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50代からの糖質制限ダイエット

 2017/04/20 食事・運動
この記事は約 9 分で読めます。 2,915 Views

ダイエットに関する情報は、これまで様々なものが世の中に紹介されては消えてゆくことを繰り返してきました。

今話題の「糖質制限ダイエット」というのは、テレビや雑誌そしてインターネットなど様々なメディアに取り上げられ脚光を浴びるダイエット方法です。

簡単に体重を落とすことの出来る方法として広く知られるようになったのですが、きちんと内容を理解せずに間違った糖質制限を行うことで、思っていた効果が得られなかったというケースもあります。

人それぞれ体質やライフスタイルは異なります。

糖質制限ダイエットの正しい方法を理解し、自分の体に無理をさせずに長く続けるためのコツをご紹介します。

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糖質ダイエットのデメリット

糖質ダイエットという方法が注目され、ご飯やパン、麺類などの主食を減らすことで体重が面白いくらい減ってゆくというイメージが定着してしまいました。

主食をほとんど食べない生活にすると確かに体重自体は落ちてゆきます。

でも、ただ単に「主食を食べずに食事量を減らす」という「間違った糖質制限」では、筋肉が落ちてしまうかもしれません。

50代の年代になれば体の代謝機能は若い頃と比べて大幅に低下して、若い頃と同じかそれ以下しか食べていないのに太ってくるのを感じることが多くなります。

体の代謝自体が落ちているため、当然脂肪を蓄えやすくなり、蓄えた脂肪を燃やしにくくなるために太りやすい体質になるというメカニズムです。

中々痩せないからと、「主食を食べずに食事量を減らす間違った糖質制限」に挑戦してみたら、思いのほか体重が簡単に落ちたことに喜ぶのもつかの間、筋肉が落ちて最悪の場合、高齢期の生活の質を大幅に低下させる可能性があるという意見もあります。

そもそも普通に朝昼晩と3食食べていたご飯を全く食べなくしてしまうと、一日のカロリーの摂取量が1000キロカロリー程度にまで落ちてしまうことになります。

そしてこの1000キロカロリーというエネルギー量は、寝たきりの高齢者でさえ必要とされるエネルギー量にあたり、一般的な健康状態の50代の女性の場合、一日に必要なエネルギー量が大幅に満たせない状態になります。

簡単に出来て効果絶大のイメージのある糖質制限ダイエットは、正しい方法を理解して行わないと、思っていたのとは違う結果になる可能性があります。

 

間食を抜いてみる

糖質ダイエットに関する様々な情報が溢れるなか、自分に出来そうな都合の良い情報だけをピックアップして軽い気持ちで糖質制限してしまうことが、50代以降の体には思わぬ影響を及ぼす可能性もあります。

現代社会は24時間いつでも好きなときに欲しい食べ物を手に入れる環境がそろっており、食べ物がなくてつらいという経験をする人はあまりいないかもしれません。

「ちょっと気を抜くとつい食べ過ぎてしまい生活習慣病などのリスクに繋がる」イメージから、「食べない」ことの方が健康に良いと思ってしまいがちです。

糖質制限のためと、闇雲に「主食を抜く」という方法よりも、「まずは間食を抜いてみる」ことから始める方が人によっては始めやすいかもしれません。

とくに女性は甘いものなどに目がないので、例えば食事の中でご飯は食べないのだからこれくらいは食べても大丈夫などと、間食に対してちょっと寛大になってしまうこともあるでしょう。

でも、食事から糖質を抜いても、間食で糖分がたっぷりのスイーツを食べるのは全く本末転倒です。

少し試してみたいなら、「食事の合間に食べる間食を止めてみる」ことから始めてみましょう。

ただ、いきなり全く間食をとらない生活にしようとすると、楽しみだったおやつが食べられないし、お友達とお茶に出かけても一人だけ水やお茶しか飲めないといった状態が続けばストレスがたまります。

上手くバランスを取りながら、トータルで糖質を減らすことを意識しながら、出来ることから始めてみてはいかがでしょうか。

そして、「短期集中型」で即効性を期待するのではなく、「続ける」ことで無理なく効果が出るような、自分に合ったやり方を見つけるのが成功の秘訣といえるでしょう。

 

週2日だけにしてみる

糖質制限ダイエットのために、いきなり食事の中から主食を全て取り除くのが難しいのであれば、例えば一週間のうちの決まった曜日だけは糖質を摂取する量を制限するという方法もあるでしょう。

糖質制限ダイエットがすぐに体重が落ちて結果が目に見えるからと、1週間だけ糖質を食べずに体重が落ちたので、これで良しと元通りの食事に戻したとたんに激しいリバウンドを起こすというのもよく耳にするケースです。

体重が落ちたからと安心して以前のように食べてしまっては意味がありません。

そこでまた糖質を抜くということを繰り返すと、結果的にリバウンドして脂肪だけが蓄えられることになり、結果的にはボディラインも絞れないし、筋肉が落ちたことで体を健康に保つことも出来なくなってしまう…といった結果に繋がりかねません。

それなら、まず最初は週に二日間だけ糖質制限をしてみるといったやり方からスタートしてみるのも一つの方法でしょう。

「短期集中型で一定の結果を出して終了」というやり方ではなく、「続ける」ことで健康的に効果が出るような、自分に合ったやり方を見つけましょう。

もちろん糖質制限した日はおなかがすくからと言って間食を食べ過ぎるのは大間違いですが、週に二日程度曜日を決めて糖質制限するという方法なら、精神的なストレスを抑えながら、糖質の摂取量をトータルで無理なく減らして、「糖質制限に体を慣らしながら」続けていきやすいでしょう。

「ただ単に糖質を抜いて食事量を減らす」という間違ったやり方の場合、エネルギーの摂取量が低下してしまう可能性がありますが、週に二日程度の糖質制限であれば、体に大きな負担をかけずに極端にエネルギー低下を招くことなく実践できるので、50代以降の人にとっても始めやすく無理なく続けられる方法と言えるかもしれません。

 

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良たんぱく質を摂取する

ご飯やパン、麺類などの炭水化物を主食とするようになった日本人の食生活では、残念ながらカロリーのおよそ6割を糖質によって補っている状態です。

その状態から、「ただ単に糖質を制限し食事量を減らすだけ」の「間違った糖質制限」をしてしまうと、本来の食事からの摂取カロリーが6割も減ってしまうことになります。

正しい糖質制限・正しい糖質制限ダイエットとは、「ただ単に糖質を制限し食事量を減らすだけ」ではなく、良質のたんぱく質や他の栄養素をきちんと摂取する食事法でありダイエット法です。

肉や魚などの良質な動物性たんぱく質を中心に、また大豆などの植物性のたんぱく質も含め、バランスよくしっかりと食べることが必要です。

また、脂質もむやみに減らすのではなく、しっかりと摂ることも必要です。

良質のたんぱく質をしっかり摂り、適度な脂質を摂れば、食事量を無理やり減らすことはありません。

空腹を我慢しなくても脳が満腹感を感じるまできちんと食べて構いませんし、カロリー不足の心配もありません。

ダイエットや健康のために減らすべきは糖質(炭水化物)です。

たんぱく質や脂質ではありません。

たとえダイエット中でも、たんぱく質や脂質は健康な体をつくり維持するために絶対に必要です。

「間違った糖質制限」では、様々な病気を発症するリスクを自分で招き入れてしまうことに繋がりかねません。

日本人の食卓には昔から良質のたんぱく質を摂る食材が豊富でした。

魚料理や大豆を使ったお豆腐も地方独特の保存方法や食べ方を工夫することで、たんぱく質がとれるような内容だったのですが、「ジャンクフードに代表される欧米化した食事」などの出現でそのバランスが崩れ、肥満や生活習慣病の患者が増えてしまいました。

もともと日本人が食べてきた良質のたんぱく質を上手に摂ることで、胃腸に負担をかけることなくきちんと体に必要な栄養を摂取することが出来ます。

間違っても「体重だけを落とせばよい」と考えないことが重要です。

それは間違った考えであり「間違った糖質制限」のやり方です。

「糖質制限」という呼称・ネーミングは、「糖質」「制限」という言葉の印象から、「ただ単に糖質や主食を食べずに食事量を減らす方法」だと誤解されがちです。

誤解されやすいだけでなく、実際に世間一般的にみても誤解している人が大半なのが実情です。

良質のたんぱく質や他の栄養素をきちんと摂取する「正しい糖質制限ダイエット」を行いましょう。

 

見た目と健康どちらが大事?

同じものを食べているのに若い頃とは見た目の印象が大きく変わってくるのは、50代くらいの年代になれば多かれ少なかれ誰もが経験します。

体重はそれほど変わらないのにボディラインが明らかにたるんできたり、太りやすく痩せにくい体質になってくるのは、年齢と共に体の「代謝機能が低下」してくることや年代的に「ホルモンバランスが大きく変化」することなどが関係して起こるものです。

もちろんその状態を手をこまねいて受け入れるだけではなく、普段から体を動かすことを心がけたり、健康的な食事を心掛けるなど、努力を重ねることで体の変化のスピードを緩やかにすることは十分に可能です。

ただし、若い頃のような無理なダイエット方法は大きな健康リスクに繋がりやすいことだけは、しっかりと頭に入れておくことが必要です。

ちょっと食べる量を減らせば面白いくらい体重が落ちるからと話題の糖質制限ダイエットを、「正しく理解しないまま闇雲に」取り組んだ結果、寝たきりの状態を招きやすいほど体が弱ってしまったり、本人も周りの人にも大きな負担をかけることになる認知症を発祥するリスクが高まるのだとしたら、何のために糖質制限ダイエットをするのかわかりません。

見た目がすっきりとしたボディラインの若い人は本当に魅力的に見えるかもしれません。

でもボディラインの緩んだ自分の姿に落胆して無理なダイエット方法で健康を損ねるほど馬鹿らしいことはありません。

でも綺麗な見た目の印象は健康な体があってこそ魅力的に映るものです。

自分の年代の体の特徴をきちんと理解し、自分の体に無理のない糖質制限ダイエットの方法を自分自身で見つけることが大切です。

まとめ

ダイエットをしても中々体重が落とせなくなったと感じる50代の体ですが、食べるとすぐに体重が増えるのを実感するという人が少なくありません。

ブームになっている糖質制限ダイエットは現在テレビや雑誌、インターネット上にも驚くほどたくさんの情報が溢れています。

でも、手軽に手に入る情報を自分に都合よく解釈して安易に糖質制限をするのではなく、正しいやり方を理解して、自分に最も合った安全なやり方をしてこそ健康な体を維持しながら体重を落とすことに繋がります。

 

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薮内直純

薮内直純

株式会社イコールヒューマン。生活習慣病専門ライター。医療や医薬品に関する誤解を解き明かしながら、真実を追求した記事を提供中。

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