食後血糖値を上げる要因は何か?急上昇を防ぐための方法
健康診断などで糖尿病の疑いがある、あるいは糖尿病予備軍であるといわれた方はどのような生活習慣を改善すればその発症や重症化を防ぐことができるか知りたいと考えていることでしょう。
糖尿病とは、血中の糖分濃度が高い状態が慢性化しさまざまな合併症を引き起こす病気であることから、血中の糖分濃度をコントロールするための術を知っておくことが重要になります。
今回はそのために知っておくべき知識のひとつとして、食後血糖値とその危険性や上昇を防ぐ方法をご紹介していきます。
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食後血糖値とは
食後血糖値について知るためには、まずは血糖値のことをよく理解していなければなりません。
血糖値とは、血中に含まれる糖の濃度のことを意味していて、この濃度は食事で摂取したブドウ糖が体内で吸収されエネルギー源となることで上昇します。
通常、エネルギーは人が活動をすることで消費されそれに伴って血糖値も下がっていくことになります。
しかし、糖尿病もしくはその予備軍であると診断された方は食事をしてからある程度の時間が経過していても血糖値が下がらず、その影響がさまざまな合併症として現れてしまう可能性があります。
よって、血糖値は糖尿病の治療下において常に気にかけなければならない数値ということです。
この血糖値の中でも「食後血糖値」とは、その名のとおり食後の血糖値のことを意味しています。
血糖値は多くのブドウ糖を摂取する食事の後に上昇していき、多くの人にとってこの食後血糖値が血糖値のピークとなっています。
この数値は健康な人であれば、食後2時間も経過していれば140mg/dL未満にまで低下しますが、血糖値が高めの方はこれ以上の高い数値を示し続けることもあります。
この状態のことを「食後高血糖」と呼んでいます。
食後高血糖の状態が長く続くと糖尿病による合併症を発症するリスクも高まっていくことが分かっており、健康診断で血糖値が高いといわれた方や親族に糖尿病を患った方が多いという方は、日ごろからこの食後血糖値を気にかけておく必要があります。
また、医療機関において血糖値を測ることができる機会は有効活用しなければなりません。
血糖値を測ることができる機会としては、採血を行う一般的な健康診断だけではなく糖尿病検査も挙げられ、場合によっては自主的に定期的な糖尿病検査を受けに行くといいでしょう。
血糖値の変化だけでなく、糖尿病が進行していないかを確認するための習慣をつけておくのにも有効といえるでしょう。
一方、食後血糖値の定義に関してはあいまいな部分があり、食後何時間以内の血糖値を食後血糖値とするかは、人によって見解が異なります。
例えば、食後から2時間が経過した時点での血糖値が食後血糖値として適格だと考える医師がいます。
また、食後2時間だと人によっては血糖値のピークを過ぎていることがあり、正常値に近い数値になっている可能性もあるため食後1時間の血糖値こそが食後血糖値として適格であると考える医師がいるのも事実です。
このことから、食後血糖値の計測においては、医師によって計測するタイミングが変わることもあり、患者さんの体質などの条件次第では必ずしも食後血糖値として提示された数値を鵜呑みにするべきではないといえます。
また、このようなことによる糖尿病罹患リスクの診断ミスを防ぐためには、医師の見解を聞くことだけでなく自分自身が食後どれくらいの時間が経過したときに血糖値がピークに達するのかをある程度把握しておく必要もあるでしょう。
食後の血糖値が高いことの危険性
食後血糖値が高い状態が続いてしまうと、どのような危険性があるのでしょうか。
食後血糖値は食事によって摂取したブドウ糖が血中に運ばれるため一時的に自然と上昇します。
しかし、通常はいくら食事量が多い人であっても、この数値が極端に上昇することはありません。
健康な人であれば、あくまでも限られた範囲内で食後血糖値は上昇することになるので数時間が経過すれば自然ともとの数値に戻ります。
しかし、この食後血糖値が健康的な人の範疇を超えて異常な上昇を示す場合、血糖値をコントロールする体の働きに異常が生じていることが考えられるため、糖尿病もしくはその予備軍であると考えることができます。
また、食後血糖値の上昇にこのような傾向がある方は空腹時の血糖値が正常だとしても、将来的に糖尿病になるリスクを持っているとされるので早急な対策が求められます。
つまり、空腹時の血糖値が正常な方であっても糖尿病にかかるリスクはあることから、それを見極めるという意味でも食後血糖値を計測することは重要といえます。
一方、血糖値が高いことの危険性は何となく理解できるものの、それがどのような症状を引き起こすのかは分からないという方も多いことでしょう。
血糖値が高い状態が続くことで生じる恐れのある具体的な症状としては以下のことが挙げられます。
・動脈硬化の促進
人の体には上昇した血糖値をもとの数値に戻す機能が備わっていますが、血糖値が高めの方にはこの機能に異常が生じていることが考えられます。
このような異常のことを「耐糖能異常」と呼び、この異常の有無は糖尿病の罹患リスクを判断する際にも重要な根拠となります。
この耐糖能異常を放置してしまうと血糖値に異常が生じるだけでなく、動脈硬化を促進させてしまうことも分かっています。
これは高血糖の状態が続くことが動脈硬化の原因となる活性酸素の働きを助長する、血管に炎症を生じさせるためです。
動脈硬化が進んでいくと心筋梗塞などの血管に関する合併症が生じることとなり、場合によっては命にかかわることもあるため注意しなければなりません。
・がんの罹患リスクの上昇
糖尿病はがんを引き起こす危険因子になることが分かっており、食後高血糖の状態が続くのを放置していると同時にがんの発症リスクも高くなるといえます。
このことの根拠としては、糖尿病の診断基準のひとつである「HbA1c」という数値が高い人を対象とした研究で、すべてのがんの発症リスクが通常の1.2倍、大腸がん、すい臓がん、肝臓がん、子宮内膜がんに関しては通常の1.5倍~4倍も高くなることが判明したことが挙げられます。
また、糖尿病ががんを引き起こす原因としては、高血糖が酸化ストレスという現象を進めDNAを損傷されることが指摘されており、これらを根本から予防するためにも食後血糖値をコントロールすることは重要といえます。
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食後血糖値を左右する「朝食」の重要性
食後血糖値が正常な範囲内で推移するようコントロールするためには医療機関で治療を受けることも重要ですが、患者さん自身が日ごろから食後血糖値が上昇しすぎないよう注意することもまた重要です。
この際、特に重要視すべき点として挙げられるのが「朝食」です。
朝食と血糖値の関係について知るためには、血糖値とインスリンの関係を知っておかなければなりません。
食事から摂取したブドウ糖は体内に運ばれていくとエネルギーへと変えられますが、この変換作業を行うのがインスリンでありブドウ糖を処理することによって血糖値が急激に上がることを防いでいます。
よって、血糖値が高めの方の体内ではこのインスリンの働きや分泌が正常に行われていないということが考えられます。
一方、朝食と血糖値の関係に関しては、朝食をしっかりと食べる場合よりも朝食を抜いたときのほうが昼食・夕食後の血糖値の上昇がより顕著になることがわかっています。
このことにはインスリンの分泌が空腹の状態が長く続くことによって鈍化していき、体内にブドウ糖が入ってきてもしばらくの間インスリンが分泌されなくなることが大きく関係しているのです。
インスリンを正常に分泌させるという点においては、朝食をしっかりと食べることは血糖値をコントロールする上でも重要になると考えられています。
一般的な感覚として糖尿病を患っている方は不規則な食生活を送っており、どちらかというと肥満気味の方が多いというイメージを持ってしまいがちです。
そのため、糖尿病対策ではダイエットをすることが大事だと考えた結果、朝食を抜くことで摂取カロリーを少なくしようとする方は少なくありません。
しかし、この方法によって摂取カロリーを少なくし仮に体重を落とせたとしても、糖尿病そのものの症状である血糖値の異常な上昇に対しては逆効果であることから、糖尿病対策として朝食を抜くという方法は的確ではありません。
また、ある研究では朝食をしっかりと食べた場合と抜いた場合では、昼食時と夕食時のインスリン分泌量のピークが訪れるのが30分もずれることが判明しています。
以上のことから、体内に入ったブドウ糖をその場で効率的にエネルギーに変え血糖値が急激に上昇するのを防ぐ上では、朝食をしっかりと食べるほうがよいでしょう。
また、朝食を抜くことはインスリンの分泌をつかさどるすい臓のベータ細胞を破壊する原因にもなるといわれています。
仮に朝食を抜いた日の昼食と夕食でブドウ糖を多く摂取しないように意識していたとしても、インスリンの分泌をつかさどるベータ細胞が壊れていては少量のブドウ糖のエネルギーへの変換も正常に行われなくなってしまうのと同様に高血糖状態となってしまうのです。
よって、インスリンが分泌されにくくなってしまう体質になることを避けるという意味でも、朝食は毎日しっかりと食べる必要があります。
食後の血糖値を上げない食べ方
食後の血糖値を上げないようにするためには、まずは炭水化物を徹底的に避けることが何よりも重要です。
また、朝食をしっかりと食べることだけでなく食べ方にも気をつける必要があります。
具体的な注意点は以下のとおりです。
・ドカ食いをしない
インスリンのブドウ糖をエネルギーに変える能力には限界があり、急激に多くのブドウ糖が体内に入るとインスリンの変換能力が追いつかなくなってしまいます。
こうなると血糖値は急激に上昇してしまうため食後の血糖値も高くなり、なかなか正常値に戻りません。
このことから、体内へ多くのブドウ糖を急激に取り込んでしまう「ドカ食い」のような食べ方は避けた方が良いでしょう。
・早食いをしない
早食いをすることでも多くのブドウ糖が急激に体内に取り込まれてしまい、血糖値は急激に上昇してしまいます。
また、早食いをすると脳が満腹感を感じ始める前に食べ過ぎの状態になってしまいがちです。
以上のことから、食事の際にはしっかりと食べ物を噛み、十分な時間をかけるのを心掛けることもまた食後血糖値の上昇を防ぐ方法として適格であるといえます。
・だらだら食べない
早食いをしないよう意識しすぎるとだらだらと食事をしてしまうかもしれません。
しかし、食事に時間をかけすぎてしまうと食事中に消化も進んでしまい満腹感を感じ始めるまでに時間がかかってしまいます。
このことによっても食べ過ぎの状態になってしまうことから、バイキングなどでは特に注意しなければなりません。
また、だらだらと食事をすると血糖値が高い時間が長く続くため、それによる動脈硬化などの血管への悪影響も生じてしまう可能性があります。
血糖値の上昇だけでなくそのさらに先にある合併症を引き起こさないという点においても、「だらだら食い」は避けるようにしなければなりません。
・食間を2~3時間程度あける
食事と食事の間は血糖値を下げる時間となるため、この時間を十分にとらないと血糖値が高い状態が長く続いてしまいます。
このことから、食事と食事の間には最低でも2~3時間程度の間隔をあけるようにし、血糖値が下がりにくい体質になってしまうのを防ぐことも重要です。
・炭水化物(糖質)を摂らない
血糖値を上げるブドウ糖をはじめとした糖質は炭水化物に多く含まれており、血糖値を上げないようにするためには炭水化物を徹底的に避けることが何よりも重要です。
言い換えれば、どれだけ血糖値を上げないようにするための食べ方を実践しても、炭水化物を過剰に摂取してしまうとすべては無意味となってしまいます。
まとめ
生活習慣病のひとつである糖尿病は、日ごろの生活習慣の積み重ねによって発症リスクが高まります。
そのため、炭水化物を徹底的に避けることはもちろん、ここでご紹介した方法を参考に対策を行えば、その発症リスクは大幅に抑えることができるでしょう。
また、これらの対策を講じる際には、どのような理由からその対策が有効であるのかということも理解しておくのがおすすめです。
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