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リンパのむくみの原因と症状

 2017/06/26 疾病・症状
この記事は約 11 分で読めます。 3,493 Views

「足のむくみ」は、若い女性だけの症状や悩みではなく、高齢者や男性のあいだでも増えています。

そんな足のむくみ大いに関係しているのが「リンパ」です。

ここでは、リンパのむくみについて、原因や症状、治療法や予防法についてご紹介します。

リンパのむくみとは

体の中に流れているのは動脈や静脈だけではありません。

「リンパ管」という管があり、皮膚のすぐ下で網の目状になっていて「リンパ液」が流れています。

リンパ液がどのような働きをしているのかというと、タンパク質や白血球を運びますので、体の中で重要な役割を担っていることが分かります。

首の付け根や脚の付け根の部分、脇の下などには「リンパ節」という組織が存在していて、様々な感染が体のあちこちに広がるのを防ぐ役割を果たしています。

また、癌が広がるのを抑えるのもこのリンパ節ですので、リンパ節もやはり健康を維持する上でとても重要です。

この重要な働きをしているリンパ液の流れが阻害されるケースがあり、阻害されればむくみが現れます。

リンパ管が圧迫されたり何らかの要因によって狭窄が起こったりして流れが悪くなると、リンパ管の内容物がリンパ管の外にしみ出します。

その結果としてむくみが現れるようになり、体への影響も少なくありません。

むくみにも色々な種類があり、中には全く心配の要らないものもありますが、リンパのむくみが現れたら注意が必要です。

リンパ液がスムーズに流れない場合の弊害は体の様々な部分で起こり、特にタンパク質が問題です。

タンパク質がリンパ管からもれて組織内に溜まっていくと、組織細胞の質に変化が生じたり線維化が起こるようになり、その部分の皮膚が次第に硬くなっていきます。

むくみ自体は血管外の皮下組織に過剰に溜まった水分ですので、水分の排出をスムーズにすればすぐに改善できる可能性があります。

多くの人が悩んでいるむくみはこのタイプが多く、水分のコントロールさえ上手くいけば問題が無くなる可能性が高いようです。

ただし、リンパのむくみの場合には、リンパ管の働きを正常化させなければ改善されませんので少し厄介です。

毛細血管領域の動脈側から出た水分やタンパク質はいったん組織に栄養を供給して、それが終われば再びリンパ管や静脈に回収される仕組みになっています。

その際には水分のほとんどが静脈にかえり、残った10%程度がリンパ管にかえるという仕組みになっていますので、リンパのむくみには静脈の働きも関係していることが分かります。

最近ではむくみに対して関心を持つ人が増えており、このような仕組みに対しても知識を持つ人が大勢います。

リンパのむくみに対しても感心が非常に大きくなっていますし、手術の後に発症したようなケースでは予防のための指導が徹底されています。

 

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リンパのむくみの症状

リンパのむくみは手術を受けた人に多く見られますが、手術を受けていない場合でも起こり得ます。

少しむくんでいると感じる程度でも、それほど気にならなければ放置してしまう人が多いようですが、早期の段階できちんとした対処をしないと慢性化してしまうことが多いですし、一度発症すると治りにくいという傾向もあるようです。

軽いむくみであれば、上手くコントロールしながら普通の生活を送ることができますので、まずは初期の段階でしっかりとケアを開始することが大切です。

リンパのむくみの初期の段階では、実は自覚症状があまりありません。

ですから異変に気付くことができずに、何もできないまま軽度以上の状態へと移行してしまうことがあります。

ただし、よく観察してみると見た目でチェックできる部分もありますので、気になる場合には一度確認してみると良いでしょう。

その確認の仕方ですが、リンパ液が溜まって皮膚の厚みが増してくると、それまで見えていた静脈が見えにくくなったり、皮膚をつまんだ時にしわが寄りにくくなります。

それらの症状が見られる時にはリンパのむくみの中でも初期の部類に入りますので、現在の状態をしっかりとチェックして必要な処置を行う必要があります。

軽度で気付くことができない場合、そのまま軽度から中程度の症状へと移行してしまいます。

「軽度以上」になると明らかな変化が起こりますので、自分で気付けることも増えてきます。

具体的な症状としては、腕や脚が以前と比べて太くなったり、だるさや重さを感じるようになります。

また、疲れやすいと感じることも増え、太くなっている部分の皮膚を押すと跡が残るようになります。

跡が残るほどになったら、軽度よりも少し重い症状であることが考えられますので、既に早急な対処が必要なレベルに達している可能性があります。

中程度よりも症状が進むと、重症化して更に重い症状が現れます。

リンパのむくみが進行してしまうと、皮膚が乾燥しやすくなったり硬くなったり、毛深くなる人もいます。

また、肘や手首、指、膝、足首などの関節が曲がりにくいと感じる人もいますし、動かした時にそれまで感じたことのないような違和感が現れます。

このような変化を実感する頃には重症化していますので、すぐに受診する必要があります。

リンパのむくみ自体には痛みはないとされています。

しかし、症状が進行してくると流れが悪くなることにより痛みを伴うこともあります。

 

リンパのむくみが起こりやすい場所

リンパのむくみには起こりやすい場所と起こりにくい場所があります。

症状の現れ方には個人差があり、人によってどのように現れるのか予測が難しい部分もあるのですが、現れているパーツから原因を推測することもできます。

たとえば、手足にむくみが見られる場合には低栄養や静脈不全、心不全、肥満などが要因として考えられます。

手足は血液やリンパ液が留まりやすい部分ですので、これといった原因を抱えていない場合でもむくみが起こりやすい場所です。

ただ、むくみの度合いが酷かったり症状が長引いていて一向に良くならないという場合にはこれらの要因を抱えていないかを一度調べてみる必要があります。

手足のむくみから病気が見つかるケースもあります。

パーツごとに見ると、足だけでなく下半身全体がむくみやすい場所です。

間質液のような水分は重力の影響を受けやすいので、「ずっと同じ姿勢」をしているような人はむくみが強く出る傾向にあります。

下半身のむくみの場合、生理的なものと病的なものの区別をつけるためにも、詳しく症状を確かめてみる必要があります。

癌の治療を受けた人などは、その病気の場所によってもむくみの現れ方が違ってきます。

たとえば乳がんの治療後では肘の上下に起こりやすいですし、婦人科系の癌や泌尿器科の癌なら下腹部、陰部、脚の付け根辺りに現れます。

最初にむくみが起こるのは「リンパ節郭清(リンパ節の切除)」を行った場所に近いところですので、腕や太ももの付け根から起こりますが、そこから徐々にに手の先、足の先へと広がっていきます。

どこの場所に現れるかは、その原因によっても異なりますし、生活の仕方によっても現れ方が違ってきます。

大事なのは、そのむくみがどこに起こっていて、どの程度の症状なのかを見極めることであり、症状が軽い場合でも場所によっては早急に病院で見てもらわなければならないこともあります。

自己判断が難しいのがリンパのむくみですので、心配な症状がある場合には一度診てもらった方が良いようです。

健康な人でも下肢におけるむくみは一般的によくある症状であり、多くの人が気にしていますので対策用品も色々と売られています。

これくらいメジャーな悩みになると誰もに起こりうる症状として広く定着していますのでそれほど心配は要らないという意識を持ってしまいますが、もしかしたらその中には対処が必要なリンパのむくみもあるかもしれませんので、あまり軽く見ずに症状の細かな変化を記しておくことが大切です。

 

リンパのむくみの治療法

ただ単に生理的なむくみであり、生活習慣や食生活に原因がある場合には、健康的な生活に戻すだけでも効果が見られる場合があります。

また、初期の場合には流れを良くするための策を講じながら気をつけて生活すれば、上手くコントロールできることもあります。

ただし、軽度から重度になると既にセルフコントロールが難しい範囲に入っていますので、適切な治療を受ける必要があります。

治療は自分でサプリメントなどで行うことは危険ですし、本当の原因を把握することができなくて症状を悪化させてしまうことにもつながりますので、病院で詳しく調べてもらう必要があります。

受診すると、日常生活上の注意点を守ること、スキンケアを行うこと、リンパドレナージ、圧迫療法、圧迫下での運動を組み合わせた複合的治療を行うように指導されることが多いようです。

「リンパドレナージ」という言葉を聞いたことが無い人も多いかもしれませんが、この方法では腕や脚にたまったリンパ液を正常に機能するリンパ節へと誘導して、むくみを改善させるためにマッサージを行っていきます。

医療用のマッサージ方法ですので美容目的のリンパドレナージとは異なります。

圧迫療法は、圧迫により皮下組織内の圧力を高めることで毛細血管からの漏れ出しやリンパ液が溜まるのを防ぐ効果があり、弾性着衣や弾性包帯などを用いて行うのが一般的です。

むくみの程度によって圧迫方法を変えていき、個々の症状に合わせて行うことになります。

圧迫した状態での運動は非常に効果的ですので、弾性着衣や弾性包帯などを用いて適度な圧迫を行った状態でゆっくりとした運動を取り入れることが推奨されています。

できるだけゆったりと体を動かすことが重要であり、実践すればむくみが解消されやすくなります。

ただし、過度な運動は腕や脚が対象パーツの場合は逆効果となる可能性がありますので注意が必要です。

誤った方法で行うことのないように気をつけなければなりませんので、専門的な知識や技術を持つ医療者の指導の下で行うことが大切です。

無理をせず、適切な範囲で行っていくことも忘れてはいけません。

 

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リンパのむくみの予防法

リンパのむくみにも予防する方法はあります。

まずは自分の状態を確かめなければなりませんので、むくみが起こりやすい場所を目視でチェックしたり実際に触れてみたり、左右で比較したりして確認することが大切です。

リンパ液が溜まって皮膚の厚みが増すと、今まで透けて見えていた静脈が見えにくくなりますし、皮膚に厚みが増しますので指でつかみにくくなります。

日常生活の中で行える予防法は、できるだけ早期発見を心がけてスキンケアを実践し、日常生活上の注意点を守ることが大切です。

スキンケアでは、リンパのむくみの発症や悪化のきっかけとなりやすい炎症を防ぐ必要がありますので、肌を清潔に保つためにしっかりと洗ったり皮膚の乾燥を防ぐために保湿剤を取り入れたり、日常生活に気をつける必要があります。

日常生活での注意点としては、体重の管理を徹底して増えすぎないようにし、標準体重を維持することが大切ですし、バランスの良い食事を取ることも重要です。

また、衣服の選び方にも注意が必要であり、締めつけのきつい下着、衣類、靴下は避けるようにします。

特に気をつけたいのが脚の付け根や足首であり、この部分の締め付けが強いとむくみは簡単に起こります。

むくみが見られる時には流れを改善しようと考えて運動を取り入れる人も多いようです。

運動を行う場合には、激しい運動を避けて「適度な運動」に留めることがポイントです。

一度にたくさん運動するのではなく、適度な運動を長く続けることが重要ですので、続けやすい運動を見つけると良いでしょう。

運動の仕方によっては、行った後に脚や腕がだるくなったり、筋肉痛が残ることもありますが、これらの症状が見られる場合には運動の量が多すぎる可能性が高いので少し減らさなければなりません。

また、仕事をしている場合には、時々休憩を入れて負担を減らすことが重要です。

同じ姿勢をとり続けることでリスクが高くなりますので、座って行う仕事なら時々歩いてみたり、立ちっぱなしの仕事なら座って休憩する時間を作るようにします。

座って仕事をする人は、時々肩、肘、手首、膝、足首などを動かすことも大切です。

リンパのむくみが酷い人でも長時間の移動が必要であったり、以前から計画していた旅行に出かけることがあります。

そのような場合には「長時間の乗り物」がリスクを高めますので、時々休憩を取るなどして無理のないスケジュールにするようにします。

 

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まとめ

多くの人が悩んでいるむくみは、生活習慣や食生活に注意したり適切なケアを行えば改善できる可能性が高いです。

一方で、リンパのむくみは重度になるほどにセルフケア・自己管理では難しくなり、適切な治療を受ける必要があります。

むくみは誰にでも起こるものです。

今回ご紹介した予防法などを参考に、むくみを溜め込まないようにケアすることが大切です。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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