれています。
肥満気味の人は、1か月で1kg~2kg程度体重を落とすことを目標に、食事に気をつけ、運動の習慣を身につけることをおすすめします。
・睡眠不足は避ける
睡眠不足は、高血圧になりやすい要因のひとつです。
1日最低6時間は眠ることを心掛け、また就寝時間と起床時間を一定にし、規則正しい生活を送るように気をつけましょう。
「30%の握力」がポイント
ハンドグリップ法を実行するときには、自身の力一杯の握力の30%の力で行うことがポイントです。
これは、あまりに強い力で握り過ぎると、血管に対する圧力が過剰になり、血圧が乱高下し、めまいを起こすおそれがあるからです。
30%という数値が、ハンドグリップ法におけるもっとも適正な負荷の量なのです。
また、ハンドグリップ法に高血圧対策の効果があることの理由には以下のようなものがあると、先にご紹介したアメリカの学会の研究チームの論文には述べられています。
握力計を30%の力で握っているときに筋肉が収縮し、いったん血液の流れが止まりますが、次に力を緩めると、その反動で血液が一気に流れます。
このときに、血管の内皮細胞から一酸化炭素が出てくるのが分かりました。
一酸化酸素には、血管の壁をリラックスさせて柔らかくし、血管を広げる働きがあるので、血圧を下げる効果があります。
また、健康診断や病院などで測ったときは高血圧ではなかったとしても、自分は大丈夫と安心するのは危険なこともあります。
それは、健康な人でも、1日のうちで血圧は変動することが分かっており、もしもこの血圧の変動が、異常である可能性があれば、たとえある時間帯に血圧を測定して健康であっても、高血圧のリスクがあるからです。
さらに、この血圧の変動が激しく、繰り返し起こっている人は、脳や心臓に関わる病気のリスクが高くなり、通常の高血圧の人よりもむしろ、脳卒中や心筋梗塞など、高血圧に合併して起こることの多い命にかかわる病気のリスクが高くなります。
リスクを数値にしたら、健康な人を1.0とした場合、通常の高血圧の人がその1.4倍、血圧の変動が激しく繰り返す人は2.5倍になることが最近の研究で分かっています。
そして、この血圧の変動が激しく繰り返し起こることを見極めるのは、医療機関では非常に難しいので、自分の血圧に何が起こっているか知るには、自宅で毎日時間を決めて血圧を測ることが重要となってきます。
血圧は時間によって変動するため、同じ時間に測るようにしましょう。
体の力を抜いてリラックスした状態で測定します。
トイレを我慢しているときや、出かける直前のあわただしい時間などには血圧は上昇してしまいます。
血圧は「心臓の高さにある上腕の血圧を座って計測した値」が基準ですので、必ず座って測定しましょう。
また、健康診断や医療機関などで高血圧だと診断されている人は、健康な血圧な人よりも、変動によるリスクが高くなるので、特に注意が必要です。
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タオルを活用した日本版アレンジ
カナダの医師が開発し、アメリカの学会でも認められたハンドグリップ法は、まだ日本ではそれほど知られてはいませんが、いち早く簡単にアレンジした日本版の方法があります。
高血圧予防の専門家で、日本大学医学部教授の久代登志男教授と、日本体育大学教授の岡本孝信教授がすすめる、非常に簡単な方法なので、以下にご紹介します。
・フェイスタオルを4つ折りにして、端からくるくるまいて棒状のタオル巻きを作ります。指と指がくっつかないようにして、軽く2分握って1分休むことを左右両方の手で行い、これを2回繰り返します。
・タオルを指がくっつかないようにして握る程度の力が、ちょうど30%の力になります。
・タオルを握るときは、手を心臓より低い位置にする。
・所要時間は10分程度となり、短時間で終わってしまうので、早く良くなろうと1日に何度もしようとするのは、おすすめできません。
やりすぎないことが大切です。
週に5回程度として、3日続けて1日休み、2日続けて1日休むというように続けていくことがポイントです。
・血圧の上限が180mmHg以上の高血圧の程度が高い人は、この方法を行う前に、かかりつけの医師に相談してから行うようにしてください。
誰でも一人で簡単に続けられる!
ハンドグリップ法は、誰でも一人で簡単に続けられるので、高血圧が気になる人なら、すぐに実行することができるでしょう。
簡単すぎて飽きてしまうかもしれませんが、継続して続けていくことで、より確かな効果が得られるでしょう。
注意しなければならないのは、ハンドグリップ法を行うとき、呼吸をきちんとすることを心掛けることです。
息をとめて行うと、血圧が急上昇しやすくなるので危険です。
タオルを使った日本版ハンドグリップ法は、日本のテレビ番組で紹介されたのですが、このとき、7人の高血圧に悩む男女が4週間実行した結果も紹介されました。
それによると、7人中6人は、血圧が下がる効果がみられ、1人は変わりませんでした。
その中でも血管の柔らかさを示すFMDという数値の改善にはいちじるしいものがあり、タオルによるハンドグリップ法の効果が実証された形になりました。
また、日本版にアレンジした久代教授によると、これまでの有酸素運動などによる高血圧対策とは違ったアプローチになっており、血圧を下げるメカニズムが違うので共に続けることで相乗効果も期待できるとされています。
高血圧は、自覚症状がほとんどないので自分で気付くことが難しい症状です。
それだけに放置されてしまうことも多いのですが、高血圧を放置すると次のような命にかかわる非常に危険な疾患を引き起こす危険性であります。
・脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などの脳卒中
高血圧によって最もリスクが高くなるのは、脳卒中です。
最高血圧が10mmHg上がると、脳卒中のリスクが男性で20%、女性で15%高くなることが分かっています。
脳卒中は、たとえ命が助かっても、運動障害や言語障害など、生活に支障をきたすような障害が残ることも多くなってしまいます。
・心筋梗塞、狭心症などの心疾患
高血圧により引き起こされることが多いのは、心疾患もあります。
特に男性には影響が大きく、最高血圧が10mmHg高くなると、その危険性が15%高くなるといわれています。
・慢性腎臓病
高血圧の症状は、腎臓にも大きな影響を及ぼすことが分かっています。
もともと腎臓に問題のある人が高血圧になってしまうことも多く、このことでさらに腎臓に影響が出てきて、血液中のナトリウムの排泄がとどこおってしまうことから、またさらに血圧が上がってしまうという事態が起こってしまいます。
慢性腎臓病にかかってしまうと、脳卒中や心筋梗塞などほかの疾患が起こったときの死亡率も高くなり非常に危険です。
一般的に、年齢を重ねるほど高血圧になる確率は高くなりますが、日本人の場合、30代や40代の世代の人でも、既に高血圧になっているのが多いことが分かっています。
しかも、まだ比較的若い世代だと自分で高血圧に気付くことも少なく、また健康診断や医療機関での検査で指摘されてもその後治療をせずに放置したままであることも少なくないようです。
30代、40代のうちから高血圧対策をしておくことでその後の暮らし方もずい分違ってくるので、既に高血圧と指摘されている人はもちろんまだ大丈夫と思っている人でも、早めの対策を心掛けることは大切です。
まとめ
ここでは、カナダの医師が開発しアメリカの学会でも認められた高血圧対策「ハンドグリップ法」についてご紹介してきました。
海外版ではデジタル握力計を使った方法が開発されたのですが、日本人医師によってアレンジされたタオルを使ったハンドグリップ法はより手軽に自宅でも一人で簡単にできる方法です。
高血圧が気になる人も、まだ大丈夫と思っている人も、簡単で短時間に効果が出る方法なので、ぜひ実行してみることをおすすめします。
なお、既に高血圧であることか分かっている人は、かかりつけの医師に相談してから実行してみてください。
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