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脳腫瘍はきちんと治療すれば完治する!

人間にとって非常に重要な「脳」、そこにできる腫瘍が「脳腫瘍」です。

がんはどの部位で発症しても怖い病気ですが、脳腫瘍いわゆる「脳のがん」は特に怖い部位のがんです。

脳腫瘍はどんな特徴があるのか、どうすれば早期発見ができるのか、どんな治療法があるのかご紹介します。

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脳腫瘍とは

人間には様々な臓器がありますが、その中でもとりわけ重要な任務を担っている器官が脳であり、生命の維持・神経活動・感情や思考や記憶などをコントロールしながらつかさどるといった働きがあります。

このように、生きるという意味で最も中心となる器官である脳に腫瘍ができてしまうという症状が脳腫瘍です。

正確に言うと脳や脳をとりまく組織に出来る腫瘍の総称で、頭蓋骨の中に出来るとされています。

ではいったい腫瘍とはどのような病気なのでしょうか?

人間の身体というのは沢山の細胞によって作られていますが、その周辺の細胞組織とは全く無関係に、自律的かつ過剰に増殖をしながら、増えて塊となった細胞が腫瘍というわけです。

この腫瘍の組織を調べてみるとわかりますが、周辺にある正常な細胞部分とは様相がだいぶ異なり、色や形状も特別で隆起したような状態であるといいます。

このように正常な細胞の中に、何か急に特別な物が出来たという認識だった腫瘍ですが、近年においては遺伝子の異常によるものである事が明確となっています。

この異常に増えた細胞の塊である腫瘍には、大きく分けて「良性」と「悪性」があります。

いずれの場合においても腫瘍を取り出してから、詳しく顕微鏡等で検査する事で判別できるため、放っておいてよいというものではありません。

良性・悪性どちらの場合においても大抵は徐々に大きくなる場合が多く、いずれの場合においても小さいうちに取り除いてしまう方が手術も簡単にすます事が出来ます。

また患者さん自身の傷跡や、身体にかかる負担も少ない為、なるべく早期での対応が望ましいといえるでしょう。

脳腫瘍には上記のような良性と悪性とに分かれますが、これ以外にも脳そのものから腫瘍が出来たとする「原発性脳腫瘍」と、身体の他の部位に出来た腫瘍の細胞が血液の流れに沿って脳に運ばれてきて増えたとする「転移性脳腫瘍」とに分けられます。

いずれにしても脳腫瘍の発症頻度としてはそれほど多くはなく、1年間におけるその頻度は人口10万人に対しておよそ10~12人程度と推測されています。

また脳というのは部位ごとに働きが異なっている為、その腫瘍ができる部位においても様々なタイプに分かれています。

また部位ごとに腫瘍の進行するスピードや起こる症状も異なる為、脳という器官が非常に複雑な構造となっている事がお分かりいただけるでしょう。

脳腫瘍は一般的に成人はもとより、乳幼児から高齢者まであらゆる年代にもみられることが分かっている為、油断できないといえるでしょう。

 

脳腫瘍の種類と原因

脳腫瘍の種類は、上記の説明でも若干触れたように、大きく分けると良性脳腫瘍と悪性脳腫瘍とに分けられます。

起こる原因としては正確なところは分かっておりませんが、遺伝子によることは確かであり、何らかの要因によって遺伝子に変化が生じたと事で細胞が異常に増大したと考えられています。

一般的な見解としては、良性のタイプは急激な変化があまり見られない事が多いですが、これとは対照的に悪性のタイプは急激な変化や転移をしていく事が多いといわれています。

詳しい判別については、実際にこれらの腫瘍を取り出してから、その病巣の一部を詳しい顕微鏡の検査に回して始めて正確な判別が出来る為、最初の判断で良性である確率が高いと判断されても、決してうかつに放置してはいけません。

どちらにしても、腫瘍が小さいうちに早期に取り除くのが望ましいといえるでしょう。

脳腫瘍はこの他に、「原発性脳腫瘍」と「転移性脳腫瘍」とに分けられます。

「原発性脳腫瘍」というのは、脳の部分で発生した腫瘍であり、確かな原因についてはいまだわかってはいません。

発生頻度としては良性である確率がおよそ6~7割程度、残りが悪性である確率です。

もう一方の「転移性脳腫瘍」というのは、身体の他の部分で発生した悪性の腫瘍が、体内の血液をめぐって脳に転移したとするもので、こちらの場合は悪性タイプになります。

原因としては悪性腫瘍、すなわちがんの勢いが進行していて、さらに勢力を強めているという事になります。

そして更に脳腫瘍を詳しくみていくと、脳腫瘍の出来る部位ごとに種類が異なります。

「神経膠腫(グリオーマ)」と呼ばれる脳腫瘍は、悪性脳腫瘍の中では最も高い頻度で発生するといわれています。

また成人の場合は特に大脳に出来る腫瘍の大半を占め(※小児の場合小脳・脳幹にも出来る可能性あり)、この中の悪性のガンを「グリオーマ」と呼んでいます。

グリオーマは脳に浸みわたるように腫瘍が広がりを見せる為に、すべてを取り除くのが難しいとされています。

この様な神経膠腫を更に見ていくと、膠芽腫・星細胞腫・悪性星細胞腫・随芽腫・髄膜種・下垂体腺腫・神経鞘腫・頭蓋咽頭腫・胚細胞腫などに分けられ、非常に種類が多い事がお分かりいただけるでしょう。

いずれにしても何らかの原因で遺伝子が変異を起こしたこと以外には、直接的な原因は残念ながらはっきりとはしていません。

一般的に言われているような食生活の偏りや乱れ、過度のストレス・喫煙そして近親者における遺伝などが影響している可能性が高いとする為、普段の生活で気をつけられる範囲で改善していく事が望まれます。

 

脳腫瘍の症状

脳腫瘍が疑われる場合に、それを判別する為の症状にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

一般的に最も多いのが「慢性的な頭痛」や、原因不明の「吐き気や嘔吐」です。

初期の段階でこれらの症状が起きる事もあるようですが、個人差があり最初は自覚症状がほとんどないという方も多い為、非常に慎重さが求められるといえるでしょう。

頭痛の場合、起床時が最も強く、時間の経過とともに和らいだり酷くなったりと変化がみられる事があります。

一般的な傾向としては、これらの症状が多くみられるようになった段階では、既に腫瘍が大きくなり「視神経」等を圧迫している可能性がある為、早期に医療機関を受診する事が望まれます。

また症状の例として、実際に腫瘍ができた部分が原因してみられる局所症状、そして腫瘍が脳自体を圧迫した事で起こる「頭蓋内圧亢進症状」とに分かれています。

症状の進み具合によって、だんだんと視神経の異常がみられるようになります。

これは腫瘍が視神経を圧迫した事で起こるとされており、視界の一部分が欠けて見えるようになったり、著しい視力低下がみられるようになります。

また更に進行していくと、脳の神経への圧迫が強くなり、手足のしびれや動きにくい等の麻痺症状がみられるようになります。

このあたりまで症状が出てきているという事は、腫瘍がかなり大きくなってきていることが予測されます。

その後更に腫瘍が大きくなっていくと、言葉を発する為の筋肉等を刺激し、失語や言語障害がみられるようになります。

この頃には明らかに異常であるという事が症状からも判断できます。

そして聴覚神経にも影響が出てくると、耳鳴り・難聴がみられるようになります。

耳鳴りや難聴については、明らかにどちらか一方だけがおかしいというような時には、判断基準として脳腫瘍の可能性が高いといわれている為、早急な対応が望まれます。

この他局所症状としては、だんだん歩行が困難となったり、ふらつきやめまい立ちくらみなども起こり始めます。

そして更に顔面が麻痺したり、食べ物が飲み込みにくいといった嚥下障害などもみられます。

「頭蓋内圧亢進症状」としては、けいれんやてんかん、軽い意識障害等もみられるようになり、日常生活をおくるのが困難になってきているといえるでしょう。

また腫瘍の発生している部位によっても症状に違いが見られたり、早期でも治療が難しい箇所もある為、とにかくいつもと違う違和感を感じた時には、些細な事でも放置せずに対応する事が大切です。

 

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脳腫瘍の治療法

様々な検査を行い脳腫瘍である事が分かった場合には、まずはなるべく腫瘍が小さい段階で全てを取りきるような「手術」を行うのが一般的です。

「転移性脳腫瘍」の場合には、他の発生部位も含めて取り除けるように外科的処置を行います。

この段階で全てを取りきることが理想ですが、発生部位や腫瘍の広がり次第では、全てを取り除く事が難しいかもしれません。

また腫瘍の部位によっては、神経等を傷つけるような恐れがあり、手術が出来ない場合もあります。

その場合においては、医者の判断により「放射線治療」や「抗がん剤療法」などの薬物療法等を行うのが一般的です。

一定期間ごとに行うスケジュールが決まっており、その間で定期的に行うようになります。

場合によってはこちらの処置により腫瘍の範囲を小さくし、経過を見ながらその都度合った治療法を行っていきます。

また放射線治療と抗がん剤治療においては、両方を併用していく場合もあります。

脳腫瘍の治療法としては、上記のような方法が最もポピュラーですが、脳という部位はすべての神経をつかさどる器官であるように、手術などの治療も非常に難しい部分でもあります。

病状の進行状況や患者さんの年齢・体力なども考慮しながら、最も合う治療法を選択していきますが、最近ではこういった通常の治療法以外にも、新しい方法がいくつも見つかっています。

どのような治療法かというと、「免疫療法」や「遺伝子療法」と呼ばれるものです。

これらは最近の傾向として、手術や抗がん剤に代わる「副作用の少ない治療法」がないかという事で、新たにその成果に目を向ける方が増えてきています。

一定の効果が認められた人もいるようですが、まだまだその成果を発表できるような段階には至っていない為、場合によって保険がきかずに自費での治療となるケースもあります。

いずれにしても、脳腫瘍の場合には良性・悪性の有無に限らずに腫瘍を取り除くことが第一である為、最初からこのような治療法だけを選択するのはおすすめ出来ません。

まずは出来る限り腫瘍が取り除けるようにするのが重要です。

初期の段階できちんと取りきる事が出来れば、その後の生活にも大きく影響するといえるでしょう。

以上の治療法から判断出来る事は、初期症状としては他の病でも見られるようなものである為、なかなか病気に気づきにくいといえますが、脳という難しい部分に出来た腫瘍だけに、小さい段階での処置が望まれます。

少しでも何かおかしいと思う事があれば、すぐに行動する事を心がけましょう。

 

治療後の生活について

治療後の生活については、治療の成果によっても異なります。

初期段階で発見する事が出来、手術で必要部位を取りきる事が出来れば、その後も良好といえるでしょう。

特に良性の腫瘍だった場合には、予後はかなり順調といえますが、転移性脳腫瘍で転移が広範囲にみられたり、症状が既にかなり進行したりしている場合や、腫瘍の発生部位が難しいような箇所である場合などは、定期的に検査や薬物療法なども行いながら経過を観察していきます。

なにぶん、脳という器官は身体の主要な部分ですから、100%大丈夫といえるのは軽度でしっかりすべての腫瘍を摘出できた時に限られます。

上記種類でも挙げたように、脳は位置によって行う働きがすべて異なっており、その発生部位によっては手術が困難な症状もある為、免疫療法や遺伝子療法のような新しい治療に目を向ける方が多くなってきました。

しかし、これらはあくまで通常の治療にプラスする事で効果が期待出来るため、自己判断は大変危険といえるでしょう。

そういった意味では、治療後の生活において自分で出来る努力を進めていく事も重要となるでしょう。

毎日の食生活に気を配る事や、適度な運動を行う、飲酒や喫煙を控える、ストレスの少ない生活を心がける、良質な睡眠や、腸内環境を整えて免疫力を向上させるなど、そんな人間生活におけるもっとも基本的な部分を整える事が、本当に大切といえるでしょう。

また治療後の生活において影響力が大きいのが、初期段階で治療ができたかどうかになります。

脳腫瘍の症状の中にある、視神経や聴覚神経などにまで症状が及んだ場合には、治療後もその後遺症が残る可能性があります。

それらについてはすべてを取り戻すのには時間がかかり、焦らずゆっくりとリハビリを続ける事で、少しずつではありますが、症状が改善される事もあります。

手のしびれや視力の低下など、治療後もいろいろと不安が多くある事でしょうが、まずは命が助かる事が一番ですから、それ以外の症状は少しずつというのが基本です。

そして普段気づきにくい症状にも油断せずに気に留めるようにし、少しでもおかしいと思える時には、絶対に自己判断をしないで病院の先生に診てもらうのが大切です。

その時には、最初の診療だけをうのみにする事なく、最近当たり前の権利として重要性を上げている「セカンドオピニオン」を実践し、後で悔いの残らないような方法を選ぶことが大切です。

 

まとめ

脳腫瘍いわゆる「脳のがん」は、他のがんに比べると稀で発症率も低いものです。

また、早期発見で腫瘍を全て取りきることができれば予後も良好といえます。

一方で、ゆっくり徐々に進行するだけに早期発見が重要になります。

気になる症状を感じる場合は、安易に放置せず行動することを心掛けることが大切です。

 

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ライター紹介 ライター一覧

木村 哲也

木村 哲也

株式会社イコールヒューマン代表取締役。生活習慣病の権威者である崇高クリニックの荒木裕院長と提携し、主に生活習慣病に関わる様々な情報を広く分かり易く提供中。

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