こむら返りになったときの対処法は?原因を知って正しく予防
激しい運動をした直後や就寝中などにこむら返りになり、歩行ができないほどの強い痛みを感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
こむら返りはふくらはぎ以外の筋肉がつる現象と同じものと考えられがちですが、この部位ならではの原因や効果的な対処法も存在し、特によくこむら返りになるという方はそれらについて知っておく必要があります。
ここでは、こむら返りの症状の詳細や代表的な原因、対処法、予防法などについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
こむら返りの症状とは
まずはこむら返りの症状の詳細について確認しておきましょう。
こむら返りの「こむら」とは足のふくらはぎのことを指し、この部分の筋肉がけいれんを起こすことで生じるのがこむら返りです。
こむら返りは主にスポーツをしている最中や就寝中に無意識のうちに足を延ばした際などに起きることが多く、強い痛みを伴います。
こむら返りが起きる基本的なメカニズムはふくらはぎに限らず筋肉がつる現象とほぼ同じとなっており、なんらかの原因によって発生した血行不良や栄養不足が筋肉の働きを阻害し、筋肉の伸縮能力が低下しているにもかかわらず筋肉を動かそうとすることで発生します。
このことから、こむら返りになる基本的な原因は「血行不良」によるふくらはぎ周辺の血液不足であるといえます。
また、ふくらはぎをはじめ太ももや足首に不快感が生じる「むずむず足症候群」は、こむら返りと混同されることも少なくありません。
このことは、むずむず足症候群による不快感が就寝中にピークに達しやすいという点でこむら返りに似ていることなどが一因とされていますが、こむら返りが一時的な強い痛みを伴うのに対し、むずむず足症候群の不快感は長時間にわたって続くものの強い痛みは伴わないという点でその症状には大きな違いがあります。
それに加え、こむら返りの場合ふくらはぎの筋肉が一時的に硬くなりますが、むずむず足症候群では筋肉が硬くなることはないため、この点においても双方には大きな違いがあります。
以上のことから、こむら返り特有の強い痛みと筋肉の硬直を伴う一時的なふくらはぎの硬直はその周辺における血液や栄養の不足が大きな原因となっており、その症状においてはむずむず脚症候群とも大きな違いがあるため、こむら返りならではのメカニズムや対処法を知っておく必要があるといえます。
こむら返りになる原因
こむら返りを予防するための対策や治療法について知るには、こむら返りが何を原因として生じるのかを知っておかなければなりません。
続いては、その詳細を5つに分けご紹介します。
・肉体疲労
激しい運動をしたり長時間同じ体勢を維持していたりすると筋肉には疲労物質が蓄積していき「肉体疲労」の状態になってしまいます。
とりわけ全体重を支える足のふくらはぎの部分には大きな負担がかかりやすいことから、この箇所の疲労は大きくなりがちです。
肉体疲労の状態になったふくらはぎでは筋肉が硬直し、筋肉の伸縮をコントロールする「腱紡錘」の働きが低下します。
これによりふくらはぎではこむら返りが起こりやすい状態になり、足を延ばすなどといった些細なことがきっかけとなってこむら返りを引き起こします。
・水分不足
こむら返りは血液の流れが悪くなったときにも多く生じます。
水分補給を小まめに行うことは血液の流れをスムーズにする上でも重要であることから、逆に体内の水分が不足してしまうと血液の流れは悪くなり、こむら返りが起こりやすい状態となります。
このことには夏場の運動中に足がつりやすいことも大きく関係しており、運動中の水分補給は脱水症状だけでなく、こむら返りをはじめとした足がつることを防ぐ上でも重要であるといえます。
・栄養不足(ミネラル・ビタミン)
上述した水分不足の内容と重複する部分もありますが、人がかく汗にはミネラルをはじめとした栄養分が含まれており水分補給を十分に行わないと体内ではミネラル不足の状態になってしまいます。
このミネラルはこむら返りを予防する上で重要な栄養素であることから、このような状態になった場合もこむら返りになりやすくなります。
また、筋肉の伸縮を正常に行うためにはビタミンなどの栄養素も必要ですが、ふくらはぎ周辺の血行が悪くなるとこれらの栄養素が筋肉に供給されなくなってしまいます。
そのため、血行不良による栄養不足もまたこむら返りの原因となります。
・血行不良や冷え
上述したとおりふくらはぎ周辺の筋肉には疲労がたまりやすいことから血行不良を起こしやすく、それによって筋肉が硬直することや栄養が不足することはこむら返りを引き起こす大きな原因となります。
また、このような血行不良は疲労の蓄積だけでなく、冷えによってその症状が重くなる場合もあります。
特に女性の場合、男性に比べて筋肉量が少ないことから体が冷えやすく冷え性にもなりやすいことから、疲労が蓄積している自覚がなくても突然こむら返りが起きることもあります。
・骨盤の歪み
骨盤周辺の筋肉にはふくらはぎの筋肉につながっているものもあり、骨盤が歪んでしまうとその周辺の筋肉にも影響がおよび結果的にふくらはぎの筋肉が引っ張られた状態になってしまうことがあります。
このような状態になるとふくらはぎの筋肉にはもとの状態に戻ろうとする力が加わることから、それが筋肉のけいれんを引き起こし結果的にこむら返りになることもあります。
頻繁にこむら返りになる方の場合このような骨盤のゆがみが原因となっていることも多く、適切な治療を行わないと慢性化してしまうこともあり注意が必要です。
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こむら返りの対処法
こむら返りは一時的なものであることから、激しい痛みを感じても病院へ行く方は少ないでしょう。
しかし、その症状が表れたときの対処法や予防するための方法は覚えておく必要があります。
これらの対処法、予防法としては「マッサージ」「ツボ押し」「ストレッチ」の3種類が挙げられます。
続いては、これらの詳しい方法について解説します。
・マッサージ
こむら返りになってしまったらふくらはぎの筋肉を伸ばすと、その症状をすぐに緩和することができます。
具体的な方法としてはこむら返りになった足をまっすぐに延ばし、つま先を掴み、手前に引っ張りながら徐々にふくらはぎの筋肉をほぐしていくマッサージが効果的です。
また、つま先に手が届かない場合は、立った状態でこむら返りになった方の足をまっすぐにした状態で正面に上げ、足の裏を壁につけて軽く押すようにするとすぐに症状が緩和できます。
・ツボ押し
こむら返りになったときには、ふくらはぎ裏側の中央よりやや上の当たりにある「承筋」と呼ばれるツボや同様にふくらはぎ裏側の中央よりやや下にある「承山」と呼ばれるツボを押すと痛みを緩和することができます。
また、足の裏の中央上部の人差し指と中指の骨の付け根あたりに位置する「湧泉」や、ふくらはぎの外側上部、膝のやや下の位置にある「陽陵泉」、すねの中央上部にある「足三里」、すねの中央下部にある「条口」などのツボを日常的に刺激しているとこむら返りの予防効果が期待できます。
・ストレッチ
こむら返りは日常的にストレッチをすることでも予防ができます。
その目的はふくらはぎ周辺の血行を促進することであるため、足を開いた状態で前屈をするストレッチや足首を回すストレッチなどが有効となります。
また、立ち仕事などで疲労がたまりやすい方は、休憩時間に立った状態での前屈などのストレッチを数分行うだけでもこむら返り予防の効果が期待できます。
一方、適切なこむら返りの対処法は症状が表れたときの状況によっても異なります。
続いては、こむら返りが特に起きやすい睡眠中と運動中にこむら返りが起きてしまった場合の対処法をご紹介します。
・睡眠中にこむら返りになったときの対処法
睡眠中にこむら返りが発生した場合、まずは上述したマッサージ方法で応急処置を行ってください。
睡眠中のこむら返りは冷えによる血行不良や水分不足が原因となっていることが考えられるため、症状が緩和されたら下半身を温め、水分補給を行うと再発防止が可能となります。
・運動中にこむら返りになったときの対処法
運動中はスパイクなどを履いている場合がありますが、こむら返りの症状が表れたらスパイクなどを脱がずにそのままつま先を持ちふくらはぎの筋肉を伸ばします。
また、つま先が掴みづらい場合は、仰向けになった状態で足をまっすぐにして上にあげ、つま先に力を加えながら押してもらうと症状を緩和できます。
運動中のこむら返りは汗と共にミネラルが流れ出てしまったことが原因であることが多いため、症状が和らいだら十分な水分補給を行うと再発を防止できます。
こんなときは病院へ!
こむら返りそのものは過度な運動や血行不良、冷えなどが原因となる一時的なものであるため、それ自体が生じただけなら病院へ行く必要はありません。
しかし、こむら返りの中には命にかかわるように重大な疾患の症状のひとつとして生じているものもあるため注意が必要です。
特に以下のような症状がこむら返りと共にみられる場合は病院へ行くことをおすすめします。
・喉の渇き、手足のしびれ
運動中にこむら返りになってしまった際に過度な喉の渇きや手足のしびれなどの症状がみられる場合、脱水症状や熱中症などが疑われます。
そのため、これらの症状がみられる場合はすぐに運動を中止し病院へ行くようにしましょう。
・尿量の変化、むくみ
日常生活の中でこむら返りになることが多くなり、それと同時に尿量の変化やそれまではみられなかったほどのむくみなどの症状が表れた場合、肝臓疾患や腎臓疾患の症状のひとつとしてこむら返りが生じていることが疑われます。
よって、これらの症状が同時期にみられた場合も病院へ行くようにしてください。
・腰痛、下肢痛、臀部痛
特に高齢者の場合、腰部脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニア、変形性腰椎症などの症状としてこむら返りが発生していることがあります。
これらの疾患には腰痛や下肢痛、臀部痛などの症状も伴うことから、これらの症状が見られる場合もできるだけ早く病院へ行きましょう。
・薬の服用後
こむら返りは薬の副作用として生じることもあります。
特に高血圧や心臓病の治療薬にはこむら返りを引き起こすものもあるため、頻繁にこむら返りが起きる場合は薬の処方を受けた病院へ行き医師に相談をしてみましょう。
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こむら返りを予防するための方法
こむら返りを予防するための方法としては以下のものが挙げられます。
・栄養バランスがとれた食事
ふくらはぎの筋肉の働きを正常化しこむら返りを防ぐためには、筋肉を動かす上で必要な栄養を十分に摂取することが重要となります。
栄養バランスの取れた食事というと一般的には野菜や果物を中心としたものをイメージしがちですが、こむら返りの予防においては肉や脂質もしっかりと食べることが大事です。
また、その際にはこむら返りを予防する上で重要なミネラルもしっかりと摂取するようにしましょう。
・(食事の補助としての)サプリメントの服用
こむら返りを予防する上で必要な栄養素としてはビタミンBやミネラル、葉酸、ビオチンなどが挙げられます。
もしも、これらの栄養素を食事から十分に摂取することができない場合は、こむら返りを予防するには食事の補助的な役割としてサプリメントを利用するのも有効です。
・漢方の服用
こむら返りは漢方を服用することでも予防が可能です。
とりわけ「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という漢方はこむら返りの予防だけでなく症状が表れてからの服用でもその緩和効果が望めることから、こむら返りになりやすい方は常備薬として用意しておくのがおすすめです。
・ストレッチ
日常的なふくらはぎ周辺の筋肉を伸ばすストレッチの実施はその周辺の血行をよくする効果が期待できるため、こむら返りの予防にもなります。
具体的には立った状態や座って足を広げた状態で行う前屈運動などが効果的です。
まとめ
こむら返りは冷えや血行不良などが原因となることも多いことから、全く前兆がなく突然症状が表れることも少なくありません。
そのため、あまりこむら返りになったことがないという方でも基本的な対処方法は心得ておく必要があります。
また、こむら返り自体は命にかかわるようなものではないですが、重大な疾患の症状のひとつとして生じることもあるため、頻発するようであればできるだけ早く病院へ行き診察を受けるようにしましょう。
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