「境界型糖尿病」における運動や食事の気を付けたいポイント
体調が優れないときに症状から病名を検索して「もしかしたら糖尿病かもしれない」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか。
こちらの記事では、糖尿病を心配されている人に向けて「境界型糖尿病」について詳しく解説していきます。
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Contents
「糖尿病」の初期段階「境界型糖尿病」
「境界型糖尿病」とは糖尿病の初期段階のことです。
糖尿病は急に症状が出るわけではなく、少しずつ時間をかけて血糖値が上がっていき糖尿病の症状を発症します。
まだ糖尿病と呼ぶべき段階ではないけれど血糖値の数値が上がってきた、糖尿病の予備軍的な症状が出てきた状態を「境界型糖尿病」と呼びます。
境界型糖尿病をきちんと理解することが過度な不安を防ぐことにつながりますし、2型糖尿病の抑制にも大きく役立ちます。
<境界型糖尿病の症状>
境界型糖尿病の段階では自覚症状はありません。
しかし定期的に健康診断を受けていれば血糖値の数値が高くなっていることがわかりますので、そこから境界型糖尿病と診断されることがあります。
ほかにも、検査結果によって精密検査を受けて境界型糖尿病と診断されることもあるようです。
自覚症状がないことから「特に対策は必要ない」と考える人がいますが、インスリン(血糖値を下げる作用のあるホルモン)の分泌が低くなるなど体の中では確実に変化が起こっています。
血糖値の数値に変化が見えてきたら、これ以上数値が上がらないように対策を取る必要があります。
<境界型糖尿病は血糖値で判断される>
境界型糖尿病を判断するための重要な要素である血糖値の数値は「空腹時血糖値」、「75g経口ブドウ糖試験」、「HbA1c」という3種類の検査方法で検査できます。
空腹時血糖値は100mg以下が正常値とされているので、110mg〜125mg以下の数値、75g経口ブドウ糖試験は140mg〜199mg、HbA1cは6.0%〜6.4%の数値だと境界型と診断されます。
多くの場合、空腹時血糖値とHbA1cの検査を先に行い、境界型と診断されたら75g経口ブドウ糖試験の検査を受けることが多いようです。
しかし空腹時血糖値とHbA1cの検査を先に行う場合もあり、数値が正常範囲内であっても少し高めの場合には75g経口ブドウ糖試験の検査を行って境界型糖尿病であるかを診断します。
境界型糖尿病には自覚症状がないものの、数値が正常範囲内の人よりも将来的に糖尿病になる可能性が非常に高いといわれています。
このため、これまでの検査では正常範囲内であり今も正常範囲内だけれど少し数値が上がってきたという人は、境界型糖尿病の可能性を加味して検査や対策を取ることが望ましいでしょう。
「糖尿病」で懸念されるリスク
境界型糖尿病が進行すると糖尿病になってしまいます。
境界型糖尿病の段階では自覚症状はありませんが、先にも触れたようにインスリンの分泌が低くなります。
また、血糖値が高い状態が続いてしまうと血管にダメージを受け血管の老化が早まります。
動脈硬化はその代表的な症状です。
動脈硬化が進んでしまうと糖尿病の症状のほかに血管の病気や心臓、脳といった場所の病気になりやすいので注意が必要です。
また、糖尿病のほかにもさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
合併症はすぐに症状が出るわけではなく、少しずつ進行していき「気づいたときには危険な状態になっていた」ということも少なくありません。
深刻な合併症を引き起こさないためにも、早い段階での数値の変化に意識を向ける必要があります。
慢性合併症:細小血管障害
「細小血管障害」は、糖尿病の合併症の中でも代表的な症状です。
細い血管がダメージを受けてさまざまな症状が起こる慢性合併症ですが、主に「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」、「糖尿病神経障害」の3つが挙げられます。
「糖尿病網膜症」は、網膜にある細い血管に傷がついたり詰まったりする症状です。
網膜症が進行すると、失明の原因になるなど深刻な症状を招く恐れがあります。
「糖尿病腎症」は、血糖値の高い状態が続くことで腎臓に張り巡らされている細かい血管が破れたり詰まったりする症状です。
進行すると腎臓のろ過機能が働かくなってしまいます。
「糖尿病神経障害」は、血糖値の高い状態が続くことにより全身で機能している神経になんらかの障害を引き起こす症状です。
特に血液の届きにくい体の先端は神経障害が起こりやすく、足の先や手などにしびれや痛みが生じたり、冷えやほてりを感じたりします。
そのほか、足の裏に違和感がある、体の随所に神経痛が起こるなど糖尿病神経障害の症状は実にさまざまです。
「細小血管障害」によって起こり得る合併症は、いずれも症状が軽い時期に自覚症状を感じない点が特徴です。
症状がかなり進行しないと合併症を発症していることに気づかないので、気づいたときにはかなり悪化しているといったことも大いにあり得ます。
初期の段階で合併症に気づけば、生活習慣を見直すことにより症状を改善できるケースも少なくありません。
慢性合併症:大血管障害
大血管障害は、血糖値の高い状態が続くことにより心臓や脳などに繋がっている太い血管が傷つき、動脈硬化が進むために起こる可能性のある症状のことです。
「脳梗塞」「心筋梗塞」「末梢動脈疾患」などの病気がそれにあたります。
いずれもすぐに症状が悪化するわけではありませんが、進行すると命に危険を及ぼしたり生活に大きな支障をきたしたりする可能性があるので注意が必要です。
「脳梗塞」では、脳に栄養を運んでいる血管が細くなったり、血栓ができて詰まったりしてしまうことによって血液が脳に届かなくなってしまいます。
脳に血液が届かないと神経細胞が死んでしまい、体が麻痺したり、嘔吐したり、話そうとしても言葉が出てこないなどの症状が起こります。
「心筋梗塞」は、血糖値の高い状態が続くことで動脈硬化が進み、血栓ができて血管が詰まってしまったり、血管が傷ついてしまったりすることによって起こります。
血流が悪くなり、心臓に血液が届かずに心筋細胞が死んでしまうと激しい胸の痛みが起こり、呼吸困難や意識障害などを引き起こし、時に死を引き起こす可能性もある怖い疾患です。
「末梢動脈疾患」は、血糖値の高い状態が続いて動脈硬化が進むと足の動脈が細くなったり、詰まったりしてさまざまな症状を引き起こす疾患です。
足のしびれ、冷え、痛みなどが起こり、症状が進行すると歩行に支障をきたします。
最悪の場合足の指が壊死してしまうケースもあるので、早い段階での適切な治療が重要です。
慢性合併症:その他
「境界型糖尿病」によって引き起こされる合併症はほかにもあります。
「がん」「認知症」「歯周病」「骨粗しょう症」「感染症」などです。
血糖値の高い状態が続くと、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌され、高インスリン血症などが原因でがんになるリスクが高くなると言われています。
また血糖値が高い状態が続き、動脈硬化を引き起こしたことで脳梗塞を発症した場合は認知症のリスクが高くなります。
「骨粗しょう症」も境界型糖尿病の慢性合併症のひとつです。
血糖値が高い状態が続いてしまうと骨粗しょう症のリスクが上昇します。
骨密度が下がるというわけではなく骨自体がもろくなる場合もあるので、骨密度の検査だけで判断できない点がやっかいです。
境界型糖尿病と診断された場合には、骨粗しょう症の検査も定期的に受けることが望ましいでしょう。
そのほか、血糖値の高い状態が続くことで起こり得る合併症として「歯周病」も挙げられます。
高血糖値の状態が続くと歯周病菌が増えやすくなり、歯周病にかかりやすくなります。
ほかにも、体の防御反応が低下することでさまざまな疾患を引き起こしやすくなりますので、糖尿病の症状が出ていないからといって安心というわけではありません。
これらの合併症はすべて初期段階では自覚症状がありません。
糖尿病の症状も現れないので、血糖値が高い状態かどうかは検査しないとわからないのです。
境界型糖尿病であるかどうかの診断は、定期的な健康診断や検査を行わないとわかりません。
ほかの疾患も同様ですが、健康体だと思っていても水面下で病気が迫っている可能性がありますので、日頃の検査はとても重要です。
急性合併症
「急性合併症」は、主に1型糖尿病の人に起こりやすく、血糖値が非常に高くなることで発症する合併症です。
代表的なものとしては糖尿病ケトアシドーシスや高血糖高浸透圧症候群などが挙げられます。
いずれも発症したらすぐに適切な処置をとらないと危険な状態を招く恐れがあります。
1型糖尿病と診断された人は、急性合併症が発症したときの対処についてかかりつけ医と日頃から話し合っておくことが重要です。
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「境界型糖尿病」で気を付けたいポイント
境界型糖尿病と診断されたからといって、必ずしも糖尿病に進行したり合併症を引き起こしたりするというわけではありません。
日常生活で気をつけるべきことを実践することで、血糖値の数値が安定し境界型糖尿病を治すことも可能です。
境界型糖尿病と診断されたときに気をつけたいポイントについて解説していきます。
日常で気を付けたいポイント
境界型糖尿病は自覚症状がないので血糖値の検査をして初めて分かることも多いです。
しかし、ちょっとした自覚症状から検査を行い発見できる場合もあります。
そのため、気になることがあればすぐに病院で診察を受けることが大切です。
少し体調が悪い、これまで気にならなかった症状が起きているというときは、すぐにかかりつけ医に診てもらいましょう。
また、境界型糖尿病を始め糖尿病は1度かかると完治は難しいと言われています。
症状にもよりますが、ある意味一生付き合っていかなければならないケースもありますので、信頼できる医療機関を見つけることも重要です。
長い間健康管理に気を使うことで、病気との共存に疲れてしまうことも少なくありません。
そんなとき親身になって相談に乗ってくれる医療従事者を見つけておくと、病気だけでなくメンタル面でのケアもしてもらえるでしょう。
食事で気を付けたいポイント
境界型糖尿病の予防と改善には血糖値を上げないことがポイントとなります。
そのために気をつけたい食事法の3本柱として、「食べ過ぎない」「ゆっくり食べる」「栄養バランスのよい食事を心がける」ということが挙げられます。
一度にたくさんの量を食べると血糖値が上がりやすいので、食事はゆっくり取ることが大切です。
そして、ゆっくり食べると食事中に満腹中枢が反応し始めるので食べ過ぎも防げます。
早食いをしたときの満腹と、ゆっくり食べたときの満腹では実際に食べた量が変わってきますので、食事はゆっくりとよく噛んで摂るように心がけてください。
そして何よりも、栄養バランスのよい食事を意識することも重要です。
特に炭水化物に偏った食事は血糖値が上がります。
ご飯(米類)、パン類、麺類、野菜、果物を中心とする食事は一見すると「バランスの良い食事」です。
しかし、実はこれらは全て炭水化物です。
「栄養バランス」的にはほとんどが炭水化物(糖質)で、動物性タンパク質や脂質は摂ることができない「偏った食事」です。
人間の身体の主成分であるタンパク質(動物性タンパク質)、脂質を中心に、ビタミンやミネラルなど必要な栄養をバランスよく摂る食事を意識しましょう。
運動で気を付けたいポイント
血糖値の上昇を防ぐためには適度な運動も大きな効果が期待できます。
たまに激しい運動をするよりも、適度な運動を毎日継続して行うほうが効果的です。
例えば週に3〜4回40分以上のウォーキングをする、通勤時にいつも降りる駅の1駅前で降りて歩いていくなど、歩く機会を増やすことで運動効果を得られます。
近所を散歩しながら四季を感じて、同時に運動効果を得るというのもよいですね。
また、TVを見ているときにストレッチや腹筋をするなど、ちょっとしたときにできる「ながら運動」もおすすめです。
ジムに行こう、ヨガに通おうとすると、スケジュールが合わなかったり天候が悪く出かけるのが億劫になったりしてしまいがちです。
自宅や自宅周りで手軽にできる運動なら、お金をかけることなく続けやすいでしょう。
ラジオ体操も適度な運動量を得られますので、朝起きたら実践してみるのもよいでしょう。
朝に体を動かすとスッキリして、その日1日を健康的に過ごせます。
運動は境界型糖尿病の予防と改善につながる上に、幅広い面で健康づくりに役立ちますので、ぜひ手軽な運動を積極的に取り入れてください。
まとめ
境界型糖尿病は自覚症状がないことから、気づいたら進行しているということが少なくありません。
その反面、日常生活で血糖値の上昇を防ぐように心がけることで、投薬や手術の必要なく数値を安定させることができます。
また早い段階で意識することで境界型糖尿病を未然に防ぐことも可能です。
日常生活で気をつけるポイントも決して難しいものではありませんので、定期的な検査や食事、運動に気をつけて境界型糖尿病の予防と改善に努めましょう。
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