大腸がんのリスクが上がる!?糖尿病と大腸がんの関係
糖尿病が原因でいくつかのがんの発症する確率が上がるという研究結果が出ていることをご存知でしょうか。
この研究結果は英国のインペリアル カレッジ ロンドンにより出されたものですが、糖尿病ががんを引き起こす要因になりうるとし、2012年に発症したがんの6%が糖尿病や肥満によるものだとしています。
その後、日本においても日本糖尿病学会と日本癌学会の調査で糖尿病患者は全てのがんの発症リスクが1.2倍も上昇することが指摘されています。
これらの研究結果や調査報告は現在糖尿病を患っている方にとって他人事ではないかもしれません。
自分はがんになりやすいのではないか、どんな対策をすればいいのかと疑問に思う方もいるでしょう。
なぜ糖尿病とがんが関係しているのか、糖尿病にならない工夫や大腸に負荷を与えない工夫などを踏まえ、まずは生活習慣病である糖尿病にならない生活習慣に変えていくことが大切です。
ここでは、糖尿病とがんとの関係や大腸がんになりやすい理由、さらに糖尿病にならないための工夫や大腸に負荷を与えない工夫について説明をしていきます。
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糖尿病はがんと密接な関係がある
最近になり糖尿病によってがんを発症するリスクが高くなることが分かってきました。
そこで気になるのが「糖尿病の患者さんはどのようながんになりやすいのか」ということです。
2013年に日本で発表された糖尿病と癌に関する委員会報告では、主に2型糖尿病(インスリンの作用不足で起きる生活習慣病)患者さんにおいて大腸がん、肝臓がん、膵臓がんになるリスクが高いこと、また女性では胃がんや子宮内膜がん、卵巣がんになるリスクが高くなることが発表されました。
では、糖尿患者はそうではない人に比べてどのくらいがんにかかる確率が上がるのでしょうか。
先述の糖尿病と癌に関する委員会による報告においても糖尿病患者はそうでない患者と比べてがんにかかる確率が高まるとされていて、大腸がんは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍にも上るようです。
では、なぜ糖尿病ががんの原因になるのでしょうか。
これまでのところ糖尿病ががんを引き起こす原因として考えられているのは、以下の4つです。
①糖尿病のほかにも肥満を合併している
②高インスリン血症(血糖を処理するインスリンが効きにくくなる)
③血糖値の上昇(炎症性サイトカインが増加する)慢性の炎症
④性ホルモンの障害
実際のところ、糖尿病に伴ってがん細胞が増える仕組みはまだわからないことも多いとされています。
しかし、予測できることとして糖尿病では細胞を成長させるインスリンが多く分泌されるため、それががん化につながるのではないかとされています。
さらに最近の研究報告では、糖尿病患者ががんになるリスクは男性よりも女性の方が高い可能性があることも報告されています。
これはシドニー大学ジョージ国際保健研究所の研究で明らかにされたものです。
この研究によると糖尿病の男性患者ではそうではない人に比べてがんになる確率が19%高く、一方で糖尿病の女性患者ではそうではない人に比べてがんになる確率は27%高いことが分かりました。
これによると糖尿病患者においては女性の方が男性よりも8%も高いことになります。
糖尿病患者ががんにかかりやすく、しかもその性差があることについては、はっきりとした因果関係は明らかになっていません。
しかし、とくに糖尿病を患っている女性にとっては男性よりもがんにかかりやすい可能性があるのかもしれないと心得ておく必要があるといえるでしょう。
糖尿病患者の大腸にはがんの種ができやすい
ここまで糖尿病とがんの関係性をお伝えしました。
次に気になるのが、「どうして糖尿病はがんになりやすくなるのか」ということです。
とくにここでは、最近とくに罹患者数が増えている大腸がんについて注目したいと思います。
大腸がんを発症する人はここ30年間のうちで約6倍にも増えています。
さらにがん罹患予測数の第1位、死亡予測数の第2位となっています。
女性において、大腸がんはがん死亡原因の第1位にもなっています。
今や大腸がんは日本において決して見過ごせないがんとなっている上、糖尿病患者においては大腸がんになる確率がそうではない人と比べて1.4倍になっていることも分かっていますので、糖尿病患者にとってはなおさら糖尿病と大腸がんについて知っておく必要があるといえるでしょう。
糖尿病と大腸がんの関係については糖尿病患者の大腸にはがんの種ができやすいことが米ワシントン大学での研究で分かっています。
とくにインスリン作用不足による生活習慣病である2型糖尿病において「大腸ポリープ」や腺腫である「アデノーマ」などの大腸がんのもとになる病変が発生しやすいとしています。
さらにその研究では、糖尿病患者が年齢の早い段階でがんになりうる病変がみられるかを比較検討しています。
その結果では、40代の糖尿患者にアデノーマ(腺腫)を認める率が30.4%であるとし、その確率は40代の糖尿病患者でない人の14.4%と比べて有意に高いことが分かっています。
加えて、50代の糖尿病患者でない人の32%と比べて数値は変わらないことも研究として報告されているのです。
また、この研究結果では肥満や喫煙や人種などの他の危険因子を憂慮しても、40代の糖尿病患者の大腸ポリープ発生の確率の高さは変化がなかったとしています。
糖尿病患者では大腸がんや他のがんが発症する可能性が高いこと、がんのもとになる大腸ポリープやアデノーマが40代からすでに発生しやすくなっていることがこの研究からもわかります。
適切な時期に検診を受けることや、肥満や喫煙、身体運動など危険因子の解消に早いうちから取り組む努力が必要であることといえるでしょう。
大腸がんは早期発見と早期治療で約95%が完治する病気といわれています。
しかし、がんを発症して何も対処をしないでいると、がんが進行するまであまり自覚症状はないのに進行度の違いによって生存率が5年も下がってしまうことがあります。
日本においては大腸がん検査を受けている人は約4割程度と少ない現状もあるため、その検診の重要性がまた広く行き渡っていない状況もあるといえるのですが、糖尿病患者は大腸がんになりやすいこと40代よりその病変がみられる可能性が高まることを踏まえ検診を欠かさず受けることを強くお勧めします。
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糖尿病にならないためにできる工夫
ここまで、糖尿病とがんの関係性や糖尿病患者はとく大腸がんにかかりやすくなっていることなどをお伝してきましたが、自分は糖尿病ではないけれどがんになりやすいと言われる糖尿病にならない方法はあるのかと思う方もいるでしょう。
ここでは、そのように思われる方に向けて糖尿病にならないためにできる生活上の工夫をお伝えしていきたいと思います。
実際のところ、糖尿病にならないための方法があるのでしょうか。
日本における糖尿病患者の約95%が2型糖尿病で、これは生活習慣病の一つとして考えられています。
ですので、「生活習慣病を防ぐ生活をすること」、これが糖尿病にならないために私たちができる工夫といえるでしょう。
具体的な方法をそれぞれご紹介していきます。
・定期的な運動を心がける
続けられる適度な運動は血糖の上昇を防ぎ合併症を予防することができます。
仕事もありなかなか運動が続けられないという方は1日少しの時間でも良いでのでウオーキングやストレッチ、ヨガなどを生活に取り入れてみましょう。
とくに食後の1~2時間後に1回30分程度の軽いウオーキングをまずは始めてみることをお勧めします。
・タンパク質、ビタミン、脂質、ミネラルなどが多く含まれた食生活に変える
栄養バランスのとれた食事にしましょう。
・ストレスを溜めない生活をする
ストレスはアドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾルなどのホルモンを分泌させ血糖値の上昇を招きます。
またアドレナリンのホルモンはインスリンの作用を弱めるという報告もあります。
ストレスをそのままにしておくと、血糖が高くなったりインスリンの分泌が十分行われていない状態が続き、糖尿病になるリスクが高まるのです。
・健康診断をしっかりと受ける
これは言うまでもなく、糖尿病になる可能性をできるだけ早く見つけるためです。
メタボリックシンドロームは糖尿病などの生活習慣病がいくつか重なって生じている状態をいい、これを早期に発見し糖尿病のリスクを下げることが大切となります。
大腸に負荷を与えないためにできる工夫
それでは、大腸がんにならないよう大腸に負荷を与えないためにできる工夫はあるのでしょうか。
いくつかその方法をご紹介したいと思います。
そもそも大腸がんの原因に挙げられるのが「肥満」「飲酒」「喫煙」と言われており、それらに対する対策をすることが大腸に負担をかけずに済む方法といえるでしょう。
・炭水化物中心(糖質)の食生活を改める
肥満の最大の原因は炭水化物の摂り過ぎです。
ご飯(お米、玄米など)やパンなどの炭水化物を主食として常に食べていると、どうしても炭水化物の摂り過ぎにならざる得ません。
毎食のようにラーメンやうどん、そばを食べている場合も同様です。
健康食と信じられている果物や野菜(特に根菜類)も糖質の塊です。
これら炭水化物中心の食事を続けていると、必然的に肥満のリスクは高くならざるを得ません。
・生活リズムを整える
食事だけでなく、運動や睡眠などの生活リズムを整えていくことも大腸に負担を与えないポイントです。
食事は気をつけているがなかなか運動ができないという方も多いと思いますが、1日30分でも良いので軽くウオーキングをしてみても良いでしょう。
適度な運動と十分な睡眠が体調を整え、それらが肥満を防ぐことにもなります。
・ストレスを抱えすぎない
適度なストレスは健康に必要なこともありますが、多すぎるストレスは胃腸の動きを悪くし悪影響を及ぼします。
・節酒・禁煙をする
お酒と喫煙と大腸がんに関連した研究では、1日平均1合以上飲酒する人は飲酒をしない人に比べて大腸がんになりやすく、また喫煙に関しても喫煙者はそうでない人に比べて大腸がんの発症率が1.4倍という報告があります。
節酒や禁煙は大腸がんだけでなく、ほかのがん疾患においても罹患リスクを抑えることにつながりますので、大腸がんに関わらず取り組みたい生活習慣といえるでしょう。
まとめ
糖尿病とがんの関係性や糖尿病患者は大腸がんになりやすく、そのため定期的な検診が必要であること、糖尿病にならない工夫や大腸に負担をかけない生活習慣などをお伝えしてきました。
すでに糖尿病である人も予備軍の人も、食事や運動などの生活様式を改善し治療を受ける、または糖尿病にならない工夫をすることが大腸がんやそのほかのがんに罹患する可能性を軽減する方法と言えます。
これを機会にそれぞれの生活習慣を見直し、がんに罹らず健康寿命が伸ばせる生活スタイルに変更していきましょう。
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