早期発見が鍵をにぎる「胆管がん」
がんという病気においてはとりわけ「早期発見」が重要です。
早期発見できるかどうかによって、その後の治療や経過が大きく変わるからです。
がんの中でも特に早期発見が鍵をにぎるのが「胆管がん」です。
その理由や、胆管がんの症状、原因、早期発見のポイント、治療方法などを解説します。
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胆管がんの初期症状
胆管がんの場合、その初期症状で「黄疸(おうだん)を伴うケース」と「そうでないケース」とがあります。
黄疸が出ると、その時点で胆のうや肝臓の一部に異変が生じている可能性が高いので、医療機関で検査をすることが推奨されます。
黄疸が出たら即胆管がんを疑わなければならないというわけではありませんが、しかし胆管がんの初期症状として、黄疸を伴う可能性も十分ありますので、やはり検査するのが無難であるといえます。
また、それまでに何の違和感や異変も感じておらず、徐々に違和感や異変とともに黄疸が生じたということであれば、仮にそれが胆管がんに起因する症状であったとしても、初期症状である可能性が高くなります。
だからこそ、黄疸が出た時点でできるだけ早く医療機関で検査してください。
その意味では、黄疸が現れない症例のほうが、胆管がんの早期発見が遅れる危険性が高いとも考えられます。
黄疸という症状はかなり特徴的な症状であり、胆のうや肝臓など、ごく限られた臓器に何かしらの問題が生じていると判断できます。
しかし黄疸が出ない症例では、「なにかちょっとおかしいな」という程度で、その場をやり過ごしてしまう危険性も考えられるのです。
黄疸の有無に関わらず、胆管がんの初期症状としては、腹部痛、発熱、食欲不振、全身の倦怠感などの症状が見られることが多いです。
黄疸があってこれらの症状も同時に出現したとするならば、胆管がんをはじめとするやや深刻な病気を当該臓器に発症しているのかもしれません。
ところが黄疸が出なければ、これらの症状は「風邪」に似ているとも言えます。
仮にこの症状を自覚しても、この症状のとおりを問診で医師に伝えたとすると、その時点で「じゃあ検査をしましょう」ということにはならない可能性が高いです。
結果的に、医療機関で検査しようという気持ちになりづらい分、早期発見のタイミングを失ってしまうかもしれないという怖さがあるのです。
さらに悪いことに、胆管がんの初期症状が無症状の症例も確認されています。
そこまで多い事例ではありませんが、無症状のまま初期状態が経過していくことがないわけではありません。
これは非常に困ったことで、よほど体調管理をしっかりしている人か、さもなくば、偶然胆管がんの検査をしたとか人間ドックに入ったタイミングだったといった幸運がなければ、無症状の段階で胆管がんを見つけることは難しいと言わなければなりません。
胆管がんの原因
女優の川島なお美さんが亡くなった原因がこの「胆管がん」であったと紹介されることが多いです。
また有名人・著名人では、柔道の斉藤仁さん、任天堂の岩田聡社長も「胆管がん」によって他界されました。
有名な方の死がきっかけでその病気が注目される形になる事例は近年多いですが、胆管がんもそのひとつです。
ということは、川島なお美さんがお亡くなりになるまで、胆管がんはそこまで認知度が高くなかったわけで、それはつまり、胆管がんの原因についても多くの人が興味を持たなかったということでもあります。
もともとがんという病気には、いろいろな原因が考えられますので、「何かをしたからがんになった!」という原因究明の方法はありません。
ただ、いくつかの要素が複雑に絡み合って「がんの原因」となることがとても多いです。
胆管がんの原因も同様です。
中でも、がんの原因として取り上げられることが多いのが、アルコールや喫煙、ストレスなどです。
また胆管がんは、肝臓内や胆管・胆嚢に「胆石」がある人は、「胆石」がない人の10倍以上も胆道がんになりやすいといわれています。
胆石というと、痛みは強いと言われますが、実際そこまでの重病という印象はないと思います。
ところが、胆石がある患者の10%にものぼる人が胆管がんになっているということですから、これは胆石患者にとってはとても怖い数字です。
しかももっと恐ろしいことに、現代の日本人の10人に1人が胆石を持っているという事実が明らかになっているのです。
同じ胆石と言っても、実は胆石には3種類あります。
この3種類の胆石の中でも、胆管がんになる可能性が最も高い胆石が、「コレステロール系胆石」です。
コレステロール系胆石というのは、簡単に言えば脂肪分を多く含んだ胆石であり、食生活が悪かったり運動不足だったりすると、コレステロール系胆石ができやすくなります。
がん全体の原因に「加齢」が挙げられることが多いですが、胆管がんもそれは同じです。
胆管がんは50歳以上の人に起こりやすい病気です。
しかも、年齢が進めば進むほど、徐々に胆管がんにかかる人が増えていくという傾向がはっきりしています。
ただし、正しい食生活を若いころから送ってきた人であれば、胆管がんにかかる確率が低くなります。
ということは、どんな食生活を送ってきたかということにも原因は隠されているということになるのです。
上記の「コレステロール系胆石」ができてしまう原因にも、食生活は大いに関係してくることになります。
コレステロール系胆石を作らないためには、できるだけ運動不足にならないように努力し、必要な栄養をしっかり摂る食生活を送ることが大切です。
胆管がんの早期発見方法
がんは人間の命を奪う恐ろしい病気です。
とても憎い病気でもあります。
しかしその恐ろしくて憎いがんも、早期に発見できて治療することができれば、少なくとも恐ろしさの部分はずいぶん小さくなります。
ですから、胆管がんの早期発見の方法は何か、についてもぜひ知っておきたいところです。
川島なお美さんの例からもわかるように、胆管がんは同じがんの中でもかなり悪質であると言えます。
しかしたとえ悪質な胆管がんであったとしても、早期発見ができれば、生存できる確率もそれだけ上がるのです。
ただ、知っておいていただきたいのが、今のところ胆管がんの早期発見の方法は見つかっていない、ということです。
だからこそ、早期発見しにくい分、胆管がんは悪質ながんになってしまうのです。
しかしやっぱり頼りになるのは検査ですから、血液検査などは定期的に受け、その数値についてもある程度は把握しておくことが重要であると言えるでしょう。
胆管がんのすべてに言えることではなく、しかも胆管がんと必ず関係があるというわけでもありませんが、仮に血液検査から早期発見ができるとするならば、それは「肝臓の数値が高い」ときです。
もちろん肝臓の数値が高いのは、胆管ではなく肝臓自体の問題の可能性もあります。
ただ、そこまでお酒が好きではなく、また、そんなにストレスも溜めこんでおらず、比較的正しい食生活も送っているはずなのに、なぜか肝臓の数値が高いという人は、胆管がんの検査をしておいたほうが無難であるとい言えるでしょう。
胆管がんの早期発見が可能になるかもしれない検査として、血液検査以外では、腹部エコー検査、腹部CT撮影、腹部MRI撮影などの方法があります。
万一、血液検査で肝臓の数値が高いときには、こうした検査も念のため受けておいたほうがよいでしょう。
また、少し値段的に高くなりますが、「PET検査」と呼ばれる検査も胆管がんの検査としては有効な場合が多いです。
健康診断を受けているから大丈夫、人間ドックに入っているから心配ないということではなく、胆管がんと関連する上記の検査がちゃんと含まれているのかどうかが大切です。
この部分のチェックは忘れずにしていただきたいと思います。
あとは、症状を自覚したらとにかくすぐに医療機関に行って、しっかりと症状を説明し、上記の検査を受けるようにしてください。
いくつかの自覚症状があっても無視してしまったら、せっかくの早期発見のチャンスを逃すことになります。
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胆管がんの治療方法
胆管がんの治療方法には、他の臓器のがんと同じように、外科療法(手術)、化学療法(抗がん剤)、放射線療法の3種類があります。
外科療法というのは手術によってがんを取り除く方法で、たいていのがんに行われる方法です。
化学療法というのは、抗がん剤治療のことです。
薬でがんの進行を食い止め、さらにはがん細胞を殺すことが目的の治療です。
放射線治療は、放射線を当ててがん細胞を殺す方法になります。
胆管がんの場合、胆管にできたがんの場所によって手術の方法が変わることがあります。
胆管にできた場所の種類分けをすると、「肝門部領域胆管がん」、「遠位胆管がん」、「肝内胆管がん(胆管細胞がん) 」の3つに分かれます。
また、手術が成功したとしても、手術に伴う合併症が発生する可能性がありますので、そのケアも含めた4段階で行われるのが、胆管がんの外科療法になります。
化学療法は抗がん剤治療です。
胆管がんの化学療法は、「ゲムシタビン」と「シスプラチン」の併用療法が「標準治療」になっています。
「標準治療」とは、現段階では最良の治療方法であることが科学的に証明された治療方法のことです。
ですから現段階では、胆管がんの化学療法は、ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法が最良の方法であるといえます。
放射線治療は、手術では届かない部分にできたがん細胞を殺すときに行われる治療です。
しかし、胆管がんの放射線治療は標準治療にはなっていません。
胆管がんの放射線治療は、がんの進行を食い止めることと、がんによる痛みを少しでも緩和することを目的として行われることが多いです。
がんの具体的な治療方法はこの3通りになりますが、胆管がんは苦痛を伴うことが多い病気なので、手術後のケアも十分考慮されています。
手術後の痛みや苦しみを少しでも緩和しようとするケアを、「緩和ケア」と呼びます。
痛みが強いときには「医療用麻薬」が使われることもあります。
これも緩和ケアの中に含まれます。
また、化学療法や放射線治療では、副作用が大きく、食欲不振や慢性的な吐き気に悩まされる患者さんが多いです。
その副作用に対するケアも、緩和ケアに含まれます。
ですから胆管がんの治療方法は、手術の外科療法、抗がん剤の化学療法、放射線の放射線療法と、それぞれに対する緩和ケアの4つのパートがあるといえるのです。
外科療法、化学療法、放射線療法は、一度にすべて行うことはありませんが、どれか1つでうまくいかないときには組み合わせて行われることもあります。
胆管がんの生存率
胆管がんの生存率は、がんができた胆管の場所によっても大きく変わってきます。
一般的に言えることは、肝臓に近いところにできた胆管がんの場合、生存率がより低くなるということです。
がんの進行度合いを示す言葉に「ステージ」がありますが、進行がそれほど進んでいないがんを「ステージⅠ」、ステージⅠよりも多少進んだがんを「ステージⅡ」、そこからさらに進んだがんを「ステージⅢ」、末期がんを「ステージⅣ」と、4段階に分けてステージで表すことが多いです。
このステージによっても、胆管がんの生存率の数字は大きく変わってきます。
たとえば、ステージⅠの胆管がんであれば、生存率は90%にものぼります。
早期発見が重要であると言ったのは、この理由からです。
しかしステージⅡになると、生存率は一気に下がって、だいたい50%程度になってしまいます。
実際に胆管がんが発見されることが多いステージが、ステージⅡです。
もちろんステージⅢの胆管がんはさらに生存率が下がってしまい、ステージⅣは一番低い生存率になります。
なぜステージⅢ以降の胆管がんの生存率が低くなってしまうのかというと、ステージⅢ以降は単なる胆管がんではなく、肝臓や肺などといった他の臓器にがん細胞が遠隔転移してしまうからです。
また、胆管がんが進行してステージの数字が大きくなればなるほど、一度は完治したとしても、何年かして再発する危険性が高くなることも知られているのです。
再発するということは、それだけ胆管がんの死亡率が上がるということになります。
だからこそ、胆管がんは早期発見が何よりも重要であるということがわかっていただけると思います。
ちなみに、胆管がんのステージは、Ⅰが「 がん腫瘍が筋肉層にできる」、Ⅱが「 がん腫瘍が若干リンパ節まで転移」、Ⅲが「がん腫瘍がリンパ節まで転移」、Ⅳが「がんが別の臓器まで転移」となっています。
まとめ
以上から、胆管がんの生存率には、がん細胞ができる胆管の場所と、発見時点での胆管がんのステージが大きく関わってきていることがわかっていただけるでしょう。
できるだけ生存率を高くするためにも、胆管がんの早期発見ができるように、普段から注意をし、工夫をしてほしいと思います。
そのための方法は、やはり食生活を良くする、運動不足にならないこと、ストレスをためないこと、検査を定期的に行うことなどです。
怖い病気ではありますが、上記に注意していただくと、生存率は極端には下がりません。
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