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高脂血症に効く薬ってどんなもの?種類と効果について

高脂血症の状態が長く続くと動脈硬化を引き起こし、動脈硬化は心筋梗塞や脳梗塞を招きます。

食事や運動などの生活習慣の見直しだけでは検査数値が改善しない場合は、薬を使って高脂血症を治療し、悪玉コレステロール中性脂肪を減らし、善玉コレステロールを増やす必要があります。

また、高脂血症の中には遺伝が関与している家族性高コレステロール血症もあります。この場合は、子どもの頃から高コレステロールとなり若くして命を落とすこともあるため、直ちに薬による治療を行います。

多くの人が副作用の心配をされますが、高脂血症治療薬に限らずどんな薬でも副作用はあります。医師は副作用とメリットを天秤にかけてメリットの方が上回ると判断した時に、薬物療法を考えます。

また、高脂血症治療薬の副作用はきちんと通院している限り医師がチェックします。たとえ副作用が出ても想定内の事で、対処法可能です。指示通りに服用することが大切です。

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7種類の高脂血症治療薬

ArtsyBee / Pixabay

高脂血症(脂質異常症)の治療には、主に①悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げるタイプのものと、②主に中性脂肪(トリグリセライド)を下げるタイプのものの2種類があります。

①悪玉コレステロールを下げるタイプ

悪玉コレステロールを下げるタイプは、作用の違いによって4つに分けられます。

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)小腸コレステロールトランスポーター阻害薬陰イオン交換樹脂プロブコールの4種類が代表的です。

②中性脂肪を下げるタイプ

中性脂肪を下げるタイプは3つに分けられ、フィブラート系と、ニコチン酸誘導体EPAの3種類が代表的です。

場合によっては多剤併用も行われますが、腎機能障害がある場合はHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)とフィブラート系の併用は副作用を発症しやすくなるため原則禁忌です。

またフィブラート系以外は、善玉コレステロールを上げる作用も持ち合わせています。

これらの7種類の治療薬を使って高脂血症の治療を行います。

 

悪玉コレステロールを下げるタイプの代表的な作用

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

高脂血症の治療に使われるHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)の主な作用は、コレステロールの合成抑制、LDL受容体の合成促進です。ブラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチンなどがよく使われます。

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬の主な作用は、小腸のコレステロール吸収阻害、LDL受容体の合成促進です。

陰イオン交換樹脂

陰イオン交換樹脂の主な作用は、胆汁酸の再吸収抑制、コレステロール吸収抑制、LDL受容体の合成促進です。コレスチミド、コレスチラミンなどがあります。

プロブコール

プロブコールの主な作用は、LDLの異化亢進、LDLの酸化防止、胆汁へのコレステロール排泄促進です。

主に上記のような作用で高脂血症を治療します。4つの中で一番LDLコレステロール低下作用が強いのはスタチン、一番作用が穏やかなのがプロブコールです。高脂血症の状態に合わせて使い分けられす。

 

悪玉コレステロールを下げるタイプの副作用

HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)

スタチンの副作用で有名なのが横紋筋融解症です。特に腎機能障害がある患者さんに起こりやすく、筋肉痛や脱力、赤褐色尿などの症状が出ます。

年間10万人に3人ほどの発症率ですので、むやみに心配する必要はありませんが、発症すると致死率は10%ですので、このような症状に気づいたらすぐに主治医に連絡してください。血液検査をしてCKを調べれば、横紋筋融解症かどうかの判断ができます。

その他、消化器症状肝機能障害が見られることがあります。

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

エゼチミブの副作用としては、消化器症状肝機能障害が見られることがあります。

陰イオン交換樹脂

陰イオン交換樹脂の副作用は、時に便秘腹部膨満感などが見られます。

プロブコール

プロブコールの副作用は、消化器症状肝機能などがあげられます。

どれもそれほど頻度の多いものではありませんが、気になる症状があれば主治医に報告してください。

 

中性脂肪を下げるタイプの作用

フィブラート系

フィブラート系の作用は、中性脂肪やVLDL産生の抑制、中性脂肪の分解を促進します。ベザフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラート、クリノフィブラートがよく使われます。

ニコチン酸誘導体

ニコチン酸誘導体は、脂肪組織の脂肪分解を抑制し、中性脂肪が産生されるのを抑制します。トコフェノールニコチン酸エステル、ニセリトロール、ニコモールなどがあります。

EPA

EPAはイコサペント酸のことです。DHAと共にサプリメントなどでもよく知られていますが、サプリンメントとは含有量が雲泥の差です。EPAの作用は、中性脂肪の産生抑制することです。

3種類の中で一番中性脂肪を下げる作用が強いのは、フィブラート系です。フィブラート系は、同時に善玉コレステロール(HDLコレステロール)を上げる作用も、3つの中で一番強いです。

高脂血症の病状や、どの程度下げるかによって薬を使い分けられます。

 

中性脂肪を下げるタイプの副作用

フィブラート系

高脂血症の中でも、中性脂肪が高いタイプの治療に使われるフィブラート系の副作用には、スタチンと同様に横紋筋融解症があります。また、それ以外にも消化器症状肝障害、胆石症などがあげられています。

ニコチン酸誘導体の副作用は、顔面紅潮があります。また、頭痛や消化器症状も時に見られることがあります。

EPA

EPAの副作用は出血傾向発疹です。EPAは血液をサラサラにする作用もあるため、アロエやイチョウ、DHA、ニンニクなどの血液をサラサラにするタイプのサプリメントとの併用には注意が必要です。作用が増強して出血傾向が現れたり、血が止まりにくくなる可能性があります。

高脂血症の薬に限らず、薬剤を服用中は自己判断でサプリメントを使うことは危険を伴います。思いもよらぬ事態となることもありますので、サプリメントを使いたいときは必ず医師と相談してください。

 

高脂血症の治療は、薬・食事・運動の3本立て

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高脂血症の患者さんの中には「高脂血症の薬を飲んでいるのだから、好きに食べても大丈夫だろう」と考える人も少なくありませんが、治療は薬と食事と運動の3つがタッグを組んで3本立てで行うことが重要です。

ロスバスタチンを最大量(20mg)使って下げられるLDLコレステロール値は、約50%と言われています。アトルバスタチン5mgで35%の低下だと言われています。

LDLコレステロール値があまりに高すぎる場合は、高脂血症の治療薬を飲んでいても目標値まで下げられないこともあります。やはり暴飲暴食をするのは好ましくありません。

食事は、加工油脂や洋菓子によく使われるショートニングやマーガリンなどのトランス脂肪酸の摂りすぎに気を付けて、オメガ3やオメガ9の脂肪酸を積極的に摂るようにしましょう。また毎日の運動を習慣づけることも大切です。

 

まとめ

高脂血症治療薬には、主に悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げるタイプのものと、中性脂肪(トリグリセライド)を下げるタイプのものがあります。

前者には、スタチンと呼ばれるHNG-CoA還元酵素阻害薬、小腸トランスポーター阻害薬、陰イオン樹脂があります。スタチンは横紋筋融解症という副作用に注意してください。筋肉痛や脱力感、赤褐色の尿が出るなどがあれば、すぐに主治医に連絡してください。

後者には、フィブラート系、ニコチン酸誘導体、EPAがあります。フィブラート系はスタチンと同様に横紋筋融解症に気を付けてください。LDLコレステロールを下げる作用が一番強いのがスタチン、中性脂肪を下げる作用が一番強いのがフィブラート系です。プロブコール以外の高脂血症治療薬は、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を上げる作用を持ち合わせています。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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