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自分で出来るうつ病チェックと知られざる運動の効果

 2017/01/06 生活習慣病
この記事は約 10 分で読めます。 2,655 Views

うつ病の治療法といえば「休養をとること」、そして薬物療法が一般出来ですが、研究が進むにつれ様々な方法が登場しています。

ウォーキングなどの有酸素運動も、うつ病に効果的であることは知られています。

ですが実は、場合によっては有酸素運動よりも効果的な方法があると言われます。

詳しく見てみましょう。

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うつ病と脳内神経伝達物質

うつ病のチェックの前に、うつ病というものがそもそも何なのかということを考えるのが良いでしょう。

うつ病というものは、要するに「精神的にものすごく落ち込んだ状態」です。

単に落ち込んでいるのとは違うと言う人もいるのですが、落ち込んだ状態が継続しているせいで思考が負のスパイラルに陥っており、そこから抜け出せなくなっているのです。

また、人間が思考をする際には必ずそこに「脳内の神経伝達物質」の動きが伴います。

たとえば楽しいことがあるとドーパミンやエンドルフィンが分泌され、安心するとセロトニンが分泌されるというような感じです。

しかし、うつ病という状態になり思考が負のスパイラルにはまると、この脳内の神経伝達物質が正常に出なくなるので、脳が働きにくい状態になります。

そうすると、思考がマイナスな以前に思考自体が働かないということになります。

更年期などは脳内の神経伝達物質の量が低下している状態ですが、できれば薬よりも自分の内から治すのがベストです。

 

うつ病のチェック方法、うつ病の明確な基準とは?

具体的にうつ病かどうかを自分でチェックする方法は、あえて端的に言ってしまえば、単純に「辛いかどうか」です。

医師がうつ病の患者をチェックする際には、朝起きられるかということや、人の話が頭に入るか、生きていることに充実感を感じるかなどの質問がなされます。

しかし、これは他人が判断するために質問をしているのであって、自分自身で考える際にはこの基準は必要ないでしょう。

なぜならば、うつ病の明確な基準というものは存在せず、患者本人がかなり辛いと感じていたらうつ病と呼ばれる状態であるからです。

医師が質問をしているのは本人ではないから、患者がどのくらい辛いのかを客観的に判断して薬の処方などを検討するためです。

しかし、この薬の処方も客観的な基準はなく、本人が辛いなら医師は薬を処方するという選択を取ります。

 

うつ病の薬物療法について

上述の通りうつ病というのは思考が負のスパイラルに陥って脳内の神経伝達物質の働きが落ちている状態なので、これを薬で補うのです。

ただしこの薬という方法はなるべく避けるべきで、自分の内から改善することがベストです。

その理由は、薬を使用して無理やり神経伝達物質を増やそうとするとバランスが崩れてうつ病が躁うつ病になったりする可能性があるからです。

副作用のない薬というものはこの世に存在しません。
怪我の薬でも、自然治癒を邪魔すれば治癒能力を低下させることになります。

うつ病に対しての最善策は自力で思考を変える方法になります。

 

うつ病の治し方 ~基本は規則正しい生活と運動~

そしてうつ病の具体的な治し方ですが、思考を変えようとするのはほぼ不可能です。
それが可能ならばうつ病は存在しないでしょう。

また、テレビを見て楽しむなどの方法を取ろうとしても、当然うつ病の状態なので楽しくないでしょう。

ではどうするかというと、まずは規則正しい生活と運動です。

この運動というのが非常に重要で、できれば朝日を浴びるウォーキングなどはかなりうつ病を改善します。

朝日を浴びるというのは人間の自然なサイクルを調整する機能があり、セロトニンが適正に分泌されるようになります。

ウォーキングやジョギングは外に出ることでドーパミンを活性化させ、一定の負荷を体に掛け続けることによってエンドルフィンを分泌させます。

このエンドルフィンは非常に強烈で、脳内モルヒネと呼ばれるように、ランナースハイのような苦痛を和らげる作用を持ちます。

有酸素運動を続けていて、肉体に一定の負荷が掛け続けるとエンドルフィンで筋肉痛などを和らげますが、この際に精神にも作用するのでうつ病にかなりの改善効果を発揮します。

もちろん食事による適正な栄養摂取は、うつ病以前に健康的な生活をするために必要です。

 

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うつ病に効くのは無酸素運動 ~テストステロンとは?~

有酸素運動はうつ病に薬どころではない圧倒的な効果を発揮するのですが、運動に慣れてくると、できれば「無酸素運動」も行った方が良いです。

行った方が良いというよりは、本当は無酸素運動の方がやっていきたいところです。

ただし、うつ病の状態でいきなり無酸素運動というのは厳しい場合が多いでしょう。
そこでまずは有酸素運動から入ります。

無酸素運動の何が良いかというと、「テストステロン」という善玉の男性ホルモンが分泌されます。

これは善玉なので、男女問わず体を筋肉質にしたり精神的に前向きにしたりという効果を発揮します。
また成長ホルモンが分泌されるので体の調子も良くなります。

脳において、思考力は思考で鍛えたりするのですが、脳の「臓器としての最大酸素摂取量」などは運動によって鍛えることしかできません。

そして、無酸素運動は脳の機能を爆発的に高めるので、当然うつ病の改善にも大きな効果を発揮します。

 

知られざる無酸素運動の効果

日本人はうつ病の患者が世界にも類を見ないほど多いです。

その一因としては労働時間が長いというのはあるのですが、実際はそれ以上に「運動不足が原因」であると、アメリカの研究論文などで言われています。

アメリカ人はジョギングや特に筋トレを積極的に行っていますが、これは単にマッチョになりたいというだけではないです。

その証拠に老若男女が筋トレに励んでおり、これは肉体や精神に筋トレが与える効果の大きさを知っているからです。

特に精神への影響は大きいでしょう。

筋トレは肉体を大きくするというイメージがあるかもしれませんが、実際現代社会においては筋力はそれほど必要ないでしょう。

しかし、筋肉があることで体が活性化し、精神が明らかに前向きになるということなので、ストレスの多い現代社会にはむしろ筋トレは必要不可欠でしょう。

筋トレの運動強度がきつすぎる人はジョギングが良いですが、本当は無酸素運動の方が成長ホルモンの活性化や代謝を上げ、テストステロン値を高めるということなので精神にも良い影響を与えます。

ムキムキになるのは嫌だということはあるのですが、そんなに簡単にムキムキにはなりません。

うつ病の状態というのは、このテストステロン値が大幅に下がっています。

最終的には脳内の神経伝達物質の低下が影響しているのですが、テストステロン値が下がることで脳内の神経伝達物質の量は安定しにくくなります。

従って、筋トレを行うことは直接うつ病の改善に効果があるということです。

体の機能を高めるのは無酸素運動ということです。

有酸素運動は日常生活の延長のような負荷なので、たとえ息が切れるまで運動してもそれは単に疲労しています。

もちろん心肺機能は高まり、精神的にもすっきりするという効果はあります。

しかし、無酸素運動ならテストステロンや代謝、成長ホルモンといううつ病を劇的に改善する効果を得られます。

 

考えるより動いてみましょう

自分がうつ病かどうかに関わらず、落ち込んでることは明白です。

そして医師は、客観的に患者がどのくらい落ち込んでいるのかを図るために基準を設けているということでした。

自分がうつ病かということを疑った時点で、その人は確実に落ち込んでいます。

どのくらい落ち込んでいるのかを深く考えることよりも、上述のように生活リズムを整えて、運動をしていくというのをまずやった方が良いでしょう。

落ち込んでいることを考えると余計に落ち込む可能性がありますし、繰り返しになりますがどのくらい落ち込んだらうつ病という明確な基準はありません。

テレビを見て楽しいかなどは医師の判断基準を一般に公開しておくことで、診断をスムーズにするようなものです。

うつ病でなくてもテレビを見ても楽しくない人はいるでしょうし、そもそもうつ病かどうかを考えても意味がないということです。

便宜上「病気」と言っているだけで、要はものすごく落ち込んでいる状態なのです。

そして、改善策がはっきりとしており、それをやってみて改善するなら絶対にその方が良いでしょう。

ちなみに、前向きになろうと思ってもそれは難しいです。

脳内の神経伝達物質を脳による思考で変えるのは、瞑想ができるなどの修行僧のような力が必要でしょう。

一般人でも練習すればある程度できるのかもしれませんが、それでも運動した方が全身の機能が高まるので、一緒に脳の機能も高まるということで手っ取り早いです。

効果があるのかもわからない瞑想のトレーニングをして効果があったのか検証するよりも、目に見えてわかる運動で内臓も丸ごと鍛えれば脳内の神経伝達物質も整いますということです。

また環境などの原因がはっきりしている場合は、それを取り除くことはもちろんうつ病の改善に効果があります。

それが可能ならやれば良いのですが、それをやることでデメリットもあるということであれば、上述のように環境ではなく自分を変えることをやるのが良いということです。

ポジティブシンキングのような前向きさを身に付ければ良いのですが、それは考え方で実践するのは難しいです。

脳科学的に実践していく方が安定しますし簡単でしょう。

 

お勧めのトレーニングとは?

これまで見てきましたように、ぜひ試して頂きたいのは「運動」です。

さらに効果を期待できるのが「筋トレ」です。

筋トレ筋トレと繰り返し強調していますが、それくらい精神面に与える影響が大きいにも関わらず、適切に正しく紹介されることが少ないのが現状です。

マッチョになるまでやる必要はないので、「腕立て伏せ」などから始めても良いでしょう。
スクワットなどは大きい筋肉を動かすのでおすすめです。

運動と血流に効果のあるものは「逆立ち」で、さかさまになることで内臓の位置が適正化され、血流が頭の方にいくので脳が活性化します。

たまに頭に血が上るという人がいるのですが、それは脳に血流が増える状態に慣れていないということなので、慣らした方が良いでしょう。

逆立ちを繰り返していると、脳に血がめぐる状態が心地よくなり、脳が活性化するようになります。

最初は頭に血が上るというように脳が血流の負荷に耐えられないかもしれませんが、それも訓練で、脳に血を送り込む訓練です。

 

まとめ

ここまでの話で、「精神に対して肉体で対処する」という非常に原始的な手段ということを感じたかもしれません。

しかし、脳も肉体の一部であり、内臓なのでタンパク質の塊です。

なので、これの機能を高めるというのは結局は肉体の強化に他ならないのです。

勉強ができるという話と、脳の血流や酸素の摂取量が多いというのは別の話です。
勉強ができるというのは「脳の使い方」の問題です。

知識が多い、融通が利く、というのは別のことと考えられがちですが、どちらも脳の使い方の問題です。

知識を入れても臨機応変にやっていても脳の機能そのものが高まったというよりは、脳を使うのがうまくなったと考えるとわかりやすいです。

うつ病の改善のためには前向きに考えるということで脳の使い方をうまくすることも良いのですが、脳を肉体として鍛えることによって、結果として機能が高まり思考も前向きになるというプロセスの方が簡単なのです。

日本人はよく頭が良いという表現をし、脳を鍛えるのは勉強というように考えます。

しかし、実際頭が良いという表現は非常に不明確な表現で、脳の最大酸素摂取量が大きいのか、血流が多いのか、または勉強ができるのかという能力は連動しているのですが、かならずしも一致していません。

これらを意識的にやっていくと強く、かつうまく脳を使うことが可能になり、うつ病などにもならなくなります。

関心のある方はぜひ、少しでも参考にしてみてください。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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